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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 関西の実業団対決でしょうか。全く違いました。特許権侵害訴訟です。原告が,三洋電機で,被告がシャープとのことですね(しかも裁判所は,東京地裁)。

 こういった大物同士ですと,従来クロスライセンスということで,派手にやらないものだったのですが,どうやら事情が変わってきたようですね。

2 もっとも,今回,特殊の事情もありそうです。
 まず,三洋電機は,すでに液晶の事業から手を引いていること。少なくとも,シャープの膨大な液晶に関する特許ポートフォリオにより,三洋が逆襲される可能性は少ないということになります。

 つぎに,ご存じのとおり,三洋電機は,パナソニックの完全子会社となり,上場も廃止,ブランドも早晩なくなる予定です。つまり,今回の訴訟で,勝とうが負けようが,三洋電機は傷つきようがないということですね。
 パナソニックには影響があるのかもしれませんが,むしろ,今回の訴訟は,パナソニックの意図による可能性が大と思った方がよいかもしれません。

3 以前書きましたが,現在の液晶の方式には,VAとIPSという2つの大きな流れがあります。そして,三洋電機のHPによると,今回の係争特許は視野角改善,特にVA方式でのそれに関する技術のようです。
 IPDLでささっと見ましたが,そのとおりでしたね。したがい,今回の争訟は,VAとIPSの相互のグループ間での,覇権争いの一つではないかと考えると,腑に落ちるところがあります。

 元液晶エンジニアという観点からも,特許弁護士という観点からも非常に注目すべき裁判と言えるでしょう。

4 追伸
 一部報道によると,アメリカのITCにシャープが三洋電機を提訴したことに対する報復ではないかという説もあるそうです。更なる続報を待ちましょう(2/1)。

5 更なる追伸(2013/12/12)
 この事件,シャープが三洋に38億円!を払ってオシマイになるとのことです。ほぼ3年がかりの結構な事件でしたが,やはり逆襲されない三洋の大勝利で終わったということですね。ただ,液晶のシャープが,液晶の技術で38億円払うっちゅうのはどうなのよ~って気がしますね。
 私がパテント・トロールだったら,これでシャープをさらに追撃(追い剥ぎ)しますね。だって,あ,この程度で,こんなに払ってくれるんだ~って思いますもん。

 どこからか依頼がないかなあ~♫
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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