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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 報道を先に見たので,ガンのやつだな~,とするとオキサリプラチンのやつだ~と思ったのですが,ちょっと違いました。

 実は,オキサリプラチンはオキサリプラチンでも,特許第3547755号の方の事件です(私が,これは大合議向きと勘違いしたのは,特許第4430229号の事件でした。)。

 原審は,平成27年(ワ)第12414号(平成28年3月30日判決)です。

 クレームはこんなやつです。
A  濃度が1ないし5mg/mlで
B  pHが4.5ないし6の
C  オキサリプラティヌムの水溶液からなり,
D  医薬的に許容される期間の貯蔵後,製剤中のオキサリプラティヌム含量が当初含量の少なくとも95%であり,
E  該水溶液が澄明,無色,沈殿不含有のままである,
F  腸管外経路投与用の
G  オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤。


 さて,何が論点だったかというと,特許法68条の2の,延長登録出願した特許権の効力です。

 延長登録出願自体は,それが認められるかどうかという論点で,去年の今ごろ,最高裁判決が出ました(ベバシズマブ事件です。)。
 しかし,それは特許庁の行政処分が是か非かで争われた事件ですので,実際,権利行使したときの効力はどうなのよ~ってことには答えておりません(なお,上記最高裁の原審の知財高裁では,飯村さんの要らぬ傍論があったことで有名です。)。

 ですので,最高裁後,実際の権利範囲はどうなのよ~ってことについて,統一的判断を示したいのでしょうね。

 とは言え,今回の事件(平成28年(ネ)第10046号)の上記原審の判断は特段悪くありません。原則と例外という感じに分けて,実質同一を検討しています。・・・

 ま,ここのブログはマジな判決の紹介はしないので(すみませんねえ。粘着くん対策なもので~。熱りが冷めた頃にはこっちでもやろうかなと思いますが,今のところは後継ブログだけ,ということで。),これくらいにしておきましょう。

 後継ブログが見れる人は,そっちを見て下さい。かなり詳しく解説していると思いますので(あとは,今月のジュリスト(2016.11)にアンダーソン毛利の城山先生の論文も載っておりますね。ちゃんとしたのを読みたい人はこちらがいいでしょう。)。

 ということで,暫く先にあるだろう判決を楽しみにしております。

 しかし,メビオファームは非常にアグレッシブですね。さて,悪ふざけ,悪ふざけっと。
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1 素っ頓狂なタイトルですみません。でもこれ私の正直な感想ですし,多くの人も同じ感想だと思いますよ。

 昨日,例の島野製作所とアップルの特許権侵害訴訟について,二審の判決が出たようです。結果は,報道のとおり,島野製作所が二審も敗訴です。

 で,それはいいのですが,変なのはここからです。最高裁のHPに行き,恐らくこの事件だろうと思い(平成28(ネ)10042),その判決文のpdfをクリックすると,こんなのが出ます。

本件の判決は,秘密保護のための閲覧等の制限決定の申立て(民事訴訟法92条)がされており,判決全文は,後日,申立てについての決定をした後に掲載します。
※ 本件の判決要旨(法廷で言い渡した内容)は,知的財産高等裁判所ウェブサイトでのみ掲載しています。裁判所ウェブサイト「知的財産裁判例集」をご覧の方は,そちら(http://www.ip.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search)をご確認ください。

 何これ?こんなことは初めてですねえ。
 いやね,判決等に閲覧謄写の制限がかかり,サイトのアップが遅れるというのはよくありますよ(私も何度か経験したことがあります。)。でもそういうときにいちいちこんな文言は入れません。何日か数週間か遅れて,何事も無かったかのようにしねえっと,サイトにアップされるだけです。

 まあ世の中の耳目を集めているからってえのが理由なんでしょうけど,どういう基準でこういうことをやるのかやらないのか,それはわかりませんね。ま,所詮公務員のやることなんて,理由を考えるだけバカらしいちゃバカらしいんですけどね。

 で,上記のとおり,知財高裁に飛ぶわけですが,それはこちらです。

 その内容は要旨過ぎてようわからんのですが,一審は,確か「押付部材」の非充足で切られていたと思います。それが二審では,それに加えて「押圧」の非充足でも切られています。
 なので,均等論(これ自体非常に難しい)主張のときに,「押付部材」の均等しか主張しておらず,「押圧」の均等主張は無かったように思える判示です。

 まあこの辺は難しいですよね。均等論の主張は文言侵害が無いという前提になりますので,おやおや「押付部材」に加えて「押圧」まで均等主張でっか?そうでっか~おたくさんの特許随分違う所がありまんな~もうやめた方がいいんでまんねん~と裁判所に思われはしないかってドキドキしますもんね。

 ま,全文がないのでわかりませんけどね。

2 変なのと言えば,ポケモンGO,昨日から取れるポケモンに凄く変化があります。

 大体,よく出るのはビードルかコラッタかくらいなもんですが,昨日からはゴースがあちこちに出ます。あとはゴーストも,たまにゲンガーも出ます。

 これは明らかにハロウィン仕様ですよね?
 
