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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 本日の日経紙の朝刊の社会面によると,知財高裁は,いわゆるプラバスタチン事件を大合議で判断することを決定したそうです。判決が出れば大合議5件目になります(実は判断は6件目なのですが,うち1件は和解で決着がついたことはご存知ですね。東芝VSハイニックスのフラッシュメモリ事件です。これは,技術的範囲のクレーム解釈と無効の抗弁のクレーム解釈が問題になったものです。)。

2 報道は,不正確なので(製法クレームと物のクレームをごっちゃにしている。),きちんと解説すると,本件特許は,いわゆるプロダクトバイプロセスクレームでして,ということは物のクレームなのですね。
 被告の協和発酵キリンは,結果としての物は特許発明と同一のプラバスタチンを製造しているものの,その製法が異なるというわけです。

このような場合,A製法が異なるから別の物だ(製法限定説),Bいや結果の物が同じなら同じ物だ(物同一性説),という論点があるわけです。

 1審の清水さんの合議体(東京地裁29部)は,折衷説(原則製法限定で,例外物同一性説)をとり,原告の請求を棄却しました。その内容は,このブログでも書きました。

 そして,中野所長は,今般,この論点に最終事実審としての決着をつけるべく,大合議に回したというわけです。

3 個人的には1審の判断で良いかなあという気がします。これは規範としても柔軟なものですので,それ以上に何らの規範性(拘束力)を持たせる必要があるのかは若干疑問です。

 おそらく,最近大合議がないので,むりくりに回したのでしょうね。ボヤボヤしていると民主党に大合議も知財高裁自体も仕分けされてしまうかもしれませんからね。

4 追伸(7/27)
 事件数に誤りがあったので,訂正いたします。それぞれ,-1個です。


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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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