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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護土の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 今日はやっぱこれでしょう。日経の一面です。
 日経の一面に,特許の話,しかも法改正の話が載るなんて,いつ以来~??もう私はそれだけで満足~♡ムフフフ。

 ま,これは特許小委員会で審議しているネタについて,大まかにコンセンサスが得られたということで,特許庁からリークされたものでしょうね。

 なので,特許小委員会を見た方が早いです。
 最新はこちらですかね。

2 証拠収集手続きの強化は,「当事者の申立てにより、一定の要件の下で、営業秘密の保護に十分に配慮しつつ、裁判所が 、公平中立な専門家に対し、相手方当事者の工場等において必要な資料を収集して報告書を作成する旨の命令をすることができる制度」のようです。

 だけど,この一定の要件というのがくせ者です。
 上記の小委員会の資料によると,①「必要性」の要件に、②「蓋然性」、③「補充性」、④「相当性」を加えた4要件が必要だそうです。

 で,この4要件ですが,
 ①「必要性」; 対象が、相手方当事者が所持する資料であり、侵害行為の立証に必要なものであること。

 まあこれは分かります。これがなけりゃ本制度要りませんからね。でも,他の要件は,
 ②「蓋然性」; 特許権侵害訴訟の相手方当事者による特許権の侵害の蓋然性が認められること。
 ③「補充性」; 他の手段で収集が容易でないこと。
 ④「相当性」; 「その収集に要すべき時間又は相手方の負担(金銭的負担等)が不相当なものとなることその他の事情により、その収集を行うことが相当でないと認められるとき」に該当しないこと。

 ここでまでしなきゃいけないのか,っちゅうくらい厳しいものです。

 結局,その疎明というか証明を原告の方でやらなければならず,被告の負担を嫌う裁判所(「訴訟の技能」等参照)が100年に1回くらいの頻度で発令しそうだなあという感じのものです。
 こんなんで何か変わるのでしょうかね?

 でも,ま,仕方ないのです。
 ちょい前私が小委員会に意見を送り,思いっきり黙殺されたことをここで書きました。

 今回の制度導入の趣旨とおり,そうじゃなきゃダメだという点を理解している人なら,もうディスカバリーしかないんじゃない,こう思う人は結構多いはずです。

 でもねえ,大企業が賛成せんのですわ。

 上記の今回の制度が何故導入できるようになったかを考えればそれはわかると思います。つまり,今回の制度も100年に1回くらいのやつなんじゃろ,そんくらい位じゃったら,許しちゃるわい,てなもんです。

 大企業が導入を許した制度,逆に言えばそんなものは使い物にならないってことです。わかるかな~わかんねえってこともねえだろうなあ~シャバズビダ~♪

3 ちなみに,日経の一面の記事にはもう一つ重要な改正が載っています。
 「立証後の賠償額の算定方法も見直す。」たった,一文です。
 昨日のイブニングスクープだともうちょっと詳しかったのですが,ま,限られた紙面ですからね,致し方なしです。

 これも上記の小委員会の資料を見ますと,要は,102条1項と3項の併用,102条2項と3項の併用,これを認めていこうというものです。

 これは条文上特段禁止されて居なかったのですが,裁判例通説では併用まかりならぬだったのです。これも裁判官の頭でっかちさが主原因だと思いますけどね。

 ほんで,改正で,そんな固いこと言わずとも・・・にするらしいです。

 これは上記2のようなきっと永久に発令されない制度に比べれば実効性はかなりあると思いますので,歓迎すべき改正だと思います。

 でもねえ,結局不法行為の差額説を取っている以上,限界があると思います。
 要するに,民法との整合です。

 だけど,通常実施権の当然対抗制度を取り,登記等の明示の手段がなくても対抗できるように,民法とは乖離する方向に舵を切ったのだから(特許法等だけです。),不法行為の損害賠償についても民法から乖離してもいいのではないかと思いますけどね。

 本当,故意侵害なら10倍の賠償!これでいいのだ~

 だけど,これもそうはならないでしょう。やはり大企業が大反対しますからね。

 ま,要するに,既得権益者の利益をどこまで守るのか,現状維持でどこまで行くつもりなのか,本当の論点はそこら辺にあるということですね。

4 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。
 本日は,ここで爆発現場前に来ております。
 
 実は,一昨日の水曜の夜,五反田でガスコンロが爆発したという騒ぎが起きました。

 何事も逃げ足速い私ですので,当然その時間は五反田にはいませんでした。で,報道を見ると,うん,これ,もしかして,事務所にめちゃくちゃ近い場所じゃねーと思ったのですが,そのとおりでした。

 写真のとおり,メリス五反田というビルで,私の事務所のあるビルから本当歩いて1分かからない,早足なら10秒くらい,の場所です。
 もともと,皮膚科とか医療系のテナントが入っていたと思うのですが,爺さんの先生で廃業したらしく,有楽街ぽい飲み屋にいつの間にか変わってました。

 で,爆発したのはその飲み屋ですね。なので,比較的新しい所です。

 写真を見ると分かりますが,すでに即席の壁と扉を作っております。まあ復活するのは大変でしょうが,隣保班としては頑張ってほしい所です。
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理論物理学者を目指したのはもう30年以上前のこと。某メーカーでの液晶ディスプレイのエンジニアを経て,弁理土に。今は,弁護土です。次は何かな。
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