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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 たまには,知財の話も,ということで,これは今日の日経の朝刊一面の記事です。

 特許の話が,日経の一面に出るって結構久々かなあって気がします。記事の内容は,パテント・トロール対策のものです。この記事のとおりで,連合内の企業に実施権を与えておき,その特許が連合外に出ることがあっても,実施権で対抗する,というわけです。

 以前似たような目的で,RPXという会社のサービスについて話題になったことがありますが,覚えている人いますかね。
 これは,会員企業がある程度高額の会費を支払い,その会費などを元手に,パテント・トロールが買うであろう特許を予め買い進めておくというやり方で会員企業を防御しようというものでした。謂わば,保険のようなもので,よく考えたなあという気がしました。

 つまり,RPXは,特許が外に流れないようにするという対策で,今回の特許連合の話は,特許が外に流れても無害にするという対策なのですね。

 どちらにせよ,パテント・トロールの対策は,様々な手を打たないといけないということで大変だと思います。今,アメリカでの特許侵害訴訟の数は,6000件程度あり,そのうちの7割はパテント・トロールによるものっていうんだから,こりゃ緊急の課題です。

 ですので,こういうことやRPXみたいなものも必要というわけですね。

2 さて,日本の方ですが,あんまりパテント・トロールのことは聞きません。ただ,居ないことはないですよ。ちょいと前に話題になったやつで,何と弁理士が経営している或る会社が,パテント・トロールと言えないことはないでしょう。

 ただ,最近この会社のことはあまり話題にのぼってきませんね。ま,何と言っても,日本の知財の訴訟って200件少ししかないのです。ちなみに,中国は8000件くらいらしいです。酷い差ですね。

 つまり,パテント・トロールさえ見向きもしない,魅力のない市場,それが日本の特許の現状です。
 それは,色んな理由があります。まずは,訴訟の審理に,非常に時間がかかっていたというのが,一つ。これは,結構改善されたのですが,その後は,進歩性を初めとして,特許性の要件がきつく,無効の抗弁で無効になる特許が続出していたというのがありました。これも今は改善されているのですが,一度出来たイメージはなかなか消せません。で,一番大きな理由は,割に合わないから,でしょうね。
 
 割に合わないとはどういうことかというと,今や審理も迅速,無効にもなりにくい,つまり勝ちやすいわけです。でも,たとえ勝っても,何これ~国選弁護人の報酬~♫程度の賠償金しか得られないのですね。
 日本の場合,不法行為の損害賠償って,差額説というのが取られております。つまり,焼け太りの防止ですね。中古のフィッツが事故でオシャカになった場合,まあ,中古でしょ,フィッツでしょ,100万円いかないよね,てことで,年式などをみて,オシャカになったものと同価値の賠償金しかもらえないわけです。

 まあ,これは正義公平の観点からするとそりゃそうだよな~って気もします。新車のフェラーリが買えるくらいの賠償金が出たとしたら,そりゃ当たり屋続出ですもんね。
 ところが,アメリカでは,懲罰的損害賠償という制度があり,差額説以上の賠償金が出る場合があるのです。しかも,ディスカバリーという根掘り葉掘りの関係資料を出さなきゃいけない制度もあって,弁護士費用が超高額にもなりやすいのです。そうすると,日本では儲からない当たり屋も続出するってわけです。

 世の中,結局バランスですから,アメリカもやり過ぎですが,日本はやらな過ぎですよね。通常の不法行為まで懲罰的損害賠償や法定損害賠償を導入しなきゃとは思いませんが,ある特定の訴訟類型については,特別な立法でこれらを導入してもよいのではと若干思ったりします。

 それが,この特許の分野かなあって思えるわけです。特許法の102条の2あたり,ちょっとそういうのも考えないと,職務発明制度の改正だけじゃ,知財立国にはならんでしょうねえ。

3 追伸
 そうだ,そうだ,サッカーのことも。
 今日の早朝,オランダ対アルゼンチンがありましたが,PK戦の末,アルゼンチンの勝利でした。相変わらず魔法使い(メッシ)は歩いており,しかも魔法も使えず,0-0でしたが,辛くもPK戦勝利です。

 ということで,私の準決勝の予想は両方共的中~。普段サッカー見ないのに凄いもんだ。というか何でもそうだと思いますが,ある程度の理解力があり,直前の新鮮のデータをきちんと理解すれば,殆どの物事って別段専門家じゃなくても非常に正確に判断できますよね。
 ですので,専門家っていうのはそれ以上に何か別の価値を出さねばならないわけです。それは私のような,まさに専門家なら当然です。
 他方,専門家と言いながら,資格という参入障壁だけでバリヤーしているだけの人は,まあ今後消えちゃうでしょうね~。
 で,私がどっちかは,そりゃあ今後消えるかどうか,それを見ればわかる話です。ちょっと時間がかかりますけどね。

 さて,サッカーの話に戻りますが,決勝は来週月曜の早朝です。これは,難しいです。ドイツ対アルゼンチン~うーん。ただ,冷静に見ればいいだけで,そうすると,ドイツとなるでしょう。魔法使いも気になるところですが,レーブ電撃作戦によりキャタピラの下敷きになること確実です。

 ところで,その前日の日曜の早朝,三位決定戦があるようです。でも,銅メダルに価値あるオリンピックと異なり,ワールドカップの場合はカップは一個だけなので,オランダの監督の言うとおり,やんなくてもいいんじゃないかなあと思う次第です。

 まあしかし,日本も出ていたのが嘘のような,何だか違う大会のような感じもします。日本もこういう段階まで早い所行けるといいですニャー。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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