忍者ブログ
知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 タイトルからして,今日も知財の判決の更新はないのねということになります。まあそれはよいとして,若干このタイトルはオーバーなところもあります。もっと端的に言うと,文系職と理系職というところでしょうか。

 実は,昨日,先輩の弁護士,クライアントとで会食をする機会があったのですが,その中で,クライアントの方から大学が理系で職場が文系だったので,慣れるのに苦労したという話が出ました。私も大学から会社に入ったときに慣れるのに大変苦労したのですが,それはまた今度として,今回は,理系職から文系職へ変わったときの話です。

2 理系職というのは,私の場合LCDのTFTデバイスエンジニアのことです。仕事は,クリーンルームに入り,顕微鏡を覗き,出来上がったデバイスを測定器で測定し,或いはダイヤモンドカッターで切断してSEMで観察し,それをプロセス側や時には設計にフィードバックするというものです。
 ですので,朝職場に来て自分の机に若干居た後は,ちょこっとしたレポートを短時間で書くときくらいしか席には戻りません。また,一旦席に戻っても,その後,解析室やクリーンルームやその他の場所をあちこち移動するということも多かったと思います。このような生活が約8年続いたわけで,それ故,そのような生活に慣れていたわけです。

 ところが,98年の6月に,法務・知財部に異動してそのような生活は一変します。これが私の場合,文系職というわけです。異動はかねてから望んでいたことで,漸く希望が叶ったものなのですが,理系職とは全く違いました。というのは,朝職場に来て自分の机についた後,ずーーーとその机で仕事をするのです!

 いやいや何を言ってますの~??!今のあんたの仕事の弁護士業も基本そうでしょ,弁理士もそうだし,法務の人だってそうでしょ,と思う方も多いと思います。
 しかし,世の中自分の常識だけで判断してはダメですよ。ずっと机に張り付いている仕事が世の中の仕事のすべてではないのです。

 ですので,このずっと机に張り付いての仕事,というものに慣れるのに,非常に時間がかかりました。
 最初は,1時間に1度はタバコを吸わないと全く耐えられず(眠くなるというのもあるのですが,それ以上にじっとしているのに耐えられなかったのです。),ジュースを飲みに行ったり,調べものと称して居室を出て行ったりと,大変な苦労でした。

 それが今や弁護士ですからね~,ある意味笑ってしまいますよ,我ながら。

3 さてさて,若干タイトルからは外れますが,当時,そういう異動の苦労以外に,同時にもう1つ苦労を抱えたのでした。
 それが,弁理士の受験です。もともと弁理士になりたくて,知財部への異動を出したくらいですから,異動して即弁理士の受験勉強も始めることにしたのですが,これでまた苦労することになります。

 というのは,私が当時住んでいたマンションには勉強机など無かったのです。
 要するに,家に帰って勉強することもなく,仕事をすることもなく,本を読むこともなく,というような生活だったからです。
 読むのは,サーフィンとスノーボードとプロレス・格闘技の雑誌,それ以外だとエロ本くらいでした。それじゃあ机など必要ありませんね。雑誌以外の本も読みませんから,本棚もありませんでした(もともと本嫌い)。

 夏はサーフィン,冬はスノーボード,ハワイへ行きバリへ行きウィスラーに行き,夜は飲み歩き,・・・(敢えて書かない女性関係),それが真面目に机でお勉強ですから,これはなかなか馴染めませんよね。

 まず,勉強机と椅子を買ったものの,最初は全く落ち着いて勉強することができませんでした。それこそ,そんな勉強って,大学院生のとき以来ですからね。
 ですので,最初は音楽を流しながら勉強していました。毎日2時間程度,それが次第に慣れて3時間,そして音楽も要らなくなりました。

 そんなヘナヘナで始めた受験勉強ですが,特許法がわかるにつれて,非常に面白くなりました。いやあ物理をやっていた頃はかなりバカにしていた法律の勉強って面白いなあ,何でもっと早くこういう面白い世界に巡り合わなかったのだろうとさえ思いました。

 ただ,こうして振り返ってみると,結局勉強したかったのだなあと思います。
 というのは,私は勉強で挫折をしております。物理学者になりたかったのですが,頭が悪くてなれませんでした。
 ですので,就職したときに,勉強の必要なもの一切,さらには勉強そのものを遠ざけるようになってしまったのですね。勉強机を持たなかったのもそんな理由なんだと思います。ある意味可哀想なヤツだったのです。

 弁理士のことも大学院生のころに知っていたのですが,資格のガイドブックに,理系の司法試験と言われるくらい難しい,というのを見て,諦めた経緯があります。
 上記のとおり,物理学者になれなかったような頭の悪い奴に受かるわけがないと思ったからです(なお,消去法で選んだ会社でも特許部を志望していたのですが,上記のとおり,エンジニアの部署に配属されてしまいました。私はエンジニア志望ではなかったのですが。)。

 ところが紆余曲折して始めた受験勉強は非常に面白く,楽しいものでした。この頃一緒に勉強していた人といまだに親交があり,飲みにもいっております。
 ちなみに,そんな楽しかった弁理士受験は1回で終わってしまいました。運良くか運悪くかわかりませんが,1回で合格したからですね。会社で知財部へ異動するのには,8年かかったのですが,弁理士試験は1年しかかかっておりません。いかに私が世渡り下手であるかよくわかりますね。

 さて,更にその後司法試験も受験することになるのですが,あんなヘロヘロだった受験生からは想像もできない出世ぶりです。

4 普段忘れていたことも,何かの拍子に思い出す,今回はそんな話でした。
PR
328  327  326  325  324  323  322  321  320  319  318 
カレンダー
05 2017/06 07
S M T W T F S
1 3
4 5 6 10
11 16 17
19 20 23 24
25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
プロフィール
HN:
iwanagalaw
HP:
性別:
男性
職業:
弁護士
趣味:
サーフィン&スノーボード
自己紹介:
理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
カウンター
アクセス解析
忍者アナライズ
Admin / Write
忍者ブログ [PR]