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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 大体私の行く送別会というと,ソニー時代の方々のものであり,大体それは本厚木で行われるものでした。

 で,昨日ソニー時代の方の送別会にまたまた行ったのですが,今度は五反田でした。おお珍しい~。私は近くて良かったのですけどね。

 今回はソニー国分でお世話になった方でした。
 まあここでときどき書いているとおり,私は昔LCDのエンジニアだったのです。駆動のTFTを開発するのが仕事で,しょっちゅう国分に出張していました。そのころの私がどういう生活をしていたかは,この辺を見るといいですかね。

 そのころは私の人生で最も働いたころだと思います。弁護士になってからなんて,いくら働いたって言ってもそのころ以上のことは全く無いですもんね。
 だって,今は私にとっては趣味みたいなもんです。特に特許のことは本当何年経っても飽きずに面白いもんですからねえ,好きでやっているだけ~のことが多いですわ。

 でもそのころのエンジニア時代はちょっと違います。まさにTHE仕事でした。なので,そのころ一緒に仕事をしていた人達は,同僚というよりも戦友って感じに近いと思います。

2 今回のHさんは,主として測定関係に従事していたのですね,そのころ。私はデバイス・プロセスエンジニアだったので(所謂前工程ですね。),うまく出来たかは測定してみないとわかりませんから,よくHさんの所へ行ってました。

 そのHさんがこのたびSCKを退職されたというわけです。そしてエンジニア時代の知り合いも多く集まるということで,出席したわけです。

 LCDから知財部に異動したのが,1998年なので,もう本当20年近くになるわけです。ところが,昔のように,大騒ぎして,楽しめたというのはいいですね~。
 理系出身の弁護士も最近は多くなっていますが,本当に現場出身の人ってまだまだ少ないと思います。当時はなかなか辛いことも多かったのですが,今となれば役に立つこともあるなあって気がします。

 まあ今現在辛い思いをしている人も多いと思いますが,ま,そのうち何とかなりますよ。私のように,ね。

 あと,今回,私は非常に便利だったのですが,飲み会参加者の多くが,厚木周辺在住者でした。なので,解散が非常に早かったですね。それがちょっと残念でしたかね。
 とは言え,この辺痛し痒しです。厚木でやると私が早めに帰らないといけないですからね。

 ともかくも,Hさん長い間お疲れ様でした。
 

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1 首記の本は,まあ何と言いましょうか,一言で言えば,日本の企業知財部の歴史~♫って感じの本です。

 有斐閣のそんな感じの本というと,ここでも紹介したが思い浮かびますが,ちょっと違います。
 清水先生の本は,技術とイノベーション,そちらに重きがあり,研究者・技術者の話がメインです。ところが,こちらの本は,知財部(当時はそんな名前じゃありませんけどね。)の話がメインなわけです。

 ですので,非常に勉強になりました。で,面白かったですね~。私も企業知財部出身ではあるのですが,知らない話ばかりでした。

 なので,企業の知財部員,弁理士,そして特許をやっている弁護士もこれは読んだ方が良いと思いますねえ。字だけで300pくらいあるので,かなり大変ではあるのですが,それだけの価値はあるし,読みやすく,何より面白いですからね。

2 この本で述べられているような,何かの歴史というのは重要なんだという思いが私にはずっとあります。そして,それはニーチェに由来します。

 大学時代に,ハイデガーやカントなど,有名どころの哲学者の書いたものを色々読んだのですが,さっぱりわかりませんでした(勿論日本語の翻訳のやつ。)。まあ今から思うと,法律と同じで,日本語で書いてあるからと言って,即理解できるものではないという所でしょう。

 しかし,唯一分かったのがニーチェで,「道徳の系譜学」と「悲劇の誕生」は実に良く分かりました。これらの共通点は,歴史~何かの立ち上り~を書いているということですね。まあニーチェがもともと文献学の専攻だったからでしょうね。

 で,これらから,特に「道徳の系譜学」から分かったのが,キリスト教というのは,単なる貧乏人のヒガミが出自であるってことでした。なので,キリスト教から生まれた人権だとか民主主義とかいうのも,まあ,キリスト教がパイオニア発明だとすると,改良発明や派生発明程度なものということになりますなあ。

