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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
弁護士の場合,新規に事件を受任するにあたり,過去の裁判例を探すというのはよく行うことだと思います。
 そして,その場合,現在ではインターネット経由で,各業者のデータベースから検索することになります。

 独立してすぐの頃は,各業者から,営業の電話がひっきりなしでした。
 弱小弁護士の私にとって,このようなデータべース代は馬鹿にはならないのですが,かといって全くないと不便ですので,一番安かった業者の一番安いプランに加入しております。
 ただ,日頃よく扱う知財関係は,裁判所のHPが最も早くかつ一定の水準もあるため,業者のデータベースで検索することはなく,業者のデータベースは,一般民事や珍しく論点のある刑事事件に限られている感じです。

 さて,その裁判所のHPに,昨日, 「「裁判例情報」に平成18年2月以前の最高裁判所裁判集登載判例(約2万件)を新たに追加しました。」とのお知らせが載っておりました。2万件とは,すごいです。
 裁判所HPの良いところは,すぐにpdfファイルで見ることができる点です。おそらく新年度を迎え,予算の執行ができるようになったため,サーバーを増強したのでしょう。あとは,下級審についても充実してくれれば,言うことなしです。きっばり業者との契約を切れますので。

 ところで,今回のような話で,すぐに思い浮かんだのは,特許の検索です。特許の場合には,先行技術を探すのにデータベースを用います。そして,その重要性は,裁判例以上だと思います。
 まず,新規事業の前にざっくり先行技術を検索します。これは,重複の投資防止や勝算を探るためです。
 つぎに,個々の特許出願の前に,ある程度きっちり先行技術を検索します。これは,特許性(特に新規性と進歩性)を探るためです。
 さらに,有効性の調査では,砂漠で虫ピンを探す勢いで,入念に先行技術を検索します。これは,特許侵害の警告が来ても,ドンぴしゃの先行技術があれば,それだけで勝てるからです。

 私が,知財部に異動した約10年前には,特許の検索といえば,パトリスだけだったと言ってよいでしょう。データベース量が突出しており,絞り込みの検索も可能でしたので,知財部のスキルの一つとして,パトリスを使いこなせることというのは重要なものでした。
 ただ,逆に,検索にノウハウが必要であり,ヒューマンインターフェイスの観点からは今一でした。

 そのパトリスですが,昨年民再の申立を行ったことはご存じのとおりです。これは,ほぼ全ての特許が無料で検索できる特許電子図書館(IPDL)が開設されたのが大きかったのではないかと思います。知財部でも検索職人が姿を消しつつあるという話もあります。

 今回の裁判所のHPのパワーアップは,特許と同様の流れの一つかもしれません。ついでに,特許庁のように,インターネット出訴というのをやっていただけるともっと良いですね。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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