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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 ここで刑事の話をするのはいつ以来でしょうかねえ。と,前の刑事の記事を見たら3年前の2014年,そしてその前は2012年!

 で,その前の記事の内容を見ると,国選と当番から名実ともに足を洗うという話でした。で,足を洗ってこの3年くらい不都合があったかという全くありません。そもそも,国選も当番も全く金にならないもの(そのくせ,義務というか責任は重い~♫刑事裁判官や検察官は,それだけで相応の給金が出ますが,弁護士だけ雀の涙なのです。)ですので,金こそすべての私にはちょうど良かったって感じですかねえ。

 とは言え,じゃあ,今回の話はどうしたんだ?急にまた刑弁に目覚めたか?となりそうですが,違います。

 この話題,企業法務系で重要な話だからです。

 兎も角も,これは昨日日弁連でやった研修でした。

2 まず,司法取引の方ですが,今般導入されるのは,自分の犯罪について,自白すると罪が軽くなる~パターンの自己負罪型ではありません。

 まあ,これは一部今の制度でもそれっぽいのがあります。即決裁判手続ってやつですね(今は350条の2がこれですが,改正によって,司法取引の方が350条の2~になりますので,繰り下がって350条の16以降になります。知ってた?)。

 で,何故自己負罪型ではなく,捜査協力型の司法取引しか導入しなかったのかはよくわかりません。日本の宗主国のアメリカでは時々報道があるとおり,自己負罪型がメインですから。
 
 この件について,昨日のパネルディスカッションのパネラーの一人でもある,ヤメ検で現西村あさひの平尾先生によると,こんなことらしいです。
 よくあるパターンですね。宗主国の制度をそのまま持ってくるというのはプライドが許さないのか,それとも利権的に美味しくないのか知りませんが,ちょっと日本的に変えるといういつものやつです。ほんで結局,シッチャカメッチャカになるというのも,CAFCをひねって持ってきて知財高裁にしたということでもおなじみのパターンですね。

 まあ当てこすってばかりじゃしょうがありません。来年の6月までには施行されます。
 ポイントは,会社でこの系の犯罪が疑われた場合どうするかですね。
 
 勿論,個別の被疑者には個別の弁護人を付けるということは当然のデフォーです。その場合,幹部だとしても,顧問弁護士が弁護人になるのはご法度と言えます(まあこれもわかりますよね。)。
 顧問弁護士の方は,誰の弁護人にもならず,粛々と事前に作ってあるマニュアルに沿って,捜査協力等をするということですかね。

 で,あと気になるのは,対象犯罪です。
 新350条の2第2項3号は以下のとおりです。

前二号に掲げるもののほか、租税に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)又は金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の罪その他の財政経済関係犯罪として政令で定めるもの

 税法,独禁法,金融商品取引法は法で明定されました。
 問題は,上記下線部の,「その他の財政経済関係犯罪として政令で定めるもの」です。噂では,不正競争防止法18条の外国公務員に対する不正の利益供与等の禁止が含まれるということです(罰則は21条2項7号。両罰規定は22条1項3号。)。
 
 で,これらのとき,何が怖いかというと,両罰規定で会社にも罰則が課される恐れがあるってことですね。まあ何が言いたいかわかりますよね。
 つーことで,対象犯罪に何が含まれるか,ちょっと注意しておかないといけないでしょう。特許法とか著作権法とか入るかもしれません。

3 次に刑事免責です。これは条文だけだとちょっとわかりにくいです。
 まずは,刑訴法146条の原則です。

 「何人も、自己が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる。
 
 まあ,わかりますよね。自己負罪拒否特権です。憲法にもあります。憲法38条1項です。
 ただ,ポイントは「証言」です。つまり,他人の犯罪について何か言う場合の話です。
 他人の犯罪でも,自分も一緒にやったとか口が滑りそうですよね。そういう場合に要らんことは言わんでいいってやつです。

 で,この原則を踏まえて,今回の改正はその例外ということです。
 
 ということは,自分も一緒にやったとか,自分に不利なことでも言わないといけなくなるってことです。勿論,一定の条件がつきますけどね(新157条の2です。)。つまり,それは,自分に不利なことを言ったことについて,自分の事件のときの証拠にはできない,ってだけですね(完全なる免責ではないことに注意です。)。

 これは対象犯罪の限定がありません!なので,けっこうヤバいことになりそうですね。

4 さて,まとめですが,これらの制度が導入されて誰が喜ぶかというと,それは捜査機関です。まあ,全面可視化のバーターなのですね。

 可視化が叫ばれ,いやいやそうすると捜査しにくいなあってことでの焼け太りってわけですかね。司法取引については,所謂特捜ニンマリでしょうね。経済犯罪を狙い撃ちにしていることは明らかですから。

 あ,そうそう,前の本の紹介の記事で簿記のことを少し書きましたが,検察志望で,特捜志望なら(殆どそうでしょうけど。),簿記は必須ですよ。2級までが望ましいですね。

 検察と簿記,全く結びつかないようですが,これは密接です。

 私も知らなかったのですが,修習時代,検察志望の人に聞いたのですね。
 粗暴犯系(殺人,強盗,窃盗とかのポピュラーな犯罪)は,警察から上がってきた事件を処理するだけでちっとも面白くない~なので,皆自分達で事件を作ることの出来る特捜に行きたがるそうです。