 それが普遍的価値だなんて,どうかしてますわなあ,出願報奨3等程度なものなのに~,ムホホホ。

 おっと,話題が盛大に逸れていますか~。元に戻しましょう。

3 著者は,特許制度にも知財部にも全く思い入れが無いようなので,そこがいい味を出しています。しかも,題材が,要するに東芝なのですね。

 まず,日本での最初の知財の管理は,東芝の源流の会社の一つである芝浦製作所だということです(1912年)。日本では漸く知財管理が始まって100年少しということでしょうか。

 さらに戦前の特許の争訟のフィーバーぶりです。1930年代って今よりずっと権利行使が盛んで,業界が賑わっていたこともわかります。ベンチャー企業が勃興し,既存の大手と争いになり・・・構造主義的様相ですね。

 で,一番びっくりしたのが,重陽会の歴史です。重陽会って何じゃ?ってことでしょうが,これはアレですよ,今でいう日本知的財産協会,知財協のことです。

 これがどうして出来たかというと,上記のとおり,1930年代はガチンコでの権利行使が盛んだったわけです。
 ところが,それって疲れるでしょ,何でもそうですが~。カルテル結びたくなるよねえ,ナアナアでやりたくなるよねえ。で,当時の重電のメーカー4社が特許カルテルを結んだのがきっかけになったようです。
 
 しかも当時,弁理士会でインハウスを禁止しようという動きがあって,その反対運動でも,上の4社のインハウスの弁理士が主要な役割を果たし,この重陽会のきっかけになったというのですね。

 特許カルテルと企業内弁理士,この2つが知財協を産んだという,何ちゅう現代的な話なんでしょう,って感じです。

 この21世紀になっても,日本では特許訴訟が活発ではありません。それについて,訴訟を好まない日本人の気質だ~とかよく言われますが,こうやって歴史を振り返ると,そんなの全く的外れだということがわかります。
 ある時点までは日本でも活発だったのです。そうじゃなくなったのは,そんなことよりも低コストなやり方を見つけただけなのですね(今は,独禁法がありますからね。フフフ。)。

 というような感じの話がこれ以外にもたくさんあります。どうですか?ちょっとは読む気になったんじゃない~♡。

 そりゃあ特許などに興味がないと辛いかなあとは思いますが,系譜学的に実に面白かったわけです。特許を仕事でやっている人は是非読むことをオススメしますね。

 で,この本を何で知ったかというと,日経かと思ってたら,違うようですね。「週刊エコノミスト」3/14号の書評のようです。立ち読みしただけだったのですが,意外とそういう所で掘り出し物?がありますなあ。
1 本日の日経の朝刊の5面に「知財法制一括見直し 経産省など提言 IoT利用促進」という記事が載っています。まあ日経だけじゃなく,この2,3日,知財,IoT,データというようなキーワードで,ちょこちょこした記事が載っているのを見かけていたのではないでしょうか。

 その元ネタが首記の報告書です。漸く,昨日(4/19)に公表されたということですね。
 経産省のサイトは,こちらです。また,報告書自体は,こちらです。

 まあ何でもそうですが,伝聞に過ぎないマスコミの記事よりも,一次資料を自分で読んだ方がいいと思います(面倒ですけどね。)。当然,私は既に全文読んでおります。

2 一応,経産省のサイトからのまとめを書き出しておきましょう。以下のとおりです。ここだけを読んでも大体わかりますけどね。
 
1.背景  センサ等から集積されるビッグデータや、人工知能(AI)による創作物などの新たな情報財について、利活用の促進と保護とのバランスがとれた知財制度の構築が求められています。また、「知財」と「標準」に、新たな競争力の源泉として加わった「データ」を合わせた、三次元の複合戦略の立案も求められています。これに対応した制度・運用の在り方を検討するため、平成28年10月に学識経験者、産業界等の有識者からなる「第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方に関する検討会」(座長渡部俊也東京大学政策ビジョンセンター教授)を立ち上げ、検討を進めてまいりました。

