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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 概要
 本件は,原告(レースクイーン・インク)が,被告(ひろゆき氏)の有する商標登録(第5843569号,出願日平成26年3月27日 ,2ch(標準文字),38類と42類)に対し,無効審判を請求(商標法4条1項10号)したところ,不成立審決が下されたため,これに不服の原告が,審決取消訴訟を提起した事案です。

 これに対して,知財高裁3部(鶴岡さんの合議体ですね。)は,原告の請求を棄却しております。つまり,審決のとおりでOKということです。

 なお,本件と同様,2ちゃんねる (標準文字)の登録商標(第5851035 号)にも同様の無効審判→審決取消訴訟がありましたが,同様の結論です(知財高裁平成30(行ケ)10029号)。

 いやあ,ここで判決紹介するのは久々ですね~。もうマジな判決を紹介することはありませんので,今回もおもしろ系ですね。

 で,問題点は,ただ一つ,2ch(掲示板の方ね。電子掲示板「2ちゃんねる」(ドメイン名は2ch.net,本件電子掲示板のこと。))って誰のもの?ってことです。

2 問題点
 端的な問題点は,商標法4条1項10号該当性です。

 商標法4条1項10号は以下のとおりです。
他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

 つまり,未登録周知商標と同一・類似の商標は登録できない,ってことです。

 だって世の中,商標を登録するのが義務ではありません。そういう細かいことを気にせず,律儀に真面目に商売に精進したところ,ブランドが超有名になった場合もあり得る所です。そんなときに,しめしめ,あの野郎,商標登録してねえわ,いっちょオイラが登録しちゃるか~みたいな奴が出てくるといけませんので,こういう条項があるわけですね。

 なので,”あの野郎”の商標じゃないといけないわけです。つまり条文上の「他人」ってことですね。
 自分ならいいわけですよ。

 あ,商標って特許と違いますからね。別に商売を始めたあとで商標を出願しても登録できる場合があります。つーか,そういうのが不登録事由になっていません。
 他方,特許の場合,商品を売り出すと,それで新規性が失われてしまうので(これは不登録事由です。),登録できないのです。

 なので,先程の,律儀に真面目に商売していた人が,そろそろ落ち着いたので,自社ブランドを商標登録出願しよう,もう商売を始めてから100年にもなるけどね~~でも登録しうるのです。勿論,昨今の兎に角なんでも早め早めというブランド戦略からすると,オススメできないことは確かですけど。

 ということで,周知ブランド(2ch)は,他人のものに当たり,ひろゆき氏の有している2chの商標権は本来登録できなかったものなのか,そこが問題になったというわけです。

3 判旨
「2  原告は,需要者を基準にする限り,平成21年1月までに本件電子掲示板に係る本件引用商標の使用により獲得された業務上の信用が一義的には被告に帰属していたことは争わないとした上で,本件電子掲示板運営事業は,本件各事業譲渡により,被告からパケットモンスター社を経て原告に承継された旨主張する。
  (1)  そこで,まず,本件各事業譲渡の有無について検討する。
ア  電子掲示板に係る事業は,電子掲示板の名称等の商標のほか,ドメイン名を使用する権利,電子掲示板に表示される広告に関する契約及びインターネットサービス提供に関する契約を含む複数の財産を用いて行われているものであるから,電子掲示板に係る事業を譲渡するに当たっては,これらの複数の財産を移転し,その対価を支払うことを内容とする合意をするのが通常であるところ,本件各事業譲渡の合意の具体的な内容は明らかで
はない。
 そして,事業譲渡をするに当たっては,移転の対象となる具体的な財産を特定し,事業譲渡の対価を定めるほか,対価の履行期及び履行方法,譲渡の対象となる財産の移転方法(第三者の承諾等を要する場合にはその手続の履行期及び履行方法等)を定めるのが通常であり,移転の対象となる財産の内容によっては事業譲渡の基準日時点での債権債務の処理について定める場合も考えられる。さらに,本件各事業譲渡のように,当事者の少なくとも一方が法人である場合には,なおさら慎重な手続がとられるのが一般であるし,本件各事業譲渡は渉外法律関係(パケットモンスター社はシンガポール法人,原告はフィリピン法人である。)を含むから準拠法の問題を生じ得ることからしても,口頭のみで契約を行うことは考えにくい。
 以上に照らせば,本件各事業譲渡につき契約書等の書面を作成せずに契約を締結するとはにわかに考え難いというべきところ,本件各事業譲渡に係る契約書等の処分証書の提出はない。
      イ  本件事業譲渡1の時期から5年以上経過した平成26年3月5日当時の本件電子掲示板のトップページには「Y日記」との文字が記載されており(上記1(5)イ),この記載からすれば,平成21年1月以降平成26年3月まで本件電子掲示板のトップページに本件ブログへのリンクが貼られていた可能性もある。また,本件記事には,①  平成24年12月に,被告が本件電子掲示板上の違法薬物に関する書き込みを放置したとして検察庁に送致された旨,②  平成25年3月に,本件電子掲示板上の違法薬物に関する書き込みの削除措置がとられたために被告が不起訴処分となった旨,③  同年8月に,被告が本件電子掲示板に係る高額の広告収入をパケットモンスター社から受領したとして東京国税局から指摘を受けた旨が記載されている(上記1(7))。
 これらの事実によれば,被告は,平成21年1月以降も本件電子掲示板の運営を含む本件電子掲示板に係る事業に実質的に関与していたことがうかがわれる。
ウ  以上のとおり,本件各事業譲渡の合意の具体的な内容が明らかでないこと,本件各事業譲渡に係る契約書がないのはそれ自体不自然であること,本件事業譲渡1がされたという時期以降も被告が本件電子掲示板に係る事業に実質的に関与していたことがうかがわれることに照らせば,本件事業譲渡1がされた事実や,原告が本件各事業譲渡により本件電子掲示板に係る事業を承継した事実を認めることはできない。
・・・
  (2)  原告は,仮に全面的な事業譲渡又は承継がされていなかったとしても,パケットモンスター社が本件電子掲示板の運営管理を行っていたことからすれば,本件電子掲示板に関連した周知,著名商標から生じる権限を含めた事業譲渡又は承継がされたといえると主張する。しかし,パケットモンスター社が本件電子掲示板の運営管理を行っていたとしても,同社が事業主体であるかどうかが明らかでないのは上記(1)エ(ウ)のとおりである。また,本件全証拠によっても,被告がパケットモンスター社に対し,本件電子掲示板に関
連する周知,著名商標から生じる権限を譲渡した事実を認めることはできない。
・・・
4  以上によれば,本件商標が「他人」の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であるとは認められない。 」

