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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護土の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 インタレストマッチ広告って何でしょう?

 こういう新しいサービスってなかなか定義するのが,難しいのですが,インターネットのユーザーが,発信したり受信したりするメールの件名や本文などを機械的・自動的に解析し,その結果をもとにユーザーの関心の高い広告を表示するものを言うらしいです。

 実は,今年の8月からヤフーでサービス開始の予定だったのですが,それって,通信の秘密と抵触すんじゃねえの~って総務省預かりのような形になり,そのときは非常に話題になりました。

 そして,今般漸く,総務大臣の記者会見ではありますが,OKが出て(何と!),おそらくこのサービスが走りだすと思います。

 本来的には,このOKは非常に重要だったのですが,何せここ最近それどころじゃない騒ぎのことがたくさんあり,最初に話題になったときにフォローしていた方々も,OKが出たことをすっかりスルーしてしまったのではないかと思います。

2 通信の秘密ってえのは,憲法21条2項後段にあります。

 「通信の秘密は、これを侵してはならない。

 通信というのが,何かというのは若干問題にはなりますが,手紙,ハガキ,電話,そして,電子メールも含まれていると思います。ただ,この憲法というのは,基本,国や地方公共団体に,お前ら今まで散々アコギな事やって,国民を苦しめたんだから,要らんことはもうすんじゃねえぞ,という法であり,原則として,私人を対象としていないのですね。

 この辺,勘違いしている方はたくさんいると思うのですが,原則は,そうなのです。
 話はずれますが,人権というのも,対国家的な話であり,私人の間で人権が云々かんぬんというのは,私は非常に違和感がありますね。人権が嫌いな理由の一つでもあります。

 さて,話を元に戻すと,今現在,上記で問題となったヤフーも,潜在的に問題となったグーグルも,電話で言えばNTTも,それ以外のインターネットサービスプロバイダーも,単なる私企業です。ですので,憲法で捕捉することはできないのですね。ですが,電気通信事業法というのがあり,そこには,

(秘密の保護)
第四条  電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2  電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。

と規定され,更に,

第百七十九条  電気通信事業者の取扱中に係る通信(第百六十四条第二項に規定する通信を含む。)の秘密を侵した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2  電気通信事業に従事する者が前項の行為をしたときは、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
3  前二項の未遂罪は、罰する。

と刑罰規定まであります。

 つまり,何が問題かというと,いくら機械的・自動的にやっても,通信事業者の方で,電子メールのタイトルや本文を検索して,こういうキーワードが含まれているとか,こういう写真や図が含まれているなどと探知するのは(そうしないと,興味にマッチした広告を打てない!),通信の秘密を侵すことになるのではないか?ということですね。

 ですので,総務省の川端大臣が待ったをかけたのは,法律実務家からするとさも有りなんって所だと思います。

3 でもね,このパターンって何だか既視感がしませんか?

 というのは,グーグルは既にこのインタレストマッチ広告をgmailでやっているらしいのですね。グーグルに日本の電気通信事業法が適用されるか?という問題もありますが,私が既視感あるというのはそういうことではありません。

 そう,勘の鋭い人は,著作権法での話,つまり,検索サービスのロボットがのべつ幕無しに,ウェブサイトの複製をとることが著作権法に違反するのではないか,ということが問題になって,日本ではこの種のサービスに遅れを生じた,というあの話,を思い浮かべたのではないでしょうか。

 いや私も法律家の端くれですから,何でもかんでもイケイケバンバンてなことは言いませんが,形式的にはある法律に違反しそうだけれども,便利なサービスが出てきそうなときにはどうにかしてあげたいよね,とは思います。

 そういう意味では,今回前の総務大臣が条件付きではありますが,このサービスにゴーサインを出したのは非常に大きいと思います(2012.9.19)。主な点を以下に書きだしておきますが,4点の条件があります。

この点の対応として、本新広告サービスに関しては、この分野の専門の有識者の御意見を伺いながら、4点を総合的に考慮した結果、許容範囲にあるというふう に考えるに至りました。別途ですね、4点、メモ出しというか、出させていただきますので、詳細はそれを見ていただきたいのですが、一つは、通信の秘密の侵害の意味・内容を利用者が正しく理解できるための情報を出す。それから、第二に、メール本文等の解析を望まない利用者への対応をとる。第三に、サービス利用開始後、いつでも本サービスの存在を認識し、解析を中止することができる。第四に、メールの本文等の解析自体は、受信箱ページ等に並んだ個々のメールの件名等をクリックする行為に基づいて開始される。メールが着いたら自動的にやるのではなくて、見るときに開始されるというふうな4点がやられるということを前提に、法律等の専門家等で御検討いただいて、総合的に考慮した結果、この、利用者の有効な同意が求められるという法の下の要請に対して、許容範囲にあると考えられるという結論に至りました。


