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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 首記の本は,まあ何と言いましょうか,一言で言えば,日本の企業知財部の歴史~♫って感じの本です。

 有斐閣のそんな感じの本というと,ここでも紹介したが思い浮かびますが,ちょっと違います。
 清水先生の本は,技術とイノベーション,そちらに重きがあり,研究者・技術者の話がメインです。ところが,こちらの本は,知財部(当時はそんな名前じゃありませんけどね。)の話がメインなわけです。

 ですので,非常に勉強になりました。で,面白かったですね~。私も企業知財部出身ではあるのですが,知らない話ばかりでした。

 なので,企業の知財部員,弁理士,そして特許をやっている弁護士もこれは読んだ方が良いと思いますねえ。字だけで300pくらいあるので,かなり大変ではあるのですが,それだけの価値はあるし,読みやすく,何より面白いですからね。

2 この本で述べられているような,何かの歴史というのは重要なんだという思いが私にはずっとあります。そして,それはニーチェに由来します。

 大学時代に,ハイデガーやカントなど,有名どころの哲学者の書いたものを色々読んだのですが,さっぱりわかりませんでした(勿論日本語の翻訳のやつ。)。まあ今から思うと,法律と同じで,日本語で書いてあるからと言って,即理解できるものではないという所でしょう。

 しかし,唯一分かったのがニーチェで,「道徳の系譜学」と「悲劇の誕生」は実に良く分かりました。これらの共通点は,歴史~何かの立ち上り~を書いているということですね。まあニーチェがもともと文献学の専攻だったからでしょうね。

 で,これらから,特に「道徳の系譜学」から分かったのが,キリスト教というのは,単なる貧乏人のヒガミが出自であるってことでした。なので,キリスト教から生まれた人権だとか民主主義とかいうのも,まあ,キリスト教がパイオニア発明だとすると,改良発明や派生発明程度なものということになりますなあ。

 それが普遍的価値だなんて,どうかしてますわなあ,出願報奨3等程度なものなのに~,ムホホホ。

 おっと,話題が盛大に逸れていますか~。元に戻しましょう。

3 著者は,特許制度にも知財部にも全く思い入れが無いようなので,そこがいい味を出しています。しかも,題材が,要するに東芝なのですね。

 まず,日本での最初の知財の管理は,東芝の源流の会社の一つである芝浦製作所だということです(1912年)。日本では漸く知財管理が始まって100年少しということでしょうか。

 さらに戦前の特許の争訟のフィーバーぶりです。1930年代って今よりずっと権利行使が盛んで,業界が賑わっていたこともわかります。ベンチャー企業が勃興し,既存の大手と争いになり・・・構造主義的様相ですね。

 で,一番びっくりしたのが,重陽会の歴史です。重陽会って何じゃ?ってことでしょうが,これはアレですよ,今でいう日本知的財産協会,知財協のことです。

 これがどうして出来たかというと,上記のとおり,1930年代はガチンコでの権利行使が盛んだったわけです。
 ところが,それって疲れるでしょ,何でもそうですが~。カルテル結びたくなるよねえ,ナアナアでやりたくなるよねえ。で,当時の重電のメーカー4社が特許カルテルを結んだのがきっかけになったようです。
 
 しかも当時,弁理士会でインハウスを禁止しようという動きがあって,その反対運動でも,上の4社のインハウスの弁理士が主要な役割を果たし,この重陽会のきっかけになったというのですね。

 特許カルテルと企業内弁理士,この2つが知財協を産んだという,何ちゅう現代的な話なんでしょう,って感じです。

 この21世紀になっても,日本では特許訴訟が活発ではありません。それについて,訴訟を好まない日本人の気質だ~とかよく言われますが,こうやって歴史を振り返ると,そんなの全く的外れだということがわかります。
 ある時点までは日本でも活発だったのです。そうじゃなくなったのは,そんなことよりも低コストなやり方を見つけただけなのですね(今は,独禁法がありますからね。フフフ。)。

 というような感じの話がこれ以外にもたくさんあります。どうですか?ちょっとは読む気になったんじゃない~♡。

 そりゃあ特許などに興味がないと辛いかなあとは思いますが,系譜学的に実に面白かったわけです。特許を仕事でやっている人は是非読むことをオススメしますね。

 で,この本を何で知ったかというと,日経かと思ってたら,違うようですね。「週刊エコノミスト」3/14号の書評のようです。立ち読みしただけだったのですが,意外とそういう所で掘り出し物?がありますなあ。
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1 先般パテントに投稿した論文ですが,別刷りが届きました。
 
