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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 首記は,日本能率協会マネジメントセンター社の,いわゆる何ちゃらの~仕方第2弾(恐らく),今度は特許の取り方に焦点をあてたものです。

2 昨日の予告のとおり,漸く発表することができました。
 私の著作,二発目です。

 前著の知財実務のセオリーは,対象者を知財部員としたものでした。そして,今回は,発明者を対象にしたものです。つまり,更に以前の私,を対象としているわけです。
 
 ですので,一言で言うと,特許明細書の書き方ということになろうと思います。ただ,専業の弁理士じゃありませんので,単なる書き方指南にとどまるものではありません。
 仕事として,特許明細書を書かなければならず,そしてそれを使わざるを得ないようなシチュエーションを前提として書いております。

 とは言え,どういう評価かは,そりゃ読んだ人に委ねたいと思います。
 テキストというのはどういうものでも開かれているものです。どんな解釈でもあり得る所です。

 ただしかし,個人的に危惧しているのは,2作目のジンクスでしょうかね。
 何でもそうですが,1作目って大体出来がいいのですね。だってそうでしょ,それまでの貯金があって,その中から良いものを選んで1作目を作るわけですから。
 ところが,2作目ってそうはいきません。ダブらないように~なんて考えてると大体スカばかりになっちゃいます。で,スカを回避しようとすると,1作目と大体同じじゃんってことになります。
 
 まあ勿論,才能のある人だったら,ダブりもなくスカでもない2作目を作ることは可能と思いますが,私のようなごく普通で,文才の欠片も無いっちゅう人だと,やはり厳しいわけです。

 なので,今回は,上記のとおり,本の対象者を変えております。同じようなことを言っても対象者が違えば,切り口は違う場合もありますので,その辺で誤魔化したというか,うまく乗り越えたというか~ですかね。

3 で,値段は,消費税抜きで2,200円です(消費税込みで,2,376円です。)。
 自分で言うのもアレですが,この内容でこの値段は相当安いと思います。

 前の本で叩かれた点は2つあります。一つは後で述べますが,タイトルです。もう一つは値段ですね。
 それが今回はかなり安くなりましたので,非常に良かったと思います。しかも私の印税はそんなに安くなりませんでした。まさにウィンウィン~です。

 どういうことかというと,印税って通常書籍代の10%がデフォーだと思うのですが,前著は,何と5%~!レクシスネクシス・ジャパンのシブチンぶりがわかります。なのに,値段は3,200円もしました。
 今回は,通常とおり,10%ですので,2200円でも,前著より多めに印税を貰えるわけです(まあもっとも全く売れなきゃ話になりませんけど。)。

 私はお金大好きなので,非常に嬉しいことです。

 ほんで,あとはタイトルです。
 前著のタイトルについては,至る所で,特許のことしか書いてねえのに,何故「知財」なんだ?!という話になっておりました。

 まず,弁解するとタイトルは私が付けるもんではありません。それは今回も,です。
 つぎに,それで何が悪い!って話です。
 ちょっと歳の食った知財部員に聞くと,昔「知財部」って何て呼ばれていたかというと,「特許部」です。勿論,商標等の仕事をその部でもしていたわけです。でも「特許部」と呼ばれていたわけです。別に呼び方が変わって仕事の中身が変わったわけではありません。
 弁理士の仕事も8割,いや9割が特許の仕事です。弁理士によっては,8割9割が商標の仕事だという先生も居るでしょうけどね。
 だけど,弁理士の仕事って大雑把に一言で何?というと,特許出願するのが仕事,でいいのではないでしょうかね。でも逆に,特許弁理士とはネーミングしないってことで。

 こんな説明で納得してもらいましたかねえ。まあ無理なら無理でもしょうがありません。だとしてもイチイチそれでどうのこうのってことはありませんから~。

 他方,今回のタイトルですが,上記のとおり,これも私が付けたわけでありません。
 で,ここが問題なのですが,前著と異なり,その付けられたタイトルに完璧に納得しているわけではないってことです(逆に言えば,ある程度は納得しているってことですけど。)。

 「エンジニア・知財担当者のための」とありますが,これは真っ赤なウソです。

 この本は,勿論,請負仕事であって,こんな読者にこんな内容で書いてくださいよ~というようなオーダーシート的なものがあるものです。実は,その際には,エンジニアや研究者向け,つまりは発明者オンリーということだったのです。
 そして,そのまま約半年,執筆したものですので,知財担当者のことなどこれっぽっちも考えておりません。

 じゃあ何故こういうタイトルになったのか?というと,それは大人の事情ですね。ま,この方が売れるから,らしいです。
 いやあどうなのよ~?って話は当然ありますが,基本私は長いものには巻かれろ~寄らば大樹の陰~ですので,まあいいか~となったわけです(ネタとして,ここでこういうことを書けば美味しいかも~♡ちゅうこともありますしね。)。

 ま,そういうタイトルも含めてこれは読者の皆さんの判断に委ねるということですね。

 あ,そうそう入手方法ですが,出版社はこちらです。アマゾンはこちらです。
 8/15には,一般書店に納品されるらしいです。なので,今のところ,アマゾンだと8/19ですけど,東京の大きい書店だとこちらの方が早いかもしれません。

 こういうのって夏休みに読む人が多いと思うのですが,どうなんですかね。遅めの夏休みの人にはギリギリ間に合ったかもしれません。

 ま,さすがにこれで本の執筆は終わりでしょうから(もうネタがない),本屋等でお見かけの際は是非よろしくお願いします。 
 勿論,感想をイチイチ私のところまで送って来なくても結構です。私が欲しいのは仕事のご依頼だけ,ですからね。ムフフフ。

4 追伸
 カバーデザインが決まったとのことです。
 こんな感じ,結構なショッキングピンクですが,まあ目立ってよいでしょう~♫
 
 ちなみに,「本当は知財担当者に読ませたくない」っていうのは私のアイデアです。
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1 取り敢えず,カテゴリーは時事にしておきましょう。本当は,書籍が良いかなと思いますが。

