忍者ブログ
知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護土の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 本日は,お休みの日。基本勤め人の暇つぶしであるこのブログに訪れる人はそう多くありません。しかも今日は結構いい天気になりました~。家族サービスのグッドタイミングです~。
 
 なので,こんな日に更新してもアレなのですけど,どうも,看過できないことがあって更新という次第です(私は知財オタク,特許オタクなので~。趣味と実益を兼ねて休みの日でもいろんな所に目を通しております。)。

 これは日経電子版でも見れる「建物にも著作権 撮影した写真をSNSに載せて大丈夫?」という記事です。

 その記事で,「そこで著作権法では、建築の著作物に関して、撮影やWebサイトへのアップロードなどを認めている。」というのはいいのですが,結論が明らかに間違っています。

 「Q.建物にも著作権があると聞いた。写真をSNSに載せても大丈夫?
    A.商用利用でない限り掲載してよい
ただし、専ら販売する目的での複製や複製物の販売など、営利目的の使用は適用外。

 まあ著作権法って難しいのですが,条文読んだ?って所です。
 建築の利用に関する著作権法の条文は,46条です。

 「(公開の美術の著作物等の利用)
第四十六条  美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
・・・
二  建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合

 著作権法をちゃんと知っている人からすると,ああ,これか~イロハのイではあるけど,結構見逃す所だよね~やっちまったなぁ~って所でしょうか。

 要するに,「いずれの方法によるかを問わず」ってあるんだから,商用利用,営利目的,全然OK!許諾なんて要りません!が正解です。

 もちろん,この記事の例に出たスカイツリーだと,許諾を取らないといけない場合もあるとは思いますが,それは著作権法上の話ではなく,商標権の方ですね。立体商標があるのです(5476769号)。
 だけど,商標的使用じゃない所まで立ち入る権利はありませんからね。

 なので,久々見た大間違い,大失敗の巻でした~。
 で,一番恥ずかしいのは,この記事の監修で名前の出ている西村あさひ法律事務所ですね。
 渉外事務所って,もともと知財って弱いですが,ここの所,辞めた知財高裁の裁判官やら,ブティック系からヘッドハンティングしたベテランやらを入れて戦力強化に余念がありません。でも,この程度~♪なんでしょう。ま,西村あさひ事件を起こした所ですもんね。イヒヒヒ。

2 せっかくですので,別の話題も~。
(1)先週金曜,弁理士会の派閥連合である日本弁理士クラブから小冊子が届きました。
 そう,弁理士会の会長の改選の時期なのですね,今。

 なので,日本弁理士クラブは,自分の推薦する候補者の小冊子を送ってきたというわけです。
 候補者は,清水善広さんでした。

 おお,じゃあ対抗の弁理士連合クラブは誰を推薦してんじゃろ??,そういえば,弁理士会から候補者のハガキが届いてたわ~,うん,これこれ~と見ると・・・。

 あら~候補者一人しか居ねえじゃん!,しかも副会長も定数ピッタリ!やられた~今年は選挙がねえパターンだわ~♡

 ですので,弁理士会の会長は,この清水善広さんにとっくに決定していたのです!ハハハ。

 だけど不思議なのは,弁理士連合クラブの方です。なんか良い候補者が居なかったのかなという感じがします。どういう経緯で今回は独自候補者擁立しないってことになったのかは知りませんが,惜しいなとも思います。

 といいいますのは,前回実に僅差だったからです。
 さらに,消息筋の話によると,下馬評だと,負けた弁理士連合クラブの候補が若干優位だったという話です。じゃあ何故,その優位だった方が負けたかというと,前回の選挙戦の終盤戦に有権者に送られた一通のハガキ,それで票が逃げて日本弁理士クラブ推薦の現会長が当選したらしいのですね。

 ま,その問題のハガキは,弁理士の人なら百も承知,弁理士連合クラブの候補者と正林先生とが一緒に写っていたものですね。
 正林先生は現副会長でもありますが,次期の副会長でもあります(副会長も結局派閥持ち回りですので,珍しいのですけどね。)。