4 検討
 私も昔はパカ弁ってやつをやっておりまして,特に独立したてで仕事も金も今以上に全くないころ,結構な頻度でやっておりました。
 ところが,ある時期を境に,全く仕事の依頼が来なくなりました~。
 
 ま,わかりますよね。このパカ弁の仕事関係が実にお金になる~ってことで,猫も杓子も,非弁も業者も参入したころです。 
 今も,「弁護士 誹謗中傷」とかで検索すると,むちゃくちゃ広告が出て,その後SEO対策している事務所しか検索表示されません。
 うちの事務所なんか~もう探すのはやめた~ってなります,本人でも。だとしたら,一般の人がうちの事務所まで辿り着くわけがありません。

 ということです。

 ですが,何事も勉強ですし,またデタラメな検索して偶然辿り着いたお客さんが来るかもしれませんので,コソ勉はしています。

 例えば,この分野での有名な弁護士の中澤祐一先生の「誹謗中傷 法的対策マニュアル 第2版」,1版が良かったので,こちらも買っております(1版に比べてずいぶんページ数が増えましたが。)。

 で,この本にも2chに対する対策が書いております。その箇所によると,仮処分の相手方,つまり債務者は,ひろゆき氏ではないのですね。
 ですが,特段の問題はなく,仮処分の決定は下りているようです。

 ムフフフ,どうですか?あっちでは,俺じゃないと言い,こっちでは俺だと言い( 「被告は,本件電子掲示板に関連する周知,著名商標から生じる権限を譲渡したことはない。 」そうです。),そういうことなわけです。

 私は倫理を説く者ではありません,みなさんが各々考えればいいことですけどね~。ムフフフ。

5 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。
 本日は,ここ山本橋に来ております。
 
 散歩中,ちょっと雨が降ってきたりしてましたが,今はスッキリした天気です。
 昨日の夜遅く東京は結構な雨が降りましたね。雨音で目が覚めたのですが,今日の未明だったかもしれません。これは久々の雨でした~。

 さて,ほんで,夏の特別編,いってみましょう。
 
 アブラゼミ,オスです。しまった~子供じゃなくオヤジに捕まるとは・・・という感じでしょうか。
 
 
 続いて,これもアブラゼミ,オスです。こちらはまったく観念せず,離せこんにゃろーです。

 そう言えば,昨日捕まえたアブラゼミは,目が赤かったですが,今日のどちらも真っ黒です。

 ネットの記事によると,死にかけのアブラゼミは目が赤いらしいですけど,ほんまですかねえ。何ともよくわかりません。

 夏の終わりには,このセミのまとめをやろうかな~って所です。

6 追伸2
 大分の甲子園の出場校が決まりました。藤蔭でした。
 実家の近くの柳ヶ浦が決勝まで行ってたのですが,惜しくも0-1で破れたようです。

 藤蔭のあるところは,日田。よく最高気温で出る所です。盆地で,暑くなるのです。実家に帰ったついでにちょっと足を伸ばすこともあります。いい所です。でも,まあちょっと遠いかなあという感じです。
 兎も角もおめでとうございます。

 で,私と白ブリーフの母校は,一回戦シードで2回戦からの登場だったのですが,惜しくもサヨナラ負け,でも結局1勝もできなかったということですね。しょうがない~。
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1 首記は,本日の日経の1面,しかも1番の見出しです。つまりは超重要と考えいているものだということですね。

 商標が日経の1面に載るっていつ以来だろう,そんな所ですね。

 で,内容なのですけど,何か非常にバイアスのかかった記事という気がしますね。

だが補助金を使って急激に拡大させる中国の手法は競争をゆがめ、企業活動に混乱を招きかねない。   
 商標登録が専門の米ガーベン法律事務所の弁護士ジョシュ・ガーベン氏は「中国の補助金は米国の商標登録制度を傷つける意図がうかがえる」と指摘する。日本の特許庁も中国からの大量出願を警戒している。
 とはあります。

 要するに,ほらまた中国だよ,だろやっぱ中国だろ,みたいな感じがプンプンします。
 アメリカにはちっとも文句言わないくせに~。

2 私は別に中国が好きじゃありません。国粋主義者のレイシストでもありますからね。
 でもねえ,要らんバイアスは不要だし,フェアじゃないのも好きじゃないのですね。

 それに,今や中国製のものの方が日本製よりよっぽど信頼できます,しかも安い!

 こういうのはねえ,大体ブーメランになるのですよ。そう,ブーメラン,ブーメラン,ブーメラン,きっと~♪ですね。

 この特許庁のサイトを見てください。

 「外国出願に要する費用の半額を補助します」ですよ。

 補助金で外国出願を拡大しているのは,日本でもやっているのです!
 ずいぶん昔からですし,サイトの情報は,6/8に更新されていますから,今でも引き続きやっている!ということです。

 その中には商標もあります。
案件ごとの上限額:特許150万円  
 実用新案・意匠・商標60万円  
 冒認対策商標(※):30万円   (※)冒認対策商標:第三者による抜け駆け出願(冒認出願)の対策を目的とした商標出願

 上限,60万円まで出してもらえます。かなり十分と言えます。

 なのに,「だが補助金を使って急激に拡大させる中国の手法は競争をゆがめ、企業活動に混乱を招きかねない。 」らしいです。

 中国のが悪くて日本のが良いのでしょうか?

