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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 ということで,またまたセミナーをやることになりました。

 「ソフトウェア関連技術知財の現状と基礎知識  ~ビジネスモデル特許か別の手段か、 戦略の立て方と活用実務~」

 日時:5月19日(金)12:30~16:30
 場所:[東京・京急蒲田]大田区産業プラザ(PiO)6階D会議室
 主催:㈱情報機構

 このブログをよく見ている人は,あれ~どっかで聞いたことがあるような・・・と思ったかもしれません。そう大正解!去年やったセミナーと同じネタです。
 主催者から同じネタでやってください,ということでしたので,同じネタです。ま,新たに資料を作らなくて良いから楽っちゃ楽なんですけどね。

 とは言え,この半年くらいの変化についてはアップデートしますよ,当然。でも,前のセミナーに出席した人はもういいと思いますね。

2 何故同じネタかというと,そりゃ簡単です。前回のネタが好評だったからでしょうね。
 実は,前回のセミナー,中小ベンチャーの人を対象に考えておりました。ところが,お越し頂いたのは,大手企業が殆ど,あと同業者の方(弁護士ね)も複数人参加して頂き,いやあどういうこっちゃ?!と思いましたね。
 
 要するに,こんなセミナーあんまり無いのでしょうね。この分野,受任するのは大手渉外か大手ブティックが中心です。そうすると,そこに居る先生方がセミナーまでやろうっていうのはなかなか出来ないのだと思います。

 そこへ行くと私は弱小ではあるのですが,この分野で特許権侵害訴訟も,プログラムの著作権の侵害訴訟もそこそこやってますので,意外と適任だったのかもしれません。

 ですので,前回行こうと思ったけど・・・という場合には大チャンスだと思います。
 私個人はあくまでも中小ベンチャー対象ではあるのですが(じゃないと営業の効果が薄いのです。),大企業の方も同業者の方も大歓迎です(ノウハウ等の出し惜しみはしませんので。)。

 ま,あと3ヶ月以上ありますので,参考にしてください。

 あと,参加される人は,何故いつも金曜にセミナーを設定しているのか,その理由をちょっと考えてもらえるといいかなあと思いますね(終わったあと飲みに行きたいわけですよ。ムフフフ。)。
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1 さて,いつの間にかもう2月。一昨日の東京は春のように暖かく,他方,昨日は真冬で,今日はそこそこ過ごしやすいと思います。

 さて,AIといえば,今や人工知能のことですが,日経はここの所,毎日のように記事が載っています。
 で,今日の電子版の方には特許の話もあるそうなので,その関係に纏わることにしてみました。

2 で,ちょっと見たところ,うーん,これじゃあ何とも言えないなあって感じです。何故かというと結果だけです。
 しかも各国特許庁ごとのデータがあったり,全部一緒くたのデータがあったりと,よく読まないと誤解してしまいます。

 しかもAI関連というだけで,特許分類だとかキーワードとか,その辺がはっきりしませんので,検証のしようもない!って感じです。
 ま,特許分類とかキーワードとかは,このデータを出したアスタミューゼさん(私も知らない会社ではありません。)のノウハウでしょうから,簡単に出せないとしても・・・ですね。

 とは言え,そこそこ出願はあるのかなあって感じです。

3 で,人工知能つながりで言えば,先月(2016.12)の弁理士会の会報のパテントですが,特集が「人工知能」でした。

 私は非常に期待して,ページをめくったのですが(良いタイミングの特集じゃないですか。),もう期待倒れもいい所でした。

 いや,だってね。弁理士会の会報の特集ですよ。人工知能に纏わる特許の話だと思うじゃないですか。それが違うのですよ。

 上から,題名を書いてみましょう。
「人工知能が知財業務に及ぼす影響」
「特許品質評価及び特許からの情報抽出における自然言語処理のアプローチ」
「オープンソースソフトウエアを用いた人工知能による特許自動分類」
「AI創作物に関する著作権法上の問題点とその対策案」
「ルーラル・ナレッジマネジメント」
「人工知能によって生み出される発明」
 これで終わりです。

 足りないでしょ!足りない!

