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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 色の商標についての侵害事件が話題となっております(ただし,アメリカ。)。
 クリスチャン・ルブタン(商標権者)VSイブ・サンローランです。イブ・サンローランは知っておりましたが,クリスチャン何とかというのは知りませんでした(オタクにブランドは不要なのでーす。)。

 報道によると赤い色が問題になったようです。

2 日本でも数は少ないのですが,問題となったことがあります。it's事件と呼ばれているものと,カプセルシート事件です。ただ,どちらも不正競争の事件で,商標権の事件ではないのですね。

 日本の場合,商標は,
この法律で「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。
一  業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの
二  業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)
と,定義されており,色というのはあくまでサブのなのです(白黒で商標足りえるものじゃないとダメということ。)。

 他方,ヨーロッパでは色の登録ということがなされております。そして,アメリカでも本件の裁判でわかるとおり,色の登録というのが,アリなのですね。ただ,権利範囲については,アメリカが商品と結びついた色,でないと登録できないのに対し,ヨーロッパではそのようなことがないようです。まあこの辺,私は所詮半可通ですので,詳しく知りたい方は,「商標の保護」日本工業所有権法学会年報第31号(2007)の鈴木將文先生のところを見て下さい。

3 今回外国の話にもかかわらず,何故この記事を載せたかというと,日本でも,上記の伝統的商標だけでなく,新しいタイプの商標を保護しようという改正案が近々に出そうな感じだからです。
 むしろ,上記の学会はその布石でして,本来2010年(去年)に改正案が出る予定だったのです。しかし,おそらく,特許法の改正がちょっと大事になってきたので,商標法の改正は後回しということになったのでしょうね。ただ,特許法の改正は済みましたので,来年あたりは商標法の大改正となりそうです。

 とは言え,私見なのですが,上記の学会年報を見る限り,欧米も苦労しているようですので,お隣さんが・・・したので,うちも・・・しなくちゃ,みたいなバカ丸出しの改正(これを格好良くいうと,ハーモナイゼーションと言うらしいのですね。アーホカモシーレンちゅう感じです。)は,いい加減やめた方がよいように思えますけどね。
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