 本日,例の,二号の2号,無事校了~ということになりました。いやいや長かったですね。
 原稿に取り掛かったのが,去年の11月くらいからですもんね。それから初校がGWくらいに出来上がり,チェックして,二校の締めが6月末。
 それから三校が上がってその締めが今日だったというわけです。

 ま,気の早い所にはちょっとした情報が出始めているようですが,このブログでの詳細発表は明日にしましょう。ちょっと今日は忙しいのですよ。

2 で,ツールドフランスは実質的に終わりましたね。あとはパリの凱旋レースだけです。
 結局大本命のフルーム(SKY)がマイヨジョーヌそのままでした。

 バルデやウランが何とか一矢を報いるかなあと思いましたが,フルームはタイムトライアルも得意なわけで,アルプスで冒険しなかった人たちは結局フルームの後塵を拝することになったわけです。
 
 今回のツールドフランスは,4位くらいまでタイムが1分以内という混戦だったし,途中でフルームがマイヨジョーヌを失うこともあったので(アルに),もっとアグレッシブに行くチームや選手が居れば良かったのになあと思います。特に,地元のバルデね。
 自分の自転車には,リスクを取らなきゃチャンスは掴めない,みたいなことを書いてたくせに,あーもーうーんって感じですわ。

 まあ兎も角も7月の初めから3週に渡り,ほぼ毎日楽しめましたから,いいでしょう。今年はNHKBSが,毎日30分近くの詳しい番組を作ってくれましたから,それはナイスプレーでした。是非来年もやってもらいたいものです。

 日本だと,こういうのは・・・駅伝ですかね。私の地元には九州一周駅伝というのが長い間あったのですが,今はもう無くなってしまいました。
 しかし,大分県内をツールドフランスのように網羅してコースにする,県内一周大分合同駅伝というのは,未だ盛んにやっています。次回,来年の2月の大会は,記念すべき60回大会です。

 そうだ,そうだ,大分で思い出しましたが,高校野球は,明日が決勝戦です。
 結局,第一シード同士,明豊VS大商です。両方とも甲子園の常連校ですが,最近は明豊の方が分が良いようですね(ジョージ・マッケンジーや今宮の母校です。)。

 ということで,別府VS大分という,あんまりどうでもいいなあ~という感じです。昨日大商に負けてしまいましたが,柳ヶ浦のピッチャーが良い感じというのを高校の同級生から聞いてましたので,そこに期待していたのですけどねえ・・・(柳ヶ浦は隣の市である宇佐の高校ですから。)。

 まあいいでしょう。

 兎も角も,明日の発表に乞うご期待。
1 概要
 本件は, 平成24年6月14日,発明の名称を「遊技機」とする特許出願(特願2012-135226号)をした原告に対し,平成26年5月12日付けで拒絶理由通知(本件拒絶理由通知)がされたので,同年7月15日付け手続補正書により特許請求の範囲を補正した(平成26年補正)ところ,特許庁から,平成27年4月20日付けで拒絶査定(本件拒絶査定)を受けたため,同年7月23日,これに対する不服の審判を請求するとともに,手続補正書を提出した(本件補正)ところ,特許庁は,これを不服2015-13829号事件として審理し,平成28年9月28日,本件補正を却下した上,不成立審決を下したことからこれに不服の原告が審決取消訴訟を提起したものです。

 これに対して,知財高裁第4部(高部さんの合議体)は,請求を認め,審決を取り消しました。

 昔は,よくこんな書きぶりでブログを書いていたような気がします。懐かしい~♫
 
 ここではもうマジな事件の紹介はしないと言っておりました。ですので,勿論,マジ系ではありません。何と言いましょうか,要するに大笑い系です。しかも,これって史上最高にカッコ悪い,まさにカッコ悪い判決ワースト1という事件です。

2 問題点
 問題点は,端的には,手続違背です。原告の主張を借りるなら,「 本件審決は,本件拒絶査定の理由と異なる拒絶の理由をもって審判不成立の判断をしているところ,特許法159条2項により準用される同法50条本文所定の手続を履践しておらず,手続違背があるから,取り消されるべきである。 」ということです。

 まあ,これは憲法31条で規定されるデュープロセス,つまり告知と聴聞の手続ってやつですね。
 刑罰を始めとして,公権力が不利益処分をするときは,告知と聴聞の機会を与え,防御させる~ってやつです。

 弁理士だと単に条文の丸暗記なので,そこまで考えてないと思いますが,拒絶理由通知って結構深い意味があったのですよ,皆さん。

 で,こんなこと未だにやるのかなあと思いきや,このブログでも思いっきり,この論点というか場所が丸わかりの落とし穴に落ちたを挙げております。ま,バカと行政は死ななきゃ治らないとよく言いますが,そうなんですよね。

 だって,未だ,この21世紀ももう20年近く経ったというのに,虚偽自白だとか証拠の捏造とか検察とか警察の,横紙破りは後を絶ちません。不思議と言えば,不思議なのですが,それが行政のそもそもの姿・・・と言ってしまえば,そのとおりです。
 ですので,普通の国民はそういう行政を監視し続けないといけないわけですわ~。おっと,話が固くマジになってきましたね。いかん,いかん。固くていいのはチン◯だけ~でしたわ。

 で,そういうのは,検察や警察に限りません。特許庁だって,行政には変わりません,というか,典型的な行政です。
 マスコミじゃ,ホワイト職場~働きやすさナンバーワン,とかで持て囃されているようですが,調子に乗らしちゃいけませんよ,だんな。行政ってやつはちょっと目を離すとインチキしようとする,場末のテキ屋みたいなもんだと思っておかないといけません。

