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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 ネットでは色んな意味で話題になっていたユーチューブの動画のです。まずは,その動画の内容が,次に,それがユーチューブから削除されたことが,です。これはj-castニュースですが,メジャーなところではこの話配信していないのですね~変なの。
 
 私も両方に興味があり,ちょうどいいネタということで,取り上げました。
 
 動画の内容は,中山議員が衆議院の予算委員会の質問で,日銀等の話に始まり,最後に歴史の話をすると言って,旧植民地の経営状況や所謂従軍慰安婦などの歴史問題に関して,それを報道した朝日新聞の記事に何か変なところがありまっせ~とか,昔の朝日新聞にはこういう記事が載ってまっせ~とか知る人にはよく知られた話をしただけのものです。
 
 ところが,それ(NHKの放送の録画)が,ユーチューブにアップされた所,すぐに削除されたということで,また話題となったわけです。
 
2 まずは著作権の話から行きましょうか。この上記j-castニュースはちょっと違うなあと思います(上野先生のコメントも含めて)。まあ上野先生が間違えるとは思いませんが,何なんでしょうね。
 正確には,著作隣接権の問題です。むー著作隣接権って何じゃ?と思うかもしれません。その言葉は,一般にはそんな馴染みはないかもしれませんが,芸能人が印税と呼んでいるものはこれに由来する,実は馴染みのあるものです。これは実演家の権利ってやつですね。
 著作隣接権には,この他,レコード製作者の権利(レコード会社の所謂原盤権ってやつです。),放送事業者の権利(今回問題となったのは,これ!98〜100条),有線放送事業者の権利とあります。
 
 なんでこんな権利があるかというと,創作者ではないのだけど,著作物の伝達や流通に一定程度寄与する者を守れば,一層著作物が流行るよね〜♪ということで認められたものです。
 
 ということで,著作権ではないのです。
 
 ですので,ある意味不思議なことが起こります。例えば,今回問題となっている放送事業者の権利については,その放送の中身は問われません。つまり,放送自体が著作物でなくてもいいのです!どういうこと〜?と思いますよね。
 
 では,放送局の放送しているものを分析してみましょう。①まず,その放送局に著作権のある著作物です。今やっている連ドラ「純と愛」(もう佳境ですね。),大河ドラマ「八重の桜」などが代表です。②次に,その放送局に著作権のない著作物です。ロードショーの映画の放送が典型ですね。他局の再放送ドラマやアニメもこの範疇でしょう。最後が,③著作物ではないため,誰の著作権もないものです。例えば,スポーツの中継です。え,スポーツ中継って何の著作権もないの?って思うでしょうが,そうですよ。だって,思想等の表現じゃないじゃないですか。
 なので,WBCの模様を東京ドームの自席でストリーム中継しても著作権違反なんかなりません。ただ,主催者との契約違反の可能性はありますけどね。だけど,まさに,この③のために,著作隣接権っていうのが設けられたわけです(色々費用を出して中継の機材を置くわ,放映権料を払うわしたのに,それが著作物じゃないとして,コピーし放題ばらまかれ放題だと,ちょっと可哀想)。
 
 今回の中山議員の質問は,上記③ではなく,②に該当しそうですね。質問は,中山議員の思想などを創作的に表現したものだからです。演説みたいなことを考えるとわかりやすいですよね。ですので,今回の動画の中身の著作権者は,中山議員であり,少なくともNHKじゃありません。
 でも,上記のとおり,放送事業者たるNHKは放送事業者の著作隣接権として,複製権(98条),送信可能化権(99条の2)を持っているので,これに基づいて,著作隣接権違反だとして,ユーチューブに削除を請求し,ユーチューブはこれに従ったというわけですね。
 
 実は結構複雑な話なのです。放送局が原告となり,零細中小のTV番組転送業者をいじめた事例が沢山ありましたよね。まねきTV事件とかロクラク事件とか,です。おかげさまで根絶やしになってしまいましたが,あのときも,著作権とともに,著作隣接権での請求も行っているのです。嫌やねえ,本当。
 
 まあでも今回の削除は適法な権利に則りやっているだけなので,致し方ないところだと思います。しかしながら,上記の報道によると,著作権者の中山議員は別に動画を削除する必要はないと思っているのですね(ついには自分のところでアップまでしたようです。中身に興味の有る方はこちらを。)。つまり,媒体と創作者の利益が相反しているのです。
 