2.報告書の概要  上記の背景を踏まえ、現状と課題を整理し、今後の対応等をまとめた報告書を別紙のとおり、取りまとめました。本報告書で示された今後実施することが適当な取組のポイントは以下のとおりです。
(1)データの利活用について     
・不正な手段によりデータを取得する行為等に対し損害賠償や差止請求を行えるようにすることなど、不正競争防止法の改正も視野に入れて引き続き検討を行い、方向性を取りまとめること    
・データの種類に応じ、企業間におけるデータの利活用や契約の実態に即し、保護の在り方や契約等のルールについて検討し、契約で利用権限を適正かつ公平に取決め、明確化するための契約ガイドライン等を策定すること      
  (2)産業財産権システムについて     
・特許の対象となるデータ構造について、権利取得の予見性を高めること    
・IoTを活用したビジネスモデルを支える知財システムの整備の観点から、ソフトウェア関連発明の審査基準の点検、ビジネス関連特許の活用方法の整理、新設した特許分類の活用及び分野横断的な審査体制の整備を行うこと    
・国境をまたいだ侵害行為に対する権利保護については、裁判例の蓄積等を注視しつつ、引き続き検討をすること    
・将来的なAIによる発明等の産業財産権上の取扱いや、3Dプリンティング用データの産業財産権上の取扱いについては、現時点では、現行法による保護を行い、今後の動向を注視すること    
・標準必須特許をめぐる紛争を対象とし、特許法の改正も視野に入れ、行政が適正なライセンス料を決定するADR制度(標準必須特許裁定)の導入を検討すること    
・ライセンス契約や特許権侵害紛争を対象とし、中小企業等が使いやすいADR制度(あっせん)について検討すること 
(3)国際標準化について     
・「新市場創造型標準化制度」の活用や国立研究開発法人の更なる活用による業種横断プロジェクト組成の検討等により、官民の標準化体制を強化すること    
・「標準化人材を育成する3つのアクションプラン」等に基づき、経営層の標準化に対する理解の増進や標準化専門家及び標準化を支える弁理士等の専門人材の育成等の標準化人材育成の取組を強化すること    
・標準関連業務に関与する知財に関する専門家としての弁理士の役割を明確化すること 

 上記の他、個別産業分野及び中小・ベンチャー企業等の視点からの現状と課題、今後実施することが適当な取組が示されています。

3.今後の方向性  今後は検討会で得られた成果を踏まえ、産業構造審議会等で、有識者や産業界等と更に意見交換を進め、政策の具体化に向けて検討を進めてまいります。

 ここには,ああ,裁定の新制度の話って,ここからのリークだったのね,など色々感想もあります。
 ポイントはデータの利活用と,産業財産権システムの所でしょうか。この辺は,純粋に技術的な話なので,特許庁から出ているIoT関係の資料を見た方がわかりやすいです。せっかくの報告書ですので,よく理解しておいた方が良さそうですね。

 とは言え,この報告書にもあったのですが,「これらデータの利活用に関しては、知的財産戦略本部の検証・評価・企 画委員会においては、IoT 等で大量に蓄積されるデジタルデータ等新たな情報財の知財制度上の在り方について、著作権・産業財産権・その他の知的財産全てを視野に入れた総合的な検討が行われ、平成 29 年3月にデータ利活用促進に向けた大きな方向性が示されたところである。また、文化庁の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会においては、技術革新など社会の変化に対応できる適切な柔軟性を備えた権利制限規定の在り方等について検討され、平成29 年2月に中間とりまとめが行われたところである 。」とあるように,知的財産戦略本部での動きが一つあり,また,文化庁の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の動きもあるわけです。

 さらに,この前,産業構造審議会の特許制度小委員会での知財紛争処理システムの話もあるわけです。まあこれはもう終わった話ではあるのですけどね。

 つまり,似たような会議というか委員会というか,そういうのが,一時は4つも同時並行で動いていたということです。知財戦略本部,経産省,文化庁,そして産業構造審議会~。

 色々いい考えが浮かびましたかなあ,何せ4つも似たような会議をやっているわけですからね。

 しかし,誰か言う人は居なかったのですかねえ。まとめた方がよくね,って。船頭多くして船山に登る~って言うし,何よりリソースの無駄ですわな。
 大体,どれもこれも似たようなメンバー,ベテランの学者,ベテラン弁護士,ベテラン弁理士,大企業の法務か知財の部長・・・現場から離れて頭も回りそうにない過去の遺産で食っているだけの人たちですなあ。

 そんなん集めて報告書を何本も作って,何がやりたいのですかねえ。いや,本音をいいましょうか~,何もやりたくないのでしょう。でもやった感を出さないといけない,アリバイ作りをしないといけない,だからこれだけのものを作ってしまう~ほぼ無駄なのにねえ。

 そそ,いつも言っているように,所詮,(皆さんご一緒に),この世の中の99%はプロレス~(ロス・インゴベルナブレス・デハポン調で)ですから~ね。
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