 オープニングもそれまでのギャラドスから変っております。

 とは言え,10/25のiOS10に合わせたアップデートに過ぎないのかもしれません。
  あと,アップルつながりで言えば,mac のOSもシェラという新しいバージョンになっているらしいです。これもアップデートしておかねば・・・。出張でしか使わないから,いつも遅れるんだよねえ。

3 追伸 11/10
 ようやく島野製作所VSアップルの二審の判決が公開になったようです。閲覧謄写の制限があった部分は・・・小さいですね。

 詳細にご検討あれ。
1 昨日は結構寒かった東京ですが,今日はそこそこ暖かい東京です。来週は寒くなるという話ですが,いやあだなあ。

 さて,特許で面白い話が2つほどありましたので,それらにしましょう。

2 まずは,今日の日経の26面,経済教室です。一橋大学の相澤先生の「特許制度の抜本見直しを 第4次産業革命と知的財産 ソフト、正面から保護せよ」という論文の話です。

 このブログを見ている方は,日経紙読んでいる人が多いでしょうから(スノッブ趣味ですなあ。),今朝読んできたって人も多いでしょう。

 で,どうでしたか?私は読んでいてはあ~?!と思いましたよ。何ちゅうか,やっつけ仕事というかとっ散らかってるっていうか,そんな感じでした。

 大まかにまとめると,こんな感じですかね。

 第4次産業革命がやってきた
        ↓
 なのに,特許制度は旧来のモノ中心。これじゃあいかんからソフトウェアを正面から保護すべき。
        +
 もっともっと特許制度は,より積極的な方向に舵を切るべき

 
こういう意見があるってことは,まあまあ理解できることです。でもおかずが多くて主張が見えにくいですけどね。

 で,言いたいことがそういうことだという前提に立って,私がはあ~?!と思ったのは,上記のソフトウェアを正面から保護すべきっていうことです。

 ソフトウェア関連の特許をやっている実務家なら,今の審査基準上,ソフトウェア関連の技術は,ハードウエア資源を用いて具体的に実現されていないと特許を取れないことを知っています。

 ということは,相澤先生の言いたいことは,ハードウエア資源を用いて具体的に実現されていなくても,特許を付与せよということですかねえ~♬。
 でもねえ,それってもうソフトウェアじゃないでしょ。ソフトウェアってそもそもコンピュータで使ってナンボの世界です。

 クラウドからダウンロードされようが,ダウンロードもせずブラウザ上で実行されようが,パッケージソフトで売られようが,組み込みとして元々入ってようが,ソフトウェアってそもそもハードウェアを動かすものですから,ソフトウェア自体を正面から保護せよって言われたって,わけわからんこと言うなよって思いますけどねえ。

 いやいやいやいや一橋大学の教授ともあろう方がそんなわけわからん意見を持つわけがないでしょ,おう確かに確かに。ソフトウェアの本質はアルゴリズム(算法)って本人も言っているのだから,これを保護しろってことですよ~。何だ~そうだったんですね~って,ほんまかいな~♡。

 で,本当にアルゴリズムだけでも保護するってことになると,もう世の中大混乱ですわ。
 例えば,シュレディンガー方程式を変分法で解く方法なんてものが特許になりえるってことです。勿論,ビジネスモデルそのものが特許で保護されるってことにもなります(Alice判決とか知らないのかなあ。)。

 そんなのでいいのですかねえ。特許や著作権を始めとする知財なんて所詮でっち上げの権利に過ぎません。今だって,ソフトウェア関連の特許のせいでイノベーションが妨げられているかもって話が出ているのに,それより広げるなんてとても受け入れられるとは思えませんがね。

 何事もほどほどがいいのですよん。

3 次は,小野薬品工業が,オプジーボの特許を侵害しているとして,米メルクの日本法人MSD社を訴えた件です。

 薬は私の得意分野ではないのですが,オプジーボの作用機序は顕著なものがあり,かなり昔から注目しておったのです。ですので,それと似た作用機序を持つ,メルクのキートルーダが出たという話を聞いたとき,あれ,これオプジーボの特許大丈夫かなあと思ったものです。