 まとめると,①インフォームド・コンセントですかね,②抜ける場合の方策をとる,③いつでも抜けられる,④メールが着いたときでなく,読むときに解析が開始される,ということです。④はよくわかりませんが,ユーザーの意思に基づいてやるということの確認ですかね。

 ただ,実際サービスが始まると,思いもかけないことが起きたり,やっぱこりゃ取り締まらないといけねえや,みたいな状況にもなるかもしれません。今のところはある程度評価しておきますが,今後とも注視しておく必要はあると思います。

 まま,ともかく,この4つの条件を満たしたサービスであれば,取り敢えず,電気通信事業法でコラーって言われることはないと思いますので,関係者には朗報なのではないかと思いますね。

4 追伸(10/3)
 そうだそうだ,今回のようなステマの回は,ステマと言うんだった。まあ言わなくてもわかりますかな。
 でも,昨日のWBSには,丁度,この話が出ていましたね。ステマだとしても,すごい良いタイミングだ~♫
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1 裁判所のHPが取り敢えず復活しましたね~。良かったとは思いますが,取り敢えず,と書いたのは理由があり,このブログの多くの記事の元ネタとなっている判決集関係はいまだ復活していないのです。
 いやあ本当罪深い。こりゃシナ伝統の宮刑に処するべきだと思いますね。

 ということで,新しい知財の判決の紹介はいまだできませんが,それでも知財の話でちょっと気になっていたことを書いておきます。

2 上記のとおり,裁判所のHPが復活し,知財高裁のHPも復活しました。ですので,私が気になっていたことを確かめることができました。それは何かというと,以下のようなものです。

 実は,ある方から,知財高裁大合議の判断には,判決文に名前のない裁判官の関与もあるらしい,そして,そのことは知財高裁のHPにもはっきり書いてある,ということを聞いたからです。
 え,本当か,そういうことがあるのか?と思い,復活したHPを見ると,やはりその旨はっきり書かれていますね。

大合議で審理された事件は,実質的には,知財高裁全体での検討を経て判断が形成される運用となっています。

 でもこれっていいんですかね。直接主義が問題にならないの~?

3 直接主義とは,民訴法249条1項にあるとおり,「判決は、その基本となる口頭弁論に関与した裁判官がする。」というものです。

 つまり,実際に証拠調べをし,弁論に関与した裁判官が,判断しないと,密室での裁判と同じことだから,これを規定したのです。
 裁判の基本中の基本の原則です。もしこれがないと,表立って出ている裁判官が,全員わら人形か何かで,後ろでもっと偉い裁判官が糸を引くこともでき,台本暴動の某国並のこともできちゃうわけです。

 ですので,この直接主義に違反すると,絶対的上告理由の民訴法312条2項1号,「一  法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。」に当たります。とにかく非常に重要な原則ということです。

 他方,今回の大合議の話は,この直接主義とはちょっとずれています。つまり,実際に証拠調べをし,弁論に関与した裁判官の全員は,判決には関与しているわけです。ただ,それに加えて,更に,実際に証拠調べをしておらず,弁論に関与していない裁判官も判断に加わってよいかという問題です。

 でも,これも直接主義の趣旨からするとどうなんだろうと思いますね。結局,自分が直接見聞きしていないことについて,判断しているわけですから。
 例えば,大合議には入っていないけど,論文とか著作とかたくさん書いて,大合議の論点に一家言も二家言もある方が,よっしゃぁ~と思って判断に入った場合,その判断に引っ張られるってことはないんですかね。そのとき,口頭弁論に参加していた裁判官の方としては,いやあ実際発明者とか,代表者本人とかの話を聞くと,そういうこととは若干違うんだけどねえ~,と思っていたとしても。

 それに,民訴法249条1項を反対解釈すると,「判決は、その基本となる口頭弁論に関与しない裁判官がしてはいけない。」となります。勿論,異動とかありますけどね(今は,そんな例外の話じゃない!民訴法249条2項参照)。

 いやあ,私の考えすぎ?まあそれならそれでもいいんですよ。
 でもさあ,普通の常識からすると,ちょっと変じゃねえのと思いますけどね。それに,知財高裁裁判官の全員の判断が必要なら,そう改正すりゃあいいじゃん(民訴法310条の2)。

 ってなこと書くと,またどっかのお偉いさんから,クッサイクッサイコメントが出てくるのかなあ。ムフフフ。

1 昨日は,一弁の総合法律研修所主催の首記の研修に行って来ました。
 まあこのブログでもクルアーンの話をしただけあって,結構イスラムに興味を持ってましたので,その流れですね。

 日本人は私もそうですが,一神教にはあまり縁がありません。そ
 れでもキリスト教だとまだ多少の馴染みがあるのでしょうが(クリスマスもそうですし,ディズニーランドはまさにキリスト教ならではって感じがしますね。),イスラム教には縁もゆかりも全くないという人が殆どだと思います。
 いやいやむしろ,怖い,テロリスト・・・というイメージの方が大きいのではないでしょうか。まさに,テレビ脳というか,アメリカ様の電波を受けるとそうなってしまうという典型例ですね。

