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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 昨日はここのところあまり行っていなかった若手の破産管財人の勉強会でした。
 言えば色々繰言になるので,ちょびっとしか言いませんが,管財人に指名されることはなくなりましたので,ヤル気も90%ダウンでちょっとサボったりしていたわけですね。それでも行ったのは,破産って管財人だけでなく,申立の方もあるわけで,その勉強です。
 
 で,夜帰ってテレビをつけて,田舎の大雨はどうなっているんだろうとNHKのニュースを見ると,いきなり変なCGで始まり,ガチムチの准教授と院生(と思われる)のドキュメントの始まり始まり〜♪要するに,CERNでのヒッグス粒子の発表があったらしいですね。

 更に,今日の朝刊も,日経紙までが,1面で最重要ニュースとして扱っておりました。いやはや凄いことになっております。
 
 ヒッグス粒子とは何か?それは私では力不足,分かりません!
 昔物理をやっていたと言ってももはや20年以上前の話,しかもやっていたのは素核の分野ではありませんからね。他のブログ等を見たほうがいいですよ。
 
2 ただ,そんな半可通なりに,今回のそのヒッグス粒子の発見?を解釈すると,物の質量の元ということらしいのですね。質量がなく光と同じスピードで飛び回っていたある種の素粒子にヒッグス粒子が水飴のようにくっつき,それが抵抗となって,質量が生じたというような話らしいです。素核の標準理論では,1964年には予言されていたとか。

 まあでも,半可通なりに思うのですが,イマイチエレガントじゃないなあという気がします。全ての粒子にまとわりついて抵抗を生むもの〜それって何かエーテルの亡霊のようにも思えます。
 
 エーテルと言っても,有機化学のやつではありません。その昔,光が波だけと思われていたころ,光波を伝搬する媒質として長い間実在すると思われていたもののことです。

 例えば,サーフィンする私にとって一番身近なのは,海の波ですが,この場合,当然,海水が媒質です。また,音も波ですが,この場合は,空気が媒質です。つまり波の場合,通常,媒質がなければ伝わらないのです。どうしてかというと,海の波でも,音の波でも,個々の海水の分子や空気の分子って,ほぼその場で上下とか左右に振動しているだけなのですね(長い距離を動くわけではないのです。)。その振動が次から次へと伝わり,これが波として伝搬していくわけです。

 ですので,光が波なら,媒質必要→それがエーテルだということだったわけです。ところが,19世紀末の物理の変革期において,地球の自転方向とそうじゃない方向で,光の速度を測って同一だったことなどから,エーテルって別に要らなくないですかね〜,しかもいかなる実験でも実在が確認できないし・・・ということで,現在の通説的考え方だとエーテルの存在は否定されております(正確に言えば,そんなもんあってもなくても同じということですかな。)。
 
 何だか,ヒッグス粒子もこのエーテルに似ているなあと思うわけです。少なくとも50年近くの間はエーテルと同じような扱いだったわけですし。
 このように書くと,いやいや今回の実験で発見されたんじゃないの?,って反論されそうですが,見出しを見て下さい。CERNの発表も,それを元にした新聞等の記事も,確定的に発見できたとは,一言も言っておりません。
 さらに,このブログでも紹介した「まだ科学で解けない13の謎」の暗黒物質の章によると,暗黒物質などというウルトラCの変則事例を持ち込まなくても,理論(しかもニュートン力学)を少し変更するだけで,暗黒物質などに頼らず銀河の動きを説明できるらしいです。
 つまり,実験(観測)と理論に齟齬があり,理論をいじれないとなると,変な概念を持ち込むのが通例なのです。銀河がこんな風にしか動けないってことは,ここに目には見えないけど,何か巨大な質量を持った物質なりエネルギーなりがあるとしか言いようがないって解釈するのです。おっと,徳川埋蔵金と同じですね。でも,本当は理論の方が間違っているのかもよ〜?そういう場合もあり得るのではないかということを頭の隅に置いておくのは非常に重要だと思いますけどね。
 