 こうやって中国のことを批判するなら,日本も補助金で下駄履かせるのはやめた方がいいんじゃねえの~。
 それか負けずにもっと補助金出して,対抗できるようにすりゃあいいんだよ。

 成功者への妬みというか負け犬の遠吠えというか,いつからこんな意地汚い,つまらんことを考えるやつの多い国になっちまったかねえ。あ,昔から,いやそうかもしれませんにゃ。

3 頭が悪いくせに,意地汚さだけは一人前の人たちはおいておいて,ちょっとした箸休めです。
 
 
 
 これはうちの妹の個展の案内ですね。
 妹のことはこのブログでも何回か書いたことがあります。

 で,6/27-7/2に,日本橋三越の本館6Fの美術画廊で,個展を開くということですね。ま,美術好きの人ならよく知られた場所で,今年の春の院展もここでやっていました。

 三越のサイトだとここですね。

 ですので,ご興味のある方はよろしくお願いします。ま,百貨店で行われる個展ですので,絵の販売が目的であることは明白なのですけど,皆さん私と似たり寄ったりの懐具合だと思いますので,冷やかしで十分と思います。

 
 
1 我が政府のお偉いさんや,サッカー協会の方々の話ではありません。両方共焼きが回ったとしか言いようがありませんけどね。

 そうじゃなく,昨日くらいから話題になったプリンスホテルの一件です。
 報道は,この辺でしょうか。

 被告側に言わせると商標も出願しているらしく,調べると確かに出願されています。
 商願2017-144549です。
 
 これでまさか代理人が就いてるなんてことは・・・ああ安心しました。本人出願のようです。

2 経過情報を見ると,情報提供もされているようなので,これは本家のプリンスホテルからでしょうね。

 しかし,この手の話は,最近権利者側も短気になっていますので,民事で処理してもらえるのは感謝した方がいいですね。

 どういうことかというと,商標関係(不競法も)で,権利者が大手だと警察もすぐ動いてくれますので,捜索差押→代表者逮捕って流れがデフォーと言ってよいです。

 ときどきうちの事務所にも泡を食ったそれ系の方々から相談があったりするのですけど,争いがない事例では早めにごめんなさい~した方がいいですね。

 ま本当の問題は,そうじゃなく結構争いがあり,しかも公判ではどうなるか分からない事例にもかかわらず,警察が逮捕したりする事例なんですけど,そういうのは私ではなく,人権派弁護士のお仕事だと思います~。正義にも人権にも興味のないあっしには関わりのねえことでござんす~ムフフフ。

3 さてさて,全く盛り上がりを見せないサッカーのW杯,今日の日経には日程表など載っていました。
 ま,始まれば違うのでしょうけど。

 で,私の興味は現時点でNBAですね~。この時期は当然NBAファイナルです。

 確か今年で4年連続して,同じカードだと思います。キャバリアーズVSウォリアーズですね。キャバリアーズの中心選手は,ご存知レブロン・ジェームズ,対するウォリアーズの方は,ステファン・カリーですね。

 下馬評では,圧倒的にウォリアーズ優勢です。まあ,今季の成績も違いますからね。キャバリアーズはもうボロボロでのファイナルです。例えるなら,1944年の日本という感じです。ま,石原莞爾言う所の東洋の代表が日本でしたから~。おっと議題が逸れそうだな。

 対するウォリアーズは,戦力も十分,多少手こずった試合もありましたが,キャバリアーズに比べれば余裕のよっちゃんでファイナルです。例えるなら,1944年のアメリカ,でしょう。

 で,すでに3戦終わりました。
 1戦目で鬼神の働きをしたレブロン・ジェームズでしたが,味方の凡ミスもあって負けました。ほんで,今日も負けてキャバリアーズの3連敗です。
 なので,ここまでは予想とおりと言えそうです。ですけど,このままじゃ面白くありません。再度レブロン・ジェームズの怪物ぶりが発揮され,ここから4連勝~♪になればいいなあって思います。

 あ,日本のBリーグも見ていますよ。
 ファイナルは生でやっていたので見ていましたが,思ったより差が付きましたね。
 千葉の富樫があれだけ押さえられると,トヨタじゃなかった東京のペースでしたなあ。田中と馬場の2人にやられたという感じでしょうか。

 で,いろいろバスケのことを書きましたが,なぜバスケに注目しているかというと,もうドSの私好みのシチュエーションなのです。

 実は,2020の東京オリンピックで自国開催のくせに,出場できるかどうか怪しい団体競技が1つだけあります。それが男子バスケです。

 で,その出場条件が,来年行われるバスケのW杯でベスト16に入ることと言われているのです。ま,要するに,いくら自国開催って言ってもあまりにレベルが低いから,開催国枠の保証をもらえなかったという体たらくなのです。

 ほんで,そのW杯の予選が始まっていますけど(まだ一次予選の段階),6戦中すでに4連敗~♪グループリーグの最下位で,このまま4チーム中最下位だと敗退が決定します。
 あと2試合ですけど,6/29がオーストラリア,7/2が台湾ですね。

 で,6/29にオーストラリアに負け,裏でやっているフィリピンVS台湾で台湾が勝つと(要するに台湾とビリ争い),その時点で最下位決定~♪ということなので,格上のオーストラリアを打ち破るかしないと自力での予選突破に可能性を残せない~♡ですね。ちなみに,6/29のオーストラリアは千葉,ホームです。

 どうですか~。以前のサッカーのようですね。

 なので,この季節は,バスケに注目せざるを得ない~♪のですよ(そう言えば,今週のコンフィデンスマンJPもバスケの話だったなあ。今はバスケ!なのかもしれません。)。

 ま,オリンピックにも出れないくせに,プロだなんだって調子こいてるような奴らに市場は冷たいですよ~。おまんまの食い上げが嫌だって言うんなら,6/29は死ぬ気でオーストラリアに勝ってみろって所じゃないでしょうか。
1 昨日に続いて商標の小ネタですね。しかもマスコミで話題になったものです。