 また議題から外れそうなので,この辺にしますが,どっちにしろ,イスラム教は特殊,だからイスラム法も特殊,だと思っている人は多いはずです。勿論私もそうですけどね。

2 昨日の主題はシャリーアだと思っていたのですが,講義によると,シャリーアを直接適用する場合は,家族法の一部くらいで,あとは近代法(要するに西洋由来の法)とかカーヌーン(国制定の法)に依ることが多いらしいです。

 おっと,シャリーアが何かが抜けていましたね。シャリーアとは,クルアーン(コーランのことです。)やスンナ(預言者マホメットの言行)などの法源から導かれた学説法のことです。

 イスラム社会と言えば,そのシャリーアばっかりだと思っていたのですが,上記のとおり,それは違うということですね。
 特に,オスマントルコが第一次世界大戦後,消滅し,そこへ英仏が入り込んだため,その影響も結構強いということがわかりました。

 ただ,講師の先生もおっしゃっていたのですが,イスラム法と言って特別視する必要はなく,ローマ法を知っている人から言わせるとあんまり変わらないですね~ということらしいです。
 私もそう思いますね。クルアーンを読むとわかるのですが,別に特殊なことを書いている(啓示だから何と表現すべきか~。)わけではありません。

3 と,イスラム法を学びながら翻って思うのは,我が国のことですね。イスラムを特別視している反面,イスラムの国では,我が国のことをいまだちょんまげした侍が闊歩しており,失敗すると切腹させられると思っているのではないでしょうか。

 我が国は,イスラムに近代法が持ち込まれた数十年前,苦労してそのようなところから近代化したわけです。この近代化というのも,誤解を招く言葉で,単なる西欧化と言ってよいのかもしれませんけどね。
 イスラムも,我が国も,是非に及ばず,近代化させられた面が多分にあります。イスラムが伝統と近代化の相剋にあるとしたら,そりゃ我が国も似たようなところはあるはずです。

 個人的にはそろそろ,伝統の逆襲が見たいところではありますけどね。
1 概要
 本件は,被申立人(日本ボート協会)が、2012年ロンドンオリンピック・アジア大陸予選の男子軽量級ダブルスカル(LM2X)日本代表クルーを決定するに当たり、2011年11月 21日から同月25日にかけて行った最終選考合宿において、同合宿に招集された申立人を含む6名の選手で最終選考を行い、そのうち2名の選手(後記のAとB)を代表として 決定したが、申立人はこの代表に選ばれず補漕(補欠)とされたところ、申立人が、被申立人に対し、この選考の方法は著しく不公正な方法によるものであると して、同内定を取り消し、新たに代表2名の内定(決定)を求めたものです。

 これに対し,日本スポーツ仲裁機構は,申立人の主張を一部認め,「被申立人が行った2012年ロンドン五輪大会アジア大陸予選会の男子軽量級ダブルスカル(LM2X)日本代表クルーの内定(2011年11月24日内定、2011年11月29日発表)を取り消す。」との仲裁判断を下しました。

 今年は,ロンドンオリンピックの年です。先週末も水泳などで日本選手権が行われ,ロンドンオリンピックの代表内定等が続々と出ております。
 そして,その中の1つ,いまだ五輪代表というわけでないのですが,ある競技で,ロンドンオリンピックのアジア予選への代表選考がやり直され,その結果が出たという小さいニュースがありました。これが,先週の金曜,4/6のことでした。ほうほう,これは気になる話だわい,法律家として,いや元アスリートとして,という感じで,この再レースの元になった仲裁判断が今回のもの,というわけですね。

2 問題点
 スポーツの選考等は,まあ好きだからやってんでしょ,と言われればそれまでなのですが,五輪等の代表に選ばれるか選ばれないかでそれこそ天と地との差があることが殆どです。ですので,必死でやっている競技者と同様,選考も必死で公正にやらなければならないのは当然です。しかも,昨今アマチュアと言ってもお金の絡むことは多く,とても,好きだから,では済ませられないわけです。

 他方,そういう選考で気に入らないことがあった場合,どうすればいいかというと,これが訴えてやる!というわけにはいかないのですね。裁判できるのは,法律上の争訟というもの,すなわち,①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否であって,②それが法律を適用することにより終局的に解決することができるもの,に限られるのです。

 スポーツの選考は,ある競技者を代表に選ぶ義務が団体に生じるものではなく,他方,競技者も選んでもらう権利を持っているわけではありませんね。しかも,何の条文を適用して,その効果として,どうなる(具体的には,代表に選んでもらう等なのでしょうけどね。)ってえのを書いた法律なんかありませんからね。法適用のしようもありません。まあそれに,仮に裁判でOKと言っても,判決が来年だったら,実際に救済はできませんよね。当事者間の具体的な権利義務については,慎重に判断しなければなりませんが,こういうスポーツ選考は時間との戦いの面もあり,そういう面からしても裁判には適しないと思います。

