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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護土の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 知財の判決のアップはあるのですが,珍しくチェックが終わっていなくて,後回しです。いや別に昨日まで確定申告が忙しかったとか言う理由じゃないです。確定申告は先月に済ませておりますのでね。

 ま,年に数回だけある,珍しく忙しい時期というわけです。平均してもらえるといいのですが,何故かまとまっちゃうんですよね。恐らく人のやることにそんな違いはないという良い例でしょう。

2 まずは,一見ミクロの話から行きましょう。重力波の観測のニュースです。

 重力というのは,非常に巨視的な相互作用ですが(星々や私と地球との関係やら),量子論的な観点からすると,当然波なのか粒子なのかというような話も出てくるわけです。光(電波)がフォトンなら,重力はグラビトンです。ただ,でっかいスケールでの相互作用にも関わらず,なかなか検出が難しく,直接観測できた例はいままでないはずです。

 今回の観測も「宇宙が生まれた38万年後に放たれた光の名残である「宇宙背景放射」と呼ばれる電波を、南極に設置したBICEP2望遠鏡で詳しく観測し分析した。その結果、宇宙初期の急膨張によって出た重力波が、光の振動する方向に影響を与え、方向が特定のパターンを描いていることを初めて発見。間接的に重力波の存在を 確認したとしている。」ということなので,間接のようですね。あと,電波望遠鏡で,どうやって重力波が検出できたのか,この説明ではさっぱりわかりません。何らかの解説を待ちたいところです。

 で,こんな話を聞くと,26年前の今頃の,相対論と首っ引きで卒論を書いてた頃を思い出しました。
 理論の研究室なので,何日も徹夜実験ということはないですが,紙とペンで,式を導出し,それをまた確認確認しながらやっていくと時間もあっという間に経ち,目蒲線(目黒線じゃあありません。)沿いを大岡山から,下宿のあった西小山まで歩いて帰ったことなどもありました。

 卒論のころは,既に自分の実力がわかってましたので,この先研究者になるのは無理だとうっすら思ってはいたのですが,この卒論は自分では多少うまくいったということもあり,そんなに憂鬱な感じではありませんでした。

 で,折角一般相対性理論の話が出たので,私が当時勉強に使って,非常に出来の悪かった私が,色んな相対論の本を見た中で,ピカ一のやつを紹介しましょう。
 それは裳華房の「一般相対性理論」内山龍雄著です。内山先生は,私が就職したころに亡くなられたようですが,この本は私でもわかったのですから,恐らく,かなりの人はこれだけで一般相対性理論がわかります。何と言っても,特殊相対性理論を大してわかってなくてもわかるという良著です(何のこっちゃ)。

 ま,こんなブログを見ている人の中で一般相対性理論の必要性がある人なんて皆無だとは思いますが,何かのついでに一般相対性理論を勉強したいという人はこれがいいですよ,という話です。

3 次に一見マクロの話です。

 例えば,私の事務所の家賃もそうですが,家賃は前払いとなっております。つまり,4月分の家賃を3月までに支払う,というわけです。
 そうした場合,消費税は5%でしょうか?8%でしょうか?
 答え,国税庁によると8%らしいです。

 そうすると,本来,複式簿記の仕訳では,こうやらないといけません。消費税抜きで,家賃が20万円だったとします。税込の仕訳です(仮払消費税とか使わないやつ)。

 地代家賃 216,000   現金 216,000 
 借り方税区分 課税仕入れ8%

 ま,現金の方は,支払い方法に応じて変わると思います。

 ま,別に難しくないです。ところが,私の使っている会計ソフトの弥生は,4/1を迎えてないので,課税仕入れ8%が効かないのです。バカですね~♫

 で,文句がてら,どう仕訳するのか聞きました。それがこの仕訳です。

 おっと残念,ここでまた時間切れ。↔漸く復活しました。

 それは,3月と4月で二つの仕訳をするということです。

 3月中の実際の支払い時にはこれです。
 地代家賃 216,000  現金216,000
 借り方税区分 対象外

 そして,4月に入り,次の仕訳をします。
 地代家賃 216,000  地代家賃216,000
 借り方税区分 課税仕入れ8% 貸し方税区分 対象外

 簿記やっている人はすぐわかりますよね。逆の仕訳で,貸し借り相殺して,最終的に,
 地代家賃 216,000   現金 216,000 
 借り方税区分 課税仕入れ8%
の仕訳と同じ効果を導くってやつです。