 まあ,とは言え,その程度なら,前に紹介した事件もあり,大したことはないわけです。ところが,今回,159条2項違反だけでなく,それ以外の,なんちゅうのかなあ,行政の本質が見れたので,ここで紹介したわけです。
 
 なので,このブログにしょっちゅう見に来ている特許庁の人もよく刮目して見てちょうだいな。

3 判旨
「 ウ  本件審決における相違点の認定・判断
(ア)  本件審決は,本件補正発明についての独立特許要件の検討に当たって,本件補正発明と引用発明との相違点として,相違点1(前記第2の3(3)ウ(ア)),相違点2(同(イ))を認定しているところ,「本件補正発明は,第1予告演出を実行した後に第2予告演出を実行するパターンで予告演出を実行する場合,1の識別情報の可変表示中の複数のタイミングにおいて第2予告演出を開始可能であって,第2予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なるように,予告演出を実行する」との相違点2は,本件補正後の請求項1に係る発明の構成によるものではなく,本件補正後の請求項2に係る発明の構成のみによるものである。
 そして,相違点2の判断では,引用例2記載の技術事項の「第1演出を行う第1タイミングから第2演出を行う第2タイミングまでの期間(演出間隔)」は,演出内容に応じた複数の長さが存在するから,本件補正発明における「可変表示中」の変動開始からの期間の長さの異なる「複数のタイミング」に対応し,引用例2に記載された技術事項の「期間(演出間隔)の長さに応じて,期待度を異ならせ」ることは,本件補正発明における「第2予告演出を開始するタイミングに応じて有利度合いが異なる」ことに対応する,としており,本件補正後の請求項2に係る発明の構成のみによる相違点について判断しているものと認められる。
(イ)  さらに,本件審決は,本願発明は本件補正発明と同一のものであると認定した上で,引用発明,引用例2に記載された技術事項及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとして,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないと判断しており,本願発明との関係でも,平成26年補正後の請求項2に係る発明の構成のみによる相違点について認定・判断しているものと認められる。
エ  以上のとおり,本件審決が,独立特許要件の検討に当たって認定・判断した相違点2は,本件補正後の請求項2に係る発明の構成のみによる相違点であり,本願発明について認定・判断した相違点2も,平成26年補正後の請求項2に係る発明のみによるもので,本件補正後の請求項1の発明,平成26年補正後の請求項1の発明と対応するものではない。
 しかしながら,本件審決では,「本件補正発明」を「平成27年7月23日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明」,「本願発明」を「平成26年7月15日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明」と定義した上で,各請求項1の記載を摘記しているのであって,本件補正後の請求項1に係る発明を本件補正発明,平成26年補正後の請求項1に係る発明を本願発明と認定していることが明らかである。
 そうすると,本件審決は,本件補正後の請求項1に係る発明を本件補正発明,平成26年補正後の請求項1に係る発明を本願発明と,それぞれ認定した上で,認定した発明と対応しない相違点2を認定しているのであり,相違点2の認定を誤ったことになるが,かかる誤った相違点2の認定ないし判断を根拠に,本件補正発明及び本願発明についての「請求項1」の記載を「請求項2」の誤記と解することはできない。
 被告は,本件における審査の経緯も,上記「請求項1」の記載が「請求項2」の誤記であるとの理解を促すものであると主張し,前記(2)イのとおり,本件拒絶査定においては,平成26年補正後の請求項2に係る発明は,本件拒絶理由通知書で提示した引用例1及び引用例2から当業者が容易に発明をすることができたものである旨が記載されている一方で,平成26年補正後の請求項1に係る発明については拒絶の理由を発見しないと記載されていることが認められるが,かかる審査の経緯を参酌しても,上記判断が左右されるものではない。
 よって,被告の主張は採用できない。
(4)  小括
 以上によれば,本件審決には,特許法159条2項,50条本文の規定に反する違法があり,原告主張の取消事由1は,理由がある。 」

4 検討
 本件を時系列で示すとこうなります。

 【拒絶理由通知】
 請求項1 サポート要件違反
 請求項2 進歩性なし
 請求項3 進歩性なし

 【H26年補正書】
 サポート要件違反等がクリアになるように補正

 【拒絶査定】
 請求項1 拒絶理由なし
 請求項2 進歩性なし
 請求項3 進歩性なし

 【本件補正】(審判請求)
 「パターンで」→「パターンにて」

 【拒絶審決】
 請求項1 進歩性なし
 請求項2 進歩性なし
 請求項3 進歩性なし

 なので,拒絶査定で拒絶理由の無かった請求項1を,進歩性なしで拒絶審決するのなら,何か特別の理由のないかぎり,当然拒絶理由通知が必要です。これは明白。

 でも特許庁はやらなかったのです。

 で,何故やらなかったかというと,こんな言い訳をしました。
「  本件審決は,本件補正発明が,「平成27年7月23日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1」であるものとした上,当該請求項1の記載をそのまま摘記し,また,本願発明が,「平成26年7月15日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1」であるものとした上,請求項1の記載をそのまま摘記しているが,これらは,いずれも誤記であって,正しくは,それぞれ「請求項2」である。 そして,当該誤記は,明白なものであって,本件審決のその余の記載や特許庁における審査の経緯といった事情を踏まえれば,上記の各「請求項1」が誤記であることが,十分理解可能であり,それらを「請求項2」で読み替えて,本件審決の趣旨を正しく把握することができる。」
とのことです。

 つまり,ごめん,ごめん,請求項1じゃなく請求項2の間違いよ,そんなのわかるでしょ,ね,ってわけです(判旨にも誤記がどうのこうのあるのは,こういうことが理由です。)。