 ままともかくも,スポーツの選考は法律上の争訟に当たらない,というわけなのです。しかし,これでは競技者は困りますよね。じゃあどうすればいいんだ!?ってことになります。ちょっと前の水泳の千葉すず選手の件は,このブログでも書きましたが,日本でもそういう件を処理するため,日本スポーツ仲裁機構というのがあり,競技者と団体間での,そういう争いの処理を行なっております。

 さて,仲裁って,何?という方はどこかで調べて下さい。しかしながら,平たく言うと,裁判は,合意なく手続に入らされ,しかも結論に強制力があるもので,他方,仲裁は合意しないと手続に入らされることはないが,結論には強制力があるというものです。ですので,今回のポイントは,実は,申立人のT選手よくやったということよりも,競技団体が仲裁に入ったという入り口が非常にポイントだったわけです。ここで,仮に競技団体が拒否したりすれば,今回のような仲裁判断や,さらには先週金曜の最終的結果は無かったわけですからね。いやいや怖い,怖い。

3 判断内容の一部
「(1)被申立人が E 選手の漕いだクルーの全記録を除外して選考したことの適否について
 そこで、第7レースで集計に含むべきでないイレギュラーな事態が発生したとする被申立人の判断の適否についてはひとまず置くとして、仮に、被申立人の主張 するイレギュラーな事態があったとした場合に、それに対処するために被申立人が E 選手の漕いだクルーの全記録を除外した選考方法の適否を検討する。
 (2)この点、被申立人は、このような選考方法を採用した理由として、第7レースの結果だけを除外すると、他のペアが第7レースで良いタイムを出している 可能性もあり、不公平を生じるのでこの方法は採用しえないこと、E 選手が関わったクルーのすべての記録を除外することは、最下位の選手を除外した上位5人 によるタイムを集計するものであり、どの選手にとっても同一条件で公平であり、特定の選手に有利にも不利にもならないから、公平公正な選考方法であること を主張している。
 (3)しかしながら、被申立人が採用したように E 選手の漕いだクルーの全記録を除外して選考すると、この記録の除外によって、E 選手と漕いだ際に良いタイ ムを出した選手には集計した平均タイムにおいて不利、同じく悪いタイムを出した選手には集計した平均タイムにおいて有利となる結果が生じることは明らかで ある。もとより、被申立人は、本件の最終選考要領においては、平均タイム上位2名を代表に選考するとの基準を明確にしていたのであるから、選考のためのタ イムの集計方法としては、当然、良いタイムを出した選手が上位となる方法をとるべきである。しかるに、被申立人は、E 選手の漕いだクルーの全記録を除外す ることによって、被申立人が明らかにしていた選考基準と全く相反する結果を生じる選考方法を採用したことになっており、このような選考方法は到底合理的と いうことはできない。
 さらに、E 選手がこのシートレースでは記録が振るわず6名中最下位の成績であったとしても、他の選手にしてみれば、本件のようなシートレースによる選考 においては、そのような選手と組んだときにいかに良いタイムを出すかがまさに課題となるわけであり、そのことによって各選手の技術や経験が試されるという ことも十分に考えられる。しかし、最下位の E 選手と組んだ際の記録を除外するという選考方法によると、これらの点は全く評価されなくなってしまうのであっ て、そのような選考方法が公正公平ということはできない。
 また、イレギュラーな事態に対処するための選考方法は他にも多数考えられるが、被申立人において他の選考方法を十分に検討した跡が認められない。しか も、第7レースのみにイレギュラーがあったとすれば、最終選考合宿の日程には11月25日の朝も含まれていたのであるから、これを利用して再レースを行う ことも検討されてしかるべきであったところ、被申立人がそのような検討を行ったことも認められない。
 以上のとおり、仮に被申立人の主張するイレギュラーな事態があったとしても、それに対処するためにE 選手の漕いだクルーの全記録を除外する選考方法を設定し、これに基づいて被申立人が選考判断したことは、著しく合理性を欠く結果を生じているといわざるを得ない。」

4 検討
 経緯からすると,今回最終選考合宿に,申立人、C、B、A、E、F の6名の各選手が選ばれ,その選考方法として,シートレース(実際に水面上のボートに2人づつ乗り,漕いでもらうもの。しかし,結局,誰と誰のペアを組ませ,その結果をどう判断するかにかなり裁量がある様子。今回の仲裁判断は,そこまで立ち入ったものではありません。)で決めることになり,その条件が,「シートレースは、予定した1500m10本全ての結果を集計し、平均タイムにより 上位2名を代表クルーとして指名する。平均タイムの評価はヘッドコーチが行う。但し、2位と3位が「僅差」の場合は、11月24日の第10レースの後に、 プレーオフシートレースを行い、勝者を2位とする。」と記載されていた。そして、僅差については「平均タイムにして、0.4秒以内の差を僅差として判定する。」と記載されていた。
 プレーオフシートレースの実施要領については、「11月24日の第10レース終了後、10本のレース結果を直ちに集計し、2位と3位が僅差の場合に実施す る。」「プレーオフシートレースは、シートレース上位4名にて2X艇2艇を用いて以実施する。レースは1500mレースで行う。1本目漕いだ後、クルーを 変更し2本目を実施する。レース結果は両者の2本の平均タイムで比較し、平均タイムの速いほうを勝者とする。尚、このタイム差が前述規定の僅差以内であっ ても速い方を勝者とする。」と記載されていた。」とされていたようです。