 調べると,アメリカでは既に提訴されていたようですね。ほんで漸く日本でもこうなったってことのようです。
 
 で,報道によると,特許は2つです。特許第4409430号と特許5159730号です。
 さて,特許第4409430号のクレームは以下のとおりです。
【請求項1】 PD-1抗体を有効成分として含み、インビボにおいてメラノーマの増殖または転移を抑制する作用を有するメラノーマ治療剤。
【請求項2】 PD-1抗体が、完全ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体である請求項1記載のメラノーマ治療剤。 

 インビボということは生体内ですが,ようわからん限定ですね。インビートロじゃないってことが重要なんですかね。
 invivoとinvitroは,それぞれ生体内と試験管内ってやつですね。vivoより上手いのはvivoだけって覚えるのがいいと思いますね。あとvitroの方は,長崎にビードロというガラス製のおもちゃがありますが,それと同じですよ。
 おっと議題から逸れましたが,4409430特許はメラノーマ用というのが文言上明白です。

 次に,特許5159730号のクレームは以下のとおりです。
【請求項1】   PD-1抗体を有効成分として含み、インビボにおいて癌細胞の増殖を抑制する作用を有する癌治療剤(但し、メラノーマ治療剤を除く。)。
【請求項2】   癌が、肺癌、大腸癌または卵巣癌である請求項1記載の癌治療剤。
【請求項3】   肺癌が、肺扁平上皮癌または肺腺癌である請求項2記載の癌治療剤。
【請求項4】   さらに、インターフェロン-αまたは抗CTLA-4抗体と組み合わせることを特徴とする請求項1記載の癌治療剤。
【請求項5】   さらに、化学療法剤と組み合わせることを特徴とする請求項1記載の癌治療剤。
【請求項6】   さらに、癌抗原と組み合わせることを特徴とする請求項1記載の癌治療剤。
【請求項7】   PD-1抗体が、完全ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体である請求項1記載の癌治療剤。

 こちらは広く癌治療剤で,かなり広いクレームですね。

 両者ともPD-1抗体にポイントがあります。上記のとおり,私はこの分野詳しくないのでよくわからないのですが,技術のポイントは,癌だとかウィルスとかの変な奴(抗原)にくっつくやつ(抗体)で,そのうちモノクローナルということで,単一の種類だけを産生するという所にあるようです。

 とは言え,相手方のメルクのキートルーダがどのような組成なのかようわかりませんので,無責任な通りすがりとしては,このくらいの所が限界です。続報を待った方が良さそうですね。

 


 
1 11/25の金曜にやるセミナーまでちょうどあと一ヶ月となりました。詳しくは,こちらをご覧ください。

 そして,主催者の情報機構の方から,既に申込者は最小定員確保できたため,開催は正式に決定したとの連絡が入りました。いやあ良かった良かった。今年はやったことが無駄になることが多いですからねえ~♬

 で,内容ですが,レジメも大体作成できました。細部の詰めは残っておりますが,当日話すことは決まったかなって感じです。

2 で,今回,フィンテック関係のことを多目に話そうかなあと思っています。

 弁護士の業界でも今フィンテックはホットイッシューの一つですが,それは,既存の業法に関連して,ここまではOKだとかこれはやっちゃいかんとか,そりゃ弁護士に聞かないとね~みたいな話になっているからです。

 なので,こりゃ良い金づるじゃあということで,大手の法律事務所とかも本を出したりセミナーやったりと,前のめりでやっているわけですね。

 で,今回私がセミナーで話すことは当然こういう話ではありません。そんな同じことをやってもしょうがありませんし,それにお題は,知財・特許ですしね。

 どういうことかというと,折角の知財・特許なんですよね。知財・特許には業法ほどの縛りはないのです。まだわかりませんかね。

 例えば,画期的なビジネスモデル(フィンテック分野でも何でもいいのですが。)を考えたベンチャーがいるとします。勿論,特許出願もできそうな感じです。
 ところが,その画期的なビジネスモデルは,日本では業法の規制があって,しかもそれが10年単位で規制緩和できそうにもない!って場合です。よくあるパターンじゃないでしょうか。

 さあどうしますか?これは日本ではしばらく無理そうだねえ。じゃあそういう意見書を書いてもらって終わりにしますか~。

 それじゃあ弁護士の発想ですね。
 業法があるのは日本ですよ。ですので,そんな業法のない外国を調べて,そういう所でやればいいのです。

 で,ここからが重要ですが,そのときに,特許出願をやるのです。しかも日本で。

 いやいやいやいや,外国でそのビジネスモデルやるんでしょ。その外国で特許出願すりゃあいいんじゃないの?って思うでしょうね。
 確かにそれはそうなのです。でもねえ。仮にその外国がアメリカで,アメリカでの特許出願するとして,すぐにできますか?