 凄えや,某文科省や某防衛省でも繰り返される,何かあったらまずは単純な誤記だという,小学生並の言い訳~。カッコ悪りい~。

 ちなみに,この審決書いた合議体は以下のとおりです。
審判長  特許庁審判官     本郷 徹           
特許庁審判官     長崎 洋一           
特許庁審判官     齋藤 智也
 そして,クソのような言い訳をした本件の指定代理人は,以下のとおりです。
同 指 定 代 理 人      長      崎      洋      一
                      平      城      俊      雅
                      富      澤      哲      生
                      真      鍋      伸      行

 権力というのはほっとくと腐ると思っておかないといけないものです。格好悪いだけじゃ済まされないわけです。
 それは行政でも司法でも変わりません。上記7人の公務員の皆さんに個人的な恨みはありませんが,こういう風に監視して,隙を見せないようにしておくことが必要です。

 まあしかし,未だにこういうことをしてこういう言い訳するんだなあって感じです。怒るというより呆れ,そして実に残念ですわ。


1 関東地方は,昨日梅雨明けしたそうです。
 と言っても,ここで,気温のレビューをしたことでもわかるとおり,7/3にはもう梅雨明けしていたのではないでしょうかね。

 月の初め,急遽帰省をして帰ってきたとたん,東京も暑いなあと思った次第ですので。

 今日も,実は,東京湾に近い某所に来ているのですが,木々にクマゼミが鳴いておりました。辻堂といい,クマゼミは海に近い所が好きなのかもしれません。

2 ところで,個人的にファンの前大阪市長の橋下ちゃんですが,こんな問題があるようです。

 まあ私が普通の弁護士を初めとするいわゆる人権派の人たちが大キライな理由がこういう所ですね。
 進歩派のはずなのに,進歩がないなあって所です。

 このことに関する私の考えは,昔書いたとおりなので,この昔の記事を見て下さい。
 世の中には良い人権と悪い人権があるようです。そして,悪い人権を差別するのは何ら悪いことではないようです。
 そう,地獄への道は善意で舗装されている,のです。あーこわ。

 さーて,明日からちびっ子の皆さんは夏休み〜ですね。ラジオ体操の季節となってまいりました。
1 カテゴリーは特許ということになりますかね。

 まずは,昨日,海の日の日経の法務面の話です(本日の日経は休刊日)。

 昔は,毎週のように知財,特に特許の話が出ていたと思うのですが,ここ数年は本当そういう話が少ないです。特許とか知財とか,あんまり聞く事はないですよ。
 いや,そりゃ知財部だとか特許事務所に勤めてるって人は別ですよ。そんな話をしたいわけじゃありません。

 今の世の中,他人と全く関わることなく生きている人っていないでしょうね。少なくとも日本にはいないと思います。だとすると,世の中からどういう感じで見られているかっていうことは重要です。

 で,本題に入ります。昨日の日経の法務面は,「知財分析を経営の中枢に」というのがメインの記事でした。まあ,これは最近よくある話,知財部もコンサル的になりましょう~♫というパターンです。ことの是非については,会社を経営しているわけでもなく会社員でもない私にはわかりませんから~♡。

 問題はそのサブの記事です。「知財部門の底上げ必要」というものです。
 日経の渋谷さんの最近の記事で知財部が取り上げられるときは,大体disられるのがデフォーですけど,今回もそうです。

 昨年の今頃も,地位が低~い♫(千鳥の,癖が凄い~♫みたいな感じでどうぞ)という記事で物議を醸しましたが,今年もです。

 だけど,これは難しいと思いますよ。
 まずは,知財部ってどうしても特許出願が一番のメインに来ますからね~。なので,知財部をコンサル的にするということは,特許出願を相対的,つまりはそれをメインとは考えないということですからね。

 つぎに,体質でしょうね。知財協とのやり取りでわかるように,知財部って田舎の役所みたいな体質なわけです。波風立てずに,空気を読み,大過なく,忖度し,という毒にも薬にもならない感じ~,わかりますかね。
 そんなので,イノベーションなんて起こせる訳が無いですけどね。

 あ,そうそう。私の書いた知財実務のセオリー,評判は良く,勿論知財部の人にも評判は良いのです(元々,知財部員向けですからね。)。しかし,聞いた話ですが(私は知財部員じゃないので。),大っぴらに知財部でこの本を開いたり,自分の書棚に置くことが憚られるような知財部もあるようです。
 ま,何をか言わんやですね。そういう所はさっさと淘汰されるでしょうね~資本主義の世の中ですから。

 ま,兎も角,知財部の底上げが必要だからと言って,誰かが引き上げてくれるわけではありません。そんなの待ってもしょうがありません。
 経営幹部が聞く耳を持たない?その耳を引っ張ってでも聞かせるくらいじゃないと聞くわけがないでしょうが~。誰かのせいにしたってしょうがないでしょう。
 奮起を期待していますよ。

2 続いて,セミは,日曜にサーフィンに行った辻堂の話です。

 辻堂では,クマゼミの鳴き声がメインだったのです。
 私がサーフィンを始めたころ(もう20年以上前),辻堂(藤沢)や茅ヶ崎の松原でクマゼミの鳴き声なんか聞いたことはありませんでした。

 それが,10年近く前でしょうかね。あるとき,クマゼミが鳴いていることに気づいたわけです。
 クマゼミは日本最大のセミで,ま,大きいということは南方系のセミなわけですね。なので,寒い地域では暮らせず,関東圏には居なかったのです。でも今や,辻堂のメインはクマゼミに~。そのうち東北でもクマゼミを聞くことになるのでしょうかね。

 さて,その日曜のサーフィンは,久々,結構波がありました。ここ何週も,スネ程度でしたが,日曜は,大きいときには,胸肩近くまであったのではないでしょうか。なので,ヘタレな私としては心が折れるギリギリのサイズでしたね。

 しかし,コンスタントにやってたお陰か,隙を見て,アウトに出て,そこそこ大きい波にもトライし,いい感じに何本か乗れることができました。とは言え,人も多くて取られてばかりというのが実情でしたけど・・。

