忍者ブログ
知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 昨日、政府の知的財産戦略本部(本部長・鳩山首相)は、2020年を目標年とする「知的財産推進計画2010」を決定した、とのことです。

2 それは追って検討するとしても、その影で、特許庁からとても気になるものが報告されております。www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi

 昨年の特許の出願件数と登録件数です。特に、出願件数は、酷いものです。
 長い間、日本の出願数は世界一で、ざっくり年間40万件と言われていました。
 しかし、昨年は、35万件を割ってしまいました。特にピークだった2001年の44万件近くからすると、8割にしか過ぎません。えらい減りようですね。

他方、登録件数は、逆にすごく伸びております。6055084-1s.jpg

左の図は、特許庁の統計データを私でまとめたものです。
登録件数は、1996年に何故かピークがあります(21万件、赤い棒グラフ)。これは、付与前異議制度(出願公告)から、付与後異議制度(今はもうありませんが)に変わったため、登録の時期が前倒しになったためのものです。

 それはイレギュラーな場合ですから、実質、登録件数は、昨年が最大だったのです(19万件)。

 これらのことは何を物語るのでしょうか?

3 極端に減少する出願件数は、当然、リーマン・ショックから立ち直っていない不景気のためと言えます。企業知財部の最近の一番悩ましい仕事は、どの特許事務所を切ろうか、ということらしいですからね。

 他方、増大する登録件数は、質の良い出願が増えてきたから?出願した年に登録されるわけでなく、出願と登録にはタイムラグがあるので、違いますよね~。特許庁の判断が甘甘になってきたからですよ。これもまさに”新傾向”だと思いますね。

 出願を絞って、質の良い特許が増えるのはそれ自体悪いことではありません。しかし、日本の競争力はいたるところで下がっています。一般的には、量と質とは正の相関をもっています。日本の野球がいまだ強いのもこのためです。
 そういうことからすると、単に量を絞るのが良いのかどうかは怪しいところです。要は、クズの登録特許を必死に増やしているだけなのかもしれませんので。


PR
49  48  47  46  45  44  43  42  41  40  39 
カレンダー
09 2017/10 11
S M T W T F S
8 9 11 14
15 16 18 20
22 24 25 26 27 28
29 30 31
ブログ内検索
プロフィール
HN:
iwanagalaw
HP:
性別:
男性
職業:
弁護士
趣味:
サーフィン&スノーボード
自己紹介:
理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
カウンター
アクセス解析
忍者アナライズ
Admin / Write
忍者ブログ [PR]