 だって,上記のやつは全部人工知能の使い方とかの話です。そんなの,上で紹介した日経とかで腐るほどやっていますよ。
 そうじゃなくて,弁理士会の会報なんだから,こういう話がないとダメでしょ。

 ・人工知能の特許出願の前後の話
   人工知能の先行技術調査→特許分類とキーワード検索のやり方
   人工知能のクレーム作成→ソフトウエア特許なので,3種類作るとか
 ・人工知能の特許出願の中間処理
 ・人工知能の特許の権利行使
   まあこれは弁護士じゃないと書けないかもしれませんが。

 こういう大きく3つの柱で,誌面を構成しないと,本来いけない筈です。ところが先月号のパテントはこういう本来メインに来るはずの記事が全く無いくせに,どうでも良い話しか載っていないのです(ま,この話もメインがしっかりしていればオマケとしては別に悪くない話とは思いますけどね。)。

 いやあパテント編集部は猛省して欲しいですね(ああクソ下らなかった~♫)。

4 最後も人工知能です。
 なので,パテントの特集読んでも人工知能が何かって全然わからないわけです。ま,一番上の日経もそうなのですが。

 じゃ,一言で言えば何かというと,「人間や生物の知的な振る舞いを模倣することで役に立つソフトウエアシステムを構築する技術である」ということになります。これでもようわからんなら,ある種のアルゴリズムってことで良いと思います。

 ま,勿論,人工知能ですので,人工であれば何でもいいわけですから,ソフトウエア関係ではなく有機物質系の系統もあると思います。でも世間で今騒がれているやつはコンピュータ関連ですからね。

 つーことで,人工知能の特許が何かというと,アルゴリズムの特許化,つまりは通常のソフトウエア関連発明と変わらない!ということになります。わかりましたかね。

 そうすると,どうなるかというと,果たして特許化するのが良いのかなあという疑問が生じます。
 だって,IBMのワトソンのアルゴリズムってわかりますか?iphoneのシリのアルゴリズムってわかりますか?グーグルの検索のアルゴリズムってわかりますか?

 わかりませんよね。
 ソースコードが開示されてませんし,クラウド上や1つしかないシステム中に存在するだけですので(市販のパッケージソフトのように手に入れることができないのです。),中身を見ることができないのです。
 要するにリバースエンジニアリングできないのです。

 私が常々言っているとおり,「知財実務のセオリー」でも書いたとおり,リバースエンジニアリングできるものは特許出願し,リバースエンジニアリングできないものはノウハウ化するというのが原則です。

 だって,グーグルの特許で書かれたアルゴリズムを,どこかの企業が,仮に真似できたとしても,真似したかどうかなんてどうやって分かりますか?リバースエンジニアリングできませんもん(ま,アメリカならディスカバリーがあるか~)。

 ま,もしかすると,パテントの特集がしょぼかったのは,実はそんなところに理由があり,特許できちんとした原稿を書ける人を見つけられなかった(要するに出願数が実は少ない)からかもしれません。

 ともあれ色んなことを考えるというのは良いことでしょう。
 
 ところで,人工知能の入門書としては,「人工知能入門」小高知宏著(共立出版)が良かったですね。上記の定義もこの本からの引用です。何か共立出版の本を久々買ったなあって気がしますが(理系の人にはおなじみですよね。),新しい技術を勉強するというのは,実にわくわくすることです。

5 追伸
 散歩用の靴ですが,昔のナイキフリーラン+2がボロボロになってきたので新しくしました。
 
 またまたナイキフリーです。5.0ですね。たまたまナイキのアウトレットに行く機会があって,安かったので,これにしました。

 しかし,正確に言うと,この5.0が散歩用になったのではなく,前の+3が散歩用になっちまったってことです。

 じゃあこの5.0は?というと,これは通勤ですね。ちょっとカジュアル過ぎるきらいものあるのですが,まあいいでしょう。最近,裁判所行くよりも,事務所で何か書いていることが非常に多かったりするので,あんまり人に会いませんからね。

