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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 そんな大きな話はありませんので,こんな感じです。

 まずは,管轄です。
 と言っても,日本の話ではありません。アメリカの連邦最高裁判所で,土地管轄に関する新しい判示があったようです。

 原文はこれですね。でもこんなの読む気がしません。
 親しい弁理士の人に教えてもらったのですが,ここがわかりやすいと思います。

 日本の場合,土地管轄というと民訴法4条に規定があり,法人の場合は4項です。

 「法人その他の社団又は財団の普通裁判籍は、その主たる事務所又は営業所により、事務所又は営業所がないときは代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。

 ま,ということで,日本の場合,訴訟の提起,つまり訴状をどこの裁判所に提出するかは,相手方(被告)の登記簿記載の本店の所在地というのがデフォーです。

 なので,今回の連邦最高裁判所の決定は,基本,日本のこの条項と同じ趣旨~♫なわけです。
 これまでは,特許権者に甘くて有名だったテキサス州東部地区連邦地裁(これをググると色んな評判が出ます。)にパテント・トロールが訴訟を提起することがデフォー中のデフォーだったのです。しかし,今後それが封じられるということで,アメリカの業界(主として弁護士業界かなあ)もちっとはマシになるのではないかと思います。

 他方,日本の場合は,逆の問題があります。それは今年初めの日経の私見卓見(日経電子版が見れる人じゃないと見れません。)で私が指摘したように,東京地裁と大阪地裁だけでしか起こせないってことです。

 これはアメリカとは真逆で,制限し過ぎです。既に土地管轄とかで制限されているのですから,それ以上に制限する必要はありません。
 この点,今年の知的財産推進計画2017(案)の策定の前に,きちんと官邸の方に意見を出したのですが,当然ガン無視ですわ。

 代わりに,推進計画はどうなっているかというと,こんな感じです。

(テレビ会議システム等の活用)
・地方における知財司法アクセスの改善に向け、テレビ会議システムのより一層の利用を促進するため、その周知について引き続き期待する。

 だとさ。テレビ会議するからいいんだとさ~。
 じゃあ日本国中ほぼ全部の裁判所を廃して,東京にデカイ体育館みたいな裁判所を一個設けてそこと全国の家庭でパソコン通信できるようにした方がいいんじゃねえのかなあ。下らねえ。

 よっぽど地方で特許の訴訟やるのが嫌なのかねえ。名古屋とか福岡とか,本当そういう所を超舐めている気がするのは私だけでしょうかねえ。ま,いいですわ。

2 次は,ネットでテレビです。

 実は,最近家のHDDレコーダーを買い替えました。
 DBR-Z150→DMR-BRW1020ということです。前回の買い替えの件も・・・ここで多少書いていますね。

 今回は東芝からパナソニックに替えました。まあ,前回のとき,新品に買い替えた割には,結構DISっております。RDの使いやすさから一転して超使いにくくなりましたからね。

 で,HDDレコーダーって要するにパソコンですからね。5年が限度かなあって所です。今回,DBRのBDのユニットが劣化して書き込めなくなってしまったのです。HDDの方はまだまだ行けそうな感じですが,突然壊れても困りますので,5年ということで,思い切って買い替えた次第です。

 今年は,家のPCも買い替えることになりましたし,ここの所,結構な出費です~。まあそんな高くはなく,両方とも4万円台ですが,私のような負け組貧乏弁護士には実に痛い所です。あーあ。
 
 ま,それはいいとして,新しいこのパナソニックのDMR,何が良いかって,外で録画したものや放送すら見ることができるということです。

 そう,ちょい昔最高裁がすべて駆逐してしまったネットでテレビを見るというビジネスモデル!今やHDDレコーダーを買うだけで,同じことが出来てしまいます。

 いやいや凄いですよね。何がって,結局大手企業のものなのですもの。
 文系の弁護士の人と話すと,いやあどうせ銀行の方が勝ちますよ,とか,あ,こっちが勝ちますね,じゃないと銀行が困りますから,とか,ときどき聞きます。
 銀行が当事者の訴訟は大体銀行の方が勝つわけですね。

 で,著作権に関する訴訟も同じです。放送局などのデカイ所が勝つわけです。そして,そのスポンサーであるデカイメーカーがビジネスモデルをかっさらうってことです。

 まあ便利ではあるのですね。
 昨日録画していたWBSなんか通勤のときのスマホで見ることができます。稀勢の里,今日はどうなんだ?3連敗しちゃう~?ってときも,スマホで生で見ることができます。地デジの通じない地下鉄の中でもOKです(ネットさえつながればバッチリ!)。

 でもねえ,こうして便利だなあと思いつつ,既得権益をぶっ倒すというのは実に難しいもんだなあと思う次第ですよ,本当。まあ,世の中の99%はプロレスだと豪語したのはこの私ですが,もうちっとガチンコの比率を高めないと,全員ドボンになりそうですけどね。

3 で,知らぬ間というのは,弁理士試験です。この前の日曜に短答試験があったようです。
 いつもはフォローしてたのですが,今年は,すっかり忘れておりました。失礼しました。

