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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 何のことでしょうね。AIU保険会社のHPによりますと,

 「特許権など知的財産権侵害リスクに対応する保険を 中小企業向けに販売」
するそうです。

2 法律家をやっていると,経済的な事情を捨象して物事を考えることはできません。そりゃ,経済学者ほどのことは考えませんが,それでも,落とし所として,経済的な事情から座りの良いところを考えることは,ままあります。
 自然人が当事者になっている民事的紛争や,刑事事件ではそうでもないかもしれませんが,企業間の紛争では,経済的事情の占める割合が大きいことは想像するに難くないと思います。

 さて,私のようなポッと出の弁護士にとっては,数少ないクライアントの方々が中小零細企業であることが多いのです。そして,そのようなクライアントから,創業や新規事業参入について相談をうけたところ,特許リスクが発覚し,結局,そのリスクが経営基盤に対して大きすぎて,諦めることがあります。
 企業法務を主とされている方だったら,色んな分野で保険によって,上記のような様々なリスクをヘッジするスキームがあることはご存知だと思います。私は常々,特許の分野も保険によってリスクをヘッジできないかなあ,どこかの保険会社がやってくれないかなあ,と思っていました。

 ですので,今回は,ようやく来たか~という感じです。いまだ,上限が1,000万円で,中小企業向けということで,なかなか保険会社もバーンと飛び込めないところもあるようですが,まずは一歩ということでしょうね。

3 こういう保険があると,実際の特許訴訟だけでなく,様々なメリットがあります。
 一番のメリットは契約時の踏ん切りでしょう。

 例えば,英米の会社との契約書レビューをやったことのある方ならご存知でしょうが,必ず,いわゆるインデム条項というのを入れさせられます。
 これは,英米の会社に第三者などから特許訴訟をはじめとする様々な訴訟やクレームが発生したときには,弁護士費用も含めてすべて費用など保証するというものです。
 中小企業としては,商売は欲しいものの,仮に特許訴訟などに巻き込まれたときにはすごいお金を請求される虞もあって,ジレンマに陥ります。最近では,英米の会社だけでなく,韓国,中国の企業も,インデムを入れるよう要求してきておりますので,さらに,深刻な問題となってきています。

 しかしながら,今回のような保険に入っておけば,一定程度そのようなリスクをヘッジできる可能性がありますので,ある意味安心して契約を締結し,何かあれば,保険にお任せということができるかもしれません。

 今後の発展に注目しておきましょう。

 


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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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