 報道は報道として,商標ってすぐに登録できるものではありません。

 ということで,昨日と同様,J-platpatで検索してみました。検索は,勿論,出願人/権利者として「小池百合子」というものです。

 そうすると,3件見つかりました。

2 まずは,これです。
・「都民ファーストの会
 標準文字でした。
 商願2017-20202(出願日:平成29年(2017)2月20日)
 こういうのは指定商品等が重要なのですが,こんな感じです。

16    印刷物,紙製のぼり,紙製旗,文房具類,紙製包装用容器,プラスチック製包装用袋 18C04 18C09 19B22 25B01 26A01
41    技芸・スポーツ又は知識の教授,政治・経済・地方行政・地方自治・財政・税・待機児童・福祉・医療・議会・選挙制度その他国政・地方政治に係る課題に関する知識の教授及びこれらに関する情報の提供,政治家及び政治家を志す者への知識の教授(政治塾を含む。)及びこれに関する情報の提供,セミナー・研究会・研修会・講演会・シンポジウムの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。) 41A01 41A03 41C02 41E05 41F06
42    政治・経済・地方行政・地方自治・財政・税・待機児童・福祉・医療・議会・選挙制度その他国政・地方政治に関する調査・研究及び提言並びにこれらに関する情報の提供,政治政策課題の解決に向けた調査及び研究,建築又は都市計画に関する研究 42Q02 42Q99

 となります。
 登録(第5977656号)は,9/1でした。ちなみに,拒絶理由通知はされず,ストレートで登録になっております。

・「希望の党
 これも標準文字です。
 商願2017-20203(出願日:平成29年(2017)2月20日)
 指定商品等は上と同じです。

 やはり,登録(第5977657号)は,9/1でした。ちなみに,これも拒絶理由通知はされず,ストレートで登録になっております。

・「希望の塾
 これも標準文字です。
 商願2017-20204(出願日:平成29年(2017)2月20日)
 指定商品等は上と同じです。

 やはり,登録(第5977658号)は,9/1でした。ちなみに,これも拒絶理由通知はされず,ストレートで登録になっております。

 この3つの出願について,同日の出願,出願人も同じ,指定商品も同じ,そして勿論,代理人(かなりのベテランの先生です。)を立てて出願しております。

 そうすると,結構前から準備をしないと出来ない話,というわけです。今年のはじめに,都民ファーストの会に関して小池新党だという報道があったようです。
 そうなると,この時期にはもう今日の話は考えていたということで,まあそりゃそうでしょうねえ。だってその程度の先のことを考えられないでどうするって所です。

 とは言え,いい面の皮となったのは,我らが刑事部長です(刑事部長の話は,こので。)。まあ所詮は法曹風情~集票力がないとこうなるのだなあという例ですね。
 今度の選挙にも法曹の方が,右左問わず一定程度出馬されると思いますが,身の程を知った方がいいと思いますけどねえ。あ,要らんお世話でした~♡

 さて,こういう話となると,ジャミラが気になる所です(ジャミラの話はこちらです。)。
 J-Platpatによると,ジャミラは,今年のはじめに「都民ファースト」で出願しております。
 しかし,例によって出願料を払わなかったようで,最初の出願は却下となったようです。そのため,今はその出願の分割出願が係属されているようです(商願2017-82553)。

 だけども,上記のとおり,本家の出願が登録になってしまったようなので,あんまり意味が無かったようですね。ジャミラ,残念。

 なお,商標については,知財高裁平成28(行ケ)10262 という,ちょっと大問題じゃないかなあという判決が出ております。しかし,マジな話はここでは扱いません。ご了承のほどを。

3 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。
 本日はここ高野山東京別院に来ております。
 
 知っている人は知っていますが,高輪にあるのですね。高輪と言っても広いのですが,田町近くではなく,どちらかと言うと高輪台の方が近いのではないかと思います(さら近くには四十七士で有名な泉岳寺もあります。)。

 先週までブラタモリは3週連続,高野山の特集でした。私は例によって腰が重いので,本家の高野山に行ったことはありません。しかし,空海自体は小さいころから身近なものもあり,あまり遠い存在ではありません。

 どういうことかというと,おせったい,って知っていますかね?

 大分の北部で今も続けられていますが,赤いのぼりのある家に小銭を持っていって,お参りしてお菓子をもらって帰るという習わしです。

 実家の実家が田染の蕗という所なのですが,そこでのおせったいが,ちょうど今年は夏休みの帰省から東京に戻る日で行けず仕舞いでした。でも今でもあるってことです。

 このおせったいは,どこかで見てもらうといいのですが,空海祈念日本版ハロウィン,みたいな習わしなのですね。

 まあ,それは宇佐神宮の威力というか権力が絶大だったからでしょうね。しかし,うちの実家のある国東,宇佐地区にある有名なお寺は,大体どこも天台宗のお寺です。

 天台宗,それは空海のライバルの最澄が開いたものです(空海といい,最澄といい,名は人を表すって感じですかねえ。)。ですが,一般伝承として,空海のことも伝わっているということです。
 まあさすが,神仏習合の起源ともされる我が田舎です。まさに,こまけーことはいいんだよ~っちゅうところですかね。

 ちなみに,私,結構散歩の途中にこういう感じでお参りに行くことが多いです。
 私はまあどちらかと言うと一応無神論者という感じなのですが,結構お参りします。

 いや,一応無神論者と書いたのは,だって,わざわざ財布の中に,ただの良質な紙に印刷しただけもの(お金と呼ばれています。)を後生大事に持っている癖に,神や仏となると,途端に信じない,そんなもんは居ないっちゅうのも,何だかなあって所ですからね。

 一言で言えば,この世はすべてでっち上げ!,同じでっち上げなら,踊りゃな損損~♫ですよ~♡

1 これは今朝の日経の朝刊のどっかの下の方にひっそりと載っていた記事です。

 知財やってても見落とした人も多いかもしれません。ま,たまにはまともな知財の話でも書こうかなあって所です。気紛れなもんでね。

 日経の記事によると,インテルとBMWと大幸薬品の3社に,初めて歌詞のない音だけの商標で登録が下りたってことです。

 商標って簡単なようで難しく,それはここでも書いた通りです。難しくいうと,自他商品等識別力がどの程度あるかっていう話です。

 そこでの例のとおり,森進一の真似をするときに,「こんばんはもり~しんいち~です」と言わないのに,森進一の真似だとわかる,これはモノマネのレベルとしては高いわけです。