 今すぐ,日本に特許出願できるからってアメリカへの出願は結構準備がかかります。一番大変なのは,翻訳です。
 でも日本に出願すれば,優先日を確保できます。これが重要です。

 世の中,今年の4/1から施行された改正特許法の目玉が職務発明の改正だけだと思っていませんかね。ノンノンノン~。
 実は,特許法38条の2以降に,出願手続に関し,一定程度の緩和を規定した条文ができたのです。ですので,日本に関しては別に特許取れなくてもいいや~兎に角出願日確保!という目的にも結構叶うようになっているのですね。

 そういう細かいことまで知っているわけですよ。弁護士の資格だけで弁理士にも登録したとか,特許出願のことしかわかりませんっていう弁理士とは,レーベ~ルが違うんだよ~(外道&オカダ風)。あ,こんな余計なことを言わなきゃもっと客も来るって?そりゃごもっとも。

 ま,兎も角も,ご興味のある方はよろしくお願いします。講師割引もありますのでね。

3 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。
 本日はここ目黒川にかかる田道橋に来ております。
 
 昨日につづいて,コイキングの登場です。水辺だとよく現れます。

 さて,昨日はまだましだったのですが,今日は寒いですね~。上着があっても結構寒いです。風もそうですが,全体的に気温が下がっているという感じがします。

 まあカレンダーをよく見ると,10月も実質最終週。となるとあと2ヶ月で今年も終わりってわけですよ。そりゃ寒くなりますなあ。

 去年の冬は暖冬というか雪が全く降らずにスノーボードの予定が非常に難しかったですが,今シーズンはどうなんでしょ。
1 概要
 本件は,平成22年3月24日,発明の名称を「アモルファス酸化物薄膜の気相成膜方法」とする特許出願(特願2010-68707号。優先権主張:平成16年3月12日,同年11月10日。日本国。)をし,平成22年8月20日,設定の登録(特許第4568827号)を受けた被告(JST)に対し,原告(半エネ研)が,平成26年8月28日,本件特許の請求項1ないし5に係る発明について特許無効審判を請求し(進歩性欠如など),無効2014-800138号事件として係属した所,特許庁は,平成27年7月28日,不成立審決を下したため,これに不服の原告が,審決取消訴訟を提起したものです。

 これに対して,知財高裁4部(高部さんの合議体ですね。)は,原告の請求を棄却しました。要するに,審決のままでよしってことです。

 おっと久々の特許の判決の紹介です。しかもちょっとマジ系。
 本来は,後継ブログでの紹介が適当とも思えるのですが,このブログのネタの3つの柱は何でしったけ?
 そう,他人の悪口,金の話,そして私のプチ自慢でしたね。今回は一番最後のプチ自慢かなあという所で,紹介です(なお,代理人じゃないですからね。)。

 クレームは以下のとおりです。
【請求項1】結晶化したときの組成が,式InGaO3(ZnO)m(mは6未満の自然数)で示される酸化物薄膜のパルスレーザー堆積法又は高周波スパッタ法を用いる気相成膜方法において,/該酸化物の多結晶をターゲットとして,基板の温度は意図的に加温しない状態で,電気抵抗を高めるための不純物イオンを意図的に薄膜に添加せずに,酸素ガスを含む雰囲気中で基板上に薄膜を堆積させる際に,/成膜した薄膜の室温での電子キャリヤ濃度が10^16/cm3以下となる大きさに酸素分圧の大きさを制御することによって,室温での電子移動度が0.1cm2/(V・秒)以上,かつ電子キャリヤ濃度が10^16/cm3以下である半絶縁性である透明In-Ga-Zn-O薄膜を成膜することを特徴とするアモルファス酸化物薄膜の気相成膜方法。

 ま,要するにIGZOの形成法ですわ。

 で,主引例(引用発明1。後述のとおり,主引例はもう1つあります。)との一致点・相違点は以下のとおりです。
イ 本件発明1と引用発明1との一致点及び相違点
(ア) 一致点
酸化物薄膜の気相成膜方法において,酸素ガスを含む雰囲気中で基板上に薄膜を堆積させる際に,成膜した薄膜の電子キャリヤ濃度を減らすように,酸素分圧の大きさを制御する,透明酸化物薄膜を成膜する酸化物薄膜の気相成膜方法。
(イ) 相違点1-1
成膜する透明酸化物薄膜が,本件発明1では,「「該酸化物の多結晶をタゲットとして,基板の温度は意図的に加温しない状態で,電気抵抗を高めるための不純物イオンを意図的に薄膜に添加せずに」行う「パルスレーザー堆積法又は高周波スパッタ法」」によって成膜した「「結晶化したときの組成が,式InGaO3(ZnO)m(mは6未満の自然数)で示される酸化物薄膜」であって,「成膜した薄膜の室温での電子キャリヤ濃度が10^16/cm3以下」,かつ,「室温での電子移動度が0.1cm2/(V・秒)以上」の「半絶縁性である透明In-Ga-Zn-O薄膜」である「アモルファス酸化物薄膜」」であるのに対して,引用発明1では,「スパッタ法」によって成膜した「「従来透明電極として用いられていた,酸化物の透明導電膜である,ITO膜」であって,「キャリア濃度を10^18個・cm-3以下」に制御した「ITO膜」」である点。
 
