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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 さて,いつの間にかもう2月。一昨日の東京は春のように暖かく,他方,昨日は真冬で,今日はそこそこ過ごしやすいと思います。

 さて,AIといえば,今や人工知能のことですが,日経はここの所,毎日のように記事が載っています。
 で,今日の電子版の方には特許の話もあるそうなので,その関係に纏わることにしてみました。

2 で,ちょっと見たところ,うーん,これじゃあ何とも言えないなあって感じです。何故かというと結果だけです。
 しかも各国特許庁ごとのデータがあったり,全部一緒くたのデータがあったりと,よく読まないと誤解してしまいます。

 しかもAI関連というだけで,特許分類だとかキーワードとか,その辺がはっきりしませんので,検証のしようもない!って感じです。
 ま,特許分類とかキーワードとかは,このデータを出したアスタミューゼさん(私も知らない会社ではありません。)のノウハウでしょうから,簡単に出せないとしても・・・ですね。

 とは言え,そこそこ出願はあるのかなあって感じです。

3 で,人工知能つながりで言えば,先月(2016.12)の弁理士会の会報のパテントですが,特集が「人工知能」でした。

 私は非常に期待して,ページをめくったのですが(良いタイミングの特集じゃないですか。),もう期待倒れもいい所でした。

 いや,だってね。弁理士会の会報の特集ですよ。人工知能に纏わる特許の話だと思うじゃないですか。それが違うのですよ。

 上から,題名を書いてみましょう。
「人工知能が知財業務に及ぼす影響」
「特許品質評価及び特許からの情報抽出における自然言語処理のアプローチ」
「オープンソースソフトウエアを用いた人工知能による特許自動分類」
「AI創作物に関する著作権法上の問題点とその対策案」
「ルーラル・ナレッジマネジメント」
「人工知能によって生み出される発明」
 これで終わりです。

 足りないでしょ!足りない!

 だって,上記のやつは全部人工知能の使い方とかの話です。そんなの,上で紹介した日経とかで腐るほどやっていますよ。
 そうじゃなくて,弁理士会の会報なんだから,こういう話がないとダメでしょ。

 ・人工知能の特許出願の前後の話
   人工知能の先行技術調査→特許分類とキーワード検索のやり方
   人工知能のクレーム作成→ソフトウエア特許なので,3種類作るとか
 ・人工知能の特許出願の中間処理
 ・人工知能の特許の権利行使
   まあこれは弁護士じゃないと書けないかもしれませんが。

 こういう大きく3つの柱で,誌面を構成しないと,本来いけない筈です。ところが先月号のパテントはこういう本来メインに来るはずの記事が全く無いくせに,どうでも良い話しか載っていないのです(ま,この話もメインがしっかりしていればオマケとしては別に悪くない話とは思いますけどね。)。

 いやあパテント編集部は猛省して欲しいですね(ああクソ下らなかった~♫)。

4 最後も人工知能です。
 なので,パテントの特集読んでも人工知能が何かって全然わからないわけです。ま,一番上の日経もそうなのですが。

 じゃ,一言で言えば何かというと,「人間や生物の知的な振る舞いを模倣することで役に立つソフトウエアシステムを構築する技術である」ということになります。これでもようわからんなら,ある種のアルゴリズムってことで良いと思います。

 ま,勿論,人工知能ですので,人工であれば何でもいいわけですから,ソフトウエア関係ではなく有機物質系の系統もあると思います。でも世間で今騒がれているやつはコンピュータ関連ですからね。

 つーことで,人工知能の特許が何かというと,アルゴリズムの特許化,つまりは通常のソフトウエア関連発明と変わらない!ということになります。わかりましたかね。

 そうすると,どうなるかというと,果たして特許化するのが良いのかなあという疑問が生じます。
 だって,IBMのワトソンのアルゴリズムってわかりますか?iphoneのシリのアルゴリズムってわかりますか?グーグルの検索のアルゴリズムってわかりますか?

 わかりませんよね。
 ソースコードが開示されてませんし,クラウド上や1つしかないシステム中に存在するだけですので(市販のパッケージソフトのように手に入れることができないのです。),中身を見ることができないのです。
 要するにリバースエンジニアリングできないのです。

 私が常々言っているとおり,「知財実務のセオリー」でも書いたとおり,リバースエンジニアリングできるものは特許出願し,リバースエンジニアリングできないものはノウハウ化するというのが原則です。

 だって,グーグルの特許で書かれたアルゴリズムを,どこかの企業が,仮に真似できたとしても,真似したかどうかなんてどうやって分かりますか?リバースエンジニアリングできませんもん(ま,アメリカならディスカバリーがあるか~)。

 ま,もしかすると,パテントの特集がしょぼかったのは,実はそんなところに理由があり,特許できちんとした原稿を書ける人を見つけられなかった(要するに出願数が実は少ない)からかもしれません。

 ともあれ色んなことを考えるというのは良いことでしょう。
 
 ところで,人工知能の入門書としては,「人工知能入門」小高知宏著(共立出版)が良かったですね。上記の定義もこの本からの引用です。何か共立出版の本を久々買ったなあって気がしますが(理系の人にはおなじみですよね。),新しい技術を勉強するというのは,実にわくわくすることです。

5 追伸
 散歩用の靴ですが,昔のナイキフリーラン+2がボロボロになってきたので新しくしました。
 
 またまたナイキフリーです。5.0ですね。たまたまナイキのアウトレットに行く機会があって,安かったので,これにしました。

 しかし,正確に言うと,この5.0が散歩用になったのではなく,前の+3が散歩用になっちまったってことです。

 じゃあこの5.0は?というと,これは通勤ですね。ちょっとカジュアル過ぎるきらいものあるのですが,まあいいでしょう。最近,裁判所行くよりも,事務所で何か書いていることが非常に多かったりするので,あんまり人に会いませんからね。

 さて,このナイキフリー5.0はいつまで持つかなあ。

 


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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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