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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 本日の日経の法務面の特集は,これでした。ただ,この話は前回ここで記事にしたとおりです。

 日経の法務面で特集されるということですから,一段と具体的になったということでしょうね。ま,普通に行けば,来年の通常国会に提出され,夏前には可決成立となるでしょう。つまりは,既に台本とおりに事が進んでいるので,日経におおっぴらにリークして何ら問題がないというわけです。
 私がよく言っているでしょ,世の中の99%は,プロレスだって。いや別にプロレスが100%悪いと言っているわけではありません。それに世の中の人間は,外国人も含めて年がら年中,ガチンコできるほどタフじゃありませんからね。

 でも,今度の改正案はどうでしょう?日経によれば,触覚と匂いに関する標識?はさすがに加わらないようですが,色,動き,音,の標識については,改正で加わるようです。

 いやあ本当,こんなんで権利行使ってまともにできるのかなあと思いますよね。

2 商標の権利行使の場合,視覚と聴覚での特定になりますから,まずは,商標の公報で特定し,類否の判断のところで,外観,称呼,観念での類似の主張をすることになります(+取引の実情)。

 これが音になるとどうなるのでしょう。

 音の商標でも,商標公報は発行されるでしょうから,まずはこれで特定です。
 しかし,その後の類否判断は非常に厄介です。音の商標には外観がありません。観念もないでしょうね(気持ちよい音感とかあるけど,これは称呼と同じか~♪)。そうすると,称呼だけ(音程等)で類否判断しないといけません。

 しかし,この類否って視覚以上に,主観的要素が大きすぎませんかな。

 その昔の英語の発音に関するテストって私は苦手だった~。同じ音を探せっちゅうのは,ピンポイントなのでまだわかりましたが,アクセントの正しい,間違いというのが全くわかりませんでしたね。いや,発音はできるのですよ,当然。
 ただ,そう発音したときに,アクセントがどっち(3音の単語なら,前中後のどれか,ですが。)にあるのか,一対一のヒモ付ができなかったのです。音感とかもよくわかりませんしね。

 もちろん,視覚も一連の藤田一郎先生の著作等からすると,かなりあやふやなもので,客観的にないものでも”見えている”ことがあることは否定しません。
 でも,それ以外の感覚から比べれば,かなり信頼に足るとは思います。だって,人間のインプットされる情報の90%以上は視覚から,らしいですからね。

 それが,他国もやっているから,さらには将来のTPPを睨んでの・・・というのでは全く説得力に欠けます。サービスマークの導入のときは,必要性もかなり高かったのだろうと,想像できます。でも,今回の導入は,誰も望んでいないと思いますよ。
 こういうと,特許庁界隈は,いや知財協が,産業界が,と言い訳するのですが,そりゃ聞かれりゃ,そう答えますよ,別に特段有害ではないでしょうからね。
 でもねえ,逆に今までなくても誰も困ってないと思いますけどね。やたらめったら何でも増やせばいいっちゅうもんでもないと思いますよ。それに特段有害ではないと書きましたが,音と色については,独占適応性が怪しいものだと思いますので,よくよく考えてみると,有害なのかもしれませんし。

 ですので,私は弁理士ではあるのですが,今回の改正には大反対です。明言しておきます。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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