 何がポイントかというと,引用発明はITOなのですね。この時点でよく分かっている人は,こんなんで無効にできるわけないじゃんと思えるでしょうね。

2 問題点
 取り敢えず進歩性だけを取り上げます。
 まあ,最近はあんまりやっていませんが,このブログをよく見ていた人にはわかると思います。
 
 進歩性の論点ははっきり言って2つしかありません。ひとつは,引用発明の事実認定の間違いです。もうひとつは法的判断(容易想到性)の間違いです。

 で,更に言うと,この2つの論点は同じ起源なのですね。要するに,遠い引用発明しか探せなかったのに,強引に認定・判断した場合です。

 つまり,どこにもそんなこと載っていないのに,載っている!と認定してしまったのが前者です。
 他方,そこはいいのですが(ということは,かけ離れた引例なわけです。),にも関わらず動機づけできる!と判断してしまったのが後者です。

 他方,そういうことがない場合は(近い引例を探せて無効の場合と遠い引例しか探せず有効の場合),極めてスムーズに事が運ぶというか,そのまま行くわけですね。

 で,今回は,極めてスムーズに事が運んだわけです。

3 判旨
「(ア) 原告は,引用例1ではITOを例に説明しているが,請求項1及び2が組成を限定していないことからも明らかなとおり,引用例1に記載された発明は,ITOに限定されるものではなく(【0016】,【0019】,【0021】,図2),また,引用例1には,請求項1及び2をITO以外の酸化物に適用することの妨げとなるような記載も存在しないから,引用例1には,ITOに限られない酸化物薄膜に関するより上位の発明,すなわち,原告主張の引用発明1が記載されている旨主張する。
 しかし,請求項1及び2の記載は,薄膜トランジスタの半導体層の組成を限定するものではないものの,請求項1には,半導体層の伝導帯と価電子帯とのエネルギバンドギャップが3eV以上で,前記半導体層を透光性膜としたことを特徴とする薄膜トランジスタが,請求項2には,半導体層のキャリヤ濃度が10^18個・cm-3以下で,かつ前記半導体層を透光性膜としたことを特徴とする薄膜トランジスタが,それぞれ記載されているにすぎず,特定の金属元素を含む,エネルギバンドギャップが3eV以上であって,かつ電子キャリヤ濃度が10^18個・cm-3以下である透明半導体酸化物薄膜の成膜方法を記載するものではない。そして,【0019】の記載も,ITOなどの酸化物の透明導電膜について,酸素量を変化させることにより膜の導電率を変化させるという方法及びその原理を,一般論として説明するものにすぎず,特定の電子キャリヤ濃度(10^18/cm3以下)を有し,かつ特定のバンドギャップエネルギー(3eV以上)を有する,半導体である酸化物薄膜の成膜方法について開示するものではない。さらに,【0016】は,実施例1について,半導体活性層8となるITO膜を着膜させる成膜方法を記載したものであって,ITO膜以外の酸化物薄膜の成膜方法を記載したものではないし,図2も「ITO膜の抵抗率のスパッタ時の酸素濃度依存度を示す図」であって,ITO膜以外の酸化物薄膜について,抵抗率のスパッタ時の酸素濃度依存度を示すものではない。
 そして,酸素量を変化させることによりどの程度キャリヤ濃度を低下させることができるか,導電率を変化させた膜が半導体活性層として機能するかは酸化物の種類により異なるものではなく,ITO膜以外の酸化物薄膜についてもITO膜と同一の性質を示すということが,当業者の技術常識であったことを認めるに足りる証拠はない。
 したがって,引用例1に,ITO膜について,酸素ガスを含む雰囲気中で基板上に薄膜を堆積させる際に,成膜した薄膜の電子キャリヤ濃度が10^18/cm3以下となる大きさに酸素分圧の大きさを制御することによって,電子キャリヤ濃度が10^18/cm3以下である半導体であるバンドギャップエネルギーが大きな(3eV以上)の透明酸化物薄膜を成膜する方法が開示されているからといって(【0013】,【0015】,【0016】,【0019】~【0022】),ITO膜以外の酸化物薄膜についても同一のことが開示されているなどということはできない。
 以上によれば,原告の上記主張は,理由がない。」