 今回,インテルとBMWと大幸薬品の3社に歌詞なしで認められたというのは,そういう意義があるというわけです。

2 音の商標は,今から2年と少し前,2015/4/1~認められるようになったものです。このブログのでもその経緯は書きまして,音の商標のことも書いております。
 やはりこう見ると,歌詞つきが多いですね。

 で,せっかくなので,各社の,恐らくこれだろうというのを検索してみました。
 
 まずはインテルです。
 恐らく商願2015-29981(平成27年(2015)4月1日出願)と思われます。 
image
 指定商品は,9類のコンピュータハードウェア等です。


 つぎに,BMWです。
 恐らく,国際登録1177675(平成27年(2015)8月18日)と思われます。
 image
 指定商品は,12類のMotor vehicles等と,35類があります。

 最後は大幸薬品です。
 恐らく,商願2015-29809(平成27年(2015)4月1日)と思われます。
 image
 指定商品は,5類の薬剤です。

 ただ,私は楽譜は全くわかりません。特許庁ではこういうのがわかる審査官を置いているらしいですが,侵害事件のときは一体どうなるのでしょうねえ。

3 追伸
 午後になって,特許庁から,きちんとしたものの開示があったようです。
 ま,私の推測は全部当たりましたが,音も聞けるので,こちらの方がいいでしょう。

 さて,折角なので,別の話にしましょう。
 最近,びっくりしたのは,安室奈美恵引退です。え!何でって感じでした。マジで。

 殆ど音楽を聞かない私(ちなみに「本」も殆ど読みません。),実は,日本のアーティストでコンスタントに聞いてる,唯一の女性が安室ちゃんですね。

 あ,所謂小室ファミリーのころは全くです。Try meっていい曲だなあと思っていたら,変なヘニャヘニャした感じに様変わりして,ウエーってなもんでした。
 そうそうTRFが出たときも,おおZOOの偽物が出てきたわ~と思ったら,偽物が本物を駆逐してしまいましたねえ。あれにはびっくりです。

 ま,所謂TKサウンドで,まだましな曲って数曲しかないですが(私の思うところですよ,勿論),何よりも気に入らないのは,歌詞です。
 TKの歌詞って,何ちゅうかバカ丸出しというか,小学生の夏休みの宿題ちゅうか,はあ何じゃこれ?!っていうのばっかりです。ただし,洋楽ファンが聞いてる流行りのソウル・ミュージックとかヒップホップとかの歌詞も酷いですけどね。

 言葉って頭の良し悪しが如実に出ますね。こんなブログで人のこと言えるのかって?いやあ金を払ってくれる人にはちゃんとしたマシなもんを出しておりますので,ご心配なく~♡

 なので,世の中の主流がTKからモー娘。系のつんくPに行ったときは,ああ良かったなあと思いました。歌詞が随分マシになりましたから。

 とは言え,その頃(ちょうど20年前くらいでしょうか・・・)の安室ちゃんブームで良かったこともあります。その頃の私は,ソニーでエンジニアしていた頃ですが,もう不良社員もいいところ,なので・・・おっとこれ以上はさすがにマズイかな。。

 で安室ちゃんの話に戻りますが,私が安室ちゃんを聞き始めたのは,小室ファミリーをやめて少し経ったころからです。

 自宅のPCの音楽ソフトを見ると,Queen of Hip-Popから殆ど揃えてましたね(勿論,最新の_genicもあります(これはiphoneにも入れてます。)。)。
 時期的に,修習生になったころからなので,時間が出来て聞き始めたのだと思います。

 だから私の感覚としては世間と違うのですね。世間ではあの一世を風靡した過去の名歌手が今更何故?という書き方です。
 でも私は,え,もう新譜でねえの?プリンスと同じじゃん!てな反応です。

 ですので,安室ちゃんが過去の人だと思っている人は,本当浅はかだあ~と思いますよ。小室ファミリー辞めてからの方がずっといいですって。
 まずは最新作(2015)の_genicですかね。これもオリコンの1位でプラチナ・アルバムになっております~。お試しあれ。


 

1 耳の早い人はもう知っていると思いますが,ついに色彩のみからなる商標が登録になるそうです。

 新しいタイプの商標について,このブログで導入直後にちょっとだけ触れたことがあります。しかし,その後はサッパリですねえ。
 ま,新しいタイプの商標を出願する所はどこかというと,基本大企業なのですね。私は中小ベンチャーのお客さんが多いので,商標登録出願を頼まれても,一般的な従来とおりのものだけです。
 となると,去る者は日々に疎しってことで,この新しいタイプの商標の話題からも遠ざかっていたわけです。

 でもあれから約2年。漸く色彩だけの商標が登録になるという発表が,経産省のサイトでありました。ただ,何故特許庁のサイトじゃないのだろう?というのは不思議です。
 恐らく特許庁は経産省の外局に過ぎませんので,重要なことは本社というか宗主国というか,そちらがやるわけです。まあ日本とアメリカのような関係と言えばわかりやすいですかね。ムフフフ。

 兎も角もちょっと見たら,2件
  一つは,トンボ鉛筆の,「消しゴム」の指定商品で,例のMONO消しゴムのパッケージデザインの複数の色彩ですね(青,白,黒)。
 もう一つは,セブンイレブンの35類で,やはりこちらも,街頭のマークの複数の色彩ですね(オレンジ,緑,赤,白)。

 ということで,単色は無理なようですね~。今回登録になりそうなものは,パッと見ても,あああれだ~とわかります。識別力は結構ありますね。

 ということになると,この手のタイプしか登録できないような気もしますが,どうなんでしょ。

2 さて,いつの間にやらもう3月です。いよいよ花見ももうすぐですわ。でも,よく考えると早いなあ。
 ということで,毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーです。本日は,いつも早い花見が見られる,ここ目黒川沿いのポイントに行ってきました。
 
