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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 お待ちどう様でした。毎週金曜日は,ビギンズナイトの日!ということで,例の話の3回目,最終回です。今回は比較的短いですよ。 

 ここまでのあらすじは,前の記事を見て頂くといいのですが,一応まとめておきます。経緯も重要ですからね。   

 2000年(平成12年)の3月,弁理士の新人研修から厚木テックに戻った私に,突然連続して訃報が届きました。一人は,前の職場の後輩(エンジニア),もう一人は今の職場の先輩(知財部員)でした。
 二人の死因は,過重労働によるものであることが明らかでした。  
 私は仇を討つために,司法試験を受け弁護士になることを決意し,2001年(平成13年)の3月で会社を辞め,専業の司法浪人として,司法試験へ突入したのでした。 

2 故意で人を二人殺せば,死刑になることは確実です。ところが,会社の場合,立て続けに2人も死者が出ても誰も何の責任も取ることはありませんでした。なので,正義感が皆無の私もさすがに許せなかったのです。   

 昨今,電通の例もありますが,報道が出たり,トップが辞任したり,刑事事件にもなっていますので,まだマシです。ところが,この話に関し,ソニーには,何のサンクションも全く無かったのです。
 だって,皆さん,このブログで初めて知ったのではないですか?ソニーにこんなことがあったって。 

3 さて,私の司法浪人時代は,基本楽しく過ごせました。だって,働かずに好きな勉強だけしていればいいんだもーん。  
 だから,司法浪人のころの説明は省略~。   

 勿論,焦りとか不安とかはありましたよ。弁理士の受験勉強時代に,不法行為の損害賠償の消滅時効は3年,と知ってましたからね。なので,3年内に受かりたかったのですが,それが出来なかったときはねえ。しかし,司法試験の受験勉強で,債務不履行構成にすれば時効は10年となり,間に合いそうでしたので,不安は結局金だけでした(おっといつものように金の話ですね。)。   

 で,会社をやめて3年少し経った,2004年(平成16年)に司法試験には合格できました。
 アテネオリンピックのあった年,そして,プライドグランプリ2004でオーちゃんが,ヒョードルに一本負けを喫し,そのヒョードルとノゲイラのグランプリ決勝戦は無効試合になった,そんな年です。

 ま,予定より1回多く,4回かかってしまいましたが,まあ私の歳なら優秀な方じゃないですかね。あ,今の簡単になったやつじゃないですからね。昔の難しかった方の司法試験ですので,お間違いなく。 

4 ということで,会社の元同僚から,M君の実家の住所を聞いた私は,司法試験の合格証書をもらってすぐにM君の両親の居る大阪に向かいました。  
 さあ,ソニー,お前の罪を数えろ!いよいよです。   

 近くの駅まで向かいに来てもらい,実家に招いてもらった私は,仏壇に焼香し,司法試験の合格証書の写しを供え,それとなく,M君の両親に聞いてみました。勿論,ソニーに対する気持ちをです。   

 そうしたところ,何と,ソニーに対する恨みは全く無いということでした。 えっうそ,まじ??ってことなのですが,関西育ちのM君にとって関東基盤のソニーは入るのが難しいと思っていたらしく,第一志望で夢が叶ってソニーに入社でき,友人にも恵まれたようだから,今でも良かったと思っているということでした。ま,勿論,当時の上司には言いたいことは色々あるということでしたけどね。でもソニーには何の恨みも無いってことでした。   

 ムハハハって感じでしょ。まあでも実は私も多少ホッとしました。そんなもんですよね。
 その夜は大阪に泊まる手筈だったので,大阪在住の知り合いと飲みに行き,次の日少し大阪観光をしてから帰りました。帰りの新幹線に乗るために新大阪駅に行ったところ,二丁拳銃(漫才師ね)の二人がコンコースに居たことはよく覚えているのですが,それ以外はあんまり覚えていないのですね,やっぱり。
 ホッとしたとは言え,わざわざ弁護士になる必要性は全く消えてしまいましたので,ショックだったのでしょう。 