 その結果,本番10レース中の第7レースで,AEペアが大きく遅れたため(この原因も一応論点だったようですが,仲裁判断では,留保したようです。),Eの関わった全レースの結果を削除して,更に,申立人、C、B、Aの4名による余分の2レースも行われ選考した結果,ABが代表に内定することになったのでした。
 そうすると,上記のとおり,Eとペアを組んで遅かった人は嬉しいでしょうが,Eとペアを組んで早かった人は,おいおいちょっと待ってくれ,と言いたいでしょうね。結局,今回の申立人の言いたいこともそれに尽きると思います。

 仲裁判断はその辺を汲んで,内定決定を取り消しました。そして,競技団体は,申立人とCのペア VS 一旦内定をもらったABのペア による再レースで決着をつけることにしたわけです。その結論は上のリンクのとおりです。
 種々の報道では申立人のT選手よくやったという観点からの報道が多いようですが,仲裁判断は,別に,そこまで競技団体を非難してはいません(当然ですが。)。本当に非難されるべきは,仲裁判断のされた争点の一点のみだったなあという気がします。

 ところで,時間の話が上に出ましたが,本件,申立が本年の2/2で,結論が示されたのが,2/27です。こういうスピード感もスポーツの選考に合致しておりますね。裁判じゃようやく期日の指定(期日でなく)がされるくらいのペースですから。

 ともかくも,次はアジア予選(4/26-29),頑張って本当の代表を掴みとって欲しいものです。


1 はじめに
 この二三日で,首記に関する重要な裁判所の判断がありましたので,取り上げました。まあステルスマーケティングの一環でもありますけどね。

 ただ,名誉毀損に関しては,大手メディアの最高裁を道具にした自殺行為と言えるものだと思いますので,こっちから先に行きましょう。

2 平成22(受)1529号(最高裁第二小法廷平成24年03月23日判決)
(1)概要
 本件は,読売新聞西部本社とその従業員(法務室長も含む。)である上告人らが,インターネット上のウェブサイトにフリーのジャーナリストである被上告人が掲載した記事により名誉を毀損されたと主張して,被上告人に対し,不法行為に基づく損害賠償を求める事案です。

 これに対し,一審のさいたま地裁は,原告だった上告人らの請求を棄却,さらに,東京高裁も控訴を棄却したようです(平成21(ネ)5834号,東京高裁平成22年04月27日判決)。
 そして,今回最高裁が逆転で,原判決を破棄し,東京高裁に差し戻すことになったのです。

 まあよくあるパターン,確かにそうですね。しかし,これってそれで済ませて良いことでしょうかね。

(2)問題点
 表現の自由は,憲法上の権利だとされております。芦部先生の「憲法」(岩波書店)にも,「表現の自由はとりわけ重要な権利である。」と書かれております。
 「第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 何故重要か,というのは,色んな理由があるのですが,やはり民主政に資するから,という理由が一番しっくりくるのだと思います。
 インフォームド・コンセントという言葉がありますが,このとき,きちんとした説明を受けることが前提でないと,コンセントは無効のはずです。不正確な情報,出鱈目な情報,インチキな情報,金儲け第一の情報,こういう情報に目くらましをされると正しく理解して同意することはできませんからね。

 これは政治に関しても同じなわけです。ただ,普通の人は,午後NHKで放送される国会中継をつきっきりで見たり,民主党の党大会に自費をはたいて馳せ参じたり,霞が関の官庁などに政策をいちいち聞きに行ったりはできません。そんな暇じゃないですから~♫。
 ということは,それを伝えるいわゆるマスメディアとかマスコミとかいうものの意義は非常に大きいわけです。彼らがしがらみを恐れず,いろんな権力・圧力に屈することなく,ありのままを報道等してくれるおかげで,正しく判断できるということになるわけです。

 ですので,まあマスメディアとかマスコミとかが多少勇み足をしたとしても,大目に見てあげるというのが正しい姿勢なのではないかと思います。勿論,やり過ぎはよくないですが,ほんのちょっとのことで,民事刑事の責任を問われるとなると,萎縮してしまい,及び腰になってしまいますからね。

 まあともかくも,そういうマスメディアとかマスコミにとって,表現の自由は何よりも大事なはず!,と普通は思いますよね。いくら自分達にとって掲載されたくない記事を掲載されたとしても。