 こんな感じです。30部なので,結構な厚みです。宅急便で弁理士会から届いたので,あれ?,また別冊パテントの回収か何かかと思ったのですが,違いました。ムフフフ。

 まあきちんとしたところは投稿した論文について,大体別刷りを送ってきますね。とは言え,貰ってくれる人の少ない私なので,もう7年も前になる知財管理誌の論文の別刷りがまだあります(写真)。

 これも30部なので,10年くらいは売れ残りそうだニャー。まあ,法律相談に来た人にもれなくプレゼント,ということに致しましょう。それでも大した人数にならないから,相当の間残ると思いますけどね。
 兎も角も,そういうことですので,要らないと思いますが,あげますので,よろしく。

2 というどうでもいい話はさておき,今日の桜,これ行ってみましょう(要するにこっちがメインですね。)。

 本日は目黒川を遡上するルートです。
 
 ここは亀の甲橋です。目黒線の架橋のすぐ近くです。目黒線からの風景も今日は良いでしょうね,と思ったら,大岡山まで地下化されてるのでしたね。
 
 次は目黒通りにかかる目黒新橋です。アマゾンの日本本社(雅叙園)が左手奥に見えます。
 
 次はふれあい橋からです。陸側です。
 
 これは海側です。ほんでこの辺でUターンです。
 
 雅叙園そばの太鼓橋まで戻ってきました。さらに下ります。
 
 いつもの山本橋です。こうしてみると山本橋の辺りが一番咲いているように思えます。ここらへんは満開と言って良いのではないでしょうか。しかし,それ以外のところは満開には今少しって所です。
 
 ということで,最後はコイキングと桜という組み合わせにしてみました。

1 パテントはご存知ですよね。まあここでは別冊の方を紹介することが多かったかもしれませんが。
 要するに,弁理士会の会報ですよ。弁護士だったら,「偽善と欺罔」(通称「自由と正義」)に当たるやつですね。

 ただ,これ一般にも販売しており,裁判所とかには無償で献本しているようですね。

 とそんな会報に私の論文が載ったということです。最新号のp124です(早い所にはもう届いているかもしれません。)。まあ一番後ろですね。

2 弁護士の方だったら,事件の度ごとに,主な論点というか,問題になりそうな所について過去の判決を調べてそれをまとめて今の事件の参考にするっていうことをやると思います。
 きっと,そうですよね~まあ忙しさにかまけてやっていない先生も多いと思いますけどね~ムフフフ。

 私もそうで,実は,以前書いた論文も,私の興味も若干あるのですが,それよりも目の前の事件をどう解決するかという観点で,自分で調べたりパラリーガルの人に頼んで調べてもらったりした判決群を後学のためにまとめたというものが多いと思います。

 ほんでそういうまとめを論文として発表するときは,営業の観点から,「知財管理」誌に投稿することが多かったわけです。何と言っても,知財協の会報ですので,謂わば潜在的なお客さんの真正面にアピール出来るわけですので。

 でもご存知のとおり,去年イザコザがありまして,もう「知財管理」誌に投稿なんて金輪際やなこった~営業?別にいいよ~てな具合になったわけです。しかし,そうすると,投稿する所が無くなってしまいます。

 で,パテント誌の方も,実は色々ありまして,このブログの創設期におけるロングセラーの記事,この記事にいう「酷いものになると,本日現在に至るまで,3年近く何らの音沙汰のないところ」,これが実はパテント誌だったのですね。

 要するに,イソ弁時代,無効の抗弁のクレーム解釈と技術的範囲におけるクレーム解釈の関係に関する論文を書いてパテント誌に投稿したのですが,可否の連絡も無く(勿論今の今まで),放ったらかしにされたことがあったのです(ちなみにその論文は,知財学会に投稿しました。)。

 頭に来るでしょ。まあ私って頭に来ることが多いのですが,別に私が頭に来やすい質だから,と言えないと思いますよ。
 根が真面目で正直なものですので,理不尽な扱いや不合理なやり方に我慢が出来ないだけですよ。普通に素直に申し上げているに過ぎません。

 で,話を元に戻すと,あ~投稿する所が無くなったなあ,とは言え,弁理士会には日頃世話にもなっているし,もう一度チャンスをやろうか(何故か上から目線),ということで,今回そのここしばらく事件のために検索していた判決のまとめを投稿したわけです。

 なので,内容として,学問的に高度なものではありません。大したもんじゃないなあってのは投稿した自分がよくわかっております。
 ただし,クレーム解釈ってやつを原点に帰ってもう少し考えてみようか,そのことを踏まえて明細書をどう書こうかなどと,ルーチンワークに飽き足らず,もう半歩くらい前に行ってみようという弁理士の先生には役に立つと思いますよ。


 ご興味が湧きましたら,是非ご一読されると良いと思います。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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