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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 本日は結構寒い東京です。

 そんな中,先ほどまで虎ノ門にあるニッショーホールにて,特許庁主催の首記の説明会に行ってました。

 いやあ,結構な人でした。ニッショーホールの定員は,500名くらいなのですが,ほぼ満員でしたね。しかも,今回,東京は2回めで,1月にもあったのです。それでこの調子~♪
 さらに3月に3回めがあるのですが,これも既に満員~特許法の改正よりもよっぽどの関心ぶりですよね(ま,そりゃ当たり前ですな。救済規定の新設なんか別にそんな勉強する必要はないし,異議申立ても復活するだけでほぼ昔のままと言っていいですからね。)。

 やはり,商標法の場合,保護の対象が増えるわけですから,そりゃあ切実ってやつです。

2 で,今回は別に改正法そのものの説明会ではありません。法曹に言わせれば,単なる一行政機関の解釈であり法規範ではない,末端のマニュアルの改訂の説明会に過ぎないものです。

 でも,そんなマニュアルの改訂と言えども,実務はこれで動いているわけですので,商標登録出願等がメインの商標実務家には非常に大事な話です。実際,保護の対象が増えたのは小売役務商標以来かもしれませんが,それ以上の,役務商標が保護の対象になって以来の大改正かもしれませんね。

 特に商標の場合,特許以上に商標の審査基準で動いている所があります。
 というのは,特許の場合,クレーム解釈が構成要件充足性のときと,無効の抗弁とで異なります。他方,商標の場合,権利侵害を判断する場合の類否と,登録性を判断する場合の類否で同じ基準を使います。そして,登録性を判断する場合の類否の基準って,審査基準にたくさんたくさん載っております~,これは権利侵害の判断のときも参照せざるを得ない,すなわち裁判所も実は参照している~ってやつです。

 そんな重大なものの改訂ですから,こりゃちょっとでも商標の実務をやっている人は何が何でも聞く必要があるわけです。勿論,自分で勉強してもいいとは思いますが,自分でやると改正法適用の4/1に間に合わないのでは~ということもありますよ~要注意ですよ(後で述べます。)。

 内容は,まああんまりつっこみません。行った者の財産だし,何より,そんなこと言ってたっけ?で間違ったことを私が言ってる場合に,おまえを信じて権利取得に失敗したじゃんっていうときの責任は取れませんもんね。
 
 とは言え,若干サービスで書いておきますと,色彩のみからなる商標は,相当にハードルが高そうです。立体商標の導入時にもかなりハードルが高いのではと思われたのですが,それ以上だと思います。改訂審査基準の全趣旨からすると,色彩のみからなる商標は,原則として,登録できないと感じられましたね。それほどです。

 あと,今回5つの新タイプの商標が加わります。上で言った色彩のみからなる商標,音の商標,動きの商標,ホログラムの商標,位置商標です。

 このうち,色彩のみからなる商標と,音の商標は,商標の定義自体の法改正によって加わったものです(商標法2条1項)。他方,それ以外の動きの商標,ホログラムの商標は,強いて言うなら,改正商標法5条2項1号にて加わったものでしょう。
 では,位置商標は?これ改正商標法5条2項5号ですかね。だとすると,経済産業省令が必要なのですが,これがようわかりません。つまり,位置商標の根拠は何なのでしょうね。今一番の疑問はそれです。

 さらに言えば,何故,5つの新タイプの商標のうち,色彩のみからなる商標,音の商標については,定義を変えたのに,残り3つについては定義を変えなかったのか?というのも若干疑問です(まあ残り3つは,結局従来タイプのマイナーチェンジということなのだと思いますが。)。

 こういう所が私のコメントとしておきましょう。

3 あと,重要な所は,文書に載っていない部分かもしれません。これは今回の説明を行った特許庁の商標審査基準室の木村室長が最後に述べておったことでしょう。

 一つ目は,従前の改正と異なり,特例措置はないってことです。つまり,4/1でヨーイドンで先願主義に従って処理するということです。
 恐らく,色彩のみからなる商標については,4/1に結構殺到するのではないでしょうか。そのとき,協議できなきゃくじびきで決めるのですよ(商標法8条)。今から綿密な準備をする必要があります。

 2つ目は,音の商標の,やはり入念な準備です。
 音の商標については,商標法5条4項により,「物件」を願書に添付しないといけません。でも,この物件(音の入った,つまり録音ファイル等のことです。),電子出願では対応できません。手続補足書により,別途郵送ないし窓口手交しないといけないらしいです。しかも,出願から3日以内じゃないといけないらしいですよ。
 音の商標を狙っている当事者は,準備に要注意ですね。

 どうですか~,これらのことすら4/1までにきちんと把握しておくためには,やはり説明会に行く必要があるかも~って感じでしょ。いやあ4/1前後の商標実務者(特許庁の審査官も含めて)は,とんでもないことになりそうだなあ。

4 追伸
 上記の位置商標の根拠について,特許庁に質問しました。
 そうすると,今回の説明講師の木村室長自らの回答がありました。木村室長ありがとうございます。

 改正商標法5条2項5号

 商標法施行規則第4条の7

 法律の方は,やはり,商標法5条2項5号ということですね。で,対応する経済産業省令は,商標法施行規則4条の7ということです。

 この経済産業省令は,改正前ということで,なかなか見れないのですが,このパブコメ案そのままになると思いますので,とりあえずそれを見ておけばよいでしょう。

 さーて改正までほぼあと1ヶ月ですよね。どうなるんですかなあ。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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