 ここまで書くと何かピンと来ませんかね?近時,出版社が,独自の隣接権をクレクレと喧しいです。他方,漫画家や作家の方は,別に要らないし〜♪という感じのようです。
 実際に出版社の隣接権が実現すると,今回の中山議員のような事がアチコチで起きるでしょうね。勿論,出版社に言わせると,レイアウト等に結構汗かいているんだから,他社に持っていかれたり,自身でやられたりすると,それが水の泡だとなるのでしょうが,そんなのは契約で何とかすりゃあいいじゃんということも言えます。
 私は隣接権反対ですね。著作権も特許権もそうですが,基本自由にやっていいのです。やりたいことをやり,言いたいことを言うのが基本です。でも例外的にできないこともある,その一例が著作権や特許権で守られたものです。しかーし,これらは例外なんですよ!弁理士とかこの発想が逆だから面倒臭いんだよねえ。ということは,例外は小さければ小さいほどよいのです。
 
3 で,ネトウヨ弁護士としては,削除された中身にも言及しないといけないでしょう。
 
 従軍慰安婦問題というのは,そんなに古くから問題となったわけではありません。あるときにボッと燃え上がったのです。
 それが,中山議員が指摘した平成4年頃からの一連の朝日新聞の記事などです。いや,私も弁護士のはしくれですから,朝日新聞が当時伝えたかったようなことが本当だとしたら大変なことだと思いました(当時は弁護士じゃ無いけれど〜。それに最近は強制性が問題じゃないとか言い出しておりますけどね。)。

 ところが,従軍慰安婦問題の元ネタは,実はまったく信憑性のない供述に過ぎず(弁護士ならわかりますよね。),後で,作話師と呼ばれた人たちの言わば捏造だったということが明らかになりました。その上,今般,中山議員の指摘した朝日新聞の記事が典型なのですが,強制性とは全く関係ない書面(悪徳人買いに注意とか,性病に気をつけようとかの内容に過ぎず,そんなこと言ったら,東京都がエイズに気をつけようと言ったら,吉原のお姉ちゃん達も東京都の強制でやらされているのか,くらいのとんでもない話です。)をこれぞとばかりに大きく取り上げたり,検証を経ない言ったもん勝ちの供述をそのまま垂れ流すなどの破廉恥さだったのです。

 そりゃあ,売春なんて好き好んでやる人なんていますかいな。
 今でもそうだし,昔ならもっとそうです。なので,聞かれりゃ,実の親に売られたなんて言えないし,悪い日本の軍人が来たんだよね,そうだよね,辛かったよね,よしよしとなりますわな。
 
 まあ私は,いつもここで言ってますが,正義とか真実とかそういうのには別に興味はありません(興味があるのは金と女だけ~)。朝日とか日経とかスノッブでインテリぶってはおりますが,内実は東スポと同じレベルです。いや別に責めているわけじゃないですよ。つーか東スポを貶してるわけでもありません。東スポ大好きですもん。
 だって,新聞なんて所詮エンターテイメントなんだから,多少面白可笑しく,針小棒大に書いたっていいじゃないですか〜。UFOでも村山セックス電話でも,官邸に宇宙人でも,iPSで世界初でも,ついに発見最初の従軍慰安婦?!でもいいじゃないですか〜。面白いもん,売れたもんの勝ちですよ。
 
 まあでも世の中にはプロレスが真剣勝負だと思ってしまう,純粋くんというか野暮天がいるのですね。従軍慰安婦の問題もまさにそういうことです。
 某国では,像を建てたり,ロビー活動したり,何かの度に歴史を直視せよとか言ってみたりなどと大変なことですが,何ちゅうか,第二回IWGP決勝戦,蔵前国技館で暴動〜みたいなもんですね〜。

 とは言いつつもあまりにマジなので,朝日新聞も,今更,スミマセン〜これプロレスなんで〜とは言えないのでしょう。バツが悪いのはわかりますが,遅くなればなるほど言い出しづらくなりますので,早い所言っちまいなよってところですね。あ,上記の中山議員質問の最後には,朝日新聞にも来てもらおうかなあという話も出てましたので,是非国会で色んな話をして欲しいですね,ムフフ。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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