 ほんで,特捜の扱う事件と言えば,経済事件です。そうすると,帳簿を読めないと話にならない!なので,特捜を目指す検事には,簿記は必須らしいです。意外でしょ。
 まあ,このブログ,ロースクール生の中にも根強いファンも居るらしいので,ちょっとした情報でした。

 兎も角も,刑事弁護をやらない企業法務系の弁護士も,今回の改正はどこかで勉強した方がいいという話でした~。
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1 何か刑事の話を書くのは久しぶりですねえ。いつ以来だろう。

 さて,日本一金にうるさい弁護士であるこの私も,全く刑事弁護をしないわけではなく,私選弁護で謂わば割の良い事件に関してはたま~に♫やっています。

 でも,国選弁護はやりませんね。それは端的に言えば報酬が安すぎるからです。しかも,接見回数に応じて報酬が加算されるとか,公判時間に応じてだとかの,システムがアホ過ぎで,はっきり言って,バカバカしいからですね。

 ただ,修習に,民事弁護と分けて刑事弁護という科目もあるように,何かこれぞ弁護士という所もあって(勉強になる部分もありますからね。),当番弁護と国選弁護の名簿にはずっと登録し続けていました。

 でも,今般その名簿搭載をやめることにしました。

2 その一番の理由が,タイトルのとおりのものです。

 一弁は,従前,当番弁護と言えども受任義務なんかありませんでした。受任しないときは,被疑者等にその旨を明確に告げなけれならない,という程度でした。
 まあ他の弁護士会やクソサヨク系から言わせると,さすが一弁ぬるさ爆発~ってな所かもしれませんが,私のようなそこを何とか~という意欲に欠ける弁護士にとっては実に居心地の良い部分でありました。

 弁護士が増えたか何だかで,不祥事も増えたか何だかで,昨今,弁護士を取り巻く経済的状況を始めとして色々世知辛くなってます。
 そのため,一弁も当番弁護士センター規則を改正し,受任義務を新設することになったのでしょう。推測なのですが,当番弁護士で接見するだけ接見し,金にならない事件だと思うと,受任せずほっとくか,被疑者国選にお任せ~♫みたいな例がたくさんあったのでしょうね。

 ただ,お金が第一で,被疑者等の人権がどうのこうのってなるのは,司法改革の目指した所(弁護士も自由競争せいや!)から自明のこと,つまり想定の範囲内なので,別にいいんじゃねーと思うわけです。

 どちらにせよ,私のような基本ぬるい男からすると,そんなギチギチやらず,まあ大体で~適当で~ちゅうところがないと,息が詰まるわけですね。
 気が向いたら受任するし,気が向なきゃ受任しない~そんな感じで万事やりたいわけです。

 ですので,いい機会だと思い,きっぱり足を洗うことに致しました。

3 サッカーの話題だけだと一体この人何なんだろうということもあり,一応弁護士っぽい話題も書いてみました。ムフフフ。
1 表記は,本日の朝刊に載っている事件というか,話というか,そういうやつです。

 まずは,エールを。東京弁護士会,絶対懲戒に上げるなよ!逆に地裁を訴えちゃえ(何で?)!

2 勿論,いわゆる裁判員法には,こう規定されております。

(裁判員等に対する接触の規制)
第百二条  何人も、被告事件に関し、当該被告事件を取り扱う裁判所に選任され、又は選定された裁判員若しくは補充裁判員又は選任予定裁判員に接触してはならない。

 ですので,今回の弁護人が接触したというのは(確定的にそうだったとも思えませんが。),この規定に反する可能性はあります。

 だからと言って,何でわざわざ「弁護人の所属する東京弁護士会に懲戒処分を含めた措置などを要請」するというのはわかりませんねえ。まあまともな者には理解不能,なのかもしれませんが。

 しかし,こんなことでいちいち東弁が本当に懲戒に上げるようなら,もう東弁も終わりですね。

3 修習やるとわかるのですが,地裁の裁判官は,検察官を裁判官室に呼んで,立証の補充,訴因の補充(起訴状の訂正ですね。),訴因の変更に至るまで,色んな指導をします。

 以前,このブログで,私が刑事の否認事件を担当したときのバカ検事の話を書きました。そのときも思っておりましたが,この否認事件のときも,裁判官からの指導があったのでしょうね。
 ですので,急に,証拠調べの請求をしたのでしょう。裁判官室に呼ばれて,素人の弁護人に押し込まれているようですよ,オホホ,こういうのを証拠調べの請求しておかないとヤバイのではないですかね,と言われて慌てて用意をしたのでしょうね。

 でもこういうのこそ,まさに「看過できない行為で制度の根幹を揺るがす」のではないでしょうか。
 裁判官と検察官のまさに癒着ですよ。法律には何も規定していないからよい,ふーん,その昔の北尾のように,「この八百長野郎!八百長ばっかりやりやがって」って言われないと分からない?

 そういうことを棚にあげて,弁護人を懲戒の要請ですか~,よく口が曲がらないものですね。
 ですので,私が裁いてあげましょう。

東京地裁立川支部とそこに所属している裁判官,あなたたち偽善者は不幸だ。弁護人を食い物にし,見せかけの長い判決をする。だからあなたたちは,人一倍厳しい裁きを受けることになる。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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