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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 首記は,今日,一般財団法人の知的財産研究所(所謂,知財研ですね。)の主催で行われた報告会です。

 報告者は,某神戸大の准教授です。

 で,その感想は,イマイチ?いやあ金返せバッキャローレベルですね。

2 まあ私の願望が高かったせいかもしれません。でも,『進歩性要件による特許の「質」のコントロールの意義と手法』という表題だと期待しますよね。

 でもその内容は,米国での進歩性(非自明性)の歴史と現状,そして,最近の法改正(2011)のレビューという,超ズッコケの内容でした。

 いやあ,もうちょっと具体的な話だと思ったのですが,この話,わざわざスタンフォード大まで行ってやる内容ですかね。知財部に異動した新入り知財部員が1年目にやる内容です,本当。
 特許の質をコントロールしなきゃいけなかったその意義,例えば,その昔,USPはlitigationの単なる切符だと言われてました。これは80年代,モノづくりで日本に押されて,しょうがなくそういう風にならざるを得なかった,ヤングレポートから端を発するのだと思いますが,そういう下地を理解しないとダメですよ。

 その上で,他の特許要件でなく進歩性で特許の質をコントロールするとは,具体的事例に即してどういうことなのか,これを説明しないと何だかわかりません。
 例えば,同じ発明を事例にして,90年代のハードルだと恐らくここまでOK,他方,今のハードルだと,ここまで高くしないと進歩性(非自明性)は認められない,という風に。

 恐らく報告者は,これまで外での経験がなく,つまりは,特許実務家としての経験が無かったため,外で勉強させてやっかみたいな話になったのかもしれません。

 でもね~それにしても酷すぎます。
 今回報告した程度のUSPの知識なら,日本でも日本語だけの結構な入門書がたくさんあります。弁理士会でもよく研修やってます。今回の内容を学習するなら,そういう本や研修を10時間程度受ければ済むでしょうね。それが,何とスタンフォード大に半年以上行っているんですよ。

 いやいや,別に弁護士や弁理士が事務所の金や自腹で行くんだったら,文句は言いませんよ。

 ところが,これ,特許庁が外部,つまりは知財研に委託してやってもらっている委託研究なのです。
 要するに,私も払っている税金からお勉強代が出ているわけです。しかも,報告者は公務員です。知財の実務家は,この程度の勉強は皆自腹でやっているのですけどね~。

 いやあ,新進気鋭の若手研究者だからと,期待して行った私が馬鹿でした。坊やの勉強代は坊やに出してもらわないとね。

 しかし,知財研も特許庁も,この程度で,まさかだんまりするんじゃねえだろうな。
 だとしたら,監査請求かけるぞ,って国だからできねえのか,ガックン。

3 追伸
 今日は上記の報告会を神保町の学士会館で受けた後,霞ヶ関に向かいました。
IMG_0302.jpg 写真は,日比谷公園ですね。ほぼ,葉桜です。

 霞ヶ関ということで,裁判所か弁護士会か,ってところなのですが,実は,検察庁に行ったのです。

 久しく刑事事件はやっていなかったのですが,本当に久々やっております。ま,偶にはいいんじゃねえ~の。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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