4 検討
 原告の方は,もう一つの主引例でも無効を主張するのですが,こちらはZnOです。

 ZnOでもITOでもいいのですが,こりゃIGZOと全然違いますよね。
 ITOは導電率つまり電気抵抗が低すぎるわけです。キャリヤ濃度が大きいのですかねえ。だからこそ通常透明導電膜として使われているわけです。TFTのチャネルとして使うなんてのはまああり得ないでしょうね。
 他方,ZnOはチャネルに使われる膜として一世を風靡したこともあったのですが,後発のIGZOの方が性能がいいんじゃねのってことで,今やちょっと・・・て感じです。
 ということは,性質も随分違うってことで,この引例でIGZOを潰すには難しいでしょうね。

 ま,今回の記事はプチ自慢ということでしたが,この辺の技術については,いまだよく分かっておるわいっちゅうプチ自慢でしたね。弱火でしたな。

 さて,この出願は,2004年のものですが,その時期,IGZOを出願等したのは,このJSTのグループだけだったのでしょうね。勿論,発明者の中には,東工大の細野秀雄先生も含まれております。

 そう言えば,IGZOといえば,ちょっと前JSTとシャープとの間で,商標の紛争があったりしました。他方,シャープのIGZOと言えば,半エネ研と共同開発したものですよね。

 ですので,原告の半エネ研がやっきになってJSTの特許を潰しにかかるのは分からないでもないですが,ITOやZnOの引例だと難しいでしょうね。

 まあこういうのは論文を探すのが手なのでしょうね(案の定,この特許は応物学会の発表の新規性喪失の例外を申請しております。)。同じ発明者での直前の学会の発表などが一番良いのではないでしょうか。
 ま,大手の事務所が代理人しているようなので,そういう所は全部探したかもしれませんニャ~。

 ところで,この原告の半エネ研,知る人ぞ知るっていう会社です。私はソニーで液晶をやってましたので,知るも知らないもって,ゴホンゴホンですわ(そう言えば,半エネ研とJDI,提携したのですねえ。いやあ感慨深い。)。
 韓国への出願とか非常に多いですからね。特許の世界に居て,この会社を知らないと,あんたちゃんと仕事してんの~くらいの会社ですわな。これ豆知識。

 なお,同じ親から分割されたと思われる別の特許(これと似たようなものです。)についても無効審判が請求され(やはり不成立審決),審決取消訴訟が提起されておりますが,やはり請求棄却の判決が同日に出ております。
1 これは本日朝刊の日経の記事です。13面の企業総合面ですので,それほど大きい扱いではありません。

 実は,本日の日経の1面!が民事執行法の改正に関する件だったので,こっちにしようかなと思いましたが,へそ曲がりなのでやめました。
 でも,重要な話ですよ。私は個人的に民法の改正よりも,民事執行法の改正の方が遥かに重要だと思っております。
 ところが,早くても2018年の法改正らしくて,ガーンって感じです。とは言え,このとおりに改正されると,弁護士会照会の必要性が低くなり,ますます弁護士会の存在意義も無くなりますけどね。

 まあいいや,シャープの知財管理の話に戻ります。
特許自体はシャープが引き続き保有するが、知的財産の管理を新会社に委託する。鴻海グループの知財管理ノウハウを生かして知財や関連人材の有効活用につなげる。」とのことです。

 この話聞いたときに,アレどこかで似たような話を聞いたぞ,と思った方も多いのではないでしょうか。そう,パナソニックのやつです。

2 パナソニックのはもう一昨年になるのですね。

 この記事は,かなり人気のある記事でいまだによく閲覧されております。

 このパナソニックの外出しスキームは実によく練られたものです。
 通常,パナソニックのような明細書を内製している会社が外出しすると,弁理士法違反の虞が出てくるのですが,それを非常にうまく回避しているわけです。
 
 ところが,シャープの場合若干状況が異なります。要するに,シャープは元々内製の会社じゃないのですね。ちょっと古いデータですが,私がよく見る暇人弁理士のためのIPIブログさんからのデータだと,シャープは殆ど内製していません。

 ですので,パナソニックほどの深謀遠慮は必要なく,単なる知財部の外出し!ってわけです。
 まあだって,シャープは経営再建中なんだから,知財部もリストラされないかってえと,そうじゃないでしょうからね。

 それに,知財コンサルタントさんたちの胡散臭い思いとは裏腹,知財部の社内での地位は低いらしいですからね(by日経の2016/7/9付朝刊)。ボヤボヤしているとリストラされちゃうって所ですよ。