5 ということで,どうしても弁護士になる必要性があったのですが(本当は私の勘違い),その必要性は,何と司法修習に入る前に雲消霧散してしまいました。   

 なので,その後の司法修習とかイソ弁とかの話もまあいいでしょう。今までの話に比べれば,どうでもいい話ですしね。   

 そして,弁護士になった私,上のような経緯にもかかわらず,労働問題を始めとして基本使用者側にしか立ちません。お金のある方に立つ,それが私。いや,偽悪的なことを言ってるつもりはありません。これは本音です。  
 だって,別に抽象的一般的に弱い立場の人を救いたいとか正義を示すべきだということで弁護士になったわけではありません。動機は私の個人的な恨み,それだけですからね。あとは生活第一です~♫   

 じゃあ,何故今更そんな17年も前の話を書いたかというと,そりゃ去年の電通の事件が大きいですよ。
 電通なんていう超巨大で優良と思われている企業で,未だにまたこんなことが起きるのか!というのがあります。ああ,懲りてないんだなあって所ですよ。  
 それに,ソニーもです。ちょっとはマシになったのかと思いきや,去年の年末,こんな報道がありました。   

 いやあ,知り合いの先生に言わせると,三つ子の魂百までも,らしいです。たくさん死人が出てもあまり変わらないようですね・・・。   

 つーことで,基本私は,金でしか動かない金権弁護士ではあるのですが,大きな会社の味方にはあまりならないようにはしています。上記の理由で,ですね(元々依頼もありませんけどね・・・。)。
 だから,このブログで昔書いたように,大きな会社の味方をする気はあまりないけど,大きな会社の個別のエンジニアや個別の知財部員の味方では常にありたいと思っています,というのは全く嘘ではなく,これも今まで書いてきたような経緯があるからです。M君のご両親が許しても,私はまだ完全に許したわけではありませんしね。 

 なので,私がどうして昨年の知財管理誌の投稿について,修正等をせずそのままの内容にこだわったか,もうお分かりですよね。
 ま,所詮事なかれ主義の知財部長と執行役員クラスでは,想像力の欠片も無いので,リトラクトさせるしか手が無かったのでしょうがね(偉そうなことぬかして人の論文をはねたわけだから,部下が過労死しないように本当に気をつけるんだな!何かあったらタダじゃ済まねえぞ!)。 

 大きな会社や大きな組織に勤めるのは,お金に関しては実に安定していますし,世間的な評判も重要だったりします(合コンで女子にえー知らない~って言われると辛いですからね。私は出身大学ではよくありますが。)。

 でもねえ,そういうのにあんまこだわらなくてもいいんじゃないのかなあって思いますね。
 私は,もともと寄らば大樹の陰,長いものには巻かれろってえのが信条で,インハウスの弁理士であることに何の不満も無かったわけです。前回書いたように,色んな展望もありましたからね。 

 ところが,人生って,本当自分の思う通りにはいかないものです。世界中の人が知っている超大会社から,隣のビルの人すら,あ,あんな所に弁護士の事務所があったんだ~♡というような個人事業主という,極大から極小へ何故か転身したのです。
 ですが,何とかいのちきできよりますからね(方言です。)。今現在,窮地に陥っている人達も若干俯瞰で,ちょっと離れた視点が大事だと思いますよ。 

 兎も角も,これから3月,4月に入ります。変化の多い時期です。多少の変化は面白いものですが,心身にダメージのあるときはその変化になかなか耐えられないこともあるかと思います。本人は気づかなかったり,どうしようもなかったりしますので,周りの人が気をつけてあげるっていうのも実に重要だと思いますね。   

 さてさて,計3回に渡り私の弁護士になった動機ってやつを書いてきましたが,どうでしたか,まあ大した話じゃなかったですかね~。
 
 別に感想とか励ましのメールとかは要りません。私が欲しいのは仕事のご依頼だけですので。
 とは言え,法律相談じゃない人生相談には乗りますよ,お気軽に。五反田には安い飲み屋も一杯ありますからね。あと,女性の場合は多少のセクハラを覚悟してくださいね~ムフフフ。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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