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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 判例タイムズは,いわゆる判例雑誌で,タイムリーで重要な判例を紹介し,その他専門的な記事を掲載するという雑誌です。法曹の方で知らない者はいないと思います。ここでも何回か紹介しました。

 大体いつもは知財の特集のときに,ここで書いていたのです。そして,毎年,この9月号に,日弁連の知財委員会との協議について特集が組まれるため,今回もそうかと思いきや・・・そうじゃないのです。

 というのは,何故か,今号には協議について載っておりません。先月号には無かったので,来月号には載るのかもしれませんし,それとも下らねえ弁護士との協議会なんてやってもしょうがねえってことで協議会自体が無くなったのかもしれませんね(私のようなチンピラ弁護士に,知財ムラの弁護士と慣れ合ってんじゃねえよって言われるのが嫌なのかもしれませんが)。

 では,何故今号を取り上げたかというと,載っている判決の評釈が,判タにしては珍しく,突っ込んでいたからです。

2 判例タイムズに載っている判決の評釈は誰が書いているか知ってますか?私もよくはわからないのですが,現役の裁判官(特に実際に起案する左陪席)が書いているのではないかと言われております(これもあくまでも,噂ですけどね。)。

 実際,評釈を見てみると,毒にも薬にもならないというか,そんなことは誰だってわかるんだよ~っていう本当当たり障りのない,どーうでもいい評釈ばかりです。
 ですので,こういう評釈から見ると,ああ裁判官が書いてるんだろうなあと逆に推測できるわけです(現役の裁判官が上から睨まれるような文を書くわけがありませんし,裁判官同士ならあの評釈は誰が書いたかということがわかるのでしょうし。)。

 ですが,今回の工業所有権のパートの判決については,結構突っ込んだ評釈があります。

 中でも,知財高裁平成22年(ネ)10062号,平成24年3月21日の,職務発明譲渡対価請求事件の評釈はいい感じです。
 この事案は,職務発明の関係ですので,日立の元?従業員が職務発明の譲渡対価として,15億8799万5473円の一部として6億円等を請求し,原審は6302万6136円等を認容した事件の控訴審です。そして,控訴審では,290万3066円とかなりの低額に抑えられたという事件です。
 
 この低額に抑えられた理由としては,問題となった発明の特許が,実際には実施されていないのに,包括的クロスライセンスの対象特許に組み込まれ,その結果,そのクロスライセンスの評価が一審と二審で大きく異なったということにあります。

 で,判決の内容は,リンクなどで見てもらえばいいとして,問題は判タの評釈です。

「もっとも,仮に訴訟提起されず,平成20年の同特許の存続期間満了まで,同程度の実施報奨金が支払われたのであれば,少なくとも本判決の認容額以上の金額を得られた可能性は否定できないものと思われる。」
「そこで,特に,原判決の結論と本判決の結論とが大きく異なった本件のような事案では,適時,適切な紛争解決の観点から,和解による解決も検討されてしかるべきであったものと思われる。」

 どうですか~,結構踏み込んでいると思いませんか。ま,この書き方からすると,原告(ないし原告代理人)の頑迷さがこんな結果を招いたんじゃねえのかよ,ばーか,ばーかというような有り様ですね。

 今回,知財の判決は5本ありますが(アップルとサムソンの例のFRAND特許の判決も載っております。),上記のとおり,踏み込んだ評釈をしているなあと感じます。ま,いつもの評釈(と言っても知財しか読んでませんが。)が,本当仕事を全くしていないので,漸くもらった金分の仕事をしたかなあって感じではあるのですが。

3 ところで,「知財実務のセオリー」,奥付けの発行日からもそろそろ1週間経っておりまして,ブログ等などの書評も結構見かけます。まあ,今のところ,そこそこ評判は良いようで,本当ホッとしております。
 想像以上に打たれ弱く,すぐに心が折れますので,キツいコメントが無くて実に良かったです。

 あ,そうそう,先日実家に帰省したときに,親族にも見せ,一冊置いてきたのですが,皆言うことは一緒ですね。

 「3,200円もすんのんかえ,そりゃだいぶかかったろ。」「100冊作ったら,30万円以上じゃなあ,だいぶ金が要ったわえ。」

 あの~ちょっとちょっと~,これは自費出版でも無ければ,タイアップの出版でも無いのですが~♪~。
 なかなか私が一銭も出しておらず,逆に印税をもらう立場だということを理解してもらうのが難しいところでした。まあそりゃそうですわな~,私だって実物を見たり,ブックセンターに積まれているのを見るまでは,ピンと来ませんでしたから。

 アマゾンでは,発明・特許部門での1位のことも多いようですので,私の予想以上なのかもしれませんが,あとは仕事がなあ~ってところでもあります。ま,こりゃ言いっこなしでしたな。

4 追伸
 そうだそうだ,日曜の放送以来,その薄気味の悪さで頭から離れないヨモツヘグリアームス~,仮面ライダー鎧武のミッチ最後の変身~の回ですね。
 何つっても子供番組で,黄泉戸契ですからね~,ビビりますよ。あなたは何と契りますか~♪これって,契約概念に言う意思実現ですかね~。とすると,やはり古事記・日本書紀の旧約聖書との類似っぷりを感じられる今日このごろですなあ。
 あと,変身のコールも冥界ヨミヨミ~♪っちゅう徹底ぶり。

 プロフェッサー凌馬もクレイジー博士ぶりを見せておりますし,もはや子供視聴者を置いてけぼりというか,排斥しての終焉に向かってますね。

 だって,悪役キャラは全部倒してしまい,あとはもう残ったライダーで殺し合うっちゅう所に行くしか無いわけです。
 ただ,私は大人なので,それはそれで大歓迎です。いつも,年末年始にライダー大戦という予定調和の映画がありますが,それでの鎧武の後日版は,あ,あの終わりじゃあ無理だね,外伝かまたパラレルワールドしかないね,くらいの超キッツいバッドエンドを見せて欲しいものです。

 期待してますよ,虚淵玄さん。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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