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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 本日の日経紙の社会面によると,桐蔭横浜大学法科大学院と大宮法科大学院が統合するそうです。はっきり言って遅すぎるくらいです。

 このうち二弁が協力していた大宮法科大学院の方がなくなるらしく,二弁はこういう責任をどうするのでしょうね。まあ弁護士が関わっているのですから,契約で無保証条項をたくさん押し付け,何等の責任も負わないようにしていることは明らかでしょうけどね。

 ただ,この統合の理由が新司法試験の合格者が低迷して志願者が減少したということなっております。しかし,これは,不正確というか間違った言い訳だと思います。

 例えば,新司法試験の最新の合格率は30%程度です(これでも旧司法試験のざっと10倍です。)。法科大学院設立時の謳い文句としては,60~70%の合格率だったと思いますが,確かにそれに比べれば低いものです。
 ただ,新司法試験は,3回の受験機会でたった1回受かればよいわけですから,単年度の合格率を云々するのは,若干フェアでないように思えます。

 どういうことかというと,合格率が30%なのですから,不合格率は70%なのですね。ここで,モデルを単純化して,受験機会それぞれ独立事象として,さらに,不合格率も一定とします。そうすると,3回の受験機会でダメな場合(いわゆる三振)の確率は,70%×70%×70%ですね。これは大凡,34%になります。そうすると,3回受験での合格率は,66%程度にはなるのです(100%から引く)。

 いや,もちろん,現実にはそんなに単純ではありません。アメリカのバーエグザム(司法試験のこと),英語で名前が書ければ受かるんじゃないのというくらい簡単で,州によって異なりますが,大凡合格率が50%前後で,しかも春秋の年2回もあるのですが,最初の受験で合格しないとその後2回3回受けてもなかなか合格しないらしいです。
 新司法試験もそのような傾向があると聞いております。さらに,1回受けただけで撤退する人,さらに受け控えをする人,様々な人がいるようです。

 しかし,いわゆる上位法科大学院で,属人的(単年度ではなく)に新司法試験に合格したかどうか追跡調査したところ,私の単純計算以上の人が受かっていることが判明しております。

 ですので,合格率云々というのはちょっと違う,と思います。本当の理由が別にあることは明白です。

 法科大学院の志願者だって馬鹿ではありませんから,そんな短期的な話より,もうちょっと長い目で考えているはずです。
 法曹といっても,裁判官・検察官の枠は私が修習生をやっていた頃よりも減っているという話もあります。そうすると,多くの新司法試験の合格者は弁護士になるしかないのです。
 ところが,ご存知のとおり(電車の広告やテレビの広告を見てください。),弁護士の業界は弁護士が増えすぎて,もはやアップアップ,新人の就職もままならない状態なのです。ですので,こんな所に入ってきますかね~。

 更に言えば,上記のように,実質合格率は高いのですから,就職の狭き門に向けて合格者が自身を差別化するには,出身の法科大学院で差別化するのが一番です。東大法科大学院です♪,一橋法科大学院です♫,と言えば,いい子いい子してくれそうですからね。
 これは私得意の当てこすりではなく,現実そうだからしょうがありません。修習生とたまに会うこともあるのですが,自他の出身法科大学院に拘泥する様は凄まじいものがあります。これは旧司法試験での修習生からすると全く想像できない話です。

 さて,ではどうするか。その前にいつものとおりの当てこすりに行ってみましょ。

2 このような状況を見るにつき,私は旧司法試験の合格で良かったなあとしみじみ思います。
 私は,基本的に保守的な田舎者ですし,自慢できるものが学歴ぐらいしかありません。
 最終学歴は東工大の大学院の修士課程です。さらに,日本では大学の方が大学院よりも重要ですので,それも書きますと,東工大の理学部です。私の自慢は本当このくらいしかありません。

 ところが,仮に,法曹資格が欲しいがため,どこの馬の骨かわからない法科大学院に入ったりすると,最終学歴は,その法科大学院になってしまいます。
 そんなの学歴厨の私には我慢できません。そりゃ上に書いたように,東大法科大学院や一橋法科大学院ならばよいのですが,それ以外のところは学歴厨からすると,もはや微妙ですね。
 ですので,そんな馬の骨の法科大学院が最終学歴にならずに,本当に良かったと思っているわけです。

 さらに,私のような変わり者からすると,そもそも新司法試験は受験していなかった可能性すらあります。旧司法試験の魅力は何と言ってもその難しさにありました。日本一難しい試験だったと言ってもよいでしょう。
 孫悟空のように,オラ強いやつがいるとワクワクするだー,これが旧司法試験にはありました。

 さらに,新司法試験というか,今般の司法改革の目的の1つが多様な人材の確保にあるらしいのですが,上記のように,旧司法試験でも私のような変わり者を呼び込む魅力はあったのです。
 私は,理系の大学出身で,エンジニアの経験もあるなど,正に多様な人材の典型だと思うのですが,日弁連主流派とは大違いの反人権派の保守であるが故に,多様な人材枠には入れてもらえないのでしょうかね~。まあ昔からどこ行っても少数派だったので,慣れっこではあるのですけどね。

3 当てこすりはこのくらいにして,では今後の法曹養成をどうするか,というところに移りましょう。

 まずは,司法修習の廃止でしょう。新しいぶどう酒は新しい革袋に入れるべきです。司法修習は,旧司法試験と一体をなす制度ですので,多様な人材を優れた養成機関で養成するという法科大学院制度にはそぐわないものです。すぐに廃止すべきでしょう。これで給費制,貸与制がウンたらカンたらという不毛な議論も終わるはずです。

 つぎに,新司法試験も廃止しましょう。法科大学院制度が優れた制度であるというならば,もはやその卒業で,法曹資格を与えてよいはずです。
 それじゃあ猫も杓子も弁護士になるのでは?と思われるかもしれませんが,司法制度改革って,そうすることだったんじゃないの,と答えておきましょう。
 もちろん,これによって,既存の弁護士は廃業転職を余儀なくされるとは思いますが,これが国民意思ならば,致し方ないと思います。
 まあ所詮,民主主義自体,貧乏人のルサンチマンに過ぎませんからね。これでいいのです。

 おっと,今回は,記事全体が当てこすりだったようですね。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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