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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 この前の大合議の事件というと,医薬品で存続期間が延長された場合の特許権の効力が論点でした。

 そして,今回もまた医薬品絡みですね~。

 詳しくは,こちらの知財高裁のサイトを見てもらうとして,事件番号は,平成28年(行ケ)第10182号と平成28年(行ケ)第10184号ですね。
 無効審判の不成立審決に対する審決取消訴訟のようです。

 特許番号は,特許第2648897号で,無効審判の番号は無効2015-800095です。
 なので,これを見てもらった方が早いかなと思います。

 クレームは以下のとおりです。

【請求項1】  式(I):【化1】

 (式中、R1は低級アルキル、アリールまたはアラルキルでありこれらの基はそれぞれ置換基を有していてもよい;R2およびR3はそれぞれ独立して水素、低級アルキルまたはアリールであり該アルキルおよびアリールはそれぞれ置換基を有していてもよい;R4は水素、低級アルキルまたは非毒性の薬学的に許容しうる塩を形成する陽イオン;Xは硫黄、酸素、スルホニル基または置換基を有していてもよいイミノ基(該置換基はアシル基、置換されていてもよいアミノ基または置換スルホニル基である。);破線は2重結合の有無をそれぞれ表わす。但し、R1がアラルキル、R2およびR3がそれぞれ独立して低級アルキルまたはアリールかつXが硫黄または酸素である場合を除く。)で示される化合物またはその閉環ラクトン体である化合物。

 高コレステロール血症に効く薬のようですが,まあ電機メーカー出身の私には若干荷が重い~♫って所です。

 で,無効審判での無効理由は,進歩性欠如とサポート要件違反だったようです。
 
 ほんで,ようわからんのは,これで何が大合議になるほどのものなのか?ってことです。

 審決の進歩性についての部分を読みましたが,まあ普通です。一致点・相違点があり,相違点の部分については想到容易じゃないって話です。

 他方,サポート要件についても,例のパラメータ事件大合議のやつを使って,判断しております。
 ただ,もしかするとですが,本件特許の課題が,従来技術に対して「優れた」という所にあるらしいので,この「優れた」という点に関して,医薬品特許において「優れた」というためには一体どの程度を要するか?みたいな論点になっているのかもしれません。

 ですので,まあ無責任な通りすがりとしては,医薬品の特許におけるサポート要件の程度が問題になっている~と一応書いておきましょう。

 まあ代理人の先生方からすると何間違ってることを喧伝してんねん!となるのかもしれませんが,だからと言ってはっきり書かずに誤魔化すってのは私の流儀に合わないのですね。
 間違ってたら,私はバカで浅はかでした~,ってちゃんと指摘します(このときのように。)ので,ご容赦を。
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