 さて,このナイキフリー5.0はいつまで持つかなあ。

 


1 東京は昨日は若干暖かったのですが,今日は寒いです。

 ちょっとしたニュース的なものがありますので,それで行きましょう。
 両者ともこのブログでちょっと紹介しましたので,その流れです。

2 まずは,金曜日にアップされた,例のオキサリプラチンの大合議の事件です。
 知財高裁平成28(ネ)10046号(平成29年1月20日 判決

 ここで紹介したのは,去年の秋でしたから,約2か月で判決~。控訴審ですので,デフォー的判断ということでしょうかね。

 ちょっと見ましたが,ロジックは原審とそう変わりません。私が評価していたとおり,大合議だからと言って原審をそう逸脱するものではないと思います。
 注目するのはその部分よりも,謂わば傍論的に,それはそうじゃないんだよ~!という追加の論点の判断の所ですかね。

 ま,前の記事でも書きましたが,このブログではマジの評釈はしませんので,これ以上のことを知りたい人は自分で判決をきちんと読むか,私の後継ブログを何とか探すのでしょうね。

3 つぎも,このブログで以前紹介したものです。これも秋ですね。例のオプジーボ対キートルーダの一戦です。

 和解が成立したようですね。IR情報はこちらです。
 特許権者側がこういう感じで書くということは,明らかな勝ち筋和解だったんでしょう。
 まあ,そうでしょうねえ,PD-1抗体を使っているなら,どう考えても技術的範囲に入りそうでしたから。

 あと,気になったのは,これ裁判外の和解っぽいです。

 私も昔この手の全世界紛争の日本を舞台でのやつに代理人として加わっていたことがありましたが,突然終わるんですよね。メインの舞台ではその国の代理人も関与しているのかもしれませんが,そうじゃないと,終わりですよ~って連絡が来て,それっきりです。不思議なもんです。

 ま,そんな話はいいとして,上記2つの事件は両方とも薬関係でしたね。いいなあ~,薬関係は盛り上がってて。
 
4 最後はスノーボードです。
 先週末,いつものように尾瀬戸倉に行ってきました。

 コンディションは良かったですね。
 しかも,あるバーンにリフトが開くのをならんで,一番の圧雪していないバージンスノーを頂きました。
 人のバージンはあんまり好きじゃないのですが,雪のバージンは実にすばらしいです。
 ヒザパウまではいきませんでしたが,十分に楽しめました。

 ほんでたまには私の写真でも。
 
 今年はウエアを上下新調しました。しばらくはこれで行けそうですね。
 ああ,しかし,体中が痛いですね。

5 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。

 本日はここソニー本社に来ております。

 

 なぜこんな中途半端な位置かは追ってご説明を。

 ま,ソニーの新しい本社は私がソニーに居た頃は無かったもので,あまり来たことはありません。 

 で,エンジニア時代の後輩の一人が今LEDの大型ディスプレイの開発をやっているのですね。CLEDISと言って,こんな感じです。
 その後輩からの年賀状で,本社に展示してるから見に来てよ,ってありましたので,散歩がてら見に行ったのが,上記の写真ということになります。
 奥の方で青白い画像を出しているどでかいディスプレイがそれです。

 何故こんな位置かというと,受付のおねえちゃんに写真を撮っていいかと聞いた所,館内での写真撮影はダメだと言われたわけですね。ということで,質の悪い私は,館外から撮ったというわけです(これなら文句ねえだろう)。

 で,そのCLEDISですが,いやあびっくりしました。想像以上の高精細でしたね。
 でかいだけでジャンボトロンに毛が生えたくらいかと思いきや,4KのLCDの解像度を保ちながらでかくしたって感じでした。

 まあユニット式なもので,黒一色や白一色のようなときに斜めからみると,多少そのつなぎ目部分は見えます(すみませんね,元々そんな仕事をしていたもので。)。しかし,正面での位置だと本当気になりませんでした。こりゃすげえって思いますね。

