忍者ブログ
知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 首記は,昨日今日と,日経の「経済教室」の記事です。要するに,新日鉄VSポスコ,全滅に近い日本のテレビメーカー勢,というような事象を前にして,どうしたら防げるんだ~というような記事です。

 私も知財得意な弁護士ということになっておりますので(まあ自分で言っているだけなのですけどね。),昨日のものと今日のものを読んでみました。
 ちなみに,昨日は,日大の教授の土肥一史先生,今日は,最近支店を出すことで話題の西村あさひ法律事務所の梅林啓先生ですね。

2 その感想ですが,昨日の土肥先生のは,正しいのだけど,まあそれがどうしたというような話に終始していましたね。
 これはしょうがありません。企業勤めをしたこともなければ,実際の技術情報に接したこともないでしょうからね。そうそう,来月からは夏休みですが,中学2年の,若干マセガキの夏休み前っていうような感じです。

 他方,そこいくと,梅林先生のは実践的でした。真似されるなら,こちらの方がよいと思います。勿論梅林先生も企業勤めの経験はないでしょうが(結構なエリートコースの検事だったようですね。),実務家としての経験はあるようで,そつがないなあというところです。
 ただ,知財の知識と経験はイマイチですね~。「特許発明」を使う場合,ちゃんと条文を見て欲しかったですね。特許法,2条2項です。「この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。」です。
 ですので,特許発明だけでなく,特許を受けていない発明でも,保護する価値はありますし,それにそもそも特許発明なら,特許法100条等で捕捉可能なんだから,技術流出で大騒ぎすることもないって気もしますね。

3 この技術流出は,ちょっと前にも書きましたが,本当に難しい話です。
 どう難しいかというと,結局,技術流出した相手に対し,訴訟で勝つにはどうすればいいという話ではないからです。法律家と学者の皆さんにとっては,まあ専門がそういうところだから,知っている事を並べるしかないとは思いますけどね。

 ただ,契約で縛れば何とかなる,少なくとも脅しにはなる,ってえのは,正直言って,お前らグランド10周!と言いたくなるくらい,三流の企業法務ですね。

 頭でっかち,秀才君タイプが陥りそうな罠ですよ。勿論,それが全くの効果がないとは言いませんよ。でも本質的解決になりません。

 似たような話あるでしょ。著作権の権利者側が違法ダウンロードの刑事罰を進めようとしている件です。要するに,CDとかの売上が下がっているのは,違法ダウンロードに需要を食われているからだ~という奴です。
 でも本当ですかね。魅力がないから下がっているだけなのじゃないかと思いますよ。つまり,間違った立法事実に基づいて立法を進めている可能性があるわけです。本当は,魅力ある歌手等を始めとするクリエイターを発掘したり,育てたりしないといけないのに,そして,それらがうまく行けば売上なんてすぐに伸びるのにもかかわらず,変な所をゴニョゴニョしているだけですわな。まあ人間,不労所得を気にするようになったらオシマイですよ。

 ですので,今回の技術流出も同じです。魅力ある職場,魅力ある製品,それを生み出すようにしていけば,そんなもん,たちどころになくなります。それに,どっちにしろ,熱平衡よろしく,そのうち流出を危惧されるような価値ある技術なんて,日本からなくなりますから,こんなことは問題にならなくなりますしね。へへへ。

 だからこそ,今のうちに技術のポジティブスパイラルに無理しても入っておかないと(魅力ある職場,製品が出せる→働きたい人が集まる,入った人はやめない→さらに魅力ある職場,製品となる→ますます優秀な人材が集まる,勿論やめない,→・・・・),あとはクソしか残りません。それには,法務部門でなく,経営者,トップがしっかりしないと駄目だと思いますね。
 おっと,最後はらしくもなくマジでしめましたな。
PR
474  473  472  471  470  469  468  467  466  465  464 
カレンダー
05 2017/06 07
S M T W T F S
1 3
4 5 6 10
11 16 17
19 20 23 24
25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
プロフィール
HN:
iwanagalaw
HP:
性別:
男性
職業:
弁護士
趣味:
サーフィン&スノーボード
自己紹介:
理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
カウンター
アクセス解析
忍者アナライズ
Admin / Write
忍者ブログ [PR]