3 今回そういった事情があるにも関わらず,徳川埋蔵金のごとく,CERNが発表したのには裏の事情があると思います(タキオンを夢見たニュートリノもフライング気味の発表でしたね。)。実は数日前には,アメリカのGpが同様な発表をしました(こちらは大して話題になりませんでしたが。)。
 この分野がノーベル賞争いの最先鋭のステージになっているということは言うまでもなく,先陣争いが熾烈になっていることは明白なのですが,そういう名誉の争い(受賞できるのは,同じ研究で3人までです。今回,日本人だけでも110人も参加しております。ですので・・・。)の観点だけでなく,別の面の影響がありそうです。
 
 それはお金です。今回ヒッグス粒子の観測に使用した加速器には,5000億円から1兆円のお金がかかったということです。それなのに,何の成果も上げられないというのでは(さらには,前提の理論が間違っていましたなどとは口が裂けても言えません。),こりゃ日本だけでなく各国とも事業仕分けの対象になってしまいます。最近,世知辛い世の中ですので,こういう基礎研究にはなかなか金を出せません。もっと世の中の役に立つ研究をしろってわけです。ですので,アドバルーンが必要だったわけですね。
 
 ただ,どうなんですかね。役に立つっていうのがどれほどのものなんですかね〜。

 おそらく,本件のヒッグス粒子を初めとして,基礎物理の役に立たなさって史上最高でしょうね。数学なら,物理やその他の科学だけでなく,経済学にも応用できます。直接役に立たなそうな芸術や文学にしたって,人々に感動を呼ぶというかけがえの無い面があります。その他さまざまな学問等はありますが,基礎物理ほど役に立たないものはありませんね。

 それは何故か,結局私的な興味の追求に尽きるからです。
 宇宙の果てはどうなっているのだろう,この物をずっと細かく切っていくと最後に何が残るんだろう,基礎物理のある種の分野はただこういう個人的な原初的な興味を追求しているだけです。他人の役に立つわけがありません。
 それは,まるで,私が前に座っている女子高生のスカートの中身はどうなってんだろうな〜,全く興味は尽きないな〜と言っているのと基本同じです。
 
 と,こんなこと書くと頭の固いバカ連中が,基礎物理とエロ親父を一緒にするなと言いそうです。
 しかし,そんなことを言ってると,事業仕分けをする連中と同じ穴のムジナ,という落とし穴にハマるだけです。
 誰かに序列をつければ,逆に誰かから序列をつけられるだけなのです。女子高生のスカートの中身の研究も,ヒッグス粒子の研究も両方とも役に立たねえ,iPS細胞とかもっと世の中の役に立つやつに金をつかうべきだとなるだけです。
 役に立つかどうかなんてそもそも相対的なものです。そんなもので判断されたら,恣意的になることは明白です。
 寝たきりで身寄りのない老人なんか誰の何の役にも立っていないように見えるけれど,そういう方は強制収容所に送るべきなんですかな。究極の近代化・民主化を成し遂げた彼の国のように。
 
 私が正義とか人権とかが大嫌いなのもこういうことです。
 どれが保護すべき人権だとか,価値ある人権はこれだとか,こういうのが正義だとか,ああいうのは正義じゃないとか,誰にも判断できないし,判断すべきでもないのに,どっかの団体やどっかの自営業者は,今週の保護すべき人権トップ20〜♪今週の正義ベスト10〜♪みたいに喧伝しているのですね。きっとゲッペルスに習ったのでしょうね。
 
 まあまた議題から外れてしまいましたが,役に立つか立たないかで判断するバカどもを置き去りにして,先生方,やりたいことをやっちまえばいいんじゃないのかな〜ってことですね。全く羨ましいぜ〜このこの〜♪
 
 で,田舎の大雨はどうなったんだ?
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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