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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 概要
 本件は,米軍属である申立人が那覇地方裁判所に起訴されている強姦致死,殺人,死体遺棄被告事件については,沖縄県内において,米軍基地やいわゆる日米地位協定の問題と絡めて,大々的に報道され,また,広範な抗議活動が行われたことから,沖縄県民にあっては,被告人の自白内容,自白を補強する物証等の存在を知り,被告人が有罪との心証を有しているだけでなく,被告人を厳罰に処すべきとの予断を持つに至っているところ,そのような県民の中から裁判員を選任しなくてはならないことなどからすると,那覇地方裁判所において公平な裁判を行うことは不可能であるなどとして,東京地方裁判所への管轄の移転を請求するという,管轄移転の請求事件です。

 これに対して,最高裁第二小法廷は,本件管轄移転の請求を棄却しました。

 これは,ちょっとマスコミでも話題になった,米軍属殺人事件の管轄の移転を求めるやつです。

 まあ気持ちは分かりますがが,っちゅう事件ですね。

2 問題点
 問題点としては,刑事訴訟法17条1項2号に当たるかどうかってやつです。

第17条検察官は、左の場合には、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。
・・・
二  地方の民心、訴訟の状況その他の事情により裁判の公平を維持することができない虞があるとき。

 この「裁判の公平を維持することができない虞」ってえのが問題です。


 いやあ私,司法試験の科目に刑事訴訟法があったのですが,こんな条文があったなんて初めて知りました。見たこともないし,2号だったので,裁判員裁判用に改正したのかとおもいきや,昔からあるようですね。

 昭和23年6月9日の参議院で,立法者はこう答弁しております。

二号は大体「地方の民心、訴訟の状況その他の事情」、「その他の事情」と申しますのは、これは被告人の側におきまするところの事情等がこれに入ると思います。そういうような点につきましては、第十七條は現行刑訴とは変つておりません。

 まあこの主張自体米軍経由で出てきたものですので,彼の国の,陪審員制度(jury trial)がいかに偏ったものであるかを逆に推測させてくれますね。

 とは言え確かに裁かれる者としては,怖くてしょうがない所かもしれません。
 なので,最高裁がどう判断したかというのが大事です。

3 判旨
「そもそも裁判員制度は,国民の視点や感覚と法曹の専門性との交流によって,相互の理解を深めることを通じてより良い刑事裁判の実現を目指すものである。そして,裁判員裁判対象事件を取り扱う裁判体は,公平性,中立性を確保できるよう配慮された手続の下に選任された裁判員と,身分保障の下,独立して職権を行使することが保障された裁判官とによって構成され,裁判員は,法令に従い公平誠実にその職務を行う義務を負っている上,裁判長は,裁判員がその職責を十分に果たすことができるように配慮しなければならないとされていることなども考慮すると,公平な裁判所における法と証拠に基づく適正な裁判が行われることが制度的に十分保障されているといえる(最高裁平成22年(あ)第1196号同23年11月16日大法廷判決・刑集65巻8号1285頁参照)。
 このような裁判員制度の仕組みの下においては,所論が主張する点は,那覇地方裁判所において公平な裁判が行われることを期待し難い事情とはいえないから,本件は,刑訴法17条1項2号にいう「裁判の公平を維持することができない虞があるとき」に当たらない。
 よって,本件請求は理由がないから,これを棄却することとし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。」

4 検討
 何かよくわからない判旨ではあります。
 裁判員裁判制度はいい具合に公正な制度なんだから,公平なんだよねえと,ある意味トートロジーのようなことを言って,棄却しております。

 少なくとも申立人の言い分に対して,真正面から答えてはいないように思えますね。ま,これで東京地裁に移すわけにはいかないだろうから,この結論しかないとは思いますがね。

 さて,去年の4月沖縄に行ったことはここでも書きました。
 まあ米軍基地の多さとその規模は本当異常です。
 私は神奈川(相模原市)にも住んでいたころもあり,そこも米軍の基地や駐屯地が多くありました。
 とは言え,陸の相模原市,海の横須賀市と言われたように,神奈川に現在ある米軍の駐屯地等は,戦前の旧日本陸軍と海軍の基地だった所がメインなわけです。

 しかし沖縄の状況は本当異常です。

 今回の事件が起きたとき,私は東京の特許庁の近くにある米国大使館前に,ヘイトスピーチのデモ隊が来るのを今か今かと待ち続けました(ウソ)。アメリカ人は出て行け~♬アメリカ人を殺せ~♬ってね。

 ところが待てど暮らせどそんなデモ隊は現れません。ヘイトスピーチやっている人達って保守ではないの?

 今回の事件の被告人には死刑しかないと思いますが,問題は今回の件にとどまりません。
 もうさあ,本気で米軍に出て行ってもらう時期じゃないですかね。一体いつになったら,自分で汚れ仕事をやる気になるんでしょ。

 個人的には,現在尖閣諸島に対し中共の挑発が盛んになっていますけど,これで中共の実効支配を許す事態にならないかなあと思っています。

 イヤイヤイヤイヤ,それじゃあまずいでしょ,中共に負けるってことですよと思われるかもしれません。でもそれでいいのです。
 ああ,いざとなったら米軍は何もしないんだなあ,しかも自衛隊の出撃すらないのだなあと思い至らせることが重要なのです。

 そうなって初めて,ああ,沖縄に米軍は要らん,自分の身は自分で守るしかないんだなあってことがよくよくわかるのではないでしょうか。そうなってからでも遅くはないのですね。

 でも,中共もそこまでバカじゃないかな~♡。

5 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。
 本日はここ山本橋に来ております。
 
 さて,本日の東京の最高気温は,37.7℃ということです。勿論,今年最高です。
 どおりで昼散歩していたら,暑いはずですよ。暑すぎでセミが何匹も道端で死んでましたらからね(ウソ)。

 今年の夏は,初めはイマイチだったのですが,先週の木曜くらいからメーターが上がっているという気がしますね。今週末から夏休みの人も多そうですから,良い夏休みになるのではないかと思います。

 さて,オリンピックの方も少し。
 柔道は,大野選手が金メダルでした。良かったですね。
 今朝はやはりなかなか起きれず,5時に起きたときは,既に女子の方の3位決定戦で,松本選手が出ている途中でした。

 で,大野選手も金メダルの試合だけは見たのですが,いやあこの階級ではちょっと飛び抜けてたのではないでしょうか。それくらい,久々に全く不安になる所のない選手でしたね。

 例えば,金メダルの候補だった女子の中村選手や,海老沼選手だと,自分の組手というか有利な体勢にいつでも持っていけるわけじゃないのですね。自分と同じか自分より格上の選手が何人か居るので仕方がない所ではあります。
 ところが,大野選手は,どんどん自分の組手に持って行って,勝手に技をかけているように見えましたので,よほど差があるのでしょう。実に素晴らしかったです。

 で,そのままチャンネルを変えたら,体操の男子決勝もやってました。予選は何故かシッチャカメッチャカになってしまいましたが,決勝は実に計算し尽くされたかのように,種目が進むに連れてドンドン日本の順位が上がっていきましたね。
 それでも最後から2つ目の鉄棒はヒヤヒヤしながら見ておりました。その5種目が終わって1位になり,最後の床は得意種目なので,これは安心して見ておりましたが。

 ま,何事も諦めないことが肝腎なのかもしれません。私個人はじつにあっさり,諦め早いのですけどね。
 
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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