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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。

1 先日の弁理士会の研修の講師の慰労会というわけではないですが、知り合いの弁理士の方とちょっとした飲み会を行いました。

 その際、話題になったのが、カラオケ関係の著作権の話題でした。ただ、この話、私は全然知らなかったのです。ですので、その飲み会のあと、調べたのですが、こりゃ結構深刻な話だなあということがわかりました。

 まあ大本営発表的なものは、この文化庁のHPを見ていただいた方が早いと思います。事案の緊急性が大と思えますので、自分のHP以外のリンクを初めて張りました。

  緊急のお知らせ

 

2 さて、著作権の法域では、カラオケ法理というものが有名です。それは、各自お勉強していただくとして、今回の新カラオケ法理とは次のようなことです。

 例えば、今年のノーベル化学賞をとった日本人のお二人に対し、お一方には、書で「クロスカップリング」と書いてもらい、もうお一方にはその書の下に、ベンゼン環のある反応の絵を書いてもらったとします。

 すごい、記念になりそうですね。では、あなたならこの記念品をいくらで買いますか?

 しかし、なんでも鑑定団に出したところで、せいぜい数万円が関の山でしょう。この記念品を持っていたとしても、クロスカップリングを使った工業製品、例えば、液晶や薬品の売上が入ってくるわけではありませんし、もちろんノーベル賞の賞金の一部がもらえるわけはありませんね。そりゃそうです。ノーベル化学賞をとったとはいえ、書の素人と絵の素人の書いた単なる記念品ですから、著作物としての価値は上記のとおりであり、工業製品とは全く別のものですしね。

 しかししかし、この記念品の著作権(著作物たりうることは確かだと思います。)を10000個に分割したとします(それぞれ1個の財産的価値は、数円くらいでしょうか。)。そして、それを文化庁に登録したとします。

 著作権の登録は、通常単なる対抗要件具備(著作権法77条)でしかなく、今回の場合1個1個にすると数円の価値しかないので、本来費用倒れ(手数料の方が高い。)のおそれ大なのですが、気にせず登録します。

 さらに、その後、ノーベル証券など、これにそれらしい名前をつけ、印刷屋さんに証書の印刷を頼んでおきます。

 さあ準備が整いました。この1個数円の原価の証券を100万円で売っていきましょう。数十万倍のレバレッジですね。売れたらこれは大儲けです。弁護士なんかやっている場合じゃないですね~。ただ、普通は誰もこんなの買いませんが。

 以上が、新カラオケ法理ということになります。

 最近見聞した話では、ペニーオークションとどっこいどっこいかなあという感があります。

3 消費者系の弁護士(知財系ではなく)の方は、そろそろお呼びがありそうですので、準備の程よろしくお願いしたいと思います。

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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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