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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 今日は,月曜日,日経に法務面の特集がある曜日ですが,今日の法務面には私が面白いと思うような特集はありません。
 
 その代わり,池上さんが大岡山通信を連載している大学面に実に面白い特集があったので,これで行きましょう。

2 記事の内容は,見出しのとおりです。
「主要149大学が2013年度に得た特許収入は19億8千万円で、12年度比で27%増えた。一方で出願件数は1%減り、大学発ベンチャー企業の新設も27%減少した。」「14年3月末時点で1件以上の保有特許のある112大学のうち、9割近い98大学では保有特許1件あたりの収入が10万円を切っている。特許保有数が最も多い東北大学も特許収入の総額では9位で、1件あたりの収入は2万4千円と決して多くはない。」

 ということらしいです。

 で,私がこれを読んだ感想はたった1つ。そうまでして何故特許を出願するのか?というある意味根源的なものです。

 上記の日経の記事によると,特許一件あたりの収入は,10万円程度だということがわかります。ほんで,ちょっと特許のことをやると権利取得の費用って100万円くらいだと知ってますよね。出願費用だけでも数十万円もかかるわけです。勿論,大学特許には何らかの費用低減措置はあるとは思いますが,きちんとした特許事務所に頼めばそのくらいかかるわけです。

 そうすると,特許を得るための費用が特許収入を大幅に上回っているわけですわな。
 いや,いや,それでもね,企業だとこういうコストと利益の関係にあっても特許をとる意味はあります。特許の費用に1兆円かけて,全くライセンス料も入らず権利行使もせず,特許から得る収入が0円で,差し引き-1兆円だったとしても,意味はあるのです。
 その企業のやっている事業に関し,その特許により,他の企業の参入を阻んで莫大な売上げと利益をもたらすのであれば,特許の費用なんて安いものの場合もあります。
 つまり企業にとっての特許とは,それ自体で利益を生み出すものではなくてもいいわけです。自社のやる事業を守ってくれればそれだけでいいのです。

 じゃあ,大学は?自分で事業しませんよね。そう!大学にとって特許なんて意味がないのです。いいですか,もう一度言いますよ,大学にとって特許なんて意味がないのですよ!

 こんなこと弁理士系のコンサルタントを初めとして,出願を増やした方がよいなんてアピールするインチキコンサルだと絶対口が裂けても言いませんわな。でも私は正直者ですので。

 勿論大学が特許を取った方がいい場合は例外的にあります。例えば,今京大の山中教授が中心となっているiPSに関する件などです。これは,医療と密接な関係のあるものです。仮に,アメリカの強欲企業が特許を取った場合,馬鹿高いライセンスフィーをふっかけられたり,下手したら実施させないなんてことが起こりえます。ですが,大学で基本の特許を押さえ,そこが交通整理役をすれば,スムーズに治療をすることができるようになるでしょう。
 こういう場合のみ,例外的に意味があります。

3 でもね~,通常の技術に関する場合で,大学が是非とも特許を先取りしなきゃいけない理由なんてありませんよ。そもそも大学はそんなことをする所ではなかったと思いますがね。

 今般,職務発明を検討する特許小委員会でも,大学の先生が参加をしております。この場合,この先生方は自分のところをアカデミアと呼んでいるようです。

 このアカデミアという表現が一体何を意味しているのかよくわかりませんが,語源は,プラトンが作った学園のことですよね。辞書を見ても,世俗的な喧騒を離れた,静かな大学の生活ともあります。

 あの~言っちゃあ悪いですが,特許なんて世俗も良いところですよ!特許の意味は実施,つまり実用しかありません。そして,その実用の対価は当然金銭です。役に立つか立たないかしか価値基準のない,極めて世俗的なものです。
 なので,そもそもそんなのに目くじらを立てるのもどうかしてると思いますが,更に,その帰属等を巡って,企業や企業の従業員達と同様に職務発明でわいのわいの言うって,傍から見たら何て御下品なんでしょうという感想しかありません。

 いやいやわかりますよ。国立大学法人になってね,文科省から,社会に還元せんか~自分の食い扶持は自分で稼がんか~とやいのやいの言われて,上記のとおり,まったく金食うだけのTLOを設立させられた挙句の果てに,今日の日経みたいに,低い費用対効果~♪なんて言われた日にゃあ,やりたくてやってるわけじゃねえんだよ,こっちだって,と言いたくなるのはね。

 でもさ~大人なんだから,自分の頭で考えましょうよ。大学にとって本当に特許が必要かどうかってことを。
 ね,先取りした特許を企業にライセンスしたり売ったりするって,そもそもそれじゃあパテントトロールと変わらねえじゃん(最近は,NPEなんてお上品な言い方をするらしいですがね。)。そんなことがしたかったんですかねえ~♡。

 企業と共同研究するなら,企業の費用持ちで,出願人を企業単独にすればいいのです。大学単独で良い研究が生まれたら,学会に論文を発表すればいいのです,特許なんて出願せずにね。そうしたら,TLOなんていう所の職員の給料も,特許出願費用も,みんな要らなくなります。

 アメリカの大学の猿真似をしたってあんな風になれませんぜ~旦那。司法業界だって,アメリカの猿真似して知財高裁なんて作りましたが,何の効果もありませんでしたぜ。
 大学は,特許なんていうブサイク女のケツを追っかけてねえで,他にやることがたくさんあると思いますがね。ま,文科省の意見なんちゅう,クソの役にも立たないものを素直に聞いている時点で先行き暗いとしか言いようがないですけどね,ムフフ。

4 追伸
 日本ていうのは,すごく天変地異が起きる国だなあって感じることが今年は多いですね。こんなに色んな災害が起きる国ってあんまりないと思います。本当,先進国でこれ程自然災害死が起きる国ってあるでしょうか。

 山というのは,怖いもので,私なんかヘタレなもので,行くのはせいぜい高尾山か高崎山くらいなものですが,自然には勝てないなあって感がしますね。

 自然といえば,実はウェイティングに入っていた稲村クラシック(去年は何とか久々に開催したサーフィン大会です。)が,17号の波で開催の可能性がありました。ちょうどいい進路でしたからね。
 ところが,ちょうど今日,JPSAのスーパーヒートという特別の大会を行うことになったため,バッティングすることから,稲村クラシックは回避ということになりました。
 しかししかし,スーパーヒートの方は,選手を集め,ゴーと思われたのですが,何と波がどんどん小さくなるってことで延期になってしまいました。今回は良い感じで暇だったので,ずっと中継を見ていたのですが,ズッコケましたね。頭越えるくらいの波だったのですが,スーパーヒートには小さすぎたというわけです。
 実は,昨日もJPSAの第六戦が,鴨川のマルキで行われ,これも中継してたのですが,こちらは今日のスーパーヒートの倍はありましたね(今日の会場は,同じ千葉なのですが,勝浦のマリブというポイントでした。)。いやあ,これは女子にはハードというか,男子でも本当キツイくらいのもんじゃなかったでしょうか。冬のノースは何回か見たことがあるのですが,それを彷彿とさせるくらいのデカイ波でしたね。

 また18号が来てますので,稲村クラシックもスーパーヒートもまだまだ可能性はありますよ~。私もしばらくぶりにサーフィンしてえなあ。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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