 で,正林先生は,弁理士会の既得権益,アンシャン・レジームからは非常に嫌われていることで有名です。なので,前回アレルギーを起こした有権者が回避行動を取ったわけです。

(2)弁理士会の役員は派閥持ち回りで組まれています。もちろん,これは弁理士会に限らず,弁護士会(一弁)もそうです。つーか,ボクシングの団体,アメフトの部,アマレスの団体・・・を初めとして,会社だろうと何だろうと,はっきり言って日本のどこの組織だって,同じ!です。

 例えば,ここでも書いたように,私はJIPACの判定人等候補者をやっております。ですが,これは弁理士の地位に基づくもので,メインの仕事である弁護士の地位に基づくものではありません。
 
 おかしな話ですよね。
 何故こうなっているかというと,弁理士会の方は,公募で判定人等候補者を募集し,他方,弁護士会の方は一切そういうことをやらないからです。
 弁護士の会報には,・・・が***で決まったという人事関係の記事がたくさん載っております。でもそれは委員会やらの推薦で全くのブラックボックスで決まっているだけ,ま,これも派閥持ち回り~なわけです。

 で,別に弁護士会だけを責めているわけじゃありません。日本の組織は上記のとおり,どこもそう!だからです。
 なので,弁理士会も,つい数年前まではそうでした。いわゆる利権的業務について,何故かブラックボックスで決まり,派閥外の人間にはお鉢は回ってこない~日本のありとあらゆる組織で見られる原風景です。

 だけど,ある時期から,そういう利権的業務について,公募で選ぶシステムが導入されました。もちろん,世の中の99%はプロレスだと豪語したのはこの私ですから,公募枠とは別に派閥枠があったり,いやあ本当はもうおたくに決まっているんだけど,今公募じゃないとマズいってことになってますんで,ちょっと名目上公募してもらえん?みたいなことの可能性は大アリですよ!私しゃウブじゃありませんから。

 でも,弁理士会には公募制の導入ということで,形式的だろうが名目上であろうが,とにかく多少の風穴は開きました!ぶっ放せ切り札!ってやつです。

 じゃあこれはいつから,どうして多少の風穴が開いたかというと,上記の正林先生が最初に副会長になったときですね。このときも今と同様,正林先生は派閥の推薦がなく,副会長に立候補し,派閥連中からブーブー言われていたのにかかわらず,派閥の推薦候補を押しのけて見事当選したのです。

 ま,正林先生と言っても,法曹の皆さんにはピンと来ないと思いますけど,アディーレの石丸さん,彼みたいな感じだと思ってもらうとよいのではないかと思います。つまりは業界における真のイノベーターです。
 ですので,毀誉褒貶が物凄く,特にコンベンショナルな立場,派閥維持,既得権益保有者の立場からは,不倶戴天の敵のごとく扱われてしまうというわけです。

(3)私は年甲斐もなく,いまだ腕白坊主ですので,ここでこういうことを書いて,へへざまーみろみたいな感じのこともままあります。ですが,ちょっと違うこともあるのですね。

 弁理士会のように,二大派閥の持ち回りで進んだあげく,結局全員ドボンとなった例を知っています。
 何か?それは戦前の日本です。

 日本の民主化は戦後もたらされたのだ~戦前は軍部の独裁だったのだ~みたいな大嘘は,おそらくその大嘘によって利益を享受できる者たちが流したデマゴーグだと思いますが(法曹の間ですら勘違いしている人もいますね。),安倍ちゃんの前,多少流行った二大政党制なんて,戦前の日本はほぼ完成していました。

 憲政会(立憲民政党)と立憲政友会ですね(両方とも立憲・・・とある所に注意。)。
 だけども,両方とも,結局自分の所とその取り巻き(政商,財閥)の利益誘導しかやらず,しかも汚職も酷かったので,国民から見捨てられたわけです。