 ただ,PALCディスプレイのようなこともありますから,勝負はこれからですね。正式に上市のリリースでもあったら,またここで紹介しましょ。

6 追伸2
 そうだそうだ,あと大相撲,これも重要でした。

 何と言っても,稀勢の里の優勝ですね。土曜はスノボでしたので,宿のテレビで見ていたのですが,一緒に行った友人とよくやったと喜びました。
 昨日はスノボからぎりぎり帰り間に合い,白鵬との一戦に間に合いました。

 何度裏切られたことかと多くの人は思っているでしょうね,私もですが。まあ,でも大器晩成と言いますし,良かったのではないかと思います。良いことは遅く来るが吉ですね。

 兎も角もめでたしめでたしでした。
1 日経を購読の方は,本日(平成29年1月20日)の朝刊の27面をご覧ください。

 何かというと,拙稿「地方創生に逆行する特許裁判」の小論文が掲載されております。

 投稿したのは,昨年の年末で,日経の編集部から掲載決定の報があったのが,先週末でした。ということで,掲載決定まで2週ちょっと,実際の掲載まで3週ちょっとですね。やはり新聞,スピードが命です。

2 中身は読んで頂くことがいいと思います。見出しだけなら,ここから見れます(日経電子版が読める人は,ここからです。)。

 その内容については,当然賛否両論あると思います。ま,それでいいのです。

 ただ,日経に投稿する方は非常に多いと思いますので,その中から選ばれたというのは,相応の意義があるという風に日経の内部でも思われたからだと考えます。つまりは,ある程度世間の支持がある考えだということです。

 ですので,本件については,今特許庁でやっている産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会の知財紛争処理システムの機能強化の論点に是非入れて欲しいと思います。ねえ~特許庁さん。

 ところで,私が書いたものに関しては,今までで一番メジャーな媒体じゃないかなと思います。日経に私が書いたものが載るなんて,いやあ,誉れなことですわなあ。弁護士になって苦節10年,様々なことがありました~それが今こうして~♫シクシク(ウソ泣き)。
 あとはもっと仕事の依頼があると最高なんだけどなあ(ご依頼はこちらからです。ムフフ。)。

3 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。
 本日はここ山本橋に来ております。
 

 いやあ冬って感じがしますね。でも,もうあと2か月で,この目黒川沿いがピンク色になるのですから,自然というやつはすごいものです(本当2か月ですもんね。)。

 で,今日はすごい寒いです。昼飯がてらの散歩でしたが,雪がちらほら舞ってました。
 ですが,私は今夜から山へ向かいます。エンジニア時代の友人たちと恒例のスノーボードですね。
 新聞では小難しいことを書いてますが,基本,お気楽適当な人間ですし,このブログは振れ幅が大きいのが特徴です。

 さーてひざパウをごちそうになることができるのでしょうか。乞うご期待。
1 やはり,判決のときに比べてだいぶ話題にならないようですが,シャークフィンアンテナ特許の事件が和解で終結したと当事者のIRでありました。

 まあ事件としては,報道などを見てもらった方がいいですかね。

 最近の流行りなんでしょうね。新車の所謂乗用車タイプの車には結構ついてたりします。当時,私も知り合いで新車を買ったばかりという人が居たので,車の屋根の後ろを見たら,このシャークフィンアンテナがついておりました。どちらの当事者のものかはちょっとよくわかりませんでしたが。
 で,その知り合いに聞いたら純正のものだということでしたので,報道のとおり,メーカー純正採用されているのでしょうね。

2 特許は2つでした。

 第1事件(東京地裁平成26(ワ)28449, 平成28年5月26日判決)は,特許第5237617号です。クレームは以下のとおりです。
A: 車両に取り付けられた際に,車両から約70mm以下の高さで突出するアンテナケースと,
B: 該アンテナケース内に収納されるアンテナ部
C: からなるアンテナ装置であって,
D: 前記アンテナ部は,アンテナ素子と,該アンテナ素子により受信された少なくともFM放送の信号を増幅するアンプを有するアンプ基板とからなり,
E: 前記アンテナ素子の給電点が前記アンプの入力にアンテナコイルを介して接続され,
F: 前記アンテナ素子は前記アンテナコイルと接続されることによりFM波帯で共振し,
G: 前記アンテナ素子を用いてAM波帯を受信する H: ことを特徴とするアンテナ装置。

