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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 結構ケツカッチンなことが相次いでいるにもかかわらず,これはちょっと見過ごせない件が出てきました。

 「コロコロの事後規制」の話です。

 経緯はどこかで見てもらうとして,ま,チンギスハーンの肖像に落書きしたようなコマがあって,それにモンゴルの人達が怒ったってことが発端です(現物は確認しております。)。

 で,別に怒るのは勝手だし,抗議するのも勝手なので,それはそれでいいのですが,先程,その件のコロコロはなんと回収!になったという報道がありました。

 いやあびっくりしました~。そんなことでこんなことになるなんて・・・。

2 これを憲法21条2項の検閲だと言っている人もいるようですが,それはやはり違うと思います。
 憲法21条2項は以下のとおりです。

検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 検閲の定義は色々あるのですが(講学上のものと,あとは北方ジャーナル事件のやつですかね。),広い狭い,厳しい緩やかと差異はありますけど,共通しているのは,発表前に,ということですね。

 今回は,既に発表しておりますので,検閲には当たらないかと思います。

 ま,この点については,有名な憲法の基本書である所謂佐藤幸治憲法にも,
表現行為になされる審査が事前か事後か,表現行為の禁止を伴うかどうか,ではなく,文書を中心とする有体物による表現行為につき,完全・公正かつ迅速な司法判断を経ないうちに,公権力が,関連のある表現について,その判断をあおぐよう市民に義務づける手続を「検閲」と定義する,注目すべき見解がある。しかし,「検閲」は一つの歴史的概念であり,憲法は「検閲」という表現の自由に対する歴史上の特殊な規制形態に着目してその禁止を目指したもので,本文に述べたような理解は十分の根拠があると思われる。」とあります(私の持っている版は,第三版で,p522になります。)とあります。

 なので,検閲ではないでしょう。

3 じゃあお気軽にやっていいかとなると,そりゃあダメですねえ。

 特に今回は,外務省からの働きかけがあったようです。
 この朝日新聞デジタルによると,「日本外務省によると、来日中のモンゴル外相と日本の国会議員による23日の会合に同行した外務省職員に対してモンゴル側から抗議があり、同省は小学館に連絡した。」らしいですから。

 まあこうなると,商売でやっている出版社は弱いし,こうなってしまうのですねえ(もちろん,それを狙ったのでしょうけど。)。

 いやあでも,こんなの別によくなくないですかねえ。 
 つまらん教科書のおもろい顔の偉人に落書きするってようやりましたわ~♪それと同様ですわ(上記のとおり,現物を見ております。)。

 いや,じゃあお前,明治天皇や昭和天皇の肖像に落書きされてもいいのか!って話になると思うのですが,そりゃ気に食わんけど,それで返品しろまでは思いませんねえ。

 だって,明治天皇や昭和天皇もご存命ならそんな小さなことに目くじらを立てないと思いますからね(取り巻き連中が忖度したかもしれませんけどね。)。

 一応言っておきますが,いや別に関係ねえとかハハいいザマだとか思っているなら,それはやめた方がいいですよ。次の矛先は笑っているアンタかもしれませんからね。
 私?そう私に来るなら,そりゃ大歓迎,久々本気を出しても良さそうだから~♡ですね。

 でも,みんながみんなそうじゃないでしょ。
 今年は色々と,あああのときに風向きが変わったんだよねえと10年20年経って言うようになる,そんな年になるような気がしますね。


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