 なお,当時の日本の国民を今の尺度で測っちゃいけませんぜ,だんな。そのポイントはとにかく貧しかったということです。凶作になりゃ本当に人が死ぬ,娘を売る(もちろん別に違法じゃない売春宿にです。),そんな状況です。

  他方,当時は徴兵制(これは国民主権の発露の実に健全な姿だと私は思います。)もあり,そんな貧しい国民の血縁者が結構な頻度で軍に居たわけです。
 うちのちーにーにーもこないだ~,川向うの**さん家は三男坊が,みたいなわけですわ。

 だとすると,しょうもねえ利権の持ち回りをやっている政党よりも,自分たちの知り合いも多く居る究極の第三極,つまり軍!に託したくなるってえのが人情じゃないですかね。つーかあのときのあの状況で,軍以外期待する方がどうかしてるわ!って所です。

 だけども,大局的に考えていたわけでありませんから(今で言うと,ポピュリズムって言うのでしょうね。だけど,民主主義なんて多かれ少なかれポピュリズムですわ。),本来喧嘩を売っちゃいけない奴(アメリカ)に喧嘩を売ったあげく,あの73年前の夏のザマってわけです。

 どうですか~派閥持ち回りがどういう結果になるか,ちっとはわかっている筈なんですけどね。
 
 おっととと,いつものように盛大に議題から逸れました。

 弁理士の業界を取り巻く状況は今非常に怖いですよ。
 短期的にはいわゆる外国法事務弁護士のB法人の容認や,行政書士からの突き上げなどもありますが,まあ一番怖いのは,明細書の自動化でしょうかね。

 AIに奪われる仕事ということで,NRIとオックスフォード大のやったやつで弁理士会にも一悶着ありましたけど,あの予想よりも私は早いのではないかと思います。

 何故かというと,客,つまりは知財協所属の企業等の,コスト削減圧力の強さです。
 アベノミクスか何かわかりませんけど,一定程度景気の良い日本において,出願数が伸びず,単価も下落傾向にあるという,一人負けなのが,弁理士の業界なわけです。
 しかも,何年かに一度に山があるのですが,企業連中の,インハウス弁理士の会費出すのやめた~傾向も非常に強くなっております(弁理士会ではおそらく統計を取っているので分かると思いますね。)。

 ですので,いい明細書自動作成ソフトがたった一つでも開発されると,その瞬間から弁理士の業界は壊滅するでしょう(どこの企業もそれを使って本人出願するようになる。)。

 いやいやいやinagawarawセンセ,その日が来るとしても遠い日ですよって?いやいやいや,逆でしょ。数年前にグーグル翻訳が今のレベルに来るって予想できた人居ますかね?
 他方,外内の出願で,これって機械翻訳させてしかも大したチェックしてねえなあという無茶苦茶な日本語でも,結構登録査定になっていますよね,現在!。

 だとすると,発明者にクラウド上でやってもらえば,そのまま出願できる,もちろん,先行技術調査のオプション付き~みたいなものが,今できてもおかしくないでしょう。ほんで,日本の出願は優先権とるだけなので,それでいいや~,ってなってもおかしくないでしょう。

(4)だから,派閥持ち回りの時代じゃないんですって,本当。
 ま,あんま贔屓の引き倒しはしたくないのですが,次回は,会長選に出ないと,正林先生!
 期待してますよ。

 

 

PR
1619  1618  1617  1616  1615  1614  1613  1612  1611  1610  1609 
カレンダー
05 2019/06 07
S M T W T F S
2 3 8
9 12 13
16 19 22
23 26 27 28 29
30
ブログ内検索
プロフィール
HN:
inagawaraw
性別:
男性
職業:
弁護土・弁理土
趣味:
サーフィン&スノーボード
自己紹介:
理論物理学者を目指したのはもう30年以上前のこと。某メーカーでの液晶ディスプレイのエンジニアを経て,弁理土に。今は,弁護土です。次は何かな。
カウンター
アクセス解析
忍者アナライズ
Admin / Write
忍者ブログ [PR]