 ほんでこれは請求認容。

 第2事件( 東京地裁平成27(ワ)22060, 平成28年11月24日判決)は,特許第5655126号です。クレームは以下のとおりです。
A:下面が開口されて内部に収納空間が形成されている絶縁性のアンテナケースと,
B:該アンテナケースが被嵌され,強度部材として用いる樹脂製の絶縁ベースと,該絶縁ベースより小型とされ,前記絶縁ベースに固定される導電ベースとからなるアンテナベースと,
C:後部が前記絶縁ベース上に位置すると共に前部が導電ベース上に位置するように前記アンテナベースの上に配置される傘型エレメントと,
D:を具備することを特徴とするアンテナ装置。


 こちらも請求認容でした。
 とは言え,こちらのクレームは,上の第一事件のクレームに比べると,後部だとか前部だとか傘型だとか,イマイチ曖昧な文言があり,ちょっと気に入らない所があります。

 なお,事件は,時間差があるにもかかわらず,両方とも,46部の長谷川さんの合議体に係属していた模様です。

3 で,今般,第1事件の控訴審の知財高裁で和解が成立したということです。

 原告にとっては良かった良かったという感じですが,うーん,これは・・・だからこそだったという感じもしないでもないって所でしょうかね。

 まあ今の東京地裁の知財部については,色々と要注目の部がありますからね~別に他意はないですよ~本当に~ムフフ。

 


 

1 それ系の話はこのブログで散々しましたから,いいでしょ。

 ただ一言だけ。
 よくだまし討ちだとかsneaky attackとか言われてますが,ちょっと違うと思いますね。
 私はニーチェ信奉者で強者の論理にしか興味がありません。つまり,パール・ハーバーの米兵は,アレだけの通告(ハルノート)をしておいたにもかかわらず,呑気に昼寝でもしていたのかって話です。屈強な精兵たちだったんでしょ,違うんすかね?
 だまし討ちだとかsneaky attackとか言うのは弱者の論理ですね。あそこで死んだ米兵も浮かばれないってやつです。

 おっと,ちょっと書いてしまいました~。
 さて,そういう話よりも,これはちょっと注目だというニュースが飛び込んできたので,その話です。

2 「フリー、マネーフォワードを提訴 「特許権を侵害」」
 ということらしいです。日経の速報で,今朝上がってきたもので,詳細はわかりません。

 フリーも,マネーフォワードもフィンテック関連のベンチャーです。両者ともここの所,結構有名になっています。
 実は,この前の11/25にやったセミナーでも,裏のお題が「フィンテック」だったので,この両社の話をちょっとしたのですね。なので,このタイミングっていうのは結構ビックリしました。

 特許権者がフリーの方ですので,Jplatpatで検索してみますと,2件しかありません。特許第5936284号と特許第5503795号です。

 前者のクレーム1はこうです。

【請求項1】   クラウドコンピューティングによる会計処理を行うための会計処理装置であって、  
 ユーザーにクラウドコンピューティングを提供するウェブサーバを備え、前記ウェブサーバは、  
 ウェブ明細データを取引ごとに識別し、  
 各取引を、前記各取引の取引内容の記載をキーワードに分節し、各キーワードに対応づけられた1又は複数の勘定科目の出現頻度を参照して、特定の勘定科目に自動的に仕訳し、  
 日付、取引内容、金額及び勘定科目を少なくとも含む仕訳データを作成し、  
 作成された前記仕訳データは、ユーザーが前記ウェブサーバにアクセスするコンピュータに送信され、前記コンピュータのウェブブラウザに、仕訳処理画面として表示されることを特徴とする会計処理装置。