 ま,これ見てやって,税務署に怒られたよ~なんて私はインデムしませんので,自分の責任でやってください。
 ま,これ見てすぐにわかる人は結構な経理のプロだと思うので,私に文句を言うことはないと思いますがね。

 ただ,念のため弥生に確認した所,ソフトを改訂する予定はないということです。あと2週間で終わりのことなのに,ソースコードをまた直し,配布用のサーバーにアップロードし,広告を打ち,バージョンアップ用の確認のHPやダイレクトメールなどを用意しちゃあ結構な手間ですね,確かに。

 でもさ~,これの件,結構問い合わせが殺到しているらしいですよ。にも関わらず,バージョンアップしないって,客をなめてるわけですよ。
 私は別に弥生の顧問弁護士でもなけりゃ,何の利害関係もありません。使いやすい良いソフトがあれば,別に弥生なんて拘る気は全くありません。さっさと捨てて,次行ってみよう~♫となるだけです。

 今回の件で,私と同じように思った人は意外と多いんじゃないですかね。

4 今回は,重力波という何か宇宙のロマンみたいな話から,来月分の消費税の仕訳の件という生きるってこういうこと!みたいな卑近な話まで,振り幅が非常に大きい話でした。

 ただ,私は別にどちらが高尚とかどっちが凄いとか言うつもりはありません。私が言いたいのは,唯一つ,こんなに色々知っている私って凄い!ただそれだけです。ムフフフ。
 なんてったって,理学修士な上に日商簿記2級ですからね。
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1 私がSTAP細胞のことを書くのはこれが最初かもしれませんね。

 最初の発表のときは,正確にはわかりませんが,凄い中身だということはわかりました。だから,いっちょかみのこのブログとしては本来すぐに食付きそうなのですが,何かうーん,というのが潜在的にあったんでしょうね。
 恐らく,自然科学者の端くれだったときの名残か,それともあらゆるものを疑ってかかる弁護士としての矜持か,何かその辺のものが,これはちょっと待った方がいいとブレーキをかけたのでしょうね。

 ま,画像の間違いとかは本質的な問題じゃないのですが,先週,理研が詳細なSTAP細胞の作り方をわざわざ発表したときに,これでバンバンSTAP細胞の再現実験も出てくるんじゃねえのと思ってました。

 でもそれは違ったようですね。ま,上記のとおり,結構興味を持ってましたので,専門外でしたが(私は元々理論物理),簡単に解説しているブログなんかをはしごしてると色んなことがわかりました。まあ,変わった弁護士だこと~♪だって,しょうがないじゃなーい,こういうことって本当面白いんだもん。

 で,この方のブログで,あ,これはヤバいっちゅうのがはっきりわかりました。

 この方が指摘していた所は,理研の発表ではこんな感じです。
2. After 4–7 days of culture, the cells were subjected to a first passage using a conventional trypsin method, and the suspended cells were plated in ESCmaintenance medium containing 20% FBS.
 IMPORTANT
 (i) ESC maintenance medium consists of KnockoutTM DMEM (LifeTechnologies), 20% FBS, 1 × NEAA, 1 × Glutamine, 1 × Nucleosides, 10-4M2-mercaptoethanol, and 1000 U/ml LIF.
 (ii) FBS lots should be confirmed for suitability for use in the culture of mouse ES cells.
 (iii) We have established multiple STAP stem cell lines from STAP cells derived from CD45+ haematopoietic cells. Of eight clones examined, none contained the rearranged TCR allele, suggesting the possibility of negative cell-type-dependent bias (including maturation of the cell of origin) for STAP cells to give rise to STAP stem cells in the conversion process. This may be relevant to the fact that STAP cell conversion was less efficient when non-neonatal cells were used as somatic cells of origin in the current protocol.