 いやあ,耳の痛い話は聞きたくない,口に苦い薬も飲みたくない,って気持ちもわかりますが,本業の地盤低下と一緒に知財部もそのうち吹っ飛んじゃうんじゃないですかね~。
 私はいっぺんは忠告しましたからね,あとは知らねっと。
1 概要
 本件は,相手方と抗告人らとの間のさいたま地方裁判所川越支部平成26年(ワ)第215号損害賠償請求事件(基本事件)について,同裁判所が,平成28年6月13日,「本件訴訟を東京地方裁判所に移送する。」旨職権で決定したところ,抗告人らが,「原決定を取り消す。」旨の裁判を求めて,知財高裁に対し抗告を申し立てた事件です。
 抗告の理由は,要するに,基本事件は,民事訴訟法6条1項の「特許権に関する訴え」に該当しないというものです。

 これに対して,知財高裁4部(高部さんの合議体ですね。)は,原決定を取り消しました。つまり,「特許権に関する訴え」に該当しないというわけです。

 ま,民訴法6条1項の「特許権に関する訴え」の解釈問題なので,どっちかというマジメ系の事件です。なので,本来後継ブログマターかなと思うのですが,技術的な話が基本無いので,こちらで紹介することにしました。

 ですので,中身としては大したことない話です。

2 問題点
 問題点としては,上記のとおり,民訴法6条1項の「特許権に関する訴え」って何?ってことです。
 
 勿論,特許権侵害訴訟,つまり特許権に基づく差止請求と,不法行為に基づく損害賠償請求(特許権侵害が不法行為)の2大類型がこれに含まれることは確かでしょう。

 あとは,不法行為に基づく損害賠償請求が時効割れした不当利得返還請求も含んでよいと思います(本質は特許権侵害ですからね。)。

 そして,これらの不存在確認請求も含んでよいと思います(本質は特許権侵害ですからね。)。

 さらに,職務発明の相当対価請求(いまや相当利益請求ですかね。),これもいいでしょう。

 最高裁のウェブサイトの東京地裁の知財部のページによると,今まで述べた類型については,文句無く,「特許権に関する訴え」らしいです。

 じゃあこれ以外に無いかね?ってことは思います。

 例えば,ライセンス契約がこじれて,デフォルト(債務不履行)があったの無かったのってどうでしょうね?
 これだったら,含んでもいいような気がします。

 他方,国際特許取得とかいうフライパンを買って,油料理を作っていた所,持ち手が取れて酷いやけどを負った,国際特許という謳い文句に惹かれて買ったのだから,これも「特許権に関する訴え」か?ってなると,かなり遠いですね。

 ですので,どのくらい「特許権・・・」がメインか,これで決まるのだと思います。

3 判旨
「(6) さいたま地方裁判所川越支部は,同年6月13日,基本事件を東京地方裁判所に移送する旨職権で決定した。その理由は,抗告人X1が新規開発したと述べていた消火剤の製造方法は,訴外会社の有する特許権を侵害するから,相手方を含む第三者が特許権者の許諾を受けずに実施することはできないのに,抗告人らが,これを秘して,相手方に対し,海外での販路拡張を目的とする消火器の商品サンプルを国内で作るために製造機械を売却したことは欺罔行為に当たる旨の相手方の主張を,抗告人らが争っているから,基本事件は,「特許権に関する訴え」(民事訴訟法6条1項)に当たり,東京地方裁判所の管轄に専属するというものである。
2 民事訴訟法6条1項の「特許権に関する訴え」に当たるか否かについては,
訴え提起の時点で管轄裁判所を定める必要があり(同法15条),明確性が要求されることなどから,抽象的な事件類型によって判断するのが相当である。そして,同法6条1項が,知的財産権関係訴訟の中でも特に専門技術的要素が強い事件類型については専門的処理体制の整った東京地方裁判所又は大阪地方裁判所で審理判断することが相当として,その専属管轄に属するとした趣旨からすれば,「特許権に関する訴え」は,特許権侵害を理由とする差止請求訴訟や損害賠償請求訴訟,職務発明の対価の支払を求める訴訟等に限られず,特許権の専用実施権や通常実施権の設定契約に関する訴訟,特許を受ける権利や特許権の帰属の確認訴訟,特許権の移転登録請求訴訟,特許権を侵害する旨の虚偽の事実を告知したことを理由とする不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟等を含むと解するのが相当である。
 他方,基本事件は,抗告人らの共同不法行為(詐欺)又は会社法429条に基づく損害賠償請求訴訟であるから,抽象的な事件類型が特許権に関するものであるということはできない。そして,相手方の欺罔行為に関する主張は変遷しているものの,相手方は,抗告人X1による消火器販売事業への勧誘に際し,抗告人X1の開発した消火剤が,同人は技術やノウハウを有していないのに,同人が特許を持っており,これまでの消火剤より性能がよいと述べたことや,他社メーカーの特許を侵害しないと述べたことが,詐欺に当たるなどと主張するものと解される。しかし,事業の対象製品が第三者の特許権を侵害するというだけで,当該事業への勧誘が詐欺に当たるとか,取締役の任務を懈怠したということはできないから,欺罔行為の内容として「特許」という用語が使用されているだけで,このことをもって,基本事件が専属管轄たる「特許権に関する訴え」(民事訴訟法6条1項)に当たるということはできない。また,知的財産高等裁判所設置法2条3号は,「前2号に掲げるもののほか,主要な争点の審理に知的財産に関する専門的な知見を要する事件」を知的財産高等裁判所の取り扱う事件の1つとしており,第三者の特許権の侵害の有無が争点の1つとなる場合には,専門的処理体制の整った東京地方裁判所又は大阪地方裁判所で審理判断することが望ましいとしても,それが全て専属管轄たる「特許権に関する訴え」に当たるということもできない。基本事件のように,審理の途中で間接事実の1つとして「特許」が登場したものが専属管轄に当たるとすると,これを看過した場合に絶対的上告理由となること(民事訴訟法312条2項3号)からしても,訴訟手続が著しく不安定になって相当でないというべきである。
3 したがって,基本事件は,「特許権に関する訴え」(民事訴訟法6条1項)に当たらないというべきであり,東京地方裁判所の専属管轄とは認められない。」