 後者のクレーム1はこうです。
【請求項1】   クラウドコンピューティングによる会計処理を行うための会計処理装置であって、  
 ユーザーにクラウドコンピューティングを提供するウェブサーバを備え、前記ウェブサーバは、  
 ウェブ明細データを取引ごとに識別し、  
 各取引を、前記各取引の取引内容の記載に基づいて、前記取引内容の記載に含まれうるキーワードと勘定科目との対応づけを保持する対応テーブルを参照して、特定の勘定科目に自動的に仕訳し、  
 日付、取引内容、金額及び勘定科目を少なくとも含む仕訳データを作成し、  
 作成された前記仕訳データは、ユーザーが前記ウェブサーバにアクセスするコンピュータに送信され、前記コンピュータのウェブブラウザに、仕訳処理画面として表示され、  
 前記仕訳処理画面は、勘定科目を変更するためのメニューを有し、  
 前記対応テーブルを参照した自動仕訳は、前記各取引の取引内容の記載に対して、複数のキーワードが含まれる場合にキーワードの優先ルールを適用し、優先順位の最も高いキーワードにより、前記対応テーブルの参照を行うことを特徴とする会計処理装置。

 まあ両者とも自動で仕訳するソフトウエア関連発明ですね。
 あ,「仕訳」がわかりませんか。これは複式簿記の基本です。

 例えば私が仕事用の鉛筆を1万円分,現金で買ったとします。そうすると,仕訳はこうなるでしょう(消費税考えない。)。

  消耗品費 10000  現金 10000

 だけど,文房具屋さんが,自分の店に並べる鉛筆を1万円分現金で卸から買ったとします。そうすると,仕訳はこうなるでしょう(消費税考えない。)。

  仕入 10000  現金 10000

 同じ1万円分の鉛筆を買っても仕訳が違うのです。

 私は日商簿記2級なので,簡単に分かります。慣れた経理の人もこんなの朝飯前でしょう。でもね,この説明ですら何のこっちゃ?!という人がたくさんいるんじゃないですかね。

 理系の技術に詳しいって人でも,ここらへんさっぱりわからないんじゃないでしょうか。金勘定なんて女のやるもんだくらいに思っている人だって居るでしょう。
 法律家でも多いですよ。倒産系の事務所に就職が決まって慌てて簿記の勉強し出すとかね。

 ちなみに,超有名ソフトの弥生会計でも,何の勘定科目になるかという仕訳は考えてやらないといけません。税理士の存在意義もそういうところにありそうですね。

 しかし,フリーの上記の特許は,そういうクソ面倒なこと(勘定科目を考えて仕訳する。)をソフトでパパッと済ませるので,すごいのです。

 第5936284号の特許は出現頻度に基いて(例えば,「・・文具店」なら消耗品費が多い,「・・・卸」なら仕入が多いなど),自動で仕訳けるのでしょう。
 他方,特許第5503795号は,テーブル(つまりは,表というかデータベースに,「・・文具店」なら消耗品費としろ,「・・・卸」なら仕入としろなど),こちらも自動で仕訳るのでしょう。

 で,マネーフォワードのサービスか何かが,これらの特許のいずれかと関連深いってことなのでしょうねえ。

 ま,まアグレッシブですわ。フリーの特許からすると,代理人は,出願担当をした事務所そのままでしょうね(法律事務所としても有名な知財ブティックです。)。権利行使もハードルが低かったのではないかと思います。

 兎も角も,流行りのフィンテック関連で,ベンチャー企業同士の争いということで,なかなか目が離せませんね。
1 本日12月1日です。いよいよ今年も残り一ヶ月なわけです。早いですねえ。

 ここの所毎年思うのですが,花見を過ぎたら一年はあっという間に終わります。花見を過ぎたら私の誕生月の8月まであっという間です。そして,8月を過ぎると年末まであっという間ですね。
 いやあ,一ヶ月前はまだサーフィンしていたというのに,時間の過ぎるのは早いとしか言いようがありません。