  ちょっと,変じゃないですかね。では,去年の3/28の写真と比べて見てみましょう。
 
 おっと,桜の枝がありません。向こうの枝垂桜の方は変わりませんが,その手前の桜がないのです。木ごと無くなってしまったようですね。いやあここはしょっちゅう通っていたのですが,いつ無くなったのかなあって感じです。

 ここにあった桜は早く咲くので良かったのですけどねえ。
1 概要
 本件は,原告が,双日ジーエムシー株式会社(双日GMC)の請求した本件各商標登録の取消審判に係る各審判手続(審判手続)及び同審判についてされた各不成立審決の取消訴訟に係る訴訟手続(審決取消訴訟手続)に関し,原告の有する商標権の独占的通常使用権者であった被告に対し,①被告は,本件ライセンス契約に基づき,被告の費用と責任において,必要に応じて原告から委任状を取得するなどして弁護士を選任し,審判手続及び審決取消訴訟手続において防御させるべき義務を負っていたが,同義務を怠ったために原告に弁護士費用相当額の損害を与えた,②被告は,本件ライセンス契約に基づき,原告が審判手続及び審決取消訴訟手続において支出した弁護士費用を補償する義務を負う,③被告は,本件ライセンス契約に基づき,審判手続に利害関係人として参加し,また,審決取消訴訟手続に補助参加人として参加すべき義務を負っていたが,同義務を怠ったために原告に弁護士費用相当額の損害を与えた,と主張して,債務不履行を原因とする損害賠償請求権(民法415条。上記①又は③)に基づき,又は本件ライセンス契約の定める補償義務履行請求権に基づき(上記②),損害賠償金又は求償金1962万8682円(原告が支払った弁護士費用相当額)及びうち1883万4725円に対する請求後の日(内容証明郵便到達の日の翌日)である平成27年8月25日から,うち79万3957円に対する請求後の日(訴状送達の日の翌日)である平成28年2月13日から,各支払済みまでの商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案です。

 これに対して,東京地裁民事29部(嶋末さんの合議体ですね。)は,請求をすべて棄却したものです(つまりは理由なし)。

 ま,このブログでは面白判決しか紹介しないのが原則なのですが,これはちょっと違います。
 強いて言えば,関連事件をここで書きましたので,その続きということでしょうか。
 さらに言えば,踏んだり蹴ったりだなあこりゃ~(その意味では面白判決かも)という所もあったからです。

2 問題点
 問題点は,このIBEXとチヨダ間の契約について,チヨダに債務不履行等が見られるか?ということになります。

 とは言え,関連事件の経緯が重要です。

 詳細には,私の前のブログの記事を見てもらうと良いのですが,掻い摘みます。

 IBEXとチヨダ間の契約では,IBEXに商標権のあるサンダルについてライセンスを付与されたと思われます(スニーカーの商標権はもっていません。)。それ故,チヨダの自社製品はサンダルだったのです。
 しかし,そのサンダルは,商標権のないスニーカーに似ていた!(そういうサンダルがが流行った時期がありましたよね。)

 そのため,スニーカーの商標権者である双日GMCが怒って,ライセンシーによる変な商標の使用だから取り消しじゃ!と取消審判を提起し,そこではIBEXは勝ったのですが,結局審決取消訴訟でIBEXは負けてしまいました。
 ほんで,結局IBEXの商標は取消の憂き目に遭ったわけです。