 辻堂の方も,海開きが済んで,海水浴場もオープンし,夏本番って所ですね。

 ということで,7/11以降の東京の最高気温を振り返ってみましょう。7/10以前はこちらです。
 7/11 31.6
 7/12 33.1
 7/13 33.4
 7/14 32.4
 7/15 33.7
 7/16 34.9
 7/17 35.0
 ついに,昨日は猛暑日になりました。今日はにわか雨の予報もあり,昨日ほどは高くならないと思いますが,さあどうでしょうね。

3 最後は,君に決めた,です。
 勿論,これは今年のポケモン映画のタイトルです。

 で,見てきたわけですが,うーん,まあまあでしたね。

 ま,先週末公開開始ですので,あんまりネタバレするようなことは書かないことにしましょう。
 ただ,なんちゅうのかなあ,私は,新しい物語が好きなんだなあって所です。結構保守的な人間なのですが,新しいキャラ,新しいストーリー,そういうものが良いなあと思えるようです。

 ま,ここ最近のポケモン映画は,テレビシリーズの特別編みたいな感じで,サトシの旅の友と特別な地方に来て,特別なポケモンバトルをして,特別なストーリーとなる,てな感じです。

 ところが,今やっているサンムーンは,島々からなるアローラ地方(モデルは恐らくハワイ)が舞台で,サトシは旅をしていないのですね(珍しく,定住して学校に通ったりしてます。)。
 なので,今年みたいな感じになったのではないかと思います。

 つーことで,オッサンなのに新しもの好きとしては,来年はまた新しい感じの話にして欲しいなあと思いますね。
1 今週初めは大ネタでしたので,そりゃもうしばらくは小ネタですね。
 
 しかし,暑いですねえ。結局梅雨は明けたのかどうなったのでしょうか?

2 さて,まずは変わらぬ芸風です。

 昨日,今日と,東京の弁護士会館の2Fの講堂(通称,クレオ)で関弁連の夏期研修をやっております。
 まあ,この関弁連っつうのがよくわからないでしょうね。私もよくわかりません。

 弁護士の世界は,単位会(私は第一東京弁護士会所属,私の実家だと大分県弁護士会です。)と,日弁連という二重構造の組織になっております。
 そして,その中間の関東だとか九州だとかも,何だかよくわからない連合会を作っております。法人格があるかどうかは知りませんが,会報みたいなやつが送られてきますので,何らかの組織なのでしょうね(こういう書きぶりでいかに興味がないかわかりますね。)。

 まあ,そんな感じの関弁連ですので,私がコミットすることはほぼ無いわけです。しかし,毎年この時期に行われているこの研修だけは毎年参加しています。

 何故か?それは早稲田の山野目先生の講義があるからです。
 
 このブログをよく読んでいる人は先刻お分かりのとおり,基本私は法律の学者ってやつを心底バカにしているわけです。だけど,その数少ない例外が山野目先生です(知財だと,高林先生かなあ。おっと両方とも早稲田の先生だ。)。

 山野目先生との出会いは,司法試験の受験生時代まで遡ります。

 私は運良くロースクールに通わず弁護士になったのですが,予備校には行っております。どこかというと,辰巳です。
 その頃は,今は一人一票なんちゃらに夢中の某先生の某塾が大人気のころでした。他方,辰巳はというと,大学の予備校で例えると駿台みたいなものだということですね(私は大学の予備校には行っていないのですが。)。

 ま,要するに,その某塾で受からないベテが沢山居たわけです。講義やら答練の前に行くと,あの変なパラパラめくるやつ(論証カードというやつです。私は一度も手にしたことはありません。)をパラパラめくってる人が沢山居ました。

 そんな辰巳の売りが日曜答練でした。これは大学の教授,特に司法試験の試験委員の経験者等が実際に問題を作成し,解説までやるっていうことで当時評判の良かったものです。

 で,その日曜答練の或る回(民法)に山野目先生担当のときがあったのですね。で,その解説を聞いて,私はいやあ分かりやすいなあ,凄い人だなああと思ったわけです。

 ま,それから私は何とか司法試験を受かり弁護士になったのですが,弁護士になった或るとき,弁護士会から送られてきた関弁連の研修予定に,20**年民事判例~山野目教授とあったのを見逃さなかったわけです。

 こりゃ聞かないと~♫それからは毎年毎年,これだけは参加しております。

 昨日も分かりやすかったですね。まあこのブログも,最高裁の民事判例は,結構紹介しておりますので,事案の概要はわかるのですが,やはり目の付け所が違いますね。相変わらず,冴えておりました。

 あ,実はこの恒例の研修,昔は,会社法等で有名な弥永先生とのコンビだったのですね。
 弥永先生知らない?私は司法試験の受験生時代は,リーガルマインドシリーズだったので,本の方はよく知っておりますね。司法試験と会計士試験の両方受かっている超秀才の先生です。

 ただし,その山野目先生とのコンビだった時代,弥永先生の講義も聞いていたのですが,いやあダメでしたね。司法試験と会計士試験の両方を受かったのに,両方ともやっていないというのはよくわかります。しかし,学者の先生も研究だけじゃなく大学で講義もやるだろうに,大丈夫かなあと,余計な心配をするほどでしたわ。なので,評判がイマイチなので,フェードアウトになったのだと思いますよ(この夏期研修,アンケートを取っていますから。)。

 兎も角,一年に一度,山野目先生の講義を聞いて,辰巳の教室を思い出しつつ,気分を新たにするということです。

3 次は荒れるクソジジイです。
 と言ってもこれ,私のことではありません。これも実は昨日の夏期研修での一幕です。

 昨日の夏期研修は,山野目先生の講義だけでなく,その直前,倫理研修が行われていたのです(私は出席せず)。
 その研修で何かトラブルがあったらしく,山野目先生の講義目当てにクレオに入室したところ,司会者席の近くで,長髪髭面の先生が,大きな声で怒鳴っておりました。