 さて,どうでもいい前置きはこのくらいにして,本題に行きましょう。ま,今日は小ネタ集です。要は,私の備忘ですね。

2 まずは,昨日弁理士会で行われた研修からです。

 私は今年から,日本知的財産仲裁センターの調停人・仲裁人・判定人候補者に入れてもらったので,その研修ですね。
 ま,本当は,弁護士の方で入れて欲しかったのですが,上記のリンク先見てください。弁護士は有名中心,だって,どうやって選ばれるかわかりませんもん。他方,弁理士の方は,有名な方も居ますが,きちんと実務できる中堅どころが選ばれているのがわかります。だってこっちは公募制ですからね。

 ま,あまりくどくど言わないことにしますが,私が弁護士会や日弁連の強制加入やめて欲しいのはこういう所にもありますね(会費が自分の利益に結びつかない)。

 で,その研修は当然初めてだったのですが,最初の一般的な国際仲裁の話は死ぬほど眠かったですねえ。眠り率,ほぼ100%だったのではないでしょうか。上記のとおり,弁護士の方は有名どころですので,有名な弁護士の先生もあっちで船を漕ぎ,こっちで寝息を立て~♪って感じでしたね。

 次のパネル・ディスカッションみたいなものは良かったです。

 で,そこでも出ましたが,日本知的財産仲裁センターの役割ですよね,そもそも。これについては,交通事故であるような紛争処理センターの役割だ,ということです。
 内容証明以上,裁判未満,こういうものを簡易な手続きで負担なくパパッと処理するというイメージですね。

 私もそうだと思いますよ。とは言え,知財の裁判自体が減っているのに,仲裁・調停の案件が増えるわけがない,というのもそのとおりだと思います。

 ま,日本知的財産仲裁センターの意義というのは,センター必須判定(要するにパテント・プールとかでの必須特許を選ぶやつね。)くらいしかありませんので,恐らく永遠に来ないであろう,私が調停人とか仲裁人になる事件を期待しておきたいと思います。

3 次は,なかなか面白い研究の話です。
 「特許権の権利範囲画定への特許審査の貢献:日本の特許データに基づく検証」
 どこからの委託ではないと思いますが,RIETIの研究です。

 以前,ここでも紹介しましたが,知財の経済面における実証研究というのが,色々流行っているようです。
 以前のやつは,特許を取ると具体的に何の良いことがあるの?という,インチキ知財コンサルが定性的な答えしか示すことができなかったものを,定量的に答えたということでなかなか意義のあるものでした。

 ほんで今回のやつは,権利範囲が審査でどうなるか?っていうまた面白い研究です。その手法は簡単で,修飾語が多いほど,権利は狭いはずだから,審査前後でクレームの文字数を比べりゃいいじゃんって話です。

 実は私,大学生時代,第二外国語がロシア語でして,その関係で,当時東工大の教授だった馬場先生(ペンネームは江川卓)のドストエフスキーの講義を受けていたことがあります。

 その講義の課題で,「貧しき人々」が出されたことがあります。これ知っていますかね。ちょっと助平心のあるロリコン気味のオッサン(私みたい)と若い女性との往復書簡形式のやつです。
 長いのですが,書簡形式なので,結構読みやすかったですね。ドストエフスキーの入門には最適かもしれません。

 で,私それで何をやったかというと,書簡の文字数を調べ(勿論原文じゃなく日本語ね。),思いが強いと文字数も増えるだろうという仮説を設けて,オッサンと女性の思いの強さを分析した,というものです。

 まあ,当時東工大と言えども,PCが誰でも(少なくとも一般学生)使える状況にはなく,下宿にもPCなんちゅう高級品はありませんでしたので,すべて手作業です。今だと上記の研究もそうですが,回帰分析とか簡単にやれるのは,PCあってのものだと思いますよ。

 なので,発想自体は30年以上前の大学生と大して変わらないって所でしょうかね(別に貶しているわけではありません。)。分析の結果は面白いですもん。

 私としては,マキサカルシトール事件へ応用したいなあって所ですね。
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サーフィン&スノーボード
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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