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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1-1 昨日のヤフーのトップニュースにも出ていました。今朝は,テレビでも,そして日経にもかなり大きく載っていました。

 何の話か?報道は,ここらですかね。

 そうか~そうきたか~,私の感想はそんな感じです。間違っても,ざまあみろ~とかいい気味だ~とかいうものではありません。大方の弁護士は多かれ少なかれそう思っているとは思いますよ(口に出さなくても心の中で,が多いとは思いますが。)。

 何事も妬みがちで陰湿な私が大方の弁護士のようには思わない,何故でしょうね。
 それは,あそこの事務所がイノベーティブだったからです。

 もっともあのやり方を最初にやり始めたのは,あそこの事務所では無かったようですが,本家よりも商売が上手くて流行るというのは,どの業界でもあり得る所です。

 私が昔居た電機業界でも,私の居たソニーが画期的な新製品を出しても,松下電器(当時)が同じ機能(ほんで痒い所に手が届くような機能を上乗せして)で,ちょっと安いやつを出して,結局そっちの方が売れるというのがよくありました(このころは良かったですね~。今は,アップルとサムソンがそんな関係だと思いますよ。)。

 こういうのを真似されないように,というのが知財権の大きな役割ではあるのですが,ハードウエアとの連携のないビジネスモデルのみを保護するということは,恐らくどんな法的構成をとってもできません。なので,あとは経営者の資質次第になる訳ですね。

 ほんで,そのようなビジネスモデルの群雄割拠から圧倒的に勝ち進んできたのが,あそこの事務所です。これを何故非難する必要があろうかということです。拍手喝采ですよ。

 次の話題とも関係ありますが,多くの新人弁護士にも職を与えました。弁護士を増やす方に舵を切った弁護士の事務所が,彼らの面倒を全く見ず,自由競争じゃ~世の中は厳しいのじゃ~となすがママだったのとは大きな違いです。

 ま,言うなれば,ウーバーとタクシー業界の争い,これが本質なわけです。

 ところがこの有様です(ま,既得権益者をぶった切ってたので,もう少し注意深くやる必要はあったかもしれません。若干隙を見せてしまったわけですね。)。
 これで広告宣伝費を多く使っていた,あそこの事務所は恐らく潰れるでしょうね。仮に潰れなくても,二の矢三の矢が,所謂守旧派から飛んできて,遅かれ早かれ潰れることになるでしょう。

 今般の司法改革について,もっともスマートに対応した事務所をこのような目に遭わせたということは,もうこの業界に明日はないということですよ。

1-2 勿論広告のことは褒められたことではないと思いますが,横領,セクハラ,傷害などの犯罪行為があったわけではありません。

 それでこの業務停止2ヶ月って実に重いですよ。万引きで死刑くらいの罪と罰が不均衡って気がします。

 で,あそこの事務所については,消費者庁から既に処分も出ています。つまり,二重に処罰されているとも言えるわけです。

 何故そうなっているかは強制加入制度だからでしょうね。別に消費者庁から制裁があるのですから,それ以上の制裁は不要と思います。あとは資本主義の世の中なんですから,神の見えざる手に任せればいいのではないかと思います。司法改革ってそういう趣旨だったとも思いますし。

 イノベーティブな人を排除する,まあホリエモン事件でも見た話ではあるのですが,つまらん世の中ですなあ。

2 青田買いに行きましょうか。これは,日経電子版だけの話です。
 日経電子版だけの記事です。「新人弁護士「青田買い」過熱 合格前に内定も」ということです。

 司法試験に受かっても,二回試験に受かっても,就職がない!と言ってたのは,ちょい昔の話で,今はそうでもないらしいです。

「弁護士の就職や採用支援をするジュリスティックス(東京・港)によると、東京都の代表的な大手5事務所の新人採用数は11年から年々増え、昨年の採用数は計156人と11年のほぼ倍になった。」

 そうなんだ~って感じです。私の事務所は私一人で,しかも,私が1/10人くらいでも仕事回りそうなくらい仕事少ないですから,採用なんてとてもとても・・・という感じです。
 さらに,顔も狭いし,弁護士の集まりとかあまり好きじゃなく行かないので,弁護士業界のことに疎いわけです(要するにあまり興味がないってことでしょうか。)。