 曰く,こんな無礼なことは初めてだ,50年弁護士世界にいるが,こんな無礼な仕打ちを受けたのは~なんちゃら言っていました(出席した人,大体こんな感じでしたかね。)。

 もうとても収まる剣幕でなく,主催者の関弁連のお偉いさんと外に出ても,しばらくはそんな調子でした。
 怒鳴っていた相手は,或る個別の先生で,主催者の関弁連の事務局っぽい先生でした。まあその先生は黒のTシャツでしたので,ああ,居るよね,こんなキレられるって人って,というパターンの先生でした。

 まあ,私もこんな芸風なので,結構お偉いさんにキレられたりします。
 下っ端の担当者には実に評判が良いのですが,その上司の部長クラスからは,このお喋りクソ野郎を誰が黙らせろみたいに睨みつけられたり,本当に怒鳴られることもありますね,ムフフフ。だって,私の人生の大目標は,何があっても悪ふざけ~ですからね。基本,度量のない日本の大手企業の管理職には耐えられないのでしょう~♡

 お偉いさんと言いましたが,ちょっと違いますね。本当のお偉いさんには評判良いみたいです。自分が偉いと思っている勘違い部長クラスに評判が悪いようです。

 なので,私としても,ああ何かまた軽口叩いたんだろうなあ,触らぬクソジジイに祟りなしじゃ~クワバラクワバラと思ったものです。

 ま,しかし,ああいうシーンを見ると,日本って本当ちょっと偉くなると,すぐ威張り散らしますねえ。はげ死ねで有名になった豊田議員も,桜蔭→東大でしたかね。いやあ面白い。

 あ,何~て書くとそんなクソジジイを批判していると思われるかもしれませんが,それは勘違いですよ,皆さん。
 私はそんなクソジジイに実になりたいと思いますよ,マジで。
 だって,もう70歳過ぎて,いや80歳近いのじゃないですかねえ。にもかかわらず,実に元気で他人に迷惑をかけるというのは,エネルギーに満ち溢れているわけです。

 ウーバーの元CEOみたいなもんですよ。セクハラ,罵倒,ナンボのもんじゃ,アニマルスピリットの欠片もない奴らがやーやー言うなってやつですわ。

 クソジジイ万歳,そして,悪ふざけ上等ってやつですね。でも,山野目先生も迷惑そうでしたから,もうちょっと外でやると良かったですね。

4 最後は秘密の・・・です。

 先日,一弁の知財の勉強会があったのですが,そこで,今週の月曜に判決のあった,例の訂正の再抗弁の事件の勝った方の代理人の先生から少々お話を聞けました。

 まあそれはオフレコなので,明らかには出来ませんが,色々興味深いエピソードがありましたね。
 
 特許権者に今後使える話も有りそうだなあって所でしょうかね。

5 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーでございます。
 本日はここ山本橋に来ております。
 
 ということで,久々の山本橋です。夏本番って感じの空ですよね。7月ももう半ばですし。

 ちびっ子の夏休みももうじきということで,私も仕事なんかしている場合じゃなく,サーフィンに行かないと~って感じです。

 そう言えば,波の心配していた湘南オープンですが,順調にスケジュールを消化したようで,昨日もう終わっていました。今年は日本人の優勝じゃなかったみたいで残念です。
 週末は,明日ではなく日曜にサーフィンの予定ですが,オンショアチョッピーかなあ,でも無いよりマシだなあって所です。
1 概要
 本件は,発明の名称を「シートカッター」とする特許(特許第5374419 号)の特許権者である上告人(原告)が,平成25年12月,第1審判決別紙物件目録記載の工具を販売してい る被上告人(被告)に対し,本件特許権に基づき,その販売の差止め及び損害賠償等を求める本件訴訟を提起し,本件特許には特許法123条1項1号又は4号の無効理由が存在す るとして,同法104条の3第1項の規定に基づく抗弁(無効の抗弁)を主張したものの,第1審は,平成26年10月,被上告人の上記の理由による 無効の抗弁を排斥して,上告人の請求を一部認容する旨の判決を言い渡したため,被上告人は,第1審判決に対して控訴をした上,平成26年12月26日付けの 控訴理由書において,本件特許は,特許法29条1項3号又は同条2項に違反してされたものであり,本件特許には同法123条1項2号の無効理由が存在するとして,新たな無効の抗弁(本件無効の抗弁)を主張したところ,原審は,平成27年12月16日,本件特許は特許法29条1項3号に違反してされたものであるとして,本件無効の抗弁を容れて,第1審判決中,被上告人敗訴 部分を取り消し,上告人の請求をいずれも棄却する旨の判決を言い渡したため,これに不服の上告人が上告受理申立てをした特許権侵害訴訟の事件です。
 なお,上告人は,原審の口頭弁論終結時までに,本件無効の抗弁に対し,訂正により無効の抗弁に係る無効理由が解消されること を理由とする再抗弁(訂正の再抗弁)を主張しなかったようです。

 おお,ここでの判決の紹介だ~つまりは大ネタ。と言っても中身はそんな大した話じゃないのですが,最高裁ですからね。やはり取り上げないといけないでしょう!