(3)判旨
「(1) ある記事の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは,一般の読者の普通の注意と読み方を基準として判断すべきものである(最高裁昭和29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁参照)。
 前記事実関係によれば,本件記事は,インターネット上のウェブサイトに掲載されたものであるが,それ自体として,一般の閲覧者がおよそ信用性を有しないと認識し,評価するようなものであるとはいえず,本件記載部分は,第1文と第2文があいまって,上告人会社の業務の一環として本件販売店を訪問したX2らが,本件販売店の所長が所持していた折込チラシを同人の了解なくして持ち去った旨の事実を摘示するものと理解されるのが通常であるから,本件記事は,上告人らの社会的評価を低下させることが明らかである。
(2) そして,前記事実関係によれば,本件販売店の所長が所持していた折込チラシは,訴外会社の従業員が本件販売店の所長の了解を得た上で持ち帰ったというのであるから,本件記載部分において摘示された事実は真実ではないことが明らかであり,また,被上告人は,上告人会社と訴訟で争うなど対立関係にあったという第三者からの情報を信用して本件サイトに本件記事を掲載したと主張するのみで,本件記載部分において摘示した事実が真実であると信ずるにつき相当の理由があったというに足りる事実を主張していない。
(3) そうすると,被上告人が本件サイトに本件記事を掲載したことは,上告人らの名誉を毀損するものとして不法行為を構成するというべきである。」

(4)検討
 最高裁を責めるのはやめておきましょう。筋違いという気がします。前例に則り判断するとこうなりますよ。
 しかし,さいたま地裁も東京高裁も,大目に見たものを何でかなあとは思いますが(ちなみに,今回の事件とは別に著作権の争いもあります。一審二審とも,本件の一ニ審と同様の結果です。)。
 
 さて,とにかく結果として上記のように判断されました。
 ということは,表現の自由を最大限尊重しなくてはならない筈の大手メディアが,表現の自由の制約に一役買ったということになります。私が自殺行為だと書いたのもこの点にあります。

 本来私は反人権派弁護士ですので,人権のことなど論じたくありません。口が腐りますからね。
 しかし,今回の件は,最高裁の判決が出た非常に大きな事だと思いますが,大手メディアで報道したのは,当事者の読売新聞だけです。普段人権にうるさい筈の某新聞も,人権カルトの日弁連も何の音沙汰もありません。

 名誉毀損というのは,刑法犯(刑法230条)の予定もあり,しかも民事と刑事の規範がほぼ同じということはよく知られています。ということは,今回の最高裁判決をたてにして,国家権力が動こうと思えば,動けるのです。
 勿論,読売新聞西部本社に対しても,例外ではないはずです。そのとき捜査当局に対し,この程度のことでどうして?と言えますかね?自業自得ってことになりますよ。表現の自由の制約に加担した者,いわば放棄した者が,今度は自分の表現の自由を守ってくれなんて言っても誰も聞いてくれません,当たり前です。

 将来,ああ,あの時が分かれ目だったのだ,あんまり誰も言わなかったけど,あそこで潮目が変わったんだな,となりうる重大なことだと思いますね。

 もっとも,今回の件に積極的な意義も見出すこともできます。つまり,既存の大メディアはシビアな場面で頼りにならないということがわかりましたので,これから,インターネットの果たす役割は更に重要になったということです。

2 グーグルへの仮処分
 今日の日経紙の社会面にも結構大きな記事になって出ています。
 まあたしかに,このサジェスト機能というのは便利です。ちなみに,私の苗字を入れると,・・・そう,仮面ライダーバース役の俳優さんが真っ先に上がってきますね(後藤ちゃん,大丈夫~♫)。ただ,こういう便利さというのは,今回の仮処分でもわかるように諸刃の剣でもあるわけです。

 さて,注目するのは,今回のグーグルの対応ですね。
 私も仮処分で日本の会社に対応をお願いすることがあるのですが,そのとき,裁判所の決定が出ると,結構迅速に対応してくれます。
 他方,じゃあ会社が無視するということなると,どう保全執行するのかなあというのはありますね。基本,これは,仮の地位を定める仮処分であり,満足的仮処分になりますので,強制執行ということになると思います(民事保全法52条1項)。で,そうすると,こういうタイプのものは,不代替的なす債務ということになると思いますので(その人がやってくれないと意味がない,又はその人しかやれない。),間接強制ということになり,なさない限り金払えということなるのでしょうね(民事執行法172条)。

 とすると,アメリカに本社のあるグーグルに,ちゃんと措置しない限り金払えっと言っても,無視されれば,ほぼとりうる手段はないわけです。
 ただ,上記のように,日本の会社は,間接強制など経ず,決定が出た時点で措置をしてくれますので,グーグルもそうなんだろうなあという見通しがあったのかもしれませんね。例えば,今や海外に拠点を移した2chも,日本の裁判所の仮処分の決定があれば,削除とIPの開示には応じてくれるようですので,代理人としてもパラレルに考えたのかもしれませんね。でも,グーグルは2chよりもかたくなだったわけですが。