 おお何か今や私が弁護士になったころの感じに似ているなあって所です(あのころも,リーマンショック前夜で小泉改革からの好景気が続いていたのです。)。

 ですが,ほんの10年近く前ですが,そのリーマンショックで景気は一気に冷え込み,大手企業の事業もシュリンクし(特許業界は未だにその影響を受けております。),大手事務所の採用もシュリンクし,合格者の多くなった司法試験であぶれた者が続出し・・・みたいになったのです。

 そのあぶれた者を吸収していたのは,1で書いた事務所やその模倣者達だったわけです。本来,各弁護士会はあそこの事務所に対し足を向けて寝られない筈なんですけどね。

 それがちょっと好景気で,しかも司法試験の合格者も絞ってきたもんだから,大手の事務所も青田買いまでして採用を多くすることになり,そして就職問題が解消になったことで,各弁護士会も不要になった鬼っ子を始末したわけですかな。

 いやあ怖い怖い,既得権益というのが如何に恐ろしいものかというのをまざまざと見せつけられました。

 出る杭は打たれるというよりも,出る杭は引っこ抜かれてピーンっていうわけです。こんなことで本当に有為な若い人が入ってくるとは思えませんけどね。

3 絶望的な話はこれくらいにして,ステルスの話に行きましょう。

 これも日経ですが,ちょっと小さい記事です。ですが,これは破壊的イノベーションの話ですね。
 
 ステルスダイシングって知ってますかね。平たくいうと,レーザーカッターでシリコンのウエア等を切るというやつです。

 で,その技術で,浜松ホトニクスと日亜化学が提携するようです。このポイントなのが,特許も使えるということにあるようですね。

 で,現在主流の技術は何かというと,それは言わずと知れたダイシングです。謂わば電動ノコギリの要領で,薄い砥石でウエハを切っているのです。

 まあそんな話だとそれがレーザーに変わって何かいいことあるのかちゅうと,非常に変わるのです。

 半導体チップの元となるウエハは丸いです。ただ,回転しないように,オリエンテーションフラット(通称,オリフラ)を設けております。なので,半導体チップをどう配列するかというのは,結構ノウハウがあったりします。

 ですが,おなじ面積のウエハから,多く取れれば取れるほどいいですよね。だってウエハ単位で半導体は製造されますので,チップが100個取れようが1000個取れようが,プロセス(工程)は基本変わりません。

 サムソンやインテルやTSMCや,そして東芝が,10nmのプロセス導入~とかそれ以下のプロセス導入や導入したがっているのもそれです!
 同じ大きさのウエハからたくさんチップを作りたい,ただそれだけです。
 nmのプロセスにすれば,1チップの面積が小さくできるのです。100個しか取れなかったのが1000個取れれば,10倍儲かります(ただ,製造装置を特別にしなければいけなかったりしますので,そのコストは結構高かったりします。例えば,ニコンが破れたASMLの装置などです。とは言え,コストの上昇よりも収率の上昇の方が大きいので,採算は取れているようです。じゃねえとしねえ~か。)。

 ということは,チップとチップと間の切り取り線の所も細ければ細いほど良い!というのも当然です。
 ダイシングでやると,薄いと言ってもソー(のこぎり)の幅がある程度取られてしまいます。ところがレーザーなら更に細くできます。12インチ(30cm)のウエハだと数個,いや数十個,チップの取り分が変わってくることでしょう。

 勿論,今メインのメーカーであるディスコや東京精密も,次世代のこのレーザーの技術を開発しているとは思います。しかし,今までの機械メインの技術と異なり,光制御という毛色の違った技術ですから,どうなるかわかりませんよ。

 私はその昔半導体のプロセス屋でもありましたので,こういった所はやはり注目しているわけです。
 LCDでもレーザーダイシングが一時脚光浴びたこともあったのですが(Siと異なり透明なのに光で切れるって不思議でしょ。),あれはどうなったのかなあ。

4 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。
 本日はここ明治学院大学の近くに来ております。
 
 ウィズロコンですね。
 しかし,今日は暑いです。29.0の最高気温らしいです。
 昨日はずっと曇っていて結局あまり暑くはならなかったのですが,今日は暑いです。

 ですが,この暑さも今日までらしいですね。ちょっとだけ復活した夏も,またサヨナラ~というわけです。

 ところで,本日のタイトル,「身近」というのをラテン語にしたのが,あそこの事務所の名前らしいので,こんな感じにしたわけです。腑に落ちたでしょうか。

 

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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーのエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。次は何かな。
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