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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 最近は,経済学でも応用の激しいゲームの理論のことを書くわけではありません。

 しかし,法律の世界でも近時ゲームの理論を適用しようという試みもありますからねえ,なんともかんとも~。
 どこかの経済学者が,経済学を学ぶ意義は経済学者に騙されないようにするためだ!と言ったとか言わないとかいう話すらあるくらいですからね。ちなみに私は経済学なんて学問じゃないだろうと思っております。ま,私は物理学帝国主義者ですからね。

 さて,そろそろ本題に入りますと,昨日の,例の東電OL殺人事件の再審の控訴審の第一回公判の感想ですね。
 それを思うに連れ,やはり,裁判というのは単なるゲームにすぎないと改めて強く思い,そして,法曹ってあんまり頭が良くないなあという思いも強く抱きましたね。

2 私は修習生のころ,既にアラフォーでしたから,教官から特段注意されるようなこともなく,逆に褒められるようなこともなく,と言った感じでした。
 だって人生の折り返しも過ぎ,社会人として相当の経歴もあったのですから,そりゃ当たり前ですわな。

 ただ,一回だけ,民裁の授業で,裁判官は釈明し過ぎ,バカな弁護士を頼んだ奴がアホなんだし,そんな馬鹿な弁護士すら頼めない貧乏人が負けて当然じゃねえか(実際はまちっと上品にコメントしましたが。)とコメントしたときに,民裁教官(タムタム)が,若干困った感じで,裁判はゲームじゃないんでね~と言われたのを覚えています。

 その後,私は弁護士となり,その経験も早6年経ったわけです。で,今はどう思っているかというと,いやいややはり裁判は,民事も刑事も単なるゲームに過ぎませんね,という思いを強くしております。

 あ,そうそうここでいうゲームというのは,別段難しいものじゃありません。双六,トランプ,ボードゲーム,囲碁,将棋・・・,というものを想定しています。

 そんなこと書くとまた,学級委員長みたいなサヨク弁護士が,キー何てことざまーすか,と言いそうですが,別に,だから,適当でよいとか,瑣末なものだ,とか言うつもりはありません。

 例えば,囲碁将棋,まさにゲームに過ぎませんが,プロともなると生活がかかっております。
 ただ,将棋で言えば,王将が純金でできており,その奪いあいをするわけでなく,普通に将棋というゲームをし,その勝ち負けに相応の効果が付随しているというだけです。そこがまさにゲームのゲームたる所以です。数学的に言えば,要素と演算に相応の規則が乗っかっている系ってところでしょうかね。

 裁判もまさにそうです。要素があり,演算があり,規則があり,それなりの勝った負けたが出ます(刑事なら有罪無罪ですね。)。いやいや刑事裁判なら人の命がかかっていることもあるじゃん,それでゲームって??

 だから~,裁判も同じですよ,人の生き死がかかっているなんてサッカーのW杯ならよくあることでは?それに,現に裁判は一定の判断を出すだけで,執行するのは別の所ですからね(刑事なら検察官ですし(刑事訴訟法472条),民事も執行裁判所や執行官だったりします(民事執行法)。いわゆる暴力装置がそういう損な役回りをするわけです。)。

 つまり,裁判内自体で,特段実際に不利益を課すわけではありませんよね。まさにゲームです。ゲームの結果が重い場合もあるということだけです。

3 ですので,ゲームの当事者(ゲーマー)は,ゲーム内での要素,演算,規則に精通していないといけないわけです。これらがゲーム内での武器となるわけですから。
 そういう観点からすると,今回問題になっているものについて,ゲーマーがきちんと理解していたのかというのが一番問題です。ここを捉えて,私は法曹ってあんま頭が良くないと皮肉を言っているわけです。

 そうそう私は,あまり刑事事件をしないのですが,その少ない刑事事件の経験で,数式が問題になったことがあります。
 事案はボカシますが,運動エネルギーの1/2mv^2が含まれている式が問題となったのです。
 というのは,私が,その式の書かれている警察官作成の鑑定書を同意せず,作成した警察官を証人尋問することになったからです。
 嫌味な私は,その証人尋問で,どうして,運動エネルギーの式は1/4でも1/3でもなく1/2なんだ?と聞きました。そうすると,その警察官の答えは,そう教科書に書いてあったからと答えました。

 別に科学や技術に限った話ではありません。よくある設定で,「この公園に犬を連れて入ってはいけない。」という規則があった場合,たぬきや狐,ライオン,猫,子犬などなどを連れてきた場合,どうするのか?という文言解釈に関する問題が初学者向けの本であったりします。
 こういう問題の場合,木端役人やバイトなどの対応としては,犬ならダメ,それ以外ならOK,だから生まれたてでカゴに入れている子犬もダメと判断するでしょうね。まさに,教科書にそう書いてあったから,の世界です。
 でも法曹なら違うはずです。立法事実を調べ,趣旨を調べ,効果を調べ,その結果,この規則は,公園で犬を放し,噛まれる事故が起こったため,こうしたのだとわかれば,カゴに入れた子犬に適用する謂れはないことになります。他方,公園に来た犬がギャンギャン吠えて五月蝿いという苦情から立法されたということになれば,カゴに入った子犬でも入れることは難しいことになりますわな。

 普通の法曹だと,こういう合理的な思考を経て,きちんとした判断ができます。それはゲームの,要素,演算,規則を知っているだけでなく,きちんと理解しているからです。でも,科学技術に関しては,そんなことしないのかな~♪

 運動エネルギーが1/2なのは,速度で微分するとどうなるか,まあ自分でやってみるとよいと思います。

 ですので,漸く本題に入りますが,今回の最大の問題は,結局携わった法曹が,数式の事例でいうアホな警察官,犬の事例でいう木っ端役人やバイトレベルだったからですね。
 こう書いているからこうなんだろう,PCソフトのインストールのやり方のように,これでこうしてこうなるから,こうだ,中身はどうなっているかちっともわからんが。。というわけです。ゲームの武器に対する本質的な理解不足ですよ。それで,本質的な問題が解決したことにはなりませんよ。

 つまり,昔のDNA鑑定は精度が悪かった(原理はようわからんが。),でも今のDNA鑑定の精度はバッチリだ(やはり原理はようわからんが。),なので,今のDNA鑑定で白なんだから白なんだよ,いいんだよ,中身がわかんなくても。てな所ですかね。

 とすると,科学なんて日進月歩ですから,今のDNA鑑定も10年先20年先のDNA鑑定,さらにDNA鑑定に変わる新たな確実な鑑定法からすると,精度が悪いということにもなりますね。で,遠い将来のそういう鑑定で今度はクロだったって出たらどうしますかね~?

 いや別に大学院の修士くらい勉強して知識つけろというつもりはありませんが,せめてどういう原理でこうなってこうなるってくらいは理解しておかないと,特異な事例では対応できないのではないですか(犬じゃなく,子犬や猫を連れてきた場合のようにね。),そして,そんな特異な事例こそ揉めやすいわけですしね。

 ですので,結論じゃないですが,刑事裁判も民事裁判も単なるゲームに過ぎません。
 でも,それにも関わらず,そのゲームの要素,演算,規則について,理解不足の半可通のゲーマーが多い,それが最大の問題だ!ということです。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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