忍者ブログ
知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 表記は特許実務家にとっては,結構知られた事件です。そして,また,新たな変動があったようですので,記事にしました。

 私のブログで取り上げたのはこれで4回目です。1回目は,地裁の判決を引用しながら,こんなんで権利者が勝てるわけなーいという話でした。ところが2回目は,中間判決で,侵害が認められ権利者大勝利,見る目のなかった私ごめんなさい,という速報の話でした。さらに,3回目は,中間判決の中身を見て,やっぱこれで侵害を認めるのは無理なんじゃないの~という話をしました。

 そこで,今回は何なんだっていうと,飯村さんの和解勧告にも関わらず,両社突っぱね,3/22に終局判決が出されるそうです。まあそりゃそうだろうなあってところです。

 だって,権利者側は中間判決出ているのだから,和解で額を落したもの等を受け入れるインセンティブがありません。他方,侵害者側は,私が書いたとおり,おかしいよ!って思っているでしょうから,とても承服しませんわな。ですので,終局判決まで行くのは当然です。

2 その後ですが,上記の記事で,既に侵害者側は,上告する予定のようです。ちなみに,特許を無効にできなかった審決取消訴訟(平22行ケ10225)の方は,既に,上告と上告受理が両方されております(平23(行サ)10031と平23(行ノ)10049らしいです。)。

 ですので,この争いは最高裁まで続くというわけです。

 ただ,私が,前の記事で書いたように,法改正がありますので,これまでのように,いつか特許をつぶせばよいというような悠長なことはできません。
 どういうことかというと,今度の4/1から,新特許法が施行されます。その特許法104条の4は,こうなっています。

 「特許権若しくは専用実施権の侵害又は第六十五条第一項若しくは第百八十四条の十第一項に規定する補償金の支払の請求に係る訴訟の終局判決が確定した後に、次に掲げる審決が確定したときは、当該訴訟の当事者であつた者は、当該終局判決に対する再審の訴え(当該訴訟を本案とする仮差押命令事件の債権者に対する損害賠償の請求を目的とする訴え並びに当該訴訟を本案とする仮処分命令事件の債権者に対する損害賠償及び不当利得返還の請求を目的とする訴えを含む。)において、当該審決が確定したことを主張することができない。
 一 当該特許を無効にすべき旨の審決
 二 当該特許権の存続期間の延長登録を無効にすべき旨の審決
 三 当該特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の審決であつて政令で定めるもの

 つまり,侵害訴訟の権利者勝訴判決が確定した後,その特許の無効審決が確定し,その特許が遡及的に無効になったとしても(特許法125条),再審でそのことを主張できなくなるのです。今までは,再審事由(民訴法338条1項8号)だとされていたのですが,改正法により封じられます。

 そして,重要なものが経過規定なのですが,この改正法がどのように施行されるかというと,以下のとおりです。

 「附則第2条第15項新特許法第百四条の四の規定は、この法律の施行の日以後に提起された再審の訴え(当該訴訟を本案とする仮差押命令事件の債権者に対する損害賠償の請求を目的とする訴え並びに当該訴訟を本案とする仮処分命令事件の債権者に対する損害賠償及び不当利得返還の請求を目的とする訴えを含む。以下同じ。)における同条第一号又は第三号に掲げる審決が確定したことの主張(裁判所法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百二十号)第四条の規定による改正後の特許法(以下「平成十六年改正特許法」という。)第百四条の三第一項の規定が適用される訴訟事件に係る再審の訴えにおけるものに限る。)及び新特許法第百四条の四第二号に掲げる審決が確定したことの主張(新特許法第百四条の三第一項の規定が適用される訴訟事件に係る再審の訴えにおけるものに限る。)について適用する。

 したがって,本年3/31までに再審を起こさないと改正法が適用されます。

 本件の場合,侵害訴訟の上告審がこれからですので,とても3/31までに再審を起こすことは無理でしょう。勿論,何とか無効にして再審事由を発生させておくという前提が必要ですけどね。
 ということで,再審は事実上NG!ですので,上告審でウンたらカンたらしている間に,何とか無効にしないといけないわけです。追加の無効審判を提起しているかどうかは確認できませんが,できればそれを提起し,超スピードで,審理していただくのが良いものだと思えます(じゃないと,従前の無効→審決取消訴訟の平22行ケ10225系列はイマイチ弱いような気がしますからね。)。

 ともかくも,さらに注目の事件は続くよ,どこまでも,ということです。

3 関係ない話
 ここはマラソンの代表が決まったら,書くつもりです(おそらく文句になると思います。)。

 ということで,マラソンの男子代表は決まったようです。女子はいいけど,男子がなあ~。
 日本スポーツ仲裁機構(JSAA)CAS(スポーツ仲裁裁判所)もありますが,本人がそんなことはしないだろうなあ。残念,残念。
PR
424  423  422  421  420  419  418  417  416  415  414 
カレンダー
04 2017/05 06
S M T W T F S
1 4 5
7 8 9 12 13
14 17 18 20
22 25 26 27
28 29 30 31
ブログ内検索
プロフィール
HN:
iwanagalaw
HP:
性別:
男性
職業:
弁護士
趣味:
サーフィン&スノーボード
自己紹介:
理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
カウンター
アクセス解析
忍者アナライズ
Admin / Write
忍者ブログ [PR]