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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護土の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 昨日のこのブログの閲覧数は,久々異常とも言える多数でした~。本当,あんたも好きねえ,ちょっとだけよ~って感じです。
 ま,私と同様のゲスな人間が多いのは分かっておりますが,想像以上に特許業界でのこのブログの読者の多さ,これに改めて驚かされたって気がします~。
 それだけ大きな事件だったってことですけどね。

 で,そんな熱心な読者に多少サービス。今日は真面目な判決の紹介で行きましょう。

2 shi-sa事件って知っていますか?パロディ商標で有名なやつです。元ネタは当然世界的に有名なプーマですね(puma)です。

 その昔,異議申立てで争われたのですが,その時は,復活しました。

 

  これが商標権者の方です(商標第5040036号)。

 他方,プーマ社はどうかというと,
 
 こんな感じです。
 で,異議申立て後の訴訟で復活し,その後の再度の異議審理で再度取り消され,さらにその後の訴訟で復活し(これが知財高裁知財高裁平成21年(行ケ)第10404号平成22年7月12日判決です。)で,決定を取り消したのです(つまり非類似)。

 で,10年近く経って,やはりプーマ社は許さなかったとみえ,今度は無効審判を提起したのですね。
 同時に,同様の類型の,第5392941号と第5392942号にも無効審判を提起しております。

 ほんで,それらの判決が出ました。
 知財高裁 平成29(行ケ)10203
 知財高裁 平成29(行ケ)10204
 知財高裁 平成29(行ケ)10205
 
 いずれも不成立審決で,知財高裁では請求棄却。つまりは非類似だってことです。

 なので,異議のとおり,パロディはパロディ~♫大丈夫大丈夫~♫ってわけです。
 良かったですねえ。

3 しかし,これだけではなかったのです。
 実は,上記と異なる類型の商標がshi-saにはあったのです。
 
 これです。商標第5392943号で,指定商品は,第25類  Tシャツ,帽子 です。
 同様の第5392944号の商標もあります。

 そして,これらもプーマから無効審判を請求され,無効審判では不成立審決でした。
 ところが,上記と同時期の判決ではいずれも審決が取消しの憂き目にあっております。

 知財高裁 平成29(行ケ)10206
 知財高裁 平成29(行ケ)10207
 
 これらの引用商標は,こんな感じでした。
 
 まあちょっと違うのですけど,要点はワンポイントマークにしたときに,紛らわしいってところですね。

 指定商品がTシャツと帽子でしょ,これってワンポイントマークで使うことが多いですよね。そのときにうーん区別のつかんときもある!こういうような所だと思います。

 私は勝手にワンポイントマーク理論と呼んでおるのですが,これは今回の事件が最初じゃありません。
 去年の一弁の会報に書いた私の論文に載っているランバード事件(知財高裁平成28年(行ケ)第10262号)もそうです。


 なので,スポーツ用品でワンポイントマークに使いそうな商標でのパロディなどをやる際は,結構気をつけた方が良いってことですね。

 ま,たまにはこういうマジな話も趣向が変わっていいのではないかと思います。
 個人的には,camel toe やMILFや脱税の話も好きですけどね。

4 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。
 本日はここ山本橋に来ております。
 
 さて,すっかり初夏めいた風情です。今日は曇りですが。

 そう言えば,アップルとクアルコム,和解したそうですね。

 日本でも,このような訴訟をやっておりました(知財高裁平成30(ネ)10065 ,平成31年3月4日判決)。
 判決を見ると,何か八百長くさいというか,プロレスというか,特にクアルコムは全くファイティングポーズを取っておらず,どういうことかなあと思ってた次第です。
 ま,そもそも,日本で訴訟なんてやってもしょうがねえだろ,無駄無駄,というスタンスだったのかもしれませんね。

 ほんで,このニュースを聞いたとき,アレ?昨日一昨日,審理が始まったって報道があったのに・・・,と思った方も多いと思います。
 まあこれもアメリカ民事訴訟ならではですね。

 報道によると,審理が始まったというサンディエゴの連邦地裁は,実は,もっとも早期(2017)に訴えが提起されたものらしいです。
 つまり,2年間は訴訟係属中でも審理がされないままだった~ってわけです。

 日本じゃ,訴訟提起後,夏休みでも入らない限り,おおよそ,2ヶ月前後で最初の審理がなされます。2年も審理なしなんてありえません。

 だけど,アメリカの裁判の場合,審理に入る前に,ディスカバリーだの,マークマンヒアリングなどで,1,2年費やすことはザラです。今回はおそらくディスカバリーに時間がかかったのでしょうね。
 で,昨日か一昨日,漸く審理(trial)になったのだと思います。

 ま,普通は,ディスカバリー中に和解することの方が多いのだと思いますが,今回,裁判所の意見を聞いてみようとでも思ったのでしょうかね。 
 ですが,トライアル開始の次の日に和解発表ということは,もうトライアル前には和解は済んでいたと考えるのが普通です。なので,和解の条項で,発表日をトライアル開始後にしようなどと決めていた,ただそれだけでしょう,タイミングは。

 ということなので,よくよく検討してみると,アメリカの訴訟でよくあるパターンだったな,ということになります。

 もっとも,私は日本の資格しか持っていない半可通ですので,正確な所はアメリカの資格を有している人に聞いた方がいいのはもちろんです。

 それにつけても,日本の裁判って本当意味なし~だよねえ。

 
 
 
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