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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 概要
 本件は,原告アイティティ・ウォーター・アンド・ウェイストウォーター・アクチボラグ(ITT)が,被告である新明和工業株式会社に対し,被告製品の製造販売をする被告の行為が,同原告の有する本件特許権(発明の名称「レベル・センサ」)を侵害すると主張して,特許法100条に基づき,被告製品の製造販売等の差止め及び被告製品等の廃棄を求めるとともに,不当利得返還請求権に基づき,利得金3億3408万円の支払を求め,相原告であるフリクト日本の,特許法102条2項に基づいて算定した損害賠償請求が認められない場合の予備的請求として,特許法102条3項により算出した損害賠償金2億0880万円の支払等を求めた事案です。

 要するに,レベル・センサ事件の侵害訴訟の控訴審です。レベル・センサ事件については,昨日の記事を見て下さい。昨日の審決取消訴訟の記事を書いた段階では,侵害訴訟の控訴審のアップはなかったのですが,いつの間にやらアップされておりました。

 これに対し,知財高裁3部は,原告(控訴人)の控訴を棄却しております。要するに,請求棄却のままということですね。
 ただ,原審は,無効の抗弁成立(サポート要件違反)で請求棄却したのに対し,本件では,構成要件充足性なしとしております。ちょっとつまらないですね。

2 問題点
 上記のとおり,知財高裁は,サポート要件について判断しておりません。ただ,昨日の記事のとおりの考えであろうから(無効の抗弁と無効審判に対する判断が,内在的瑕疵である記載不備で違うわけはありませんからね。),仮に無効の抗弁の判断をしたとしても,サポート要件違反を認めることはなかったでしょう。

 ですので,強引な問題点としては,サポート要件の判断してくれても良かったんじゃないの,飯村さん~。というところでしょうか。

3 判旨
「以上のとおり,被告製品は,構成要件B-1,CないしHを充足せず,本件特許発明の技術的範囲に属さない。
したがって,原告らの請求をいずれも棄却した原判決は,結論において相当であって,本件控訴は,その余の争点について判断するまでもなく,いずれも理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。」

4 検討
 検討するも何も,上記のとおりですから,無効の抗弁における記載不備をここしばらくの論文等のネタとしている私にとって,何の得るものもない判決でした。チャンチャン。

 ですので,昨日の記事を見て下さい。

5 余談
 本日,さきほどまで,東京地裁の47部の部長の阿部さんの講演を聴きにいっておりました。若干眠くなるところもありましたが,裁判所の直接の考えを聞くことができ,良かったと思います。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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