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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 Yes,we Kan!に成り下がったオバマ大統領が署名し,ようやくアメリカ特許法の改正が成立しました。

 特許の実務をやっている人の感慨は深いのではないでしょうか。やっと多少まともになりつつあるな,と。

2 日本のことをガラバゴスと言いますが,アメリカの方がよっぽどガラパゴスです。
 先願主義でなかったのは,先進国では唯一などというなまやさしいものではなく,世界中で唯一アメリカだけでした(アメリカの植民地だったフィリピンが長く先発明主義でしたが,私が知財部に異動したくらいに先願主義になりました。)。
 さらに,出願日から20年という権利期間の標準にもなかなか従わず,サブマリン特許の温床にもなり(出願公開制度もありませんでしたし。今もアメリカ国内のみの出願には出願公開の適用はないはずです。),それを解消するのにも,随分時間がかかりました。

 いまだに度量についてメートルやグラムを使わない点などからすると,さもありなんという所ですけどね。
 まあ何というか,体は大人なのに中身は子供という国ですから致し方ないとは思いますが,もう少し回りの国への思いやりをした方がよいと思いますね。今は,最強(最狂というべきでしょうか。)なので,回りの国も嫌嫌ながらも従うのだと思いますが,驕れる者久しからず,ずっとジャイアンで居られるのもそんなに長くないと思います。

3 と余談が過ぎたところで,勘違いしている人が多いと思われる点について補足です。アメリカが先発明主義だったということで,じゃあいちいち発明ノートや研究ノートを裁判所かどっかに提出していたの?どうやって一番最初の発明だって言ってたの?という疑問を持つ人がいるかと思います。だって,基準は「発明」の点ですからね。

 実は,先発明主義とは言いますが,アメリカの場合,半先願主義と言ってもよいものでした。どういうことかと言うと,発明の実施を成した日か,出願の日か,どちらか早い日を発明日とするというような判例(もちろんアメリカの。)があったため(と書きましたが,もはやうろ覚えなので,法律の間違いかもしれません。正確には,アメリカのパテントアトーニーに聞いてください。),通常(ほぼ100%),出願日で特許性を判断していたのです。
 それ以上,先発明が問題となるようなことは,少なくとも私がソニーでアメリカ出願実務をやっていたときにはありませんでした。

 ただ,そうは言うものの,一旦先発明が問題となると,インターフェアレンスという超面倒くさい手続きをやって,どっちが先発明か決めないといけないわけでした。ですので,それがなくなるということは,まさかのリスクがなくなったという点で,それなりのメリットはあると思います。

 ともかくも,アメリカがまともな国になる最初の一歩であって欲しいなあと思う次第です。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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