  この(iii)が特に重要なようで,非専門家の下手な訳なんてということで,グーグル翻訳にかけると,こうなります。
 我々は、CD45 +造血細胞に由来するSTAP細胞から複数のSTAPの幹細胞株を確立している。調べた8クローンのうち、どれもSTAP細胞は変換処理におけるSTAP幹細胞を生じさせるするため(起源の細胞の成熟を含む)陰性細胞型依存バイアスの可能性を示唆し、再配列されたTCR対立遺伝子を含まなかったこれは、非新生細胞は、現在のプロトコルに由来の体細胞として使用した場合にSTAP細胞の変換はあまり効率的であったという事実に関連し得る

 ということらしいです。グーグルは,再配列されたTCR対立遺伝子と訳しましたが,再構成というのが,それらしい用語のようです。ま,翻訳は兎も角も,このthe rearranged TCR alleleというのが今回の論文の肝のようで,それがそもそも無かったというので,皆大ズッコケ~になったようです。

 うーん,これはまずいんじゃないの~♪と思っていたら,案の定,今日になって,メインの著作者の一人の若山教授がretractの呼びかけをしたそうですね。

2 ただ,私はだからダメ~なんて言うつもりはありません。ヴィットゲンシュタインとカール・ポパーの正当な弟子(自称)としては,これこそ自然科学ですよ。

 反証可能な論文であって,反証された,ただそれだけです。つまり間違いが間違いだってわかるこの素晴らしさ,わかりますかねえ。

 いやあ,あなたは強がってはいますが,本当は寂しがり屋ですね。10代のころに,辛い恋愛を経験し,それを思い出すこともあるんじゃないですか,って言われて当てはまらない人っていますかね。あ,9歳以下の人は当てはまらないかな~。
 誰かが,当たらない占いなんてないって言ってましたが,占星学とか占いとかが,疑似科学とか言われるのはそのためです。反証可能じゃないんだもん。

 で,私がやっているところの法律関係,つまりは法学って科学なんでしょうか?法学って社会科学と言われますが,ある法学上の命題に関し,反証できますかね。ま,反証可能かどうかそれ自体結構難しい問題もあるのですが,法学の場合は反証は難しそうですね。何つうっても,具体的妥当性が先に立ちますから,ね。
 でも具体的妥当性自体は私はそんな嫌いでもありません。非科学だからって何だって言うのでしょう。法学は科学ではない,でもそれでよいのです。
1 ということで,本日はノーベル化学賞の発表でした。期待していた日本人の受賞はありませんでした。首記の米大学はハーバード大などのことで,内容は,化学反応のコンピュータシミュレーションですね。
 ですので,わかるっちゃあわかるのですが,あんまりドキドキ・ワクワクするような話ではありません。昨日のヒッグス粒子の方がワクワク度は大きいわけです。

 で,今年はこれで自然科学の分野は全て終わりで,残るは文学賞と,どうでも良い平和賞だけとなりました。

 私の興味もほぼこれでオシマイって感じです。

2 それで終わっちゃあこのブログらしくないので,若干ムカつくことに行ってみましょう。

 私は弁護士ですので,内容証明郵便を出す機会は結構あります。今は,e内容証明郵便というのがあるので,いちいち3枚綴りの原稿用紙みたいなやつを買ってきたり,とかの面倒なことをすることなく内容証明郵便を出すことができます。

 でも,このe内容証明郵便は,それ用のソフトがイマイチなんですね。この話は以前も書いたことがあり,要するに,64ビット版のwindows7には未対応だったのです。しかも今や8が出てきましたからね~。日本郵便はどうすんのかなあと思っていたのですが,実は,先月,ソフトがバージョンアップされました。やった~,良かった良かった?

 噂によると8対応になったということなので,これで7の64ビットにも対応か~とおもったのですが,何と8対応になったものの,32ビットのみ!だそうです。何考えてんだろうなあ~。

 大体,早さ重視なんだから,普通は64ビット版のOSにするでしょ~。8だとさらにその傾向は強いんじゃないかなあ。だから,本当,早く64ビット版のe内容証明郵便のソフトを出して欲しいですよ。
1 ということで,今日も夜の更新です。ま,ノーベル賞のこともあり,今週はこんな感じかも~です。

 で,私が最も興味のあるのは,そりゃ物理学賞に決まっています。そして,今年のノーベル賞は,大本命がそのまま,ヒッグス粒子でしたね。

 ヒッグス粒子のことは,このブログでもちょっと紹介したことがあります。まあそのときは,私にとって終生の研究対象である女子高生のスカートの中身とヒッグス粒子を比べたという,まさにこのブログらしい話だったのですが,それから1年ちょっと,結構早い受賞ですね。