 ただ,商売重視の私企業ですので,世論の情勢いかんによっては,かたくなな態度が変わる可能性があります。そうすると,私のような自分でパイオニア的に新しい先例を切り開くという意思も能力もない弁護士が,金魚の糞のように追随してグーグルへの仮処分を,ちょっと前の過払い請求の如く群れる可能性がありますね~♫ですので,今後のグーグルの対応に注目するわけです。
1 今回は,半分宣伝です。タマにはいいでしょ。
 というのは,独立して結構すぐに依頼のあった事件について,ようやく解決したからです。
 そして,その事件というのが,首記のとおり,インターネット上に変な書き込みをした犯人を見つけ,それなりの償いをさせたという事件だったからです。

2 私の事務所のHPにも載せてますが,ネット上で変な書き込みをされたので,何とかして欲しいという依頼が増えております。その書き込みの内容というのは多岐に渡りますが,一番問題なのは,誰がやったか大変わかりにくいというところです。

 良いことをして恥ずかしいので,匿名ということもありえますが,悪いことをする場合には更に匿名ということが通常の人間の心理なのでしょう。また,匿名の方が発言しやすいということもあるのだと思います(個人的には,匿名でないと発言できないような発言はやめちまえ!と思っておりますが,まあそれは私見ですからね。)。
 ですので,変な書き込みしても一体誰の書き込みか容易にわかりません。更には,ツイッターで問題になったように,なりすましの問題もあります。

 そこで,プロバイダ責任制限法の枠組みで,プロバイダなどに,誰の書き込みか,その情報を開示してもらい,犯人とおぼしき人物に主として民事上の責任を追及するというわけです。
 このプロバイダ責任制限法そのものについては,いろんなサイトがありますので,そちらを見てもらうとして,ここで話すのは,実際どうなの?という事柄です。

3 上に,独立して結構すぐに依頼のあった事件が解決したと書きました。ということですので,依頼から1年半以上,いや2年近く経っているのです。
 これは長すぎるとは思いますが,ネットの書き込みを捕捉して,犯人に至るまでは結構な手間なのです。

 まず,解決に至るまで,通常3回の裁判手続をやらないといけません。3回も!・・・なのです。

 1回目は書き込みのあった掲示板やブログなどの管理者宛です。書き込んだのは誰ですか?誰かわからないなら,書き込んだ日時(タイムスタンプ)とIPアドレスなどを教えてちょうだい~と任意の請求をやるわけです。
 しかし,これできちんと教えてもらった試しがありません。法上,情報開示の要件として,「権利が侵害されたことが明らかであるとき」とあるので,通常,掲示板などの管理者達(いわゆるIT企業が多いです。)は,一様に,明らかじゃない,明らかじゃない,と唱えてきます。

 ですので,ここで最初の裁判手続をやるわけです。本案(普通の裁判)でもよいのですが,通常は仮処分で十分だと思います。
 ただ,仮処分は早くてよいのですが,民事保全手続ですので,担保金が必要です。大体,東京で今30万円が相場だと思います。会社がクライアントさんの場合は,この程度の額は大した負担ではありません。しかし,個人の場合,かなりの負担です。弁護士に着手金払って,しかも返ってくるとはいえ(あくまで担保なので,いつかは返ってきます。),個人で30万円って結構な額ですよね。そうじゃないと思うあなたは金持ちなのですね。

 ですので,弁護士報酬に加えて30万円を用意できるという場合には,仮処分をやった方がよいと思いますし,そうでないなら,地道に(ログ消すなよ,と牽制しながら)本案をやるしかないということになります(早めの期日で早めの和解で対応します。)。

4 もうここまででうんざりしてきたのではないでしょうか。
 さて,仮処分ないし本案の結果から,通常,犯人が掲示板にアクセスした時間(タイムスタンプ)とIPアドレスがわかります。そこで,つぎに,そのIPアドレスをwhoisなどを利用して,どこのプロバイダを使っているのか確認し,今度は,そのプロバイダに,その日時で書き込んだ者の契約者情報の開示を請求するわけです。

 しかし,上と同様,各プロバイダは,一様に,権利侵害が明らかじゃない,明らかじゃない,と唱えてきます。

 さらに,近時パソコンではなくスマートフォンが普及してきたため,スマートフォンの抗弁というのが問題になっておりました。
 というのは,携帯電話というのは,IPアドレスと発信者情報との結びつきが一対一ではないようなのですね。ですので,スマートフォンなどからの書き込みの場合,IPアドレスの他に,携帯の機種番号やSIMカード識別番号がわからないと特定できないのです。
 ところが,プロバイダ責任制限法で,法上開示を請求できる発信者情報(省令で定めている。)には,そんなのなかったのです。まあプロバイダ責任制限法ができたのが2002年で,もう10年近く前の話のため,携帯などに対応できていなかった,というわけです。ですので,携帯会社としては,法上開示しなくていいんだもーん,しらねーよ,という対応がありえたのでした。