 で振り返ると私が受けたのは,もう18年も前の話になるわけですね(一回しか受けてませんので。)。

 さて,今年の志願者は4352人で去年が4679人だったようです。ちょっと減っていますね。まあ去年の合格者が少なかったので諦めがありますかね。

 とは言え,弁理士会が結構力を持つ試験ですので,合格者を多少絞ったわけで,それは評価できますよね。どっかのなにかの試験とは大違いです。

 さ,自己採点して合格点前後だったら,有無を言わさず,論文の勉強にとりかかった方がいいでしょう。時間はそんなにありません。
 この秋に,新しいメンバーとなることを期待していますよ~♡

4 おっととと~知らぬ間ということで,もう一つありました。組織犯罪処罰法改正の話です。ま,クソサヨクの人たちが共謀罪がどうのこうのって言っているやつです。
 
 まあ私としては,日本で共謀罪なんてとっくの昔の70年前に,有罪にされてそれで死刑にまでなっちゃった人も居るくらいなんで,何を今更~♫って感じですわ。極東軍事裁判も無効だ!違憲だ!って言えますかな~鼻息荒いクソサヨクの皆さん♡

 で,折角なので,知財関係で関連するものを見てみましょう。たまにはそれらしいことも書かないと,法律好きの知ったかぶりのおっさんと思われてもアレですから(まあ別にそう思われてもいいのですけど。)。

 中心になるのは,どういうことをすると構成要件該当性があるのかを規定した(組織的な犯罪の共謀)です。

第六条の二 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。    
一 別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められているもの 五年以下の懲役又は禁錮    
二 別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの 二年以下の懲役又は禁錮

 この別表第三の中には,
四十四 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第百九十六条又は第百九十六条の二(特許権等の侵害)の罪
四十五 実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第五十六条(実用新案権等の侵害)の罪
四十六 意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第六十九条又は第六十九条の二(意匠権等の侵害)の罪
四十七 商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第七十八条又は第七十八条の二(商標権等の侵害)の罪・・・
五十五 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第百十九条第一項又は第二項(著作権等の侵害等)の罪・・・
七十 不正競争防止法第二十一条第一項から第三項まで(営業秘密の不正取得等)の罪・・・
七十六 種苗法(平成十年法律第八十三号)第六十七条(育成者権等の侵害)の罪
とあります。

 なので,ええー知財関係もヤバイの~!と思ったあなたはいささか早合点過ぎです(結局そのとおりなのですけど。)。

 この改正された組織的な犯罪の共謀については,各号を見ないといけません。つまり,別表第四の方です。

一 別表第三に掲げる罪(次に掲げる罪を除く。)
  
イ 第十一条(犯罪収益等収受)の罪

  ロ 刑法第七十七条第一項(内乱)の罪(同項第三号に係る部分を除く。)並びに同法第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)及び第百九十八条(贈賄)の罪
  ハ 爆発物取締罰則第一条(爆発物の使用)の罪
  ニ 児童福祉法第六十条第二項(児童の引渡し及び支配)の罪(同法第三十四条第一項第七号又は第九号の違反行為に係るものに限る。)
  ホ 出入国管理及び難民認定法第七十条第一項第一号(不法入国)、第二号(不法上陸)及び第五号(不法残留)並びに第二項(不法在留)の罪(正犯により犯されたものを除く。)、同法第七十四条の二第一項(集団密航者の輸送)の罪、同法第七十四条の六(不法入国等援助)の罪(同法第七十条第一項第一号又は第二号に規定する行為に係るものに限る。)並びに同法第七十四条の六の二第一項第一号(難民旅行証明書等の不正受交付)及び第二号(偽造外国旅券等の所持等)並びに第七十四条の八第一項(不法入国者等の蔵匿等)の罪
 ヘ 麻薬特例法第七条(薬物犯罪収益等収受)の罪・・・

 ということで,上記の例外には,特許侵害罪などは入っておりませんので,知財関係の罪も含まれることはそのままです。

 ですので,集団で特許権を侵害しようとする組織的犯罪集団というか,そういうのが,特許権侵害をしようしよう(まああまりないでしょうが,例えば,警告書が届いた後に,いいからやっちまえとかね。)と計画し,発注行為だとか作ってくれる工場の確保だとか,下請代金の確保だとかしたら,今回の構成要件に該当するってことです。

 ちなみに特許権侵害罪は,長期10年なので,6条の2第1項2号の方ですね。

 まあただ,普通の会社で,やっちゃえやっちゃえ系でもこれに該当するかというとそうではないでしょう。
 組織的犯罪集団の定義が,「団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。」ですので,特許権侵害をするために,この会社を起こしました~っていうのでも無い限り,該当しないからです。

 ま,もちろん,捜査機関である警察が暴走しないように監視することは必要です。まあですが,きちんと条文も見ることもせず,何が問題かってことも本当はわかっていないのに,わかったフリだけして大騒ぎするってえのは,非常に悪質だと思いますけどね。
 


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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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