 まず,一審は,東京地裁平成25(ワ)32665号で(民事46部で当時長谷川部長の合議体でした。まあ,長谷川部長の合議体は,嶋末部長と違った意味で個性的な判決が多かったですね~。今は46部の部長は柴田さんです。),平成26年10月30日判決でした。


 発明はこんなやつです。

 上記の概要のとおり,ここでは,特許法123条1項1号又は4号の無効理由→①補正の新規事項追加と②サポート要件違反,③明確性要件違反の無効の抗弁の主張がありました。
 しかし,長谷川部長の合議体は,「①について,本件明細書(なお,発明の詳細な説明 の記載は出願当初から変わっていない。)には,前記1 (3) のとおり解釈される構成要件D及びEが記載されているということができる。したがって, 本件補正が特許法17条 の2第3項に違反するものとは認められない。 また,②及び③について,前記1 (3) で判断したところによれば,本件明細書に接した当業者は,その記載から本件特許発明における課題及びその解決手段を認識することができると認められる。したがって,本件特許が同法36条6項1号に違反するとも同項2号に違反するともいうことはできない。」として,無効の抗弁を排斥し,構成要件該当性はあり!として,請求の一部を認容したわけです。
 
 何か,新規事項追加だとか記載不備だとか,やはりちょっと弱火ですね~。何故かと言うと,汗をかいていないからです(無効資料調査をしていないってことです。)。

 ほんで,被告の代理人弁護士は交替で控訴審になりました。
 控訴審(原審)は,知財高裁平成26(ネ)10124(知財高裁3部で,当時何故か部長じゃないのに,合議体を形成していた大鷹さんの合議体です。今は3部はきちんと元に戻ったのですが(大鷹さんが異動したため),あの一時期の2合議体制は何だったんでしょうねえ。)で,平成27年12月16日判決でした。
 
 この判決では,上記の概要のとおり,特許法123条1項2号の無効理由→新規性なし・進歩性なし(主引例は,米国公開特許公報2006/02010 00号(乙13))の本件無効の抗弁の主張がありました。
 そして,大鷹さんの合議体は,「乙13発明は,本件特許発明のすべての構成要件の構成 を備えているから,本件特許発明と同一の発明であることが認められる。 したがって,本件特許発明は,新規性を欠くものであり,本件特許には,特許法29条1項3号に違反する無効理由(同法123条1項2号)があ り,特許無効審判により無効とされるべきものと認められるから, 被控訴人は,同法104条の3第1項の規定により,控訴人に対し,本件特許権を行使することはできない。」として,新規性なし!で請求を全部棄却したわけです。

 まあ何ちゅうか,大鷹さんの所でよくあった,典型的な結論ありき,それだったら何でもありじゃん的なムニョムニョしたあてはめでした~ね(弁理士の人もこういうのに注意です。)。

 ということで,いやいやいや,訂正せんとわりいっちゅうんじゃったら,そげえすんのに,そげな機会ねかったわえ,こげなこつしていいんかえ,ちゅうやつです(大分には凄い雨が降りましたね。)。

 これに対して,最高裁の結論としては,上告棄却なので,知財高裁のとおりです。つまり,原告,特許権者側の負けが確定したわけです。

2 問題点
 問題点は,もうこれ一つ,訂正のタイミングです。特に,無効審判が請求されて,法的に訂正審判も訂正請求もできない場合にどうすればいいのか?ということです。

 まず,訂正の再抗弁自体,訂正請求等が原則として必要であるということが通説です。これは,あやふやなクレームだと色々問題ありということで,或る程度確定させる必要があるというのがその理由です。
 ただし,この通説もいついかなる場合も訂正請求が必要とは言っておらず,特に104条の4が創設され,再審で無効確定だとか訂正確定だとかを言えなくなったことと,無効審判内で訂正請求できる期間が限られたこと(訂正審判は無効審判が請求されるともう起こせません。)の対比で,いついかなる場合も現実の訂正請求を要求するのは酷だろう,ということになっています。

 とは言え,通説のこの例外事例って,どういう場合が例外事例なんだろうってことですね。そこはちょっとはっきりしません。

 他方,逆に,侵害訴訟確定前に,訂正が確定したからと言って,上告審でこれを争えるとすると,特許法104条の4の意味が無くなるような気もします。
 なので,訂正請求や訂正審判が法的にできず,訂正の再抗弁が事実上難しいように思える場合でも,104条の4の意味を重視すると,積極的に訂正の再抗弁はやっておくべきということになるし,上記の通説の例外事例は極めて厳格に解釈すべきだろうということにもなりますね。

 ということで,どうなったのでしょうか?

3 判旨
「 特許権侵害訴訟において,その相手方は,無効の抗弁を主張することができ,これに対して,特許権者は,訂正の再抗弁を主張することができる。特許法104条の3第1項の規定が,特許無効審判手続による無効審決の確定を待つことを要せずに無効の抗弁を主張することができるものとしているのは,特許権の侵害に係る紛争をできる限り特許権侵害訴訟の手続内で迅速に解決することを図ったものであると解される。そして,同条2項の規定が,無効の抗弁が審理を不当に遅延させることを目的として主張されたものと認められるときは,裁判所はこれを却下することができるものとしているのは,無効の抗弁について審理,判断することによって訴訟遅延が生ずることを防ぐためであると解される。以上の理は,訂正の再抗弁についても異ならないものというべきである(最高裁平成18年(受)第1772号同20年4月24日第一小法廷判決・民集62巻5号1262頁参照)。
  また,特許法104条の4の規定が,特許権侵害訴訟の終局判決が確定した後に同条3号所定の特許請求の範囲の訂正をすべき旨の審決等(以下,単に「訂正審決等」という。)が確定したときは,当該訴訟の当事者であった者は当該終局判決に対する再審の訴えにおいて訂正審決等が確定したことを主張することができないものとしているのは,上記のとおり,特許権侵害訴訟においては,無効の抗弁に対して訂正の再抗弁を主張することができるものとされていることを前提として,特許権の侵害に係る紛争を一回的に解決することを図ったものであると解される。
 そして,特許権侵害訴訟の終局判決の確定前であっても,特許権者が,事実審の口頭弁論終結時までに訂正の再抗弁を主張しなかったにもかかわらず,その後に訂正審決等の確定を理由として事実審の判断を争うことを許すことは,終局判決に対する再審の訴えにおいて訂正審決等が確定したことを主張することを認める場合と同様に,事実審における審理及び判断を全てやり直すことを認めるに等しいといえる。
  そうすると,特許権者が,事実審の口頭弁論終結時までに訂正の再抗弁を主張しなかったにもかかわらず,その後に訂正審決等が確定したことを理由に事実審の判断を争うことは,訂正の再抗弁を主張しなかったことについてやむを得ないといえるだけの特段の事情がない限り,特許権の侵害に係る紛争の解決を不当に遅延させるものとして,特許法104条の3及び104条の4の各規定の趣旨に照らして許されないものというべきである。
  (2)  これを本件についてみると,前記事実関係等によれば,上告人は,原審の口頭弁論終結時までに,原審において主張された本件無効の抗弁に対する訂正の再抗弁を主張しなかったものである。そして,上告人は,その時までに,本件無効の抗弁に係る無効理由を解消するための訂正についての訂正審判の請求又は訂正の請求をすることが法律上できなかったものである。しかしながら,それが,原審で新たに主張された本件無効の抗弁に係る無効理由とは別の無効理由に係る別件審決に対する審決取消訴訟が既に係属中であることから別件審決が確定していなかったためであるなどの前記1(5)の事情の下では,本件無効の抗弁に対する訂正の再抗弁を主張するために現にこれらの請求をしている必要はないというべきであるから,これをもって,上告人が原審において本件無効の抗弁に対する訂正の再抗弁を主張することができなかったとはいえず,その他上告人において訂正の再抗弁を主張しなかったことについてやむを得ないといえるだけの特段の事情はうかがわれない。 」