 とは言え,理論は1964年の発表ですから,何と私の生まれる前!その先生方が今もご存命というのですから,やはり長生きはするもんです。ノーベル賞の受賞の第一の要件は,存命!ってことですからね。

2 ただ,相変わらずヒッグス粒子はピンと来ないというか,うーんって感じがしますね。ま,私は大学のときに理論物理学をやってたのに,結局量子力学は理解できないままだったので,致し方ないのですが。

 思い起こせば,何年前か~当時の東工大で量子力学の講義を担当していた磯親先生曰く,こんなもんかと思ってドンドン進んでいかないと,量子力学はモノに出来ない,ということらしいです。
 とは言われても,勿論数学的な難しさもありましたが,古典力学(解析力学)に比べて,??と思うことが多く,案の定モノに出来なかったわけです。

 卒論が,相対論の分野になったのは,まさに量子力学からの逃避行です。ま,相対論もそんな簡単なものではないですが,所詮は決定論ですからね。直感的な理解はある程度できるのです。

 ですので,今のヒッグス粒子とかその他の理論の話は,もはや茶飲み話ほどの理解しかできません。でも,思いますね~羨ましいなああっと。
 私ゃ頭が悪かったので,弁護士止まりでございます~♡

 ほんで,下馬評によりますと,明日の化学賞は,日本人の受賞が結構あり得るらしいですね。期待して待っておきましょう。発表は今日と同じ,夜の8時過ぎじゃないかと思います。
1 もしかすると,今年は2人のノーベル賞かも?(私は違うと思いますけどね。大本命は受賞しないというのがジンクスなので。)ということもあるので,自然科学の分野が出揃ったついでに,まとめです。

 ・医学生理学賞 山中伸弥教授と英国のジョン・ガードン博士
 受賞対象は,体の細胞を人為的な操作で多能性細胞に戻すことができることの発見だそうです。

 ・物理学賞 セルジュ・アロシュ博士とデービッド・ワインランド博士
 受賞対象は,個々の量子系の測定や操作を可能にする画期的な手法の開発だそうです。

 ・化学賞 ロバート・レフコウィッツ教授とブライアン・コビルカ教授
 受賞対象は,Gたんぱく質共役型受容体に関する研究だそうです。これだけはピンと来なかったのですが,要するに麻薬をやると何で気持ちがいいのか~ということに関するものらしいですね。

 ともかくも皆さんおめでとうございます。ちなみにここまでの受賞の最年少は,やはり山中先生のようです。

2 まあ数日前にも書きましたが,あとはどうでもいいものですね。

 そりゃ日本人が取るとめでたいですが,文学賞にしろ平和賞にしろ,受賞の理由ってよくわからないじゃないですか~。平和賞なんかモロそうですよね。日本人も過去一人だけいましたが,何で??というところなんでしょうか。法曹の間では,指揮権発動の件の方が有名だと思いますけどね。

 文学賞も,よくわかりませんね。自然科学の賞に何故権威があるかというと,そりゃ客観的に測れるからですよね(研究対象でなく研究の価値をね。ま,相対主義者からすると,そうではないってことになるんでしょうけど。)。科学のそれぞれの分野で,誰が一番だ~,どんな成果を上げた~,というのは,ある程度測ることができますもんね。

 でも,芸術でもある文学の価値って,誰かが測ることなんてできるんですかね。一番売れた本~?じゃあハリーポッター?JKローリング?何かに影響を与えた本?何かって何よ,ある人には凄く影響を与えたかもしれないけど,またある人には全く影響を与えない場合だってあるかもよ,だって芸術って,本当に相対的なものじゃないかなあ。しかも言語の問題が憑き纏うし,日本語で書かれたものが,英語に翻訳されると,やっぱりそれは違うものですよね~,法的にも二次的著作物となるくらいだもん。

 とは言うものの,早めに日本人の作家が受賞して欲しいとは思います。勿論,上記のとおりなので,かなりひねくれた理由からですよ。それは,存命中の日本人のノーベル賞作家の活動を見るにつけ,言わずもがなってところですかね~♫
1 先週までは結構夏の気配もあったのですが,本日は本当肌寒い週の始まりです。そして,今週は,ノーベル賞ウィークでもあります。