4 検討
 まあ,特許権が出ても,論点の一部にすぎないときは,「特許権に関する訴え」(民事訴訟法6条1項)に当たらないというわけです。

 従前,結構緩やかに解していたと思います。
 というのは,専属管轄の違反は,上記の判旨のとおり,絶対的上告理由になりますが,専属管轄でないもの(今回のように特許権がメインじゃないやつ)を東京地裁等で扱っても別に~ですからね。。

 とすると,基本木端役人たる裁判官がどう考えるか,答えは簡単です。 
 それっぽいものは,全部「特許権に関する訴え」(民事訴訟法6条1項)に当たる~とするインセンティブバリバリです。

 東京や大阪以外の地裁で「特許権」と出ると,もううちの管轄じゃありません,これはもう東京(大阪)でやってもらってください,ってなるわけです。
 あー格好わりい。

 ま,でも高部さんの美意識からすると,何でもかんでも東京に送るんじゃねえよ,ってことなんでしょうね。

 でもよく考えると,別に東京や大阪に何でもかんでも送っていいのでは?と思います。

 例えば,私もときどき,知財関係の訴訟の弁論準備手続などのために東京地裁の3Fに行くのですが,大体シーンとしていますね。
 たまにデカイ事件に出くわすこともありますが(有名弁護士が居るのですぐわかります。そういう場合,お伴も多いし,企業関係者も多いです。当然両当事者そんな感じなので,3Fの廊下に溢れ出ています。),そんなの例外です。

 逆に知財部じゃない普通部の方が人が居るって感じがしますし,さらに,労働部とか交通部とかもうこんなもんじゃないです。

 え?知財部の事件が労働部や交通部に比べて複雑高度なんだ,だから一つの事件で数倍の労力がかかるって?
 何バカなこと言ってますの~,労働事件や交通事故の事件って凄く複雑で高度でっせ,知財のことしか知らない弁理士だってもっと気の利いたことを言いますぜ。

 日本全国(と言っても東京と大阪)で一年に提起される特許権侵害訴訟って,200件程度/年です。なので,東京だけだと,百数十件程度です。東京の知財部は4か部ありますので,4で割ると1部当たり,40件弱となります。

 とすると,1週間に1件,新件が来るか来ないか程度しか,特許権侵害訴訟の事件はない!ってことになります。
 まあ勿論,特許権侵害訴訟以外の他の知財の事件も来ますが,それがこの10倍あるというわけではありません。せいぜい,同数程度です。
 つまり,現状の東京地裁では,1週当たり,特許権侵害訴訟が週に1件あるかないか,それ以外の知財の事件も1件あるかないかのレベルです。

 まあ別に訴訟が多ければ良いってもんでもないでしょうが,知財立国なんたらかんたらじゃなかったでしたっけ?
 さもなければ,そもそもリソースの無駄遣いとも言えますよ。例えば,4か部を2か部にするとか,専属部ではなく集中部にするとか,ね。

 つーことで,だから別に東京や大阪に何でもかんでも送っていいのではって思えます。事件数が少ないんだから,多少送っても何でもねえでしょ,え!そうでしょってことです。

 ですので,やはり面白判決(決定ですけどね。)で良かったのだと思います。
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