 これが問題だったのは明らかであり,近時(今年の9/15,たった3週前ですよ!),発信者情報を定める省令が改正され,携帯の機種番号やSIMカード識別番号がそれらに加わり,漸く解決しました(余談ですけどね。)。
 詳細には,この官報を見てください(まだ生き残ってました。11/10/17時点ではさすがに,リンク切れのようです。あとは主務官庁の方でも検索してください。)。

 以上のとおり,任意の開示にはやはり応じてもらえませんので,ここで2回目の裁判手続をやるわけです。
 ここも,本案か仮処分か迷うところですが,とにかくどっちかやらないと契約者である犯人に辿り着きません(ちなみに東京地裁では,仮処分だと受け付けてもらえません。)。
 なお,弁護士報酬ですが,相手方が異なるということで,通常,別事件扱いということになります。担保金は,上のものを使い回しできますが,弁護士報酬は別途払わなければなりません。そうそう,言い忘れましたが,最初の事件(IT企業宛)の報酬金も必要でしたね♪(本当大変!)。

5 さあここまできました。3回目の裁判手続ですね。こうなりゃもうヤケクソです。
 プロバイダが犯人の情報を開示してくれれば,あとは通常の不法行為に基づく損害賠償請求その他の一般事件と変わりません。煮るなり焼くなり好きにせいというところですね。

 ところで,ヤケクソはヤケクソなのですが,実はここまで辿り着くのは幸運な場合です。色んな理由で,途中でアクセスログが消えていたりすると,ここまで来ませんから。
 ときどきあるのが,任意の請求のときに,アクセスログを消すなよ,と言っているのに,侵害情報を消した際に一緒にログも消しました~という業者がいて,困ってしまいます。
 右足を出せっち言われよったら右手までつられて出すんか,こーん,という大バカ加減です。

 ただ,やはり,ここも別事件扱いとなるのが普通なので,前の事件(プロバイダ宛)の報酬金の精算をして,犯人宛の事件の着手金を支払って,犯人宛の事件が解決すれば,その報酬金も必要だ,となります。

 まあ最後の事件で賠償金がうまくとれれば,依頼者にも顔が立つのですが,そうでないとまあ・・・というところですね。

 以上,私は金金弁護士ですので,金の話が多かったのですが,クライアントの方にとっても重要と思えますので,正直なところを書きました。

 しかし,読んでいて,そこまでしないとダメなんだねえという感想だと思います。ただ,法律を使って問題を解決するというのは,本質的にどんな事件も結構時間もお金もかかる面倒なものです。
 いやあどこかの芸人さんのように,ピシッと早い団体の方に頼みたいなあと思うかもしれませんが,急がば回れです。

6 という風に何か知った風なところを書きましたが,私は理系とはいうものの,コンピュータやITとかに詳しいわけではありません。事件を通して勉強を続けている半可通に過ぎません。
 ですので,よく見させていただいているのが,神田先生のブログです。やっぱ専門家というのは,こうでなきゃいけません。非常に勉強になります。

ということで,本日は宣伝ばかりでした~♪
1 本日,首記のガイドラインの登録専門家の説明会が行われました。
 しかし,いまだよくわからないし,何なんだろうな~というところも多いので,書き留めておきます。

2 この内容については,グーグルで引いてもらうとよいと思います。
 まず,説明会によると,登録専門家の1件あたりの報酬は,2万円程度だそうです。説明では,半分ボランティアだとか言っておりました。
 しかし,比喩で小学生のお年玉と言うことがありますが,本当にそれと同じ程度の額というのもね~。私のような金権弁護士からすると我慢のならぬ低額さですね。

 次に,もっと本質的なところなのですが,これは債権者が1名,ないし2名程度を想定しているそうです。しかも金融機関で。
 もちろん,効果として,債務免除という大きな効果が得られることはメリットですが,債権者が1名2名ならば,こんな制度を使わず,相対して債権者それぞれと交渉した方がよいのではと思います。法的手続では,むしろ債務免除が原則ですしね。

 今回の説明では,8/22の開始から既に600人もの相談が来ているとありました。ただ,数的には多いとは思うのですが,これはより適切な相談場所を知らないため,ここに相談に来ているだけのような気がします。

3 最後は得意の当てこすりです。
 中心となっている旗振り役の思いはそれとしても,実は,思っているような需要は大して存在せず,妄想が妄想を生み,取らぬ狸の皮算用,さらには,ブラジル日系人における勝ち組騒動(太田恒夫著「日本は降伏していない」文藝春秋,が詳しいです。初版の発売当時に読みましたが,非常におもしろい本です。もう手に入れるのが難しいかもしれませんね。)並の状況というのが昨今多いなあと思います。

 まあ何のことを茶化しているのか,このブログをよく読んでいる人にはおわかりですね。
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