 医学生理学賞を皮切りに,物理学賞(本日),化学賞(明日),と発表が続きます。まあ文系の賞(文学賞,平和賞)はどうでもいいとして(あと,念の為書いておきますが,経済学賞などという賞はノーベル賞にはありませんので。うそーと思った方は,検索してみるといいと思います。),自然科学の分野は要注目ですね。

 そして,昨日の午後6時半,今年の医学生理学賞を京大の山中教授が受賞したという発表があったそうです。そうですと,書いたのは,休みの日だったので,眠気との戦いに負けたのですね。今朝のテレビを見て,おおそうだったのか,それはめでたいと思った次第です。

 ともかくも,おめでとうございます。

 まあしかし,ノーベル賞というのはイケズというか,去年,大本命と言われていたときには受賞できず,今年,やっぱり評価が固まってからだよなあみたいな雰囲気になって受賞するというのはよくわかりません。というのは,去年と今年で何が違うんだろう,大して変わらねえじゃんと思う次第だからです。

 とはいうものの,おめでたいことには変わりありません。

2 さて,私の仕事との関係でいうと,弁理士会はこの受賞対象となったiPS細胞の特許出願に会をあげて力をいれております。やはり,一番手は山中先生かもしれませんが,その後のアメリカ勢の追い上げが凄いのですね。

 物理学賞の対象となる基礎的なやつは,応用がなくお金にならないので,ヒッグス粒子の発見?のように各国力を合せてやるというインセンティブがあります。
 ところが,今回のiPS細胞は,はっきり言ってノーベル賞なんてどうでもいいのです(ノーベル賞の賞金ってせいぜい数千万円ですので。)。これが薬になったり,治療法として確立すれば,それこそ,数千億円,下手したら数兆円レベルの市場となるわけです。
 そうなった場合,又はそういうふうにするためにも,特許というのが非常に重要なわけですね。ですので,今や特許競争の段階にあると思います。

 弁理士会では,そのように力を入れておりますので,色んな講演などもやっており,私もたまに聞きにいきます。
 そのあるときの講演では,山中先生の最初の実験,体細胞に4つの遺伝子を導入したところ,iPS細胞になったというのを契機として,いや3つの遺伝子でも足りる,その4つだとガン化の虞が高い,こっちの違う4つだとガン化の虞が低い,など,その後の成果というか発見は日進月歩で,まさに,スマホ技術の進歩とあんまり変わらないなという気もしました。

 さらには,現在の日本では,人に対する治療法では,特許はとれないのですね。これは医療は仁術であるなどという伝統から,医者が治療等をしているときにいきなり差止が来るなどというのでは,そりゃおかしいじゃんということによるものです(特許法29条1項柱書の産業上利用性がない。)。
 ですので,山中教授が近時特許を取ったというがありましたが,iPS細胞そのものの物の発明として,又はそれを製造する製造方法の発明として,特許をとったんだろうと思います。

 他方,私が大反対のTPPですが,これに加入すると,人に対する治療法も特許の対象とせざるを得なくなります(少なくとも,アメリカがその要求をしていますので。)。もちろん,iPS細胞を使った人に対する治療法も特許の対象となるわけです。
 こうなると,例えば,現在山中教授が特許に対して有している方針(自分ができるだけ基本特許から応用特許まで取得し,これを安く広くライセンスして,難病患者の治療を促進するという方針)を保てるかどうかわかりません。
 というのは,アメリカは現在でも人に対する治療法を特許の対象としており,日本でもそれが解禁されると,アメリカの製薬会社等が一気に入り込む可能性が高いからです。そうなったら,突然自宅治療中の患者のところに,裁判所から送達がやってきて・・・,これ妄想だと思いますか?
 