4 検討
 判例が先例として引いているのは,いわゆるナイフの加工装置事件です(百選の最新版だと76番ですね。)。

 まあしかし,今回の判決の射程をどうみるかって難しい所があります。 

 下線部が要旨なので,先例性があるのはここなのでしょう。
 そうすると,ナイフの加工装置事件の事実経過とあんまり変わらない,上告審で結論が出る前に訂正請求等が上手く行ったというようなレアケースしか射程が及ばないように見えます(A)。

 そうではなく,訂正請求が上手く行ったという場合に限らず,兎に角,事実審で訂正の再抗弁を主張しなかった(出来なかった)場合にも射程が及ぶということになると(B),この判決の影響は大きいと思います(裁判所のサイトの「判示事項」はこのBのように書かれています。)。その場合,やむを得ないといえるだけの特段の事情を上告審で主張すると何とかなる場合もあり得そうです。

 でも,判決の文言を普通に解釈すると,BではなくAのような感じがします。

 あと,傍論というかあてはめが結構重要です。
前記1(5)の事情の下では,本件無効の抗弁に対する訂正の再抗弁を主張するために現にこれらの請求をしている必要はないというべきであるから,
とあります。

 どういうことかというと,最高裁自ら,訂正の再抗弁時に,いついかなる場合も訂正請求が必要である,という立場を取らないということを認めているからです。つまり,あくまでも通説だということですね。しかし,じゃあどういう場合に,訂正請求が不要かはよくわかりません。
 ただ,法的に主張できない場合は,この場合に当たる可能性は高いと言えますので,訂正できるといいのにな~♫という場合で,でも法的にはもう訂正請求できないなあ~♫という場合に,訂正の再抗弁を主張せず,漫然と成り行き任せ~♡では弁護過誤になる虞があります。

 これは今後気をつけた方がいいでしょう。ということは,今後の特許権侵害訴訟の事案では,積極的に訂正の再抗弁を主張していった方がいいってことですよ!
 勿論,訂正すると大体の場合,権利範囲は狭くなりますから,本来はやりたくないことです。ですが,それも予備的主張ということにしておけば,ある程度リスク回避できるのではないでしょうか。

 まあなかなかマニアックな論点なのですが,原告側代理人をいつもいつも悩ませる論点なので,多少の取っ掛かりにはなるかなあと思います(個人的には,裁判所からの釈明があると有り難いのだけどねえと思いますが,それは甘え過ぎですかね。)。

5 追伸
 上記のとおりのうちの田舎の方は凄い雨が降ってしまいましたが(豊後高田は海沿いなので,まだましでした。山の方が上昇気流が発生しやすく,大雨になりますね。),東京の方は,急遽帰省から帰った7/2以来,夏本番のような暑さです。
 7/1からの最高気温を並べると以下のとおりです。
 7/1 25.3
 7/2 32
 7/3 32.5
 7/4 29.9
 7/5 31.4
 7/6 30.7
 7/7 32.3 
 7/8 33.7
 7/9 32.5
 7/10  32.1
 やはり,7/1だけ低くて,後は結構高いです。

 で,梅雨明けしたのでしたっけ?よくわかりませんねえ。まあしかし,散歩には辛い季節ですね。

 さて,一昨日は,2週ぶりにサーフィンに行ってきました。いい天気でしたが,波はスネで,本当マッタリって感じのサーフィンでした。人も少ないですし,私はのんびりやりたい派なので悪くはないですね。

 で,今週は,実はいつもやっているポイントで,ちょうど湘南オープンをやっていますので,土日はエリア規制で結構たいへんかもしれません。この前の土曜みたいな波だとレイデイの連続かと思いきや,今日はスタートしています。オンショアできついので風波が立つのでしょうねえ。ま,この時期の湘南は,こんな感じですので,東京オリンピックのサーフィンが千葉というのは致し方ない所でしょう。

 あと,昨日の日曜は某所で久々潮干狩りをしておりました。2日連続して,海に行くという,しかも一日はサーフィン,もう一日は潮干狩りという,あんまり弁護士にはいないだろうタイプの過ごし方です。
 で,その潮干狩りですが,もう小学校以来という大漁でしたね(アサリ)。本当びっくりしました。どこかは内緒です。

 夏って感じの土日でしたが,今週もこんな天気が続くのでしょうかね。

 そうだ,そうだ,高校野球,我が母校,高田高校が今日一回戦だったのです。あー鶴崎高校にコールド負け~うーん,がっくり。
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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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