 つまり,ライセンシーが変なことをやって商標が取消されたので,その落とし前をどうつけんじゃ!というのが本件なわけです。

 普通に考えれば,ライセンサーたるIBEXは被害者と言えるわけです。

 ですが,上記のとおりの結論です~。なんでかなあ~。

3 判旨
「1 争点1(被告は,本件ライセンス契約に基づき,被告の費用と責任において,必要に応じて原告から委任状を取得するなどして弁護士を選任し,審判手続及び審決取消訴訟手続において防御させるべき義務を負っていたか)について
(1) 原告は,双日GMCによる本件各審判請求及びこれに引き続く本件審決取消訴訟の提起は,本件契約書7条2項にいう「甲(判決注:被告)の販売方法に起因してクレームを受けた」場合に当たるから,被告は,本件ライセンス契約に基づき,これらをすべて被告の責任と負担において解決すべき義務,具体的には,被告の費用と責任をもって弁護士を選任し,必要に応じて原告から同弁護士宛の委任状を取得して,審判手続及び審決取消訴訟手続において防御させる義務を負っていたと主張する。
(2) 双日GMCが行った本件各審判請求は,商標法53条1項に基づくものであるところ,同条項に基づく審判請求が可能となるのは,法文上,「専用使用権者又は通常使用権者が指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についての登録商標又はこれに類似する商標の使用であって商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずるものをしたとき」(判決注:下線を付した。)である。
 しかるところ,本件契約書7条は,1項において,「本契約に基づく本件商標の使用に関し,第三者よりクレームまたは訴訟の提起を受けた場合,あるいは第三者による本件商標の侵害行為を発見した場合,甲乙丙は直ちにその旨をそれぞれに連絡し,当該クレームまたは訴訟に対する防御あるいは第三者による侵害行為の排除を共同して行うものとし,これに要した費用負担については,甲乙丙が協議の上定めるものとする。」(判決注:下線を付した。)と規定しているのであるから,双日GMCが行った本件各審判請求及びこれに引き続く本件審決取消訴訟については,「本契約に基づく本件商標の使用に関し,第三者よりクレームまたは訴訟の提起を受けた場合」に当たる(少なくともこれに準ずる)ものとして,本件契約書7条1項が適用されるものと解するのが相当である。
(3) これに対し,原告は,本件契約書7条2項の文言上,クレームをする者が一般消費者であるか,クレームを受けた者が被告であるかなどについて限定はないから,同クレームが被告の販売方法に起因したものであれば,本件契約書7条2項が適用されるべきであって,双日GMCによる本件各審判請求は,被告の販売方法に起因するクレームであるから,同条項が適用されるべき旨主張する。
 そこで検討するに,本件契約書7条は,まず1項において,「本契約に基づく本件商標の使用に関し,第三者よりクレームまたは訴訟の提起を受けた場合,あるいは第三者による本件商標の侵害行為を発見した場合,甲乙丙は直ちにその旨をそれぞれに連絡し,当該クレームまたは訴訟に対する防御あるいは第三者による侵害行為の排除を共同して行うものとし,これに要した費用負担については,甲乙丙が協議の上定めるものとする。」と規定し,商標の使用に関して生じた紛争については,原則として1項により規律されるべき旨を明らかにしている。ここで,本件ライセンス契約上,被告は,原告から許諾を受けて本件各商標を使用する(本件各商標の付された指定商品を販売する)立場にあるから,1項にいう「本契約に基づく商標の使用」の主体が被告となることは,本件ライセンス契約が当然に想定していることである。もっとも,商標の使用といっても,当該商標が使用された商品の品質に欠陥があり,又は商品を販売する際の販売方法に問題があって,このために顧客等に損害を及ぼすなどしたというような紛争が発生した場合には,かかる紛争は,形式的には商標の使用行為によって生じたものではあるが,実質的には商標に関する紛争とはいい難く,当然に,商品を実際に製造し,又は販売した者(被告)が責任を負担してしかるべき性質のものということができる。本件契約書7条2項に「本件商標を付した指定商品の品質上の欠陥及び甲の販売方法に起因してクレームを受けた場合は,全て甲の責任と負担において処理解決をすることとする。」とあるのは,このような認識に立って,被告が販売する商品の品質に欠陥があり,又は商品を販売する際の販売方法に問題があったために顧客等から苦情を受けた場合など,実質的にみて商標に関する紛争とはいえない場合には,被告がその責任において同紛争を処理解決すべき旨を規定したものと解するのが相当である。双日GMCによる本件各審判請求は,原告の主張によっても,①被告商品が,双日GMC商品と酷似していること,②両商品において付された商標の位置や種類がほぼ同じであること,③両商品とも,被告の店舗において紛らわしい売り方をされていたことなどを理由にしてされたというのであり,上記③のように,「被告の販売方法」に着目してされた主張も存在するものの,本件各商標を付した被告商品の販売が,双日GMCの業務に係る商品(双日GMC商品)と混同を生ずるものであるかが問題とされているのであり,実質的に見て商標に関する紛争でないとはいい難い。むしろ,前記前提事実及び証拠(甲1,4,6)によれば,双日GMCの保有する関連各商標権は,平成20年10月29日に(分割前の)本件各商標権から指定商品を「履物(「サンダル靴,サンダルげた,スリッパを除く」)」とする商標権が分割移転されたものであり,関連商標1ないし同5と本件商標1ないし同5とは,それぞれ同一の商標であって,関連各商標登録の指定商品である「履物・・・但し,履物(サンダル靴,サンダルげた,スリッパを除く)を除く」と本件各商標登録の指定商品である「履物(「サンダル靴,サンダルげた,スリッパを除く」)」とは,形式的には重複しないものの,相互に類似する関係にあると認められるから,本件各審判請求は,商標に関する紛争そのものというべきであって,本件契約書7条1項にいう「本契約に基づく本件商標の使用に関し,第三者よりクレームまたは訴訟の提起を受けた場合」として,同項により規律されるべき性質のものというべきである。
 また,前記前提事実及び証拠(甲3,7,乙9)によれば,原告は,本件各審判請求を受けた後,双日GMCの審判請求の理由を認識した上で,本件覚書に調印し,本件各商標登録を取り消す旨の審決が確定したときは,既払ミニマムロイヤリティの一部を被告に返還することや,被告が販売することができなくなった在庫商品につき一定の補償をすることを約したことが認められ,他方,原告が,上記調印当時,被告に対し,審判手続への参加その他の協力を求めたり,原告が同手続のために支出し又は支出することとなる弁護士費用の負担を求めたりした形跡がないことからすれば,原告は,本件覚書を調印した平成25年10月1日当時,被告ではなく,本件各商標権の商標権者であって,本件各審判請求における被請求人である原告こそが,本件各商標権を維持できるよう努め,本件ライセンス契約に基づく被告の利益を擁護すべき立場にあった旨認識していたことは,明らかである。
 したがって,原告の上記主張は採用することができない。
(4) 以上によれば,双日GMCによる本件各審判請求及び本件審決取消訴訟の提起について本件契約書7条2項が適用されることを前提として被告の債務不履行をいう原告の主張は,その前提を欠くものであって,理由がない。」

4 検討
 この事件の訴訟物と請求原因を見て,いやいやいや,変な商標の使用をしたのが被告なんだから,そこを正面からストレートに債務不履行で問えばいいんじゃないの!という感想を皆様持つと思います。

 私も最初は何でこんな弁護士費用の補償とか,そういう回りくどいことをしているのかと思いました。

 しかし,契約上こういう条項もあったようです。
第2条(指定商品に対する指示)
1.甲は,本件商標を付そうとする指定商品についての試作品を作成し,丙に確認を受け納品時に丙の指定する数量(品目,色ごとに2点づつ)の現物商品を提供する。
2.丙は,試作品に付き検討し,本件商標を付する商品として妥当と判断したときは,本件商標を付して甲が販売することを了承するものとする。
3.甲は,丙の提供する証紙を指定商品の全てに貼付することとする。
4.甲は「指定商品」を契約締結の日より起算して180日以内に販売するもの
とする。」(なお,株式会社チヨダ(以下「甲」という)と株式会社IBEX(以下「乙」という)と株式会社ボーンズ(以下「丙」という)です。)
 丙と乙の関係がよくわかりませんが,チヨダに並べられたスニーカー風サンダルはチヨダが勝手にやったのではないようです。