 山中教授のノーベル賞とTPP,両者は縁もゆかりもないような話ですが,実に深く関連しております。そして,山中教授自身もよくわかっていると思います。
 わかっていないのは,何でもかんでもアメリカに差し出せばいいと考えているアメリカポチの連中ですかね~。経済界には多いでしょうが,法曹界にも結構多いからなあ。私が安倍さんをマシなんだけど,ここがイマイチだなあと思うのは,そこなんですよね。

 おっと,おめでたい話題から,きな臭い話題に,いつものことなんですけどね。

3 さて,本日は,私が毎年一番注目している物理学賞の発表です。
 昨年は宇宙の加速膨張,一昨年はグラフェン,3年前はCDD,4年前は光ファイバー,5年前は南部先生らの対称性の破れ,ですね。ここ数年,基礎物理学が連続して受賞するということはないので,今年は応用系,デバイス系でしょうね。
1 昨日はここのところあまり行っていなかった若手の破産管財人の勉強会でした。
 言えば色々繰言になるので,ちょびっとしか言いませんが,管財人に指名されることはなくなりましたので,ヤル気も90%ダウンでちょっとサボったりしていたわけですね。それでも行ったのは,破産って管財人だけでなく,申立の方もあるわけで,その勉強です。
 
 で,夜帰ってテレビをつけて,田舎の大雨はどうなっているんだろうとNHKのニュースを見ると,いきなり変なCGで始まり,ガチムチの准教授と院生(と思われる)のドキュメントの始まり始まり〜♪要するに,CERNでのヒッグス粒子の発表があったらしいですね。

 更に,今日の朝刊も,日経紙までが,1面で最重要ニュースとして扱っておりました。いやはや凄いことになっております。
 
 ヒッグス粒子とは何か?それは私では力不足,分かりません!
 昔物理をやっていたと言ってももはや20年以上前の話,しかもやっていたのは素核の分野ではありませんからね。他のブログ等を見たほうがいいですよ。
 
2 ただ,そんな半可通なりに,今回のそのヒッグス粒子の発見?を解釈すると,物の質量の元ということらしいのですね。質量がなく光と同じスピードで飛び回っていたある種の素粒子にヒッグス粒子が水飴のようにくっつき,それが抵抗となって,質量が生じたというような話らしいです。素核の標準理論では,1964年には予言されていたとか。

 まあでも,半可通なりに思うのですが,イマイチエレガントじゃないなあという気がします。全ての粒子にまとわりついて抵抗を生むもの〜それって何かエーテルの亡霊のようにも思えます。
 
 エーテルと言っても,有機化学のやつではありません。その昔,光が波だけと思われていたころ,光波を伝搬する媒質として長い間実在すると思われていたもののことです。

 例えば,サーフィンする私にとって一番身近なのは,海の波ですが,この場合,当然,海水が媒質です。また,音も波ですが,この場合は,空気が媒質です。つまり波の場合,通常,媒質がなければ伝わらないのです。どうしてかというと,海の波でも,音の波でも,個々の海水の分子や空気の分子って,ほぼその場で上下とか左右に振動しているだけなのですね(長い距離を動くわけではないのです。)。その振動が次から次へと伝わり,これが波として伝搬していくわけです。

 ですので,光が波なら,媒質必要→それがエーテルだということだったわけです。ところが,19世紀末の物理の変革期において,地球の自転方向とそうじゃない方向で,光の速度を測って同一だったことなどから,エーテルって別に要らなくないですかね〜,しかもいかなる実験でも実在が確認できないし・・・ということで,現在の通説的考え方だとエーテルの存在は否定されております(正確に言えば,そんなもんあってもなくても同じということですかな。)。
 
 何だか,ヒッグス粒子もこのエーテルに似ているなあと思うわけです。少なくとも50年近くの間はエーテルと同じような扱いだったわけですし。
 このように書くと,いやいや今回の実験で発見されたんじゃないの?,って反論されそうですが,見出しを見て下さい。CERNの発表も,それを元にした新聞等の記事も,確定的に発見できたとは,一言も言っておりません。
 さらに,このブログでも紹介した「まだ科学で解けない13の謎」の暗黒物質の章によると,暗黒物質などというウルトラCの変則事例を持ち込まなくても,理論(しかもニュートン力学)を少し変更するだけで,暗黒物質などに頼らず銀河の動きを説明できるらしいです。
 つまり,実験(観測)と理論に齟齬があり,理論をいじれないとなると,変な概念を持ち込むのが通例なのです。銀河がこんな風にしか動けないってことは,ここに目には見えないけど,何か巨大な質量を持った物質なりエネルギーなりがあるとしか言いようがないって解釈するのです。おっと,徳川埋蔵金と同じですね。でも,本当は理論の方が間違っているのかもよ〜?そういう場合もあり得るのではないかということを頭の隅に置いておくのは非常に重要だと思いますけどね。
 
