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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 概要
 本件は,原告が,別紙被告商品目録記載の各商品(被告商品)について,別紙原告商品目録記載の各商品(原告商品)の形態を模倣しているから,不正競争防止法2条1項3号に該当するなどと主張して,①被告会社に対し,同法3条1項に基づく差止請求権として,被告商品の製造,譲渡,販売等の禁止,②同条2項に基づく廃棄請求権として,被告商品の廃棄,③被告らに対し,同法4条及び不法行為に基づく損害賠償9391万4788円(逸失利益8891万4788円と弁護士費用500万円の合計額)の一部である5627万1781円(附帯請求として不法行為の後である平成24年3月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金)の連帯支払を求めた事案です。

 これに対して,東京地裁民事29部(大須賀さんの合議体ですね。)は,損害賠償請求の一部を認めました。要するに,不正競争あり(形態模倣あり)ということです。

 この前の判決に引き続き不正競争防止法の事案で,しかも今回も形態模倣の事案です。
 何か,意図がありそうですが,実はありませんで,他に著作権で若干面白いもの(某漫画家のネットでのイザコザ,ファッションショーを写したもの著作物性)がありましたが,ここで紹介しなくても誰かがやるだろう,ということで,こちらはやはりマニアックな方を選んだ,ということです。

2 問題点
 問題点は,基本1つです。不正競争防止法の2条1項3号で保護される「商品の形態」って何?という論点です。
 ちなみにこの前の判決(ドメイン名じゃないやつ)の論点は,「模倣」って何?でした。ですので,微妙に違うのですね。

 条文です。
他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為

 今回更に具体的には,ありふれた形態かどうかが論点です。というのは,若干法改正の経緯を知らないといけません。

 昔のこの条文は,こうでした。
他人の商品(最初に販売された日から起算して3年を経過したものを除く。)の形態(当該他人の商品と同種の商品(同種の商品がない場合にあっては,当該他人の商品とその機能及び効用が同一又は類似の商品)が通常有する形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し,貸し渡し,譲渡若しくは貸渡しのために展示し,輸出し,若しくは輸入する行為

 つまり,同種の商品が通常有する形態は保護されない,としてあったのです。法改正(H17年)の目的は,この規定の明確化だったのですが,じゃあ,昔保護されなかったものが,今保護されるかというと,そんなことはありません。

 この通常有する形態って,何かというと,例えば上に言うありふれた形態のことで,これは今も昔も保護されない,ということです。

 ですので,今回の論点を更に敷衍すると,原告商品の形態がありふれた形態かどうか,これが論点です。

3 判旨
「不正競争防止法2条1項3号の「商品の形態」が保護されるのは,先行者が商品形態の開発のために投下した費用・労力の回収を可能にすることにより,公正な競業秩序を維持するためであると解される。商品の形態がありふれた形態であって,その開発のために特段の費用・労力を要しないような場合は,同号による保護の必要が認められないから,そのような場合には,同号の「商品の形態」には当たらないものと解するのが相当である。
 本件において,被告らは,原告商品の形態は,原告商品に先行して販売されていた電気マッサージ器「フェアリーポケットミニ」(対照商品)の形態と実質的に同一であり,その他電気マッサージ器の形態とも実質的に同一であって,ありふれたものであるとして,不正競争防止法2条1項3号の「商品の形態」に当たらない旨主張する。・・・・
 
 そうすると,原告商品は,その全長を極端に小さくした構成を採用することによって,電気マッサージ器としてのみならず携帯ストラップとしても使用できるものとしたことに形態的特徴があり(原告は,このような新たな用途の商品として開発するため,小型化のための工夫等を含めて費用・労力を投下したものと認められる。),そのような商品は原告商品の発売以前においては存在しなかったのである。したがって,先行商品として「フェアリーポケットミニ」存在するからといって,原告商品の形態がありふれた形態であるということはできず,他に原告商品のような用途の商品について類似の形態の商品が流布していたことを認めるに足りる証拠もない。
 以上のとおり,原告商品の形態は,不正競争防止法2条1項3号によって保護される「商品の形態」に当たると認められる。」

4 検討
 原告商品の前に,フェアリーポケットミニという先行商品があったようですね。でも,このフェアリーポケットミニ,原告商品より倍以上の長さ(14.6cm)で,スラっとした形態です。他方,原告商品は,長さが6.4cmでズングリムックリで,しかも,携帯につけても良いくらいの大きさに仕上がっております。