 また,こんな条項もあります。
第10条(損失補償)
1.乙は,本件商標が無効となったときは,遅滞なく甲及び丙に通知するものとする。
2.本件商標が無効になったとき,または前条の規定により本契約が解除されたとき乙及び丙は,甲より支払済みのミニマムロイヤリティ,ロイヤリティ,証紙代金を速やかに返還するものとする。
3.前項の返還をもって,甲はその他の損失補償を乙及び丙に請求しないものとする。
 結構,ライセンサーがバーゲニングパワーで弱かったのかなあと思える条項です。

 ま,要するに,チヨダがバーゲニングパワーで強かったために,契約でライセンシーの方にリスクを課すような条項を設定出来無かった,ということでしょう。
 なので,IBEXとしては,ライセンシーのやったことにもかかわらず,商標権は無くなるわ,応訴に応じざるを得ず,弁護士費用の負担はあるわで踏んだり蹴ったりになったわけです。

 とは言え,これは商標権の管理をやっている所やそこでの契約書をレビューする弁護士には実に勉強になる事例ではないでしょうか。
 商標制度は私益保護だけではなく,公益保護の面があります。なので,古くから商標権侵害罪が親告罪ではなかったという面があります(TPPのときに勘違いされた自称専門家も多いと思いますけどね。)。

 そのため,取消審判も様々のものが用意されており,特許には無い類型が結構あります。そうすると,特許のライセンス契約とパラレルに作ってしまうと,そういう商標ならではの制度に穴が出来るわけですね。

 勿論,知ってはいるものの,立場の強弱でどうしてもそんな規程を盛り込むことが出来ない!って場合もあります。私もどちらかと言うとそんな立場で起案したりレビューしたりすることが多いです(何せ弱小弁護士ですからね。)。

 ですが,もし立場的にそういう条項を盛り込むことが出来るのにもかかわらず,知らずに適当に特許の雛形を流用したり,ネットで探してきた雛形を流用したりしたらどうなるんでしょ?

 餅は餅屋ですよ(ステルスマーケティングですよ。)。


 あと,気になったのが,原告のIBEXが被告のチヨダに被せようとした弁護士費用ですが,「原告は,前記(4)の取消審判請求事件の手続(審判手続)及び上記(5)の審決取消訴訟事件の手続(審決取消訴訟手続)の弁護士費用(弁護士報酬及び経費を含む。以下同じ。)として,平成27年8月20日までに,***事務所から合計1962万8682円の請求を受け,平成28年2月1日までに,その全額を同事務所に支払った。」とのことです。

 審判5件,訴訟5件とは言え,いやあ良い値段ですわ。私もいつかこれくらいの弁護士報酬を請求してみたいですわ~本当。

5 追伸 2017/9/8
 控訴審判決(知財高裁平成29(ネ)10011, 平成29年8月30日 判決)が出ました。しかし,基本,一審同様です。

 ちなみに,控訴人が,可哀想な,ライセンサーの商標権者です。

 控訴審で,控訴人は契約の7条2項の適用があると主張しました。
 なお,7条はこんな感じでした。
 「第7条(商標侵害等)
1.本契約に基づく本件商標の使用に関し,第三者よりクレームまたは訴訟の提 起を受けた場合,あるいは第三者による本件商標の侵害行為を発見した場合,甲乙 丙は直ちにその旨をそれぞ れに連絡し,当該クレームまたは訴訟に対する防御ある いは第三者による侵害行為の排除を共同して行うものとし,これに要した費用負担 については,甲乙丙が協議の上定めるものとする。
2.本件商標を付した指定商品の品質上の欠陥 若しくは 甲の販売方法に起因して クレームを受けた場合は,全て甲の責任と負担において処理解決をすることとする。」

 この2項の適用があるなら,控訴人の主張にも理由がありそうではあります。しかし,控訴審は,次のように判断しました。

本件契約書7条1項及び2項の各文言の文理や各条項の整合性等を考慮すると,双日GMCが行った本件各審判請求及びこれに引き続く本件審決取消訴訟については,「本契約に基づく本件商標の使用に関し,第三者よりクレームまたは訴訟の提起を受けた場合」に当たる(少なくともこれに準ずる。)ものとして,本件契約書7条1項が適用されるものと解するのが相当であることは,前記認定のとおりである。
  また,商標法53条1項に基づき,本件各商標登録の取消しを求める審判請求をする場合には,同項ただし書の抗弁についても検討を要することになるところ,控訴人は,使用権者である被控訴人に新たに本件各商標を使用させるに当たっては,本件各商標と同一の構成である関連各商標を有する双日GMCの商品の周知の程度や双日GMCの商品における関連各商標の具体的な使用態様を確認し,被控訴人の本件各商標の具体的な使用態様が,双日GMCの業務に係る商品との具体的な混同を生ずるおそれがないかどうかについて注意する義務を負っていたというべきであり,控訴人は,そのような混同が生じるおそれがあることを知るための相当の注意を欠いていたというべきであるから,本件各審判請求及び本件審決取消訴訟について,専ら被控訴人の不正行為を原因として提起されたものであるということはできないし,被控訴人が単独で責任を負うべき問題であるともいい難い。本件契約書7条の解釈に関する控訴人の主張を前提としても,本件契約書7条2項が適用されるものと認めることはできない。

 7条1項と7条2項の文言は微妙に違い,商標プロパーのクレームは,1項の適用であって,2項の適用ではないと判断しました。まあそりゃそうですね。

 価値判断的には,以下のような事情が大きかったのではないかと思います。
控訴人は,被控訴人が 本件各商標 を付して販売する商品については,販売前に被控訴人か ら写真と共に報告を受け,これを被控訴人が確認した上で,販売を承認することと しており,被控訴人商品について,事前に報告を受けそのデザインや商標を付す位 置や構成等について知っていたことが認められる 。

 結論というか商標実務に活かすためには,ライセンス契約時に想像力を膨らますというのが必要です。
 7条1項で今回の取消審判的なものも含むように明確に書くこと(今回は一応認められましたが。),そして,商標権者は強い立場であるのですから,何かあったときには全部ライセンシーにおっ被せるように契約文言を作らないといけないわけです。

 色々と勉強になる事件ですね。

 

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