3 今回そういった事情があるにも関わらず,徳川埋蔵金のごとく,CERNが発表したのには裏の事情があると思います(タキオンを夢見たニュートリノもフライング気味の発表でしたね。)。実は数日前には,アメリカのGpが同様な発表をしました(こちらは大して話題になりませんでしたが。)。
 この分野がノーベル賞争いの最先鋭のステージになっているということは言うまでもなく,先陣争いが熾烈になっていることは明白なのですが,そういう名誉の争い(受賞できるのは,同じ研究で3人までです。今回,日本人だけでも110人も参加しております。ですので・・・。)の観点だけでなく,別の面の影響がありそうです。
 
 それはお金です。今回ヒッグス粒子の観測に使用した加速器には,5000億円から1兆円のお金がかかったということです。それなのに,何の成果も上げられないというのでは(さらには,前提の理論が間違っていましたなどとは口が裂けても言えません。),こりゃ日本だけでなく各国とも事業仕分けの対象になってしまいます。最近,世知辛い世の中ですので,こういう基礎研究にはなかなか金を出せません。もっと世の中の役に立つ研究をしろってわけです。ですので,アドバルーンが必要だったわけですね。
 
 ただ,どうなんですかね。役に立つっていうのがどれほどのものなんですかね〜。

 おそらく,本件のヒッグス粒子を初めとして,基礎物理の役に立たなさって史上最高でしょうね。数学なら,物理やその他の科学だけでなく,経済学にも応用できます。直接役に立たなそうな芸術や文学にしたって,人々に感動を呼ぶというかけがえの無い面があります。その他さまざまな学問等はありますが,基礎物理ほど役に立たないものはありませんね。

 それは何故か,結局私的な興味の追求に尽きるからです。
 宇宙の果てはどうなっているのだろう,この物をずっと細かく切っていくと最後に何が残るんだろう,基礎物理のある種の分野はただこういう個人的な原初的な興味を追求しているだけです。他人の役に立つわけがありません。
 それは,まるで,私が前に座っている女子高生のスカートの中身はどうなってんだろうな〜,全く興味は尽きないな〜と言っているのと基本同じです。
 
 と,こんなこと書くと頭の固いバカ連中が,基礎物理とエロ親父を一緒にするなと言いそうです。
 しかし,そんなことを言ってると,事業仕分けをする連中と同じ穴のムジナ,という落とし穴にハマるだけです。
 誰かに序列をつければ,逆に誰かから序列をつけられるだけなのです。女子高生のスカートの中身の研究も,ヒッグス粒子の研究も両方とも役に立たねえ,iPS細胞とかもっと世の中の役に立つやつに金をつかうべきだとなるだけです。
 役に立つかどうかなんてそもそも相対的なものです。そんなもので判断されたら,恣意的になることは明白です。
 寝たきりで身寄りのない老人なんか誰の何の役にも立っていないように見えるけれど,そういう方は強制収容所に送るべきなんですかな。究極の近代化・民主化を成し遂げた彼の国のように。
 
 私が正義とか人権とかが大嫌いなのもこういうことです。
 どれが保護すべき人権だとか,価値ある人権はこれだとか,こういうのが正義だとか,ああいうのは正義じゃないとか,誰にも判断できないし,判断すべきでもないのに,どっかの団体やどっかの自営業者は,今週の保護すべき人権トップ20〜♪今週の正義ベスト10〜♪みたいに喧伝しているのですね。きっとゲッペルスに習ったのでしょうね。
 
 まあまた議題から外れてしまいましたが,役に立つか立たないかで判断するバカどもを置き去りにして,先生方,やりたいことをやっちまえばいいんじゃないのかな〜ってことですね。全く羨ましいぜ〜このこの〜♪
 
 で,田舎の大雨はどうなったんだ?
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弁護土・弁理土
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自己紹介:
理論物理学者を目指したのはもう30年以上前のこと。某メーカーでの液晶ディスプレイのエンジニアを経て,弁理土に。今は,弁護土です。次は何かな。
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