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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 私がSTAP細胞のことを書くのはこれが最初かもしれませんね。

 最初の発表のときは,正確にはわかりませんが,凄い中身だということはわかりました。だから,いっちょかみのこのブログとしては本来すぐに食付きそうなのですが,何かうーん,というのが潜在的にあったんでしょうね。
 恐らく,自然科学者の端くれだったときの名残か,それともあらゆるものを疑ってかかる弁護士としての矜持か,何かその辺のものが,これはちょっと待った方がいいとブレーキをかけたのでしょうね。

 ま,画像の間違いとかは本質的な問題じゃないのですが,先週,理研が詳細なSTAP細胞の作り方をわざわざ発表したときに,これでバンバンSTAP細胞の再現実験も出てくるんじゃねえのと思ってました。

 でもそれは違ったようですね。ま,上記のとおり,結構興味を持ってましたので,専門外でしたが(私は元々理論物理),簡単に解説しているブログなんかをはしごしてると色んなことがわかりました。まあ,変わった弁護士だこと~♪だって,しょうがないじゃなーい,こういうことって本当面白いんだもん。

 で,この方のブログで,あ,これはヤバいっちゅうのがはっきりわかりました。

 この方が指摘していた所は,理研の発表ではこんな感じです。
2. After 4–7 days of culture, the cells were subjected to a first passage using a conventional trypsin method, and the suspended cells were plated in ESCmaintenance medium containing 20% FBS.
 IMPORTANT
 (i) ESC maintenance medium consists of KnockoutTM DMEM (LifeTechnologies), 20% FBS, 1 × NEAA, 1 × Glutamine, 1 × Nucleosides, 10-4M2-mercaptoethanol, and 1000 U/ml LIF.
 (ii) FBS lots should be confirmed for suitability for use in the culture of mouse ES cells.
 (iii) We have established multiple STAP stem cell lines from STAP cells derived from CD45+ haematopoietic cells. Of eight clones examined, none contained the rearranged TCR allele, suggesting the possibility of negative cell-type-dependent bias (including maturation of the cell of origin) for STAP cells to give rise to STAP stem cells in the conversion process. This may be relevant to the fact that STAP cell conversion was less efficient when non-neonatal cells were used as somatic cells of origin in the current protocol.

  この(iii)が特に重要なようで,非専門家の下手な訳なんてということで,グーグル翻訳にかけると,こうなります。
 我々は、CD45 +造血細胞に由来するSTAP細胞から複数のSTAPの幹細胞株を確立している。調べた8クローンのうち、どれもSTAP細胞は変換処理におけるSTAP幹細胞を生じさせるするため(起源の細胞の成熟を含む)陰性細胞型依存バイアスの可能性を示唆し、再配列されたTCR対立遺伝子を含まなかったこれは、非新生細胞は、現在のプロトコルに由来の体細胞として使用した場合にSTAP細胞の変換はあまり効率的であったという事実に関連し得る

 ということらしいです。グーグルは,再配列されたTCR対立遺伝子と訳しましたが,再構成というのが,それらしい用語のようです。ま,翻訳は兎も角も,このthe rearranged TCR alleleというのが今回の論文の肝のようで,それがそもそも無かったというので,皆大ズッコケ~になったようです。

 うーん,これはまずいんじゃないの~♪と思っていたら,案の定,今日になって,メインの著作者の一人の若山教授がretractの呼びかけをしたそうですね。

2 ただ,私はだからダメ~なんて言うつもりはありません。ヴィットゲンシュタインとカール・ポパーの正当な弟子(自称)としては,これこそ自然科学ですよ。

 反証可能な論文であって,反証された,ただそれだけです。つまり間違いが間違いだってわかるこの素晴らしさ,わかりますかねえ。

 いやあ,あなたは強がってはいますが,本当は寂しがり屋ですね。10代のころに,辛い恋愛を経験し,それを思い出すこともあるんじゃないですか,って言われて当てはまらない人っていますかね。あ,9歳以下の人は当てはまらないかな~。
 誰かが,当たらない占いなんてないって言ってましたが,占星学とか占いとかが,疑似科学とか言われるのはそのためです。反証可能じゃないんだもん。

 で,私がやっているところの法律関係,つまりは法学って科学なんでしょうか?法学って社会科学と言われますが,ある法学上の命題に関し,反証できますかね。ま,反証可能かどうかそれ自体結構難しい問題もあるのですが,法学の場合は反証は難しそうですね。何つうっても,具体的妥当性が先に立ちますから,ね。
 でも具体的妥当性自体は私はそんな嫌いでもありません。非科学だからって何だって言うのでしょう。法学は科学ではない,でもそれでよいのです。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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