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知財,特に特許を中心とした事件を扱っている理系の弁護土の雑記帳です。知財の判決やトピックについてコメントしたいと思っております。
1 これはもう30年前のサザンのシングルですね。いまだにお笑いの第一線にいるダウンタウンとウンナンが出てたバラエティ,夢で逢えたらのテーマソングでした。

 あ,そうそう,最近ワンイッシューっちゅうのが流行っておりますが,私にとっては,弁護士法の改正がそれ!ですね。

 だけど,もう一つありまして,それが刑法175条の削除ですね。本当いまだに日本ってパターナリズムってのが横行しておりまして,刑法175条なんてその最たるものだと思いますね。あとは,少年法の適用年齢引き下げ反対問題とかね。

 経験がある,学識がある,そんな自分ならば何でも分かる,そんな感じの上から目線~ああ嫌だ嫌だ・・・失敗こそがイノベーション~♪っちゅうのが分からないのでしょうね。

2 おっと,これじゃあ何のことか分かりませんね。
 カテゴリーはITでした。

 ポイントは,AIのGANというアルゴリズムの話です。
 GANというのは,Generative Adversarial Networks(敵対的生成ネットワーク)の略です。

 今流行のAI,ディープラーニングって,膨大なデータとハードウェアの進歩がポイントであって,別にAIのアルゴリズムが進歩したかってそういうわけではないことになっております。
 正解付きの膨大なデータをニューラルネットに読み込ませて,行列のパラメータを最適化(正解がありますからね。)すると,こういう寸法です。

 ですが,いつもいつも正解付きのデータが大量に得られるかって?そうではないこともあるわけです。だから,そういう場合でも使えるようなアルゴリズムが欲しいなあ~,これがGANです。

 要するに,偽札作りと鑑定士の争いみたいなもんで,それっぽい画像を作る生成器(generator)と,それを見破る判別器(discriminator)を競わせて,本物と見間違うばかりのニセの映像(つまりはデータ)を作り出すというわけです。

 これを沢山作れば,今度はそれを正解付きデータとして,最初に述べたディープラーニングにも使うことができるし,著作権なしの写真みたいな形で,フリー素材集なんかも作ることが出来ると思います。

 素晴らしいですね。

 だけどねえ,そんなのだけじゃつまらないじゃないですか~。行儀良いのが嫌いな年甲斐のないこの私。イノベーションの母が戦争であり,エロと嘯くのですから,これをアレに使えないかなあと思うのが当たり前って所です。

3 ですが,世の中って不思議というか,当たり前というか,もうそうなんですね~。
 GANを報道されないY型に適用した例が既にもうおおっぴらに実装されているのです!

 勿論,単なる写真と異なり,ビデオ映像は容量が大きいです。しかもリアルタイムで変換しないと何のことやら分かりませんので,スピードも必要です。
  そういうのに特化したGANがTecoGAN(Temporally Coherent GANs)と言われているGANで,もともとは低精細の画像を高精細に変換するものだったらしいですね。これはコーネル大学の先生方の論文です。

 で,頭の良い人というか,必要は発明の母ということをよく分かっている人というか,そういう人が,日本のモザイク有りAVにこのTecoGANを適用したらもしかすると,Y型の彼方も見れるんじゃね?と思ったわけですね。

 で,このTecoGANを動画プレイヤーに実装(TecoGANはどっかのを使っているのでしょうけど。)したのがjavplayerってやつです。
 いやあ男の助平心って凄いですね。

 もともとのモザイクが薄くしかもそこがはっきりしたような体勢(いわゆる御開帳のビーバーショットなど)だと凄い生成力らしいですね。

 これに対しては,売れっ子の女神の方から,それってAIで生成されたニセモノマ○コですから~残念!みたいな対応も既にあったようですけど,だけど,逆に言えばそれほどの影響はあるわけです。

 助平なことにもAIにも興味のある私としては,非常に面白い話だと思いますね。

 ま,勿論,モザイクを破壊し,ニセモノマ○コを生成しても,「これに接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる」ということになるでしょうから(いわゆる江差追分事件。最高裁 平成11(受)922号,平成13年6月28日 判決),それを勝手に流通等に置けば,著作権侵害になることは明白です。

 だけど,私がそれよりも興味があるのは,こういうAIで生成されたニセモノマ○コも,「わいせつ」に該当するかどうか,です。
 最高裁の規範は昔から変わらず,「徒らに性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」というものです(例えば,四畳半襖の下張事件など)。

 この点について,モザイク付きのものは日本で正規に流通されているわけですので,「わいせつ」じゃないということになります。だったらそれに,AIで生成されたニセモノマ○コを加えて載せても,「わいせつ」じゃないということになりそうですが,頭の固いジジイとババアしか居ない最高裁がこれを「わいせつ」じゃないという判断をする可能性は,明日東京に雪が降る確率と同様でしょう。
 ま,FLMASKの例もあるし~ね。

 つーことなので,だからこそ最初に戻りますが,刑法175条は要らないわけですよ。
 いや,何かあったときに解決できるものって,もはや児童ポルノ禁止法と,リベンジポルノ対策法がありますからね,今は。
 普通の大人が様々な思惑の下,きちんと判断してやっていることについて,国家が口を出すべきことって本当少ないと思いますよ。わいせつでもいいじゃないの~,お上が口を出すことじゃないと思いますね(ホレ爾の臣民を信じなさい~ホレ信じなさい~♪)。
 
 
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理論物理学者を目指したのはもう30年以上前のこと。某メーカーでの液晶ディスプレイのエンジニアを経て,弁理土に。今は,弁護土です。次は何かな。
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