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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 一報を聞いてびっくりしました。本日の朝刊等でも大きく取り上げられているようですから,どうやら本当のことのようです。
 現役の審判官が汚職で逮捕されたというのは初めてではないでしょうか。

2 特許庁の審判官は通常の行政官とは違います。
 もちろん,国Ⅰ(逮捕された審判官が入庁したころは,甲種でしたかな。)を経てのキャリアという出自は同じです。
 しかし,特許庁の審判は,それに対する不服が初めから東京高裁(その特別支部の知財高裁)の専属管轄となっているなど,要するに,地裁と同じ地位があると言えるわけです。
 したがって,審判官も特許法138条から144条まで規定されているように,準司法官として,特許庁長官から独立して職権を行使できるようになっているのです。

 特許の実務に携わる者であれば,審判の口頭審理を当事者や代理人,はたまた傍聴人として見聞したことがあると思います(特に無効審判)。
 審判長を頂点とした合議体がうやうやしく登場し,かなり長時間にわたり,請求人と被請求人にそれぞれの主張を尋ねます。
 最近では,口頭審理陳述要領書(準備書面みたいなものです。)に書いてあることはいちいち口頭での説明はしなくてもよいようになったようですが,ちょっと前までは,そのようなことがなく,代理人には訴訟以上に負担のかかる手続きでした。

 以上のように,特許庁の審判というのは,権威のある重要な準司法手続と言えるもので,審判官にも権威があるのは当然でした。

3 ところが,そのような準司法手続に携わる準司法官が収賄で逮捕され,認めているというのですから,ことは重大です。
 この審判官をちょっと検索すると,携帯電話等の電気・通信分野の方のようです。そうすると,無効審判で大手のメーカー,キャリアが自己に有利な審決を得るためには,この審判官を多額の賄賂で買収すれば良かったのに・・・ということにもなります。
 要するに,何だ,審判官って買収できるんだね~と国民に思わせたことの重大性は万死に値すると言うべきでしょう。

 特許庁審判と同様,1審を行政庁の審判で行っているものとして,公取委の審判があります。しかし,処分庁自身が審判するということへの批判が高まり,廃止する方向になりました。

 特許庁審判はこれまで専門性が高いということで,大目に見てもらった節もありますが,公平性を失っては専門性も糞もありません。少なくとも当事者系の特許庁審判は法改正して廃止し,東京地裁に特別部を設置し(東京地裁は大変だ~。),もはやそこで審理するしかないと思います。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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