 ですので,全然違うわけです。

 他方,原告商品と被告商品(コデンマ/CODENMAという商標らしいです。)の形態は,実質同一ということで,これは問題無かったようですね。
 ま,経緯を見るとわかるのですが,要するに,被告はもともと原告商品の販売業者だったのですが,原告を裏切り,独自で同じようなものを他所で作ってもらい,それを売り始めたわけです。論点は,違いますが,この辺の経緯は,前回と似たようなところがありますね。
 つまり,あんなに仲の良かった二人なのに,欲に目が眩んで,一方を裏切る~,その後,ときには債務不履行で,ときには知財法で懲らしめられる~♪てな具合です。

 本当,この債務不履行がねじれて知財法が使われるというパターンはしょっちゅう見かけます。

 ところで,今回の製品,電気マッサージ器なのですね。なのに,14.6cmだとか,6.4cmの大きさ,何に使うのだろうと思う人が多いでしょうね~。
 でも私のような変態エロ弁護士は,すぐにわかります。だって,被告商品の謳い文句を見れば一目瞭然です。「紳士の玩具」ですからね。ま,早い話,女性の体のあっちやらこっちやらに当てて,女性のあっちやらこっちやらを喜ばせるというバイブレーターなわけですね。
 ま,そんな明け透けな使い方は実際にはそんなにされないとは思いますが,合コンとか,その他の飲み会でのウケ狙いアイテムっちゅうことで,よろしいんじゃないでしょうかね。

 で,折角エロ方面に話が行ったところで,日本のAVと洋物で非常に大きな違いがありますね。まあ,マニアの人は先刻ご承知だと思いますが,日本のAVは,本当バイブレーターをよく使いますよね。
 中に入れるタイブのものから,マジのマッサージ器まで,まさかのマッサージ器見本市状態です。

 ところが,洋物は決してそんなことはありません。ナチュラルな竿で勝負できるからでしょうか,機械は使いませんよね。
 ただ,洋物の特徴としては,必ずアナルに行くというパターンがあります。日本のAVだと,本当マニアものくらいしかアナルセックスしませんが,洋物は,ほぼルーチンです。特にアメリカものは顕著ですかね。

 で,私が驚いたのは,アメリカ人は普段のセックスでもかなりアナルセックスをするらしいということがわかったからです。日本人がバイブレーター使うのはまあビデオの中だけですよね(え,今は違うんですか?)。

 ほんで,それがわかったのは,NHK BSで昨年放送された「ホットコーヒー裁判の真相 ~アメリカの司法制度~」です。

 これは,法曹の間でも結構話題になりました。アメリカで,コーヒーが熱すぎるという理由で,マクドナルドを訴え,巨額の賠償を勝ち取った人がいるということで,クレージー訴訟社会のアメリカここに極まれり,というイメージが定着しているとは思いますが,実情は,それとは異なり,実はすごい火傷で,その後のネガティブキャンペーンがすごかったので,いまのようなイメージが定着したというような内容でした。

 で,その後編は,私企業のゼロハリバートン社に就職した女性が,米軍について行ったイラクで同僚からひどいレイプをされ,それを裁判に持ち込もうとするものの,契約で裁判を排除した強制仲裁条項があるため,裁判をしたくてもできない,というような内容です。
 ま,イメージと内実は違うというのはよくあるのですが,まさに良い番組だったと思います。チャンチャン。

 で,話がずれた上に更にずれてる?そうでしたそうでした。そのひどいレイプの内容が,睡眠薬を飲まされ記憶を失い,朝起きたら,膣も肛門も裂傷を負わされているというものだったのです。
 ということで,多少上に戻ります。アメリカ人って,普段からアナルセックス好きなのね~,ムフフフ,というわけです。

 今日は話がずれたまま,このまま終了です。

5 追伸
 この事件について,控訴審の判決が出ました(知財高裁平成25(ネ)10075,平成26年02月26日判決)。
 一審に続いて原告が勝ったのですが,お金が上がっております。

 まあ,しかし,上記に書いたように,「 原告商品と同程度の大きさの電気マッサージ器は,女性器を刺激するピンクローター,いわゆる大人のおもちゃとして,」とか,「 また,検乙5から8までの商品は,女性器を傷つけることなく,同商品の全部又は一部を女性器に押し当て,または膣中に挿入して振動を与えるという用途に特化した形態が選択された商品であり,」とか,全く私好みとしか言うしかありません。

 検*ということは,実際に裁判所で使ってみせたのかな~。うーん,どうやって??
 おかしいなあ,これは膣中に挿入して振動を与える筈なのに,アナルの方に入れやすいじゃないか~,被告代理人~いえいえ,裁判官,これはこうして使うのですよ~,おーそうか,そうかという風なことをやったんですかねえ。

 しかもこれは知財高裁の2部の清水さんの合議体なのですが,陪席に女性裁判官が入っておりますね。もしかしてだけど~♫もしかしてだけど~♫裁判所でHなことをしちゃったんじゃないの~。
 ムフフフ。
 

 

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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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