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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護士の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 本日の日経の朝刊の5面に「知財法制一括見直し 経産省など提言 IoT利用促進」という記事が載っています。まあ日経だけじゃなく,この2,3日,知財,IoT,データというようなキーワードで,ちょこちょこした記事が載っているのを見かけていたのではないでしょうか。

 その元ネタが首記の報告書です。漸く,昨日(4/19)に公表されたということですね。
 経産省のサイトは,こちらです。また,報告書自体は,こちらです。

 まあ何でもそうですが,伝聞に過ぎないマスコミの記事よりも,一次資料を自分で読んだ方がいいと思います(面倒ですけどね。)。当然,私は既に全文読んでおります。

2 一応,経産省のサイトからのまとめを書き出しておきましょう。以下のとおりです。ここだけを読んでも大体わかりますけどね。
 
1.背景  センサ等から集積されるビッグデータや、人工知能(AI)による創作物などの新たな情報財について、利活用の促進と保護とのバランスがとれた知財制度の構築が求められています。また、「知財」と「標準」に、新たな競争力の源泉として加わった「データ」を合わせた、三次元の複合戦略の立案も求められています。これに対応した制度・運用の在り方を検討するため、平成28年10月に学識経験者、産業界等の有識者からなる「第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方に関する検討会」(座長渡部俊也東京大学政策ビジョンセンター教授)を立ち上げ、検討を進めてまいりました。

2.報告書の概要  上記の背景を踏まえ、現状と課題を整理し、今後の対応等をまとめた報告書を別紙のとおり、取りまとめました。本報告書で示された今後実施することが適当な取組のポイントは以下のとおりです。
(1)データの利活用について     
・不正な手段によりデータを取得する行為等に対し損害賠償や差止請求を行えるようにすることなど、不正競争防止法の改正も視野に入れて引き続き検討を行い、方向性を取りまとめること    
・データの種類に応じ、企業間におけるデータの利活用や契約の実態に即し、保護の在り方や契約等のルールについて検討し、契約で利用権限を適正かつ公平に取決め、明確化するための契約ガイドライン等を策定すること      
  (2)産業財産権システムについて     
・特許の対象となるデータ構造について、権利取得の予見性を高めること    
・IoTを活用したビジネスモデルを支える知財システムの整備の観点から、ソフトウェア関連発明の審査基準の点検、ビジネス関連特許の活用方法の整理、新設した特許分類の活用及び分野横断的な審査体制の整備を行うこと    
・国境をまたいだ侵害行為に対する権利保護については、裁判例の蓄積等を注視しつつ、引き続き検討をすること    
・将来的なAIによる発明等の産業財産権上の取扱いや、3Dプリンティング用データの産業財産権上の取扱いについては、現時点では、現行法による保護を行い、今後の動向を注視すること    
・標準必須特許をめぐる紛争を対象とし、特許法の改正も視野に入れ、行政が適正なライセンス料を決定するADR制度(標準必須特許裁定)の導入を検討すること    
・ライセンス契約や特許権侵害紛争を対象とし、中小企業等が使いやすいADR制度(あっせん)について検討すること 
(3)国際標準化について     
・「新市場創造型標準化制度」の活用や国立研究開発法人の更なる活用による業種横断プロジェクト組成の検討等により、官民の標準化体制を強化すること    
・「標準化人材を育成する3つのアクションプラン」等に基づき、経営層の標準化に対する理解の増進や標準化専門家及び標準化を支える弁理士等の専門人材の育成等の標準化人材育成の取組を強化すること    
・標準関連業務に関与する知財に関する専門家としての弁理士の役割を明確化すること 

 上記の他、個別産業分野及び中小・ベンチャー企業等の視点からの現状と課題、今後実施することが適当な取組が示されています。

3.今後の方向性  今後は検討会で得られた成果を踏まえ、産業構造審議会等で、有識者や産業界等と更に意見交換を進め、政策の具体化に向けて検討を進めてまいります。

 ここには,ああ,裁定の新制度の話って,ここからのリークだったのね,など色々感想もあります。
 ポイントはデータの利活用と,産業財産権システムの所でしょうか。この辺は,純粋に技術的な話なので,特許庁から出ているIoT関係の資料を見た方がわかりやすいです。せっかくの報告書ですので,よく理解しておいた方が良さそうですね。

 とは言え,この報告書にもあったのですが,「これらデータの利活用に関しては、知的財産戦略本部の検証・評価・企 画委員会においては、IoT 等で大量に蓄積されるデジタルデータ等新たな情報財の知財制度上の在り方について、著作権・産業財産権・その他の知的財産全てを視野に入れた総合的な検討が行われ、平成 29 年3月にデータ利活用促進に向けた大きな方向性が示されたところである。また、文化庁の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会においては、技術革新など社会の変化に対応できる適切な柔軟性を備えた権利制限規定の在り方等について検討され、平成29 年2月に中間とりまとめが行われたところである 。」とあるように,知的財産戦略本部での動きが一つあり,また,文化庁の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の動きもあるわけです。

 さらに,この前,産業構造審議会の特許制度小委員会での知財紛争処理システムの話もあるわけです。まあこれはもう終わった話ではあるのですけどね。

 つまり,似たような会議というか委員会というか,そういうのが,一時は4つも同時並行で動いていたということです。知財戦略本部,経産省,文化庁,そして産業構造審議会~。

 色々いい考えが浮かびましたかなあ,何せ4つも似たような会議をやっているわけですからね。

 しかし,誰か言う人は居なかったのですかねえ。まとめた方がよくね,って。船頭多くして船山に登る~って言うし,何よりリソースの無駄ですわな。
 大体,どれもこれも似たようなメンバー,ベテランの学者,ベテラン弁護士,ベテラン弁理士,大企業の法務か知財の部長・・・現場から離れて頭も回りそうにない過去の遺産で食っているだけの人たちですなあ。

 そんなん集めて報告書を何本も作って,何がやりたいのですかねえ。いや,本音をいいましょうか~,何もやりたくないのでしょう。でもやった感を出さないといけない,アリバイ作りをしないといけない,だからこれだけのものを作ってしまう~ほぼ無駄なのにねえ。

 そそ,いつも言っているように,所詮,(皆さんご一緒に),この世の中の99%はプロレス~(ロス・インゴベルナブレス・デハポン調で)ですから~ね。
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1 これはアメリカの Vice Presidentである Mike Penceが,昨日(4/18)の安倍総理との会談で語ったと言われる言葉ですね。

 各報道機関で多少まちまちですが,「平和は力によって達成される」とか,「平和は力によってのみ初めて達成できる」とか,概ねそのような訳になっています。
 というか,日本の報道機関の報道を逆引きして,漸く冒頭の英語にたどり着いたというのが真相ですけどね。

 で,冒頭のフレーズは,このマイクペンスがお気に入りのフレーズのようで,彼のツイッター等でも見かけられるもので,ときに「only」を入れたりするようです。

 何故そんなことを調べたかというと,いやいやいやさすがにトラちゃんの腹心と言えども,そんなあからさまなことを言うのかねえ,また日本の報道機関が超訳でもしたんじゃないの~という疑いから,調べてみたのです。

 でも,上記のとおり,日本の報道機関の勇み足でも何でもなく,少なくとも,マイクペンスは,冒頭のように思っているというわけです。

2 恐らくこのフレーズって,アインシュタインの有名なセリフに対応するものではないかと思います。
 
 アインシュタインの方は,「Peace cannot be kept by force. It can only be achieved by understanding.」で有名です。
 これをグーグル翻訳してみると,「力で平和を保つことはできません。 それは理解することによってのみ達成することができます。」ということになります。

 まあ私には難しいことはわかりませんけどね。

 私は大学,大学院と物理系でしたので,アインシュタインに関する本はよく読みました。研究室での研究は相対論的宇宙論を統計物理に展開しようとしていたもので(こう書くと凄く思えますが,まあ大した話ではありません。),相対論を理解しようとやっきになっていたものです。

 で,アインシュタインというと,凄い科学者という感じがしますが,私はずーっと本当かなあと思っています。
 というのは,アインシュタインって経歴が異質なのですね。普通,アインシュタインくらいの科学者だと,小さいころには大したこと無かったけど,大学のころには凄い奴だ~みたいなパターンだと思うのですね。

 日本のノーベル賞を取った先生方も小さいころから凄かったか,少なくとも,大学のころには一目置かれるような感じであるのが普通です。大学のころまでイマイチだった人でノーベル賞取ったなんて聞いたことはありません。

 ところが,アインシュタイン,大学のころもイマイチだったのですね。
 イマイチ過ぎて大学の先生の職につけず,やっとスイスの特許庁の審査官になったというのは有名で,その審査官時代のコソ勉で,有名な3通の論文(特殊相対論,ブラウン運動,光量子)を書いたわけです。

 そこからはアインシュタインの栄光の歴史が始まるわけですが,本当か~って思いますわな。いや,3通の論文がインチキって言うわけでありません。それらはきちんとした内容ですからね。
 私が言いたいのは,本当に自分一人でやったのか~ってことです。

 実は,当時のアインシュタインの奥さんは(勿論審査官の時代も),アインシュタインの大学時代の同級生ですね。
 で,今と違って当時の女子大学生ですよ。日本だってそうでしょ。最初の女性帝大生~みたいな人がどれほど優秀か,想像がつくと思います。

 で,アインシュタインが一般相対性理論を発表したのは,1916年,つまり去年はちょうど100周年だったわけです。
 そして,このできる奥さんとアインシュタインが離婚したのは,1919年のことです。

 それからのアインシュタインって何か業績を残していますかね。

 ですので,アインシュタインの業績とされるのは,本当はこの奥さん一人の業績ではないかと私はずーっと思っています。少なくとも,共同のものだったのではないかと思いますね。

 おっと,相当に話がぶっ飛びました~。
 なので,何が言いたいかというと,アインシュタインが言ったからって,まあすげえ人の言ったすげえ言葉だなんて思わない方がいいんじゃね,ってことですね。

3 私は,法律家なもので,金と暴力には勝てないと思っています。いやああんたむしろ法律家なのに,何じゃその考えは・・と思う人も多いかもしれません(このブログを良く読んでいる人はもうそんなことは思わないでしょうが。)。

 でも,法律と道徳の違いって,国家の強制力の有無ですからね。つまり,道徳を破っても,誰からも強制されることはないですが(原則として),法律を破ると強制されます。強制は何でやられるかというと,暴力装置(警察,執行官などなど)です。

 今日の朝,テレビを見ているとタイから熊本に護送される被疑者の姿が映されていましたが,まさに,あれが暴力装置のなせる技,ああいうことをするために法律というのがあるのです。

 民事でもそうです。人が死のうが,家が焼けようが,住んでいる場所を追い出されようが,最終的にはすべて金で解決します。多少の不満は当然残りますが,強制力を持って取り立てられるのは,金だけです。
 仮に金以外のものを取り立てられるとすると,その方がシッチャカメッチャカになるのではないですか。

 金と暴力には勝てないってことは,つまりはそれ以上のものは要求しないということでもあります。
 私を含めて人というのは実に愚かなものですので,下限を区切るより,上限を区切った方が良いのでしょうね。昔からの生活の知恵が結実したのだと思います。

 なので,ペンス副大統領の考えも一つのあり得る考えだと思います。でも,力によると相手も力によって抵抗しますけどね(そういえば,ちょうど72年前の今頃,沖縄で大々的な抵抗をしていたわけですねえ。)。
 そうすると,そんな単細胞のジャイアンに未来永劫付いて行くんですかなあ。
1 本日は発明の日,らしいです。
 特許庁もこんなページを用意しております。私にとってはだから何なんだ?って所ですので(恐らく他の多くの人にも),違う話,まあ小ネタで行ってみましょう。
 
 (こんなバナーも使い放題らしい。)

2 まずは本日の日経の一面です。
「新日鉄住金、元従業員側が解決金 ポスコ技術流出で」ということで,民事の和解が,元の従業員と成立したみたいですね。

 結構な大きな話です。
 水面下では今までもあったかもしれませんが,営業秘密を漏らした元従業員にけじめをつけさせたというのはあまり聞きません。
 大きな会社というのは体面を気にしますが,最近は株主への説明責任とか,そういう所謂コーポレートマターの観点から,ナアナアで済ませなくなったようです。まあ私の商売的には良い傾向ですが,大局的にはどうなんでしょうねえ。

 で,この問題となった技術の,方向性電磁鋼板というのを,特許権者の新日鉄住金の昔の名前の新日鉄で検索してみました。
 JPlatPatの「特許・実用新案テキスト検索」で,特許請求の範囲と要約「方向性電磁鋼板」AND 出願人/権利者「新日本製鐵株式会社」ですね。特許公報のみです。

 そうしたところ,何と700件もの特許が挙がりました。一番古いのは,特願昭60-017591ですね。「鉄損の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法」です。

【請求項1】Si 4.5重量%以下を含むけい素鋼熱延板を、必要に応じて行なう900゜~1200℃での焼なましの後、1回または中間焼なましをはさむ2回以上の冷間圧延により最終製品板厚となし、脱炭焼なましののち最終仕上げ焼なましを行なう一方向性電磁鋼板の製造方法において、前記脱炭焼なまし工程と前記最終仕上げ焼なまし工程との間で、鋼板表面に形成されている酸化層の厚み方向の一部を鋼板表面上部分的に除去し、該除去部が、鋼板の片面あるいは両面の全表面積の3~97%の範囲内で、しかも50mm×50mmの面積範囲内に少なくとも1つ以上存在することを特徴とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法。

 まあこれはいいとして,要するに特許をかなり出願しているということです。

 今回の話の前段階であるポスコとの訴訟の和解でも,営業秘密だけではなく,特許権侵害を含めた和解だった筈ですから,特許をかなり出願しているというのは当然なのでしょう。

 なので,着目すべきはその戦略ですよね。
 特許を出願していたにもかかわらず,今回の動きが始まったのは,韓国での訴訟からです。ポスコのノウハウをポスコの元社員が中国メーカーに売ったという訴訟で,その元社員が,いやいやいや売ったのはポスコのノウハウではなく,新日鉄のノウハウでっせ~♡ということで火がついたわけですね。

 つまり,そういう事情がないと分からない!ものだったのです。いや別にノウハウってそんなもんでしょ,リバースエンジニアリングで分からない,疑わしいけど証拠がない,解析しても分からない,だからこそのノウハウでしょ?,だからこそ秘匿すんでしょ?そりゃそうです。

 そりゃそうなのですが,じゃあちょっと検索しただけで700件もあった特許(無方向性電磁鋼板もありましたけどね。),って謂わば殆ど無意味だったってことになりませんか。

 リバースエンジニアリングして,すぐにこの特許が使われてる!っていうような特許じゃないと~♫。方向性電磁鋼板と言えども,買えないものじゃないですからね(大手の自動車メーカーは,ライバルの新車を買ってきてはほぼすべてリバースエンジニアリングしています。)。

 まあ本来ノウハウにすべき,リバースエンジニアリングで分からないようなものまでも特許出願したのでしょうね。そして,リバースエンジニアリングで分かるようなことは特許出願しなかった(できなかったのかもしれませんが。),ということなのでしょう。

 私は大手企業の知財部に居ましたから,よく分かります。冴えている人も居ますが,抜け作も大勢居ます。新日鉄住金には良い勉強代だったのではないでしょうかね。
 なので,今後の新日鉄住金は,手強くなるでしょうねえ。

3 お次は人事です。

 この春,知財高裁と東京地裁の民事部(知財専門部)通じて,唯一部長が変わった東京地裁民事46部ですが,新しい部長がウェブサイトに出ていますね。

 柴田義明部長です。平成17年から平成20年ころに知財高裁の陪席だったようですが,全然記憶がないですなあ。

 さて,どのような訴訟指揮でしょうかねえ。

4 さらに人事関係というか,懲戒関係です。
 と言っても弁護士ではなく弁理士です。

 弁理士の場合,人数も少なく,お客さんも大手企業が多いことから,懲戒になる場合って弁護士に比べて圧倒的に少ないと思うのですね。

 とは言え,今月,2件懲戒処分が出ております。一つは1年6月の業務停止,もう一つは,戒告です。戒告の方は若干可哀想な感じがします。ちなみに,これは弁理士法に基づく懲戒ですね。

 今月のパテントはもう届いている方も居ると思いますが,それにはJPAAジャーナルというのが毎月封入されていて,会則違反のペナルティーが載っております。
 それによると,今月は,会費滞納で2名の弁理士が退会処分になっておりますねえ。うー世知辛い世の中です。

 弁護士も弁理士も強制加入方式を捨て去れば,こんな会費滞納で資格を失うことはなくなりますので,早く実現すると良いニャーと思います。

5 追伸
 毎度おなじみ流浪の弁護士,散歩のコーナーです。
 本日は,ここ目黒新橋に来ております。目黒川にかかる目黒通りの橋ですね。
 
 いやあ,先週とは打って変わっての緑です。初夏って感じもしますねえ。

 今日の東京の最高気温は,25.7度でした。散歩すると汗が出てきますもんね。さすがに冬物のコートなどはもうクリーニングに出してもいいような気もしますが,どうなんでしょうねえ。
 
 恒例の山本橋です。
 
 こちらも緑,ところどころに花が残っている木もありますが,まあこんな感じですね。
 

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理論物理学者を志望したのはもう30年近く前のこと。某メーカーエンジニアを